やまぶきシニアトラベラー

気まぐれシニア・トラベラーの旅。あの日から、いつか来る日まで、かつ、めぐりて、かつ、とどまる旅をします。

ミラノ市電と郊外電車

ミラノ市電4900形なつかしの連接車

ミラノ市電4900形なつかしの連接車     2018年3月、9月訪問

ミラノ市電にも連接車がたくさん走っています。たくさんどころか、連接車比率が3分の2くらいです。

日本では、市電でもバスでも連接車は珍しい存在なので、日本人にはレアな見世物です。

ミラノ市電の旧型式の連接車は、やや古い感じのする4600形、4700形と、1970年代に登場した4800形、4900形です。4600形グループは連接車、4900形グループは3連接車です。どちらも実用一点張りの車両です。

電Tミラノドゥオーモ南にて (2)
( ダンテ通りを走る4600形広告塗装車 )

はっきり言って、お洒落シティ、ミラノのイメージからすると、多少、野暮ったいデザインです。都心部で見かけても、「おおっ」と、のけぞるほど斬新な外観でもないし、窓なども平凡なデザインです。

電Tミラノ4700形ブレッラ付近201803 (1)
( のっそりした感じの4700形 )

やや古びた連接車が、節をつけて2両か3両編成で、くねくねと街中を走っている姿は、けっこうユーモラスです。いもむしが、曲がった木の枝を這っているような感じもします。

けれども、だんだんミラノに慣れてくると、この、のそのそ感に妙な温かみを感じます。まじめにコツコツ暮らすミラネーゼ気分が出ているな、と思うのです。

電Tミラノのトリノ通3系統4700形
( トリノ通りを南下する4900形連接車 )

電車内もビジネスライクで、70年代、80年代の、大量生産や規格統一こそ名経営の証、という時代だった頃の雰囲気を残しています。

198808ミラノ市電連節車内部
( 4900形の車内 )

それでも、もう50年にもなろうとする車両を大切に使い続けている経営姿勢に脱帽です。

旧式連接車は、ドゥオーモからカステロ・スフォルツェスコ(ミラノ城)方向へ伸びるダンテ通りなどを歩いていると、ひんぱんに走ってきます。

電Tミラノダンテ通りに向かう4600形201803
( ドゥオーモ横のトリノ通りからダンテ通りに入ってきた4900形 )

ひと昔前までは、ミラノ市電の色は、濃いオレンジ一色でしたが、最近は、ツートンカラーとか、緑色主体の新型車、さまざまなラッピング塗装の電車も増えています。

一部の車両は、車体を新しく作り直したようです。優しい感じの大型窓や、グラディエーションのかかった塗分けで、従前の車体に比べると、すっごく格好良くなりました。思わず、カメラを向けてしまいます。

電TミラノDuomo付近4800形 車体更新車
( すっきり美しくなった4900形車体更新車 )

蛇足ですが、まれに連接バスも見かけます。観光スポットをはずれた場所に足を伸ばすと走っています。そう言えば、リナーテ空港とドゥオーモを結ぶ市バスも連接バスです。

日本にいると乗るチャンスも少ないので、連接車の市電やバスに乗って、ミラノ市内をくねくね走るのは面白い体験です。

IMG_2717
( ワグネル市場近くを通る連接バス67系統 )
MILANOリナーテ空港風景201803 (6)
( リナーテ空港とドゥオーモを結ぶ市バス空港線73系統 )

お洒落して、ながーく走り続けてくださあい。応援しますミラノ市電!


2019年4月 記                             了



ミラノ市電最新鋭7000形のスマートさ

ミラノ市電最新鋭7000形のスマートさ   2018年3月、9月

ミラノ市電は、環境優先、エコ指向の現代にあって、いまなお意気軒高です。少しずつ新線を建設していますし、専用の線路周りを緑化することもしています。

そして、重量感ある新型の連接車を2000年代初頭から投入しました。

電TミラノグレコP駅前7100系 (3)
( 7100形。グレコ・ピレリ付近の芝生軌道を走る )

新型連接車はデザインが21世紀風なので、すぐに分かります。7000形と7100形の7両編成の連接車と、7500形、7600形の5両編成の連接車の2グループがあります。後者は、色がオレンジ色とクリーム色なので、すぐに見分けがつきます。

7000形と7100形は、先頭車両のデザインが違うこと、連接の節の切れ目が違うことが見分けるポイントです。

いやしくも、「ミラノ市電でテツをした」なんてことを書きたい旅行者は、少し注意深く観察してみたいものです。
けれども、それ以外の皆さんは、市電のたくさん走っている街、ミラノの雰囲気を楽しめば良いと思います。

