パリの橋 5 セーヌを渡ってオステルリッツ駅 2021年3月記
地下鉄と大河は相性が悪いようです。
20世紀スタイルの地下鉄は、大きな川を橋で跨ぐケースが多いです。
パリのメトロ5号線のオステルリッツ駅(アウステルリッツ)も地上2階にあります。東に向かう電車に乗ると、駅を出て3秒後にはセーヌ川の上にいます。
( メトロ5号線セーヌ川橋梁から眺めた上流方向 )
オステルリッツ駅の対岸地区は、1980年代には現代的なビル街になっていました。1990年代になると、ビル街の川沿いの再開発が進み、ベルシー地区に新たなショッピングモールができました。パリ市内にモダンなショッピングモールなんてありませんから、できてほやほやの頃の週末は大賑わいでした。
( 高架線でオステルリッツ駅に入るメトロ5号線 )
メトロ5号線は、なんと、セーヌ川を渡った次の駅はリヨン駅ではありません。線路が急カーブ、急こう配で地下に潜るため、リヨン駅をかすめるように走るのです。アウステルリッツ駅とリヨン駅の間で長距離列車を乗り継ごうとする旅行者は、重い荷物を引きづってセーヌ川を渡るか短距離タクシー移動です。そんな旅行者が多いはずはないのですが、「パリのメトロと国鉄の連携って悪いな」と感じた記憶が残っています。
( セーヌ川を鉄橋で跨ぐメトロ5号線。1988年ごろ )
昔のメトロには1等車が連結されていました。編成中央の黄色っぽい色の車両です。座席や内部は2等車とほぼ同じですが、運賃が高い分だけ空いていました。車掌さんの1等キップチェックがあるわけではないので、1990年代半ばには廃止されました。
これを、ヨーロッパの階級社会のゆっくりとした崩壊過程のひとつと見るのか、単に時勢の変化によるサービスの変遷なのかは識者により言い分が違うような気がします。
何事に対しても不感症にならず、そういう議論をする姿勢がとっても大事なんだ、と私は思います。
了
地下鉄と大河は相性が悪いようです。
20世紀スタイルの地下鉄は、大きな川を橋で跨ぐケースが多いです。
パリのメトロ5号線のオステルリッツ駅(アウステルリッツ)も地上2階にあります。東に向かう電車に乗ると、駅を出て3秒後にはセーヌ川の上にいます。
( メトロ5号線セーヌ川橋梁から眺めた上流方向 )
オステルリッツ駅の対岸地区は、1980年代には現代的なビル街になっていました。1990年代になると、ビル街の川沿いの再開発が進み、ベルシー地区に新たなショッピングモールができました。パリ市内にモダンなショッピングモールなんてありませんから、できてほやほやの頃の週末は大賑わいでした。
( 高架線でオステルリッツ駅に入るメトロ5号線 )
メトロ5号線は、なんと、セーヌ川を渡った次の駅はリヨン駅ではありません。線路が急カーブ、急こう配で地下に潜るため、リヨン駅をかすめるように走るのです。アウステルリッツ駅とリヨン駅の間で長距離列車を乗り継ごうとする旅行者は、重い荷物を引きづってセーヌ川を渡るか短距離タクシー移動です。そんな旅行者が多いはずはないのですが、「パリのメトロと国鉄の連携って悪いな」と感じた記憶が残っています。
( セーヌ川を鉄橋で跨ぐメトロ5号線。1988年ごろ )
昔のメトロには1等車が連結されていました。編成中央の黄色っぽい色の車両です。座席や内部は2等車とほぼ同じですが、運賃が高い分だけ空いていました。車掌さんの1等キップチェックがあるわけではないので、1990年代半ばには廃止されました。
これを、ヨーロッパの階級社会のゆっくりとした崩壊過程のひとつと見るのか、単に時勢の変化によるサービスの変遷なのかは識者により言い分が違うような気がします。
何事に対しても不感症にならず、そういう議論をする姿勢がとっても大事なんだ、と私は思います。
了