バンテアイ・スレイの女神像のデヴァターは、アンコール・ワット遺跡群のなかでピカ一だと思います。
美しい赤銅色で、彫りが深いため印象が強烈です。顔の表情も温和で、皆んな幸せそうに微笑んでいるようです。ちょっとがっかりなのは、見学ポイントから像までの距離があるので、肉眼では像の細部まで見にくいことでした。
( 遠目にしか見えないデヴァター )
私は、別のブログで紹介しましたように、その中でもトップの美しさを誇る「東洋のモナリザ」と称えられているデヴァター像を見逃してしまいました。けれども、その次に美しい女神や、ボーイッシュな雰囲気の現代感覚のデヴァター像を見ることができました。それらの女神たちを、まとめて鑑賞することにします。
( はにかみがちな伝統的な衣装のデヴァター )
( きりりとした顔つきのデヴァター )
( 笑顔が少なめのデヴァターもいました )
デヴァターは、実在の女官がモデルと言われているので、ふたつと同じ顔つきの像はありません。現役当時は、各人各様に着飾り、女の園の戦いを繰り広げながらも、優雅な暮らしをしていたのでしょう。
皆さんは、どういうタイプのデヴァターがお好みですか。
( 顔が少し崩れて表情が見にくいデヴァター )
( この像も、欠け方が激しいですが口元の笑みが感じられます )
( やや彫りが浅い女神もいます )
バンテアイ・スレイには、オーソドックスな衣装ではないデヴァターが数体あります。カラダの線が出ている衣裳をつけた上半身ヌードのボーイッシュな雰囲気です。現代人にも、そのままで通じるような美しさがありました。私は、こちらのタイプにけっこう気を奪われてしまいました。
表情から推察すると、性格もさっぱりタイプで、あっけらかんとした賢さを感じました。
( 現代風のデヴァター。すっきり美人 )
( こちらもボーイッシュですが、表情がイマイチ )
いろいろなデヴァターが、保存状態も良く残っているバンテアイ・スレイ遺跡に、是非、足を運ぶべきです。私も、ここを見物コースのひとつに選んで、とても満足しています。
デヴァターさまたち。いつまでも美しいお姿で、世界中の人々を惹きつけてください!
2020年3月記 了