電TミラノグレコP駅前7100系 (4)
( 7100形の後ろ姿。グレコ・ピレリ駅前 )

市内でしょっちゅう見るのは、全面が丸っこい感じで、連接の節目が等間隔に近い7100形です。

けれども、ミラノで初めてのエコタイプ、バリアフリータイプの低床車両が7000形です。前面が尖った感じのガラスで、連接の節目に長短があることが、後継の7100形との違いです。

我が家の次男は、7000形を初めてみたとき大興奮でした。路面電車ファンでなくとも、19世紀スタイルの石造りのビルがひしめき合っている街中に、斬新で緑色もあざやかな電車が走ってくれば、びっくりするのは当たり前でしょう。

電Tミラノ7000形連接200508
( エコタイプのはしり7000形 )

けれども、会社側は灰色やカーキ色の建物が多いミラノに緑色は合わないと考えたのか、新型連接車第2世代の7500形、7600形連接車は、クリーム色とオレンジ色の塗分けになり、ミラノ風景に溶け込む感じになりました。


電TミラノNaviglioを行く7500形 (2)
( 7600形の5連接車でも存在感は抜群 )

7600形は、2007年に走り始めてから、もう10年強。けれども、7000形や7100形ともども、おニューの装いを保っています。

もともとしっかりした作りのうえに、きちんと手入れしていることがうかがえます。
私のようなシニアも、きちんと手入れしていれば、まだまだ若く見えるかも・・・・・、と切ない期待を抱いてしまいました。

電TミラノNaviglioのベルサーチ電車7500形201803 (1)
( 夕暮れの7100形。ヴェルサーチの広告電車 )

いまは、どこの都市でもラッピングした電車やバスがたくさん走っています。ミラノでも、夜のライトに照らされ、ベルサーチの広告を付けた7600形が走りぬけていきました。低騒音なので、スーッと近づいてきて、サアーッと抜けていく感じです。

私たちはミラノ市電を無意識のうちに見過ごしていますが、「ミラノって、市電が走っていてこそのイタリアの都市なんだな」と、改めて思い返す、この頃です。                          

2019年4月 記                                        了



ミラノ市電古豪1500形ガタゴト

ミラノ市電古豪1500形ガタゴト  2018年3月、9月訪問

ミラノ観光中の市電風景で、記憶に残るのは、新型車両よりもレトロな車両ではないでしょうか。

「えっ、こんな古い電車が、まだ走っているの?」
「おしゃれなイタリアのイメージに会わないわあ」
と、いう感じですかねえ。

この古い車両は、1500形と言って、なんと初登場は1928年だそうです。
約500両製造されたうちの150両ほどが、まだまだ走り続けているのだそうです。

198808ミラノ市電と街並み (2)
( 1990年ごろの1500形。いまと同じ )

1500形は、昔も今も、変わらぬ走りを見せてくれます。

電Tミラノ1500形デアンジェリ201809 (1)
( ミラノ市電の古豪1500形。デ・アンジェリ付近にて )

1500形は、観光ポイントでも見られますし、ミラネーゼの生活エリアでも目につきます。
ガーガー、グァングァン、ギーギー・・・・と、昔風のエンジン音や機械音をうならせて、でも、背筋を伸ばすような雰囲気で走ってきます。

「元気老人、生涯現役、矍鑠(かくしゃく)たる翁・・・・・・」という存在感に、思わず見とれてしまいます。

電Tミラノマジェンタ通19系統1500形走る201803
( マゼンタ通りを行く1500形 )

電Tミラノ1500形センピオーネ201809 (2)
( センピオーネ大通りの芝生軌道を走り去る1500形 )

 ここ4-5年ばかりの間に、カラーリングが濃いオレンジ色から柔らかいオレンジ色系に変化しています。

 広告電車、ラッピング電車も増えました。レトロな存在感を活かして、イベント用に使う1500形もあるとのことです。

電Tミラノ1500形センピオーネ201809 (1)
( 広告塗装の1500形がやってきた )

電TミラノLambrate19系統1500形と緑化軌道
( むらさき色に塗られた1500形もあります。ランブラーテ駅前にて )

電Tミラノ5月24日広場1500形発車待ち201803
( おしろいをべったり塗られたような1500形。5月24日広場にて )

電Tミラノ19系統センピオーネ付近走行 (3)
( 古豪1500形は、新進のオフィスビル、イゾザキ・タワーを横目に走ります )

