シチリアのシンボル、トリナクリアを探す 2018年9月訪問
( トリナクリアに魅入られて )
トリナクリア:Trinacria は、シチリアのシンボルであることを、3月の旅で知りました。ミラノのシチリア菓子チェーン店、ブッチリアの店先で、シュールな三本足マークに魅入られたのです。
「今さら、気づいたのかよお」という、シチリア・ファンの方の罵声が聞こえてきそうです。
( ブッチリアのトリナクリアのマーク )
人の足だけが三本、巴(ともえ)のように、放射状に生えている構図は、ユニークであり、グロテスクでもあります。
普通の人間は、あるべきものがないのを見ると、魅入られるか、嫌悪感を感じるものですと、ある方に諭されたことがあります。ミロのヴィーナスなどは前者の代表でしょう。トリナクリアについても、私は、前者だったようです。
トリナクリアの、かわいくもあり、人を食ったようでもあり、不気味でもある三本足が、ずうっと、脳裏に焼きついています。
( ちょっと不気味な、モノクロのトリナクリアとメドゥーサ )
皆様のブログや、観光案内で、しばしば登場するのは、トリナクリアの真ん中にメドゥーサ(メドゥーザ):Medusa という、女神の顔をくっつけた、トリナクリアです。
( 典型的なトリナクリアとメドゥーサの組み合わせ )
これも、十分にシュールか、きもい、です。
各種解説によると、トリナクリアは、シチリア島の形の特色を成す3つの岬を表わし、メドゥーサは、かつてのシチリアの豊かさを表わしているようです。また、異説も、それなりにあるようです。
アカデミックなことはさておき、シチリア旅行では、いろいろなトリナクリアを探すことにしました。
( へびのメドゥーサは嫌い )
はっきり言って、ヘビの髪の毛をしたメドゥーサは、嫌いです。ヘビが嫌いだからです。
もちろん、ギリシャ神話上のメドゥーサは、ヘビの髪をして、目を合わす者を石に変えてしまう、恐ろしい女神であることは承知の上です。ヨーロッパ系の人たちは、子供の頃から、そういうメドゥーサ像を生活感覚で覚え込まされているので、そんなものかと思っているようです。
( 怖そうな顔のヘビ髪のメドゥーサとトリナクリア )
( かわいい感があっても、ヘビ髪のメドゥーサ付きトリナクリアのマグネット)
けれども、陽光がいっぱいで、食も豊かなシチリアのシンボルが、恐ろし気な女神というのも変な感じ。ギリシャ文明で、ヘビが医学のシンボルでもあったことを割り引いて考えても、女神さまから、にょろにょろ、はいい気がしません。
そういうことを感じた方は、他にもいらっしゃたらしいことも分かりました。
シチリア州旗にあしらわれたメドゥーサは、とても女神っぽくなっていました。
( シチリア州旗に配されたメドゥーサとトリナクリア )
メドゥーサの髪の毛は、小麦の穂ですし、表情も穏やかです。にょろにょろ、はなくなった上、天使の羽根みたいなものも付いています。
しかし!
今度は、トリナクリアの足に、すね毛が生えてきて、シュール過ぎる艶めかしさとなりました。
それをトリミングしたデザインも見っけ。
( すっきり足のトリナクリアで、ヘビ髪でないが能面のメドゥーサ )
今度は、メドゥーサが能面のようで、女神の魅力がそがれています。
また、足の向きも反転。
千差万別のトリナクリア、メドゥーサがあることも、現地ならではの体験でした。
最低限のポイントさえ押さえれば、あとは、お好きなデザインで、という、おおらかな雰囲気が読み取れた点は、大いに満足です。
( 刺青入りのトリナクリアと緑へび髪のメドゥーサ )
そして、私好みのトリナクリアとメドゥーサは、ないものかなあと思っていました。
( シクラメンテのトリナクリア )
私の求めるトリナクリア像に一番近かったのは、シクラメンテ:Sicuramente、というTシャツ、バック類を売っているお店で見つけた、モダンなトリナクリアでした。
( シクラメンテのTシャツのトリナクリア )
ダンスをしているようなトリナクリアで、グロテスク感もなく、軽快な感じです。メドゥーサはいません。
モノトーンな色合いも、気に入りました。
シクラメンテは、ここ20年ばかりの間にシチリア島内で人気が出た、カジュアルなムードのブティックだそうです。”シチリア”、をキーワードにしているので、島外にお店はありません。その代わり、主要観光地の目立つ場所にお店を出しています。
( シクラメンテ:Sicuramente、シラクーザ・オルティージャ店 )
お店のロゴも、シンプルなトリナクリアで、とても印象的でした。
( シクラメンテの記念カード(上段) )
( ヘビのないトリナクリアの土産物店。モディカ市内)
お買い物といっしょにもらった、シクラメンテの記念カードも、あっさり系のトリナクリア・デザインで、私好みでした。下に写っている絵ハガキのトリナクリアは、州政府公認の図柄。ここには、ヘビはいません。
また、モディカのお土産屋さんの店頭にあったトリナクリアも、カラフルな足だけのデザイン。とっても嬉しい、トリナクリアやメドゥーサの図柄を目にすることができました。
こんなトリナクリアやメドゥーサが、これからも増えますように。
