ビルバオのメトロとノーマン・フォスター 2022年11月記
日本人のビルバオ観光と言えば、1にグッグアイム(グッゲンハイム)美術館、2にビスカヤ橋、3は有名バルめぐりが定番でしょう。
もう少しチェックポイントを広げてみませんか。ビスカヤ橋の往復で利用したメトロも実は観光の要のひとつです。グッゲンハイム美術館開館に先立つ1995年に第一期分が完成しました。全体のコンセプトは、イギリス人のノーマン・フォスターさんが手がけました。フォスター氏は1936年生まれで2022年現在存命中。男爵称号を授けられた現代を代表する有名な建築家だそうです。氏の委細はwikipediaや物知り博士様のブログに情報満載です。
実は、私もメトロ・ビルバオに乗るまで、氏のことは全く知りませんでした。
(モユア駅の改札外地下通路にあるフォスター氏のサイン入りモニュメント)
(観光客利用も多いモユア駅出入口のひとつ)
ノーマン・フォスターさんのサインのコピー入り記念パネルがモユア駅の通路にはめ込んであります。お気づきの方も少なからずいますが、通り過ぎた方はモユア駅の様子を思い出していただき、これからビルバオ観光予定の方も、ほんの10秒くらい足を止めてほしいです。
メトロ・ビルバオ全体は、駅や電車などを含めてトータルデザインされています。ゼロからメトロを作り上げたため、既存システムを改廃するための制約がなかった点は有利な条件だったでしょう。その代わり、人口100万人程度の都市圏で巨額のメトロ建設費を投じた割には利用客がさっぴり伸びず、失敗プロジェクトの典型例となり兼ねないリスクを背負っていたことを忘れてはいけません。
(地下区間の駅は、ほぼ同一デザイン)
鉄道サービスに注目するとき、日本のように、「かの有名な『水戸岡鋭治さん』デザインの車両」という風にピンポイントで話題を絞ってしまうとメトロ・ビルバオのユニークさに気づきにくくなります。撮り鉄、乗り鉄のような縦割りの視点で観察すると、どのジャンルにも当てはまりません。知名度の低い中規模都市にもメトロが走っている程度の感覚になりがちで、鉄道ファンの記憶にも残らないようです。一般の観光客になると尚更で、他人様のレポートを読んで「ふむふむ、ガラスドーム状の出入口がメトロの名物なんだ」と早合点してしまうのは寂しい限りです。
(記憶に残るガラス張ドーム状のメトロ出入口)
「もう少し、自分自身の目でメトロ観察をしてみましょう」
ビルバオ市自身が、鉄と造船の街から、アートと食などの街に生まれ変わろうとしたとき、ジャンルを問わずに新進気鋭でユニークなデザインを徹底的に採用したことを感じるはずです。評価は分かれていたかも知れませんが、それなりの有名建築家を起用しましたから、デザイン料だって少額ではなかったはずです。
(メトロの地下区間の駅構造も同一パターンですっきり)
(地上区間の駅と電車。アルゴルタ駅にて)
(バリクカードとメトロ利用案内)
ICカードのバリクカード利用の場合、運賃はキップの3割から5割引きくらいです。メトロは、たとえキップで全線乗り通しても片道4ユーロくらいの安くて便利な公共交通機関です。昼間の都心部では4、5分間隔で電車が走っていますから、時刻表いらずでメトロ体験ができます。21世紀のビルバオの第4のポイント体験を忘れずに実行してましょう。
了
日本人のビルバオ観光と言えば、1にグッグアイム(グッゲンハイム)美術館、2にビスカヤ橋、3は有名バルめぐりが定番でしょう。
もう少しチェックポイントを広げてみませんか。ビスカヤ橋の往復で利用したメトロも実は観光の要のひとつです。グッゲンハイム美術館開館に先立つ1995年に第一期分が完成しました。全体のコンセプトは、イギリス人のノーマン・フォスターさんが手がけました。フォスター氏は1936年生まれで2022年現在存命中。男爵称号を授けられた現代を代表する有名な建築家だそうです。氏の委細はwikipediaや物知り博士様のブログに情報満載です。
実は、私もメトロ・ビルバオに乗るまで、氏のことは全く知りませんでした。
(モユア駅の改札外地下通路にあるフォスター氏のサイン入りモニュメント)
(観光客利用も多いモユア駅出入口のひとつ)
ノーマン・フォスターさんのサインのコピー入り記念パネルがモユア駅の通路にはめ込んであります。お気づきの方も少なからずいますが、通り過ぎた方はモユア駅の様子を思い出していただき、これからビルバオ観光予定の方も、ほんの10秒くらい足を止めてほしいです。
メトロ・ビルバオ全体は、駅や電車などを含めてトータルデザインされています。ゼロからメトロを作り上げたため、既存システムを改廃するための制約がなかった点は有利な条件だったでしょう。その代わり、人口100万人程度の都市圏で巨額のメトロ建設費を投じた割には利用客がさっぴり伸びず、失敗プロジェクトの典型例となり兼ねないリスクを背負っていたことを忘れてはいけません。
(地下区間の駅は、ほぼ同一デザイン)
鉄道サービスに注目するとき、日本のように、「かの有名な『水戸岡鋭治さん』デザインの車両」という風にピンポイントで話題を絞ってしまうとメトロ・ビルバオのユニークさに気づきにくくなります。撮り鉄、乗り鉄のような縦割りの視点で観察すると、どのジャンルにも当てはまりません。知名度の低い中規模都市にもメトロが走っている程度の感覚になりがちで、鉄道ファンの記憶にも残らないようです。一般の観光客になると尚更で、他人様のレポートを読んで「ふむふむ、ガラスドーム状の出入口がメトロの名物なんだ」と早合点してしまうのは寂しい限りです。
(記憶に残るガラス張ドーム状のメトロ出入口)
「もう少し、自分自身の目でメトロ観察をしてみましょう」
ビルバオ市自身が、鉄と造船の街から、アートと食などの街に生まれ変わろうとしたとき、ジャンルを問わずに新進気鋭でユニークなデザインを徹底的に採用したことを感じるはずです。評価は分かれていたかも知れませんが、それなりの有名建築家を起用しましたから、デザイン料だって少額ではなかったはずです。
(メトロの地下区間の駅構造も同一パターンですっきり)
(地上区間の駅と電車。アルゴルタ駅にて)
(バリクカードとメトロ利用案内)
ICカードのバリクカード利用の場合、運賃はキップの3割から5割引きくらいです。メトロは、たとえキップで全線乗り通しても片道4ユーロくらいの安くて便利な公共交通機関です。昼間の都心部では4、5分間隔で電車が走っていますから、時刻表いらずでメトロ体験ができます。21世紀のビルバオの第4のポイント体験を忘れずに実行してましょう。
了