どこを走っていても、市電のある風景は絵になります。ミラノならではの雰囲気にひたりながら、街中さんぽ、ぶらぶらショッピングも、また、たのしからずやです。

2019年3月 記             了


ミラノ市電のガントレット線路を見よう

ミラノ市電のガントレット線路を見よう   2018年3月

1) ユニークなガントレット線路

ミラノ市電の線路には、「ガントレット: gantlet 」と呼ばれる線路配置がありました。そのほかにも終点ループ線や、三線分岐など、日本ではめったに見られない線路配置がいっぱいあります。

ガントレットは、複線の線路を単線のようにまとめたものです。お互いの線路は、あくまで別々です。せまい通りや、せまいトンネルを通過するとき、分岐器をつくらず、身をよじるようにしてすり抜ける感じです。

ナヴィリオ運河の東隣にある " 5月24日広場: Piazza XXIV Maggio ”の南側、”ティチネーゼ門:Porta  Ticinese”を正面に見る交差点にガントレットはありました。

電Tミラノ5月24日広場線路交錯201803
( ティチネーゼ門と輻輳する市電の線路 )

横断歩道上から線路をまじかに見ると、二組の線路が狭い間隔をおいて単線の線路のように敷いてあります。

電Tミラノ5月24日広場ガントレット201803
( ガントレットを近くで見る )

左側は、広場をループ状に周りながら発着する市電がぐるりと回るための線路です。右側は、門を迂回して、奥のドゥオーモ方向に上る電車が通る線路です。

日本では、かなり前にガントレットはなくなってしまいましたので、レアな見ものです。私の記憶では、オランダのアムステルダム市電の線路にもガントレットがありました。

自由自在に線路配置を考えたヨーロッパの市電は、都市ごとの味わいが出ています。軌道の統一規格を作って線路の敷設コストを安くしたり、メンテを簡素化できないので、日本では受容されにくそうなやり方です。


2) 終点ループ線

ヨーロッパの市電の線路にあって、日本の市電に皆無なものが、終点のループ線です。

日本では、「電車は終点では折返すもの」と信じていますが、それは狭い視点です。

多くのヨーロッパの都市では、市電は、終点でループ線をくるりと回って、もと来た方向へ戻ります。ミラノ市電も終点がループ線のパターンですから、運転席は前の1カ所のみ。電車は、絶えず前進し続けます。

ミラノ市電に乗ったら、是非、車両の先頭と一番後ろを観察してください。最後尾は、立ち見の展望席のように何もないスペースになっています。

下の写真は、ミラノのサッカーの聖地、サン・シーロ・スタジアム前の終点のループ線風景です。
スタジアムの開業に合わせて市電を延長し、とても広い駅を設置しました。試合終了時には、何本ものループ線上に10組以上の市電が待機し、数万人の観客を次から次へとさばきます。

電Tサンシーロ前ループ線配線201803
( 終点サン・シーロ停留所。普段はがらーん )

電Tサンシーロループの電車
( サン・シーロのループ線をぐるりと回って都心部へ向かう市電 )

3) 三線分岐

ミラノ市電のポルタ・ジェノバ駅前には、一本の線路から三方向に分岐している「三線分岐」と言われるポイントがあります。ほかの場所にもありますので、三線分岐は、ミラノでは珍しい線路配置でも何でもありません。

ひんぱんにやってくる市電が、その都度、ガタゴトと相当の音をたてながら三線分岐やクロスしている線路を通過していくのを見ると、路面電車の力強さに思わず感動してしまいます。

電TDポルタジェノバ駅寂れて201803 (1)
( 三線分岐。ポルタ・ジェノバ駅前 )

電TミラノPジェノバ駅前1500形
( 三線分岐を横目にクロスした線路を渡るミラノ市電1500形 )

市街地に網の目のように張り巡らされた市電の線路には、たくさんのパターンがあります。道路構造や運転方式に合わせた柔軟な線路配置を、謎解き気分で楽しみました。

2019年3月 記



ミラノ市電の風格

ミラノ市電の風格    2018年3月、9月

1)市電のある街という風格

私は、ミラノに行き、街中をひっきりなしに行き交う市電を見ると、いつも心がときめきます。

電Tミラノカイロリ広場夜景輝き201803 (1)
( ドゥオーモ周辺には数系統の市電が引っ切りなしにやってくる )

「これぞミラノの街中風景!」と、いう気分に、いやおうなくさせられるからです。線路をゴトゴトと走る電車の音、狭い中心部の目抜き通りを我が物顔に横切る、長い長い連接車の存在感こそ、ミラノの躍動感を体現しているもののひとつだと感じます。

『そこのけ、そこのけ、市電のお通りだい!』の世界です。


電T初冬のミラノ市電Duomo前4500系200111
( ガーガー、キーンキーン言いながら交差点を曲がるミラノ市電 )

どこかのコラムで