バンテアイ・スレイのリンガをなでたい 2019年10月訪問
バンテアイ・スレイ遺跡は、アンコールワット遺跡群の中ではトップ5くらいにランクインする人気遺跡です。クルマやトゥクトゥクで1時間もかかるのに、見物人の姿が絶えません。そして、個人客の割合が多いです。ツアーを組むような方々の多くは、駆け足観光なので、旅行会社もバンテアイ・スレイまで足を伸ばす企画を考えないのでしょう。
( バンテアイ・スレイの玄関口と、実際の遺跡入口 )
私は、とてもきれいに屋根掛けされたインフォメーションセンターを通過し、奥へ歩いて行き、小屋掛けした改札ポイントをとおり、本当の遺跡正面へ歩いて行きました。だいたい5分くらいの距離です。
バンテアイ・スレイは、周りの木々が大きいこともあり、平屋の小さな、けれども品のある色合いやたたずまいをした遺跡です。
順路に沿って奥へ向かい、一つ目の門をくぐると、リンガ彫刻が両脇にずらりと並んだ参道に出ました。
「わお、これぞヒンズー魂だあ」
「リンガいっぱい、世俗のムード、ムンムンだあ」
という感じです。
( バンテアイ・スレイ山門と奥の方に小さく見える本堂 )
ヒンズー教は、男根崇拝の上に、世俗の欲望を素直に表現する宗教だと思います。ですから、リンガも実に堂々としています。寺院が現役時代は、聖なるリンガにさわってはいけなかったのかも知れません。遺跡となっても、これ以上の摩耗や風化を防ぐために、さわってはいけないようです。
けれども。ここまで、リンガ、リンガ・・・・・・、と並ぶと、脳裏にその光景が焼き付いてしまいました。
( 表参道に整然と並んだリンガ )
思わず、なでなでしたり、口に入れたくなりませんか。コーンのアイスとかを頬張るように。
( リンガいっぱいの参道の振返り )
リンガは、デヴァター像の上半身のように黒光りしていないので、往時もあまりさわられることは少なかったのではないかと想像しています。
「それに、いっぱいあって、ほとんど同じ形なので飽きるのですよ」、という感じです。
リンガの林立する参道を越えると、お濠の向こうに美しい赤銅色の本堂が見えてきました。
そちらに気を取られたので、リンガのことは、きっぱりと脳裏から去りました。
「現金なものですねえ」
( バンテアイ・スレイ本堂遠望 )
バンテアイ・スレイ本堂は、品のある美しさを保っています。そして、レリーフの彫りが、他の遺跡に比べて深いために陰影が出やすいので、全体がくっきり、すっきりとした印象です。
( 彫りが深いレリーフがいっぱいのバンテアイ・スレイ本堂正面 )
( 真っ青な空に映える海老茶色のバンテアイスレイ本堂の塔 )
それでも、本堂の裏手に周って塔の上を見上げると、深く刻まれたレリーフが少し苔むしているのが目に入りました。500年以上、放置されて豪雨に打たれ、灼熱の太陽に照らされていれば、このくらいは仕方がないことでしょう。
「腐っても鯛」、「美人は百歳までも美人」、という語句が脳裏に浮かびました。
2020年3月記 了
バンテアイ・スレイ遺跡は、アンコールワット遺跡群の中ではトップ5くらいにランクインする人気遺跡です。クルマやトゥクトゥクで1時間もかかるのに、見物人の姿が絶えません。そして、個人客の割合が多いです。ツアーを組むような方々の多くは、駆け足観光なので、旅行会社もバンテアイ・スレイまで足を伸ばす企画を考えないのでしょう。
( バンテアイ・スレイの玄関口と、実際の遺跡入口 )
私は、とてもきれいに屋根掛けされたインフォメーションセンターを通過し、奥へ歩いて行き、小屋掛けした改札ポイントをとおり、本当の遺跡正面へ歩いて行きました。だいたい5分くらいの距離です。
バンテアイ・スレイは、周りの木々が大きいこともあり、平屋の小さな、けれども品のある色合いやたたずまいをした遺跡です。
順路に沿って奥へ向かい、一つ目の門をくぐると、リンガ彫刻が両脇にずらりと並んだ参道に出ました。
「わお、これぞヒンズー魂だあ」
「リンガいっぱい、世俗のムード、ムンムンだあ」
という感じです。
( バンテアイ・スレイ山門と奥の方に小さく見える本堂 )
ヒンズー教は、男根崇拝の上に、世俗の欲望を素直に表現する宗教だと思います。ですから、リンガも実に堂々としています。寺院が現役時代は、聖なるリンガにさわってはいけなかったのかも知れません。遺跡となっても、これ以上の摩耗や風化を防ぐために、さわってはいけないようです。
けれども。ここまで、リンガ、リンガ・・・・・・、と並ぶと、脳裏にその光景が焼き付いてしまいました。
( 表参道に整然と並んだリンガ )
思わず、なでなでしたり、口に入れたくなりませんか。コーンのアイスとかを頬張るように。
( リンガいっぱいの参道の振返り )
リンガは、デヴァター像の上半身のように黒光りしていないので、往時もあまりさわられることは少なかったのではないかと想像しています。
「それに、いっぱいあって、ほとんど同じ形なので飽きるのですよ」、という感じです。
リンガの林立する参道を越えると、お濠の向こうに美しい赤銅色の本堂が見えてきました。
そちらに気を取られたので、リンガのことは、きっぱりと脳裏から去りました。
「現金なものですねえ」
( バンテアイ・スレイ本堂遠望 )
バンテアイ・スレイ本堂は、品のある美しさを保っています。そして、レリーフの彫りが、他の遺跡に比べて深いために陰影が出やすいので、全体がくっきり、すっきりとした印象です。
( 彫りが深いレリーフがいっぱいのバンテアイ・スレイ本堂正面 )
( 真っ青な空に映える海老茶色のバンテアイスレイ本堂の塔 )
それでも、本堂の裏手に周って塔の上を見上げると、深く刻まれたレリーフが少し苔むしているのが目に入りました。500年以上、放置されて豪雨に打たれ、灼熱の太陽に照らされていれば、このくらいは仕方がないことでしょう。
「腐っても鯛」、「美人は百歳までも美人」、という語句が脳裏に浮かびました。
2020年3月記 了