モンサンミシェルの賑わいとお土産 2019年4月訪問
1 大賑わいのグランド・リュこそモンサンミシェル風景
モンサンミシェル観光は、まさに初詣気分です。
人混みでごった返すグランド・リュ: Grande Rue で飲み食いしたり、お土産の品定めで、こちらの店、あちらの店と動き回れるのは、大観光地ならではのことです。「有名観光地は、こうでなくっちゃ」という雰囲気抜群です。
モンサンミシェル島内に入った瞬間から、通りの人口密度が急に高くなります。グランド・リュは"大通り"の意味ですが、江の島の参道よろしく一本道の狭い通りなので、観光客どうしの距離が急接近します。
それでも、超有名店「ラ・メール・プーラール」本店前は、道がふくらんでいるので、まあまあ人通りが多いなと感じる程度でした。
( ラメールプーラール本店前の人通り)
それが、「王の門」をくぐると一転。グランド・リュの道幅が3メートルくらいに狭くなります。私たち観光客も、ぐっと圧縮されて、イモを洗うがごとくになります。
( グランド・リュの道幅が狭くなる付近 )
シーズン始まりの4月の平日の午後3時過ぎですが、押すな押すなで、かき分けかき分けグランド・リュを進みます。
まさに、人気寺社の初詣気分。どの店が、どこにあるやら。気が急いて前に進むことしか頭になくなります。
頭上にぶらさがる、色とりどりの看板が、いかにも歴史的大観光地の雰囲気に華を添えています。
( 大混雑のグランド・リュの昼下がり )
( ぽっかり人混みが空いたグランド・リュ )
でも、この大混雑こそ、モンサンミッシェル繁栄の真骨頂のような気がします。宗派を問わずに世界中から観光客が押し寄せたモンサンミッシェルの賑わいは、平和の象徴のひとつでしょう。
モンサンミシェルは日本人比率が多いとブログなどに書いてあります。私たちが体験した限りでは1割くらい。日本人以上に中国人が闊歩していましたし、韓国人も日本人と同じくらい歩いていました。日本人の多くは、パリ発着の日帰りツアーで来るので、日本人遭遇率は、時間帯や、お店によるのかも知れません。
2 土産物店を渡り歩く楽しさ
モンサンミシェルのような初詣型観光地に来たからには、土産物店めぐりは必須です。大方のマダムの楽しみでもあります。また、最低でも「モンサンミシェルに行ってきました」土産を買わないと、日本人観光客として合格レベルに達しません。
我が家は「泊まり」でしたので、修道院見物を終えたあとの午後5時前から6時過ぎにかけて、土産物店を行きつ戻りつしました。
( 有名店ラメールプーラールの物販店 )
まず見たのが、ラメールプーラールのお菓子屋さん。サブレやクッキーが山積みされ、お店の前も中も、真っ赤っ赤でした。
しかし、これらはパリでも買えるので、ここではパス。実際にパリのスーパーマーケットで、どっさり買い込みました。何か違うのかも知れませんが、素人が見た限りでは、パリ価格はモンサンミッシェル価格の6掛けくらいでした。
( ラメールプーラール社のサブレやクッキー )
たとえ話で表現すると、「京都の生八つ橋を、都内のスーパーで買うと、現地より安い」という感覚。とても不思議です。
「私は、このサブレをモンサンミシェルの本店で買った」ということに、大いに意義があるのではないかと思うしかありません。
( ずらりと並ぶモンサンミシェル土産 )
グランド・リュ沿いにぎっしりと並ぶお土産屋さんには、いろいろな品が所狭しと置いてあります。どの店も、基本的な品揃えは同じですが、やっぱり得意不得意があります。小物系が多いとか、子供の気をひくおもちゃの騎士の衣裳が店頭に出ているとか、ゆっくり見ていると、とても面白いです。
3 日本人を狙え
別のアプローチで、日本人の注意を惹こうという店もありました。
何と、「NHKの番組で放送されました」と、誇らしげに日本語のメッセージを貼ってある土産店があるのです。それだけ、日本人が多いということなんだと感慨もひとしおでした。
我が子は、「それが、どうした。意味ねえ・・・・・」と、あきれ顔でした。
それでも、「日本人を意識した店って何が置いてあるんだろう」と、思って入店しましたが、特に変わったことはないと感じました。「コンニチワ」などと、声を掛けられることもありませんでした。
( 日本語のPRを出している土産店 )
日本人客とは無関係ですが、店内の左にならんでいるレプリカの武器もお土産としては手頃なような気がします。
私たちはグランド・リュを2往復くらいして、お土産を物色しました。
我が子と私は、スノードームやミニ・グラス目当てです。その一方、マダムは、ゲランド塩の瓶詰やエコ・バック、Tシャツなんかを見ていたようです。
( モンサンミシェルの典型的な土産店風景 )
お土産の値段は、ほぼ、横一線ですが、坂道の上の方の店の値付けが、わずかに安い感じです。マグカップ1個あたり0.1ユーロ安いとか、そんなレベルです。同じ品物をまとめ買いすると値引きするかどうかは不明です。中国人の方が、こういうことは得意ですので、体験談を読める方がいたら教えてほしいです。
( グランド・リュの坂の上部の土産店。わずかに安い )
4 モンサンミシェル土産いろいろ
典型的なモンサンミシェル土産を紹介します。
まず、私の狙ったスノードーム。立体的な建物や光景だと、スノードームは映えます。メイド・イン・チャイナは仕方ないですね。
お値段は、特大25ユーロ、大15ユーロ、中10ユーロ、小7ユーロくらいです。
( スノードーム。Made in PRC )
続いて、マグカップと、ミニ・グラス。原産地表示がないのですが、おそらくMade in PRCでしょう。
いまや、世界中の大観光地の定番のお土産は、こういう状況なのでしょう。あきらめムードが先行します。
( マグ。多分、Made in PRC )
せっかくなので、と思って買ってしまった定番のお土産。学生旅行のときは、よほどのことがない限り、お土産を買ったことがありません。寄る年波にも勝てず、です。
( モンサンミシェル・マークのゲランドの塩 )
マダムが気に入った、ご当地産のゲランドの塩の瓶。モンサンミッシェルのイラストが入っているのがポイントだそうです。誰にあげたのかな?
みんな思い思いにお土産を買い終えてホテルに戻ってきました。
修道院の閉館時間の午後6時を過ぎると、グランド・リュから、たちまち人の気配がなくなりました。土産物店も、間髪を置かずに閉店し始めます。
午後6時半になるころには、グランド・リュにも閑古鳥が鳴いていました。
この時間に、通りをうろついているのは、宿泊客か、モンサンミシェル命(いのち)の観光客くらいです。
( 午後6時半ごろのグランド・リュ )
5 朝ぼらけのグランド・リュ
朝7時過ぎのラメールプーラール本店前は人っ子一人見当たらず、今日の分の食材などが入ったカートが置かれていました。聖なるテーマパーク「モンサンミシェル」の人気店の舞台準備を、ちらりとのぞいたような気分でした。
( 朝のラメールプーラール本店とホテル前 )
あと1時間もすれば、本土から続々と観光客がやってくるに違いありません。島内に宿泊した観光客のちょっとしたプレミア風景でした。
2019年6月記 了