ベルサイユのルイ14世陛下一歩前へ 2019年4月訪問
1 あわてる観光客
ベルサイユへ電車で来る観光客は、駅から歩いて宮殿前のアルム広場を目指します。
「あっ、ベルサイユが見えたあ!」
宮殿が視野に入ってくるパリ大通り:Avenue de Paris に到達すると、俄然、気持ちが高ぶります。
周りにも、自分たちと同じような観光客が宮殿を目指して歩いています。先を越されるのもしゃくだと、少し焦ります。
( ベルサイユ宮殿正面遠望 )
並木が途切れると、眼前にベルサイユ宮殿の威容が横幅いっぱいに広がります。
「うおー!。着いたあ」
「わあ、人がいっぱい。急がなくちゃ・・・・・・」
( 宮殿前のアルム広場手前よりベルサイユ宮殿全景 )
2 ベルサイユ遠景写真を撮ろう
しかし、ここが我慢のしどころです。
ベルサイユ宮殿が横一面に広がっている光景は、アルム広場:Place d'Armes の手前だけでしか見られません。
ルイ14世騎馬像といっしょに宮殿全景が見られるのも、アルム広場の手前の道からだけです。
気持ちを落ち着けて、ルイ14世像といっしょにベルサイユ全景を撮影しておきました。ベルサイユは、あまりにも大きいので、全景を拝むには、これくらい離れなければなりません。金ピカのゲート付近まできて、しまった、と思っても後の祭り。広場もでかいので、わざわざ写真撮るために、もときた道を引き返すことは、おおいにためらわれます。
ちなみに、観光バスで来ると、金ピカの門の近くで降りるので、ルイ14世騎馬像を通り過ぎた位置が、ベルサイユの最初の一歩の場所となります。ガイドさんの事前説明でもない限り、そもそもルイ14世騎馬像があることに気が付きません。写真でつづるベルサイユ観光物語の始まり方からして異なってしまいます。
「王様の出迎えなしで、宮殿に入るわけですね」
「そこまで、悪しざまに言うつもりは全くありません。ベルサイユ観光は、そんなことでは影響を受けません」
「それじゃ、帰りに全景を撮ろうっと」
「いやいや、疲れていて、なかなか振り返って宮殿全景を写そうとなんて気にならないんですよ」
いろいろなブログのベルサイユ全景写真をご覧ください。遠目から写したシーンは少ないはずです。
多数派の全景写真は、次の構図のはずです。白いテントで簡単なセキュリティ・チェックを受けたあとに撮影したシーンです。
( よくあるベルサイユ宮殿全景。悪くはないのですが )
3 前進するルイ14世陛下
ベルサイユ宮殿の真正面には、ルイ14世の騎馬像があり、私たち観光客を睥睨(へいげい)しています、というか、出迎えてくれます。ベルサイユの歴史を知っていると、なかなか考えた配置だなと感心します。
( ルイ14世騎馬像。後方の白いテントが簡易セキュリティ・チェック )
そして、気が急いているので、みんな、この銅像(ブロンズ像)には目もくれずにセキュリティ・チェックを目指して通り過ぎていきます。写真のとおり、ルイ14世陛下は、かなり不人気です。
「朕は国家なり!」
「あっ、そう。混んでいそうなので急ぐから、あとでね」、という感じでした。
ルイ14世の銅像を背後から見やる位置まで歩いてきたところです。左右対称の建物と大きな並木の美しい街並みが広がっています。
( ベルサイユ市街を見つめるルイ14世騎馬像 )
ところが、この銅像、30年ほどの間に前進していました。何か違うぞと感じていたのですが、古い写真を見て確認できました。
( 1990年7月のルイ14世騎馬像。金のゲートの内側にあった )
ルイ14世は、いつの間にか外側の金ピカの門を出て、アルム広場の市街地寄りまで前進していました。
ちょっとしたオカルトです。
次の新旧2枚の宮殿正面の近接写真でも、ルイ14世像の位置が変わったことが分かります。
( 新旧のベルサイユ宮殿近くの正面風景。上2019年と下1990年 )
どうして、銅像が門の外に出たのか分かりません。門の外ですと、夜も自由にアプローチできるので、いたずらされる心配だってあると思うのですが、当局の思惑は知る由もありません。
