ぐるぐるロトンダ交差点   2018年3月、9月

ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアなどには、周回式の交差点が大小いっぱいあります。

イタリア語とスペイン語では、ロトンダ:Rotonda。
フランス語では、ロン・ポワン:Rond Point。
英語では、ラウンド・アバウト:Round About。

日本語では、まだ、定まった呼び方がありません。私は、周回式交差点と書いています。ちょっと、法律用語みたいな固い感じがしますから「丸い交差点」なんて、いかがでしょうか。”ロトンダ”の語感に近い発想になってしまいました。

日本では、当局は、ロトンダを「さあ、これから」という感じで普及させようとしていますが、この先、どうなるのでしょう。

屁理屈こねる前に、まずは体験です。

IMG_2822
( ミラノ市内の典型的なロトンダ。交通標識もばっちり )

電道イタリア道路セストSGロトンダ
( ミラノ郊外の団地入口のロトンダ。片側2車線道路 )

ミラノにも、ロトンダはいっぱいあります。地区の中心となっている広場から、ちょっとした交差点まで、大小のロトンダがあります。

いつもクルマは、ぐるっと回って自分の目指す方向へ走りぬけます。片側1車線か2車線の道路ですと、信号待ちや割り込み、幅寄せもなく、するすると交差点を走りぬけていく気分です。

ロトンダコンチリアツォーネ広場
( ミラノ、コンチリアツォーネ駅前の広場も大ロトンダ )

けれども、あまりに巨大な交差点になると、ロトンダを作っても、信号機を設置してクルマの流入をコントロールしないと、流れが、すっちゃかめっちゃかになるようです。別に、ミラネーゼのドライビング・テクニックが勝手気ままなのではなく、道路構造上、混沌としてしまいます。

ロトンダピエモンテ広場
( ミラノ、ピエモンテ広場は、信号機付きの巨大なロトンダ )

少し長めに観察した体験によりますと、①そこそこの広い道、②あまり多くないクルマの量、③統一感のある周囲の建物、④小ぎれいな植え込み、の4つのポイントが揃うと、美しく整い、かつクルマの流れもスムーズなロトンダ風景が展開するように思います。

ロトンダMチェーザレ広場
( シティライフ・ミラノが見える広々とした美しいロトンダ )

ちっちゃなロトンダは、なんかせせこましく感じます。信号機の数を減らすために、何でもかんでもロトンダを作ればいいと言うものではなさそうです。

ロトンダSジョバンニV家の前
( マンション街の小さなロトンダ。少し窮屈な感じ )

我が家の近くにも丸い交差点がありますが、そこだけ空間が広くなるので、街並みに開放感が出ます。ロトンダ、あるいはラウンド・アバウトを上手く取り込んで、新しいスタイルの街づくりを日本でも考えつくといいなあ、と思いました。


2019年4月  記                     了