2018年10月記 了
( トリナクリアに魅入られて )
トリナクリア:Trinacria は、シチリアのシンボルであることを、3月の旅で知りました。ミラノのシチリア菓子チェーン店、ブッチリアの店先で、シュールな三本足マークに魅入られたのです。
「今さら、気づいたのかよお」という、シチリア・ファンの方の罵声が聞こえてきそうです。
( ブッチリアのトリナクリアのマーク )
人の足だけが三本、巴(ともえ)のように、放射状に生えている構図は、ユニークであり、グロテスクでもあります。
普通の人間は、あるべきものがないのを見ると、魅入られるか、嫌悪感を感じるものですと、ある方に諭されたことがあります。ミロのヴィーナスなどは前者の代表でしょう。トリナクリアについても、私は、前者だったようです。
トリナクリアの、かわいくもあり、人を食ったようでもあり、不気味でもある三本足が、ずうっと、脳裏に焼きついています。
( ちょっと不気味な、モノクロのトリナクリアとメドゥーサ )
皆様のブログや、観光案内で、しばしば登場するのは、トリナクリアの真ん中にメドゥーサ(メドゥーザ):Medusa という、女神の顔をくっつけた、トリナクリアです。
( 典型的なトリナクリアとメドゥーサの組み合わせ )
これも、十分にシュールか、きもい、です。
各種解説によると、トリナクリアは、シチリア島の形の特色を成す3つの岬を表わし、メドゥーサは、かつてのシチリアの豊かさを表わしているようです。また、異説も、それなりにあるようです。
アカデミックなことはさておき、シチリア旅行では、いろいろなトリナクリアを探すことにしました。
( へびのメドゥーサは嫌い )
はっきり言って、ヘビの髪の毛をしたメドゥーサは、嫌いです。ヘビが嫌いだからです。
もちろん、ギリシャ神話上のメドゥーサは、ヘビの髪をして、目を合わす者を石に変えてしまう、恐ろしい女神であることは承知の上です。ヨーロッパ系の人たちは、子供の頃から、そういうメドゥーサ像を生活感覚で覚え込まされているので、そんなものかと思っているようです。
( 怖そうな顔のヘビ髪のメドゥーサとトリナクリア )
( かわいい感があっても、ヘビ髪のメドゥーサ付きトリナクリアのマグネット)
けれども、陽光がいっぱいで、食も豊かなシチリアのシンボルが、恐ろし気な女神というのも変な感じ。ギリシャ文明で、ヘビが医学のシンボルでもあったことを割り引いて考えても、女神さまから、にょろにょろ、はいい気がしません。
そういうことを感じた方は、他にもいらっしゃたらしいことも分かりました。
シチリア州旗にあしらわれたメドゥーサは、とても女神っぽくなっていました。
( シチリア州旗に配されたメドゥーサとトリナクリア )
メドゥーサの髪の毛は、小麦の穂ですし、表情も穏やかです。にょろにょろ、はなくなった上、天使の羽根みたいなものも付いています。
しかし!
今度は、トリナクリアの足に、すね毛が生えてきて、シュール過ぎる艶めかしさとなりました。
それをトリミングしたデザインも見っけ。
( すっきり足のトリナクリアで、ヘビ髪でないが能面のメドゥーサ )
今度は、メドゥーサが能面のようで、女神の魅力がそがれています。
また、足の向きも反転。
千差万別のトリナクリア、メドゥーサがあることも、現地ならではの体験でした。
最低限のポイントさえ押さえれば、あとは、お好きなデザインで、という、おおらかな雰囲気が読み取れた点は、大いに満足です。
( 刺青入りのトリナクリアと緑へび髪のメドゥーサ )
そして、私好みのトリナクリアとメドゥーサは、ないものかなあと思っていました。
( シクラメンテのトリナクリア )
私の求めるトリナクリア像に一番近かったのは、シクラメンテ:Sicuramente、というTシャツ、バック類を売っているお店で見つけた、モダンなトリナクリアでした。
( シクラメンテのTシャツのトリナクリア )
ダンスをしているようなトリナクリアで、グロテスク感もなく、軽快な感じです。メドゥーサはいません。
モノトーンな色合いも、気に入りました。
シクラメンテは、ここ20年ばかりの間にシチリア島内で人気が出た、カジュアルなムードのブティックだそうです。”シチリア”、をキーワードにしているので、島外にお店はありません。その代わり、主要観光地の目立つ場所にお店を出しています。
( シクラメンテ:Sicuramente、シラクーザ・オルティージャ店 )
お店のロゴも、シンプルなトリナクリアで、とても印象的でした。
( シクラメンテの記念カード(上段) )
( ヘビのないトリナクリアの土産物店。モディカ市内)
お買い物といっしょにもらった、シクラメンテの記念カードも、あっさり系のトリナクリア・デザインで、私好みでした。下に写っている絵ハガキのトリナクリアは、州政府公認の図柄。ここには、ヘビはいません。
また、モディカのお土産屋さんの店頭にあったトリナクリアも、カラフルな足だけのデザイン。とっても嬉しい、トリナクリアやメドゥーサの図柄を目にすることができました。
こんなトリナクリアやメドゥーサが、これからも増えますように。
2018年10月記 了