2019年7月記 了
1 あわてる観光客
ベルサイユへ電車で来る観光客は、駅から歩いて宮殿前のアルム広場を目指します。
「あっ、ベルサイユが見えたあ!」
宮殿が視野に入ってくるパリ大通り:Avenue de Paris に到達すると、俄然、気持ちが高ぶります。
周りにも、自分たちと同じような観光客が宮殿を目指して歩いています。先を越されるのもしゃくだと、少し焦ります。
( ベルサイユ宮殿正面遠望 )
並木が途切れると、眼前にベルサイユ宮殿の威容が横幅いっぱいに広がります。
「うおー!。着いたあ」
「わあ、人がいっぱい。急がなくちゃ・・・・・・」
( 宮殿前のアルム広場手前よりベルサイユ宮殿全景 )
2 ベルサイユ遠景写真を撮ろう
しかし、ここが我慢のしどころです。
ベルサイユ宮殿が横一面に広がっている光景は、アルム広場:Place d'Armes の手前だけでしか見られません。
ルイ14世騎馬像といっしょに宮殿全景が見られるのも、アルム広場の手前の道からだけです。
気持ちを落ち着けて、ルイ14世像といっしょにベルサイユ全景を撮影しておきました。ベルサイユは、あまりにも大きいので、全景を拝むには、これくらい離れなければなりません。金ピカのゲート付近まできて、しまった、と思っても後の祭り。広場もでかいので、わざわざ写真撮るために、もときた道を引き返すことは、おおいにためらわれます。
ちなみに、観光バスで来ると、金ピカの門の近くで降りるので、ルイ14世騎馬像を通り過ぎた位置が、ベルサイユの最初の一歩の場所となります。ガイドさんの事前説明でもない限り、そもそもルイ14世騎馬像があることに気が付きません。写真でつづるベルサイユ観光物語の始まり方からして異なってしまいます。
「王様の出迎えなしで、宮殿に入るわけですね」
「そこまで、悪しざまに言うつもりは全くありません。ベルサイユ観光は、そんなことでは影響を受けません」
「それじゃ、帰りに全景を撮ろうっと」
「いやいや、疲れていて、なかなか振り返って宮殿全景を写そうとなんて気にならないんですよ」
いろいろなブログのベルサイユ全景写真をご覧ください。遠目から写したシーンは少ないはずです。
多数派の全景写真は、次の構図のはずです。白いテントで簡単なセキュリティ・チェックを受けたあとに撮影したシーンです。
( よくあるベルサイユ宮殿全景。悪くはないのですが )
3 前進するルイ14世陛下
ベルサイユ宮殿の真正面には、ルイ14世の騎馬像があり、私たち観光客を睥睨(へいげい)しています、というか、出迎えてくれます。ベルサイユの歴史を知っていると、なかなか考えた配置だなと感心します。
( ルイ14世騎馬像。後方の白いテントが簡易セキュリティ・チェック )
そして、気が急いているので、みんな、この銅像(ブロンズ像)には目もくれずにセキュリティ・チェックを目指して通り過ぎていきます。写真のとおり、ルイ14世陛下は、かなり不人気です。
「朕は国家なり!」
「あっ、そう。混んでいそうなので急ぐから、あとでね」、という感じでした。
ルイ14世の銅像を背後から見やる位置まで歩いてきたところです。左右対称の建物と大きな並木の美しい街並みが広がっています。
( ベルサイユ市街を見つめるルイ14世騎馬像 )
ところが、この銅像、30年ほどの間に前進していました。何か違うぞと感じていたのですが、古い写真を見て確認できました。
( 1990年7月のルイ14世騎馬像。金のゲートの内側にあった )
ルイ14世は、いつの間にか外側の金ピカの門を出て、アルム広場の市街地寄りまで前進していました。
ちょっとしたオカルトです。
次の新旧2枚の宮殿正面の近接写真でも、ルイ14世像の位置が変わったことが分かります。
( 新旧のベルサイユ宮殿近くの正面風景。上2019年と下1990年 )
どうして、銅像が門の外に出たのか分かりません。門の外ですと、夜も自由にアプローチできるので、いたずらされる心配だってあると思うのですが、当局の思惑は知る由もありません。
2019年7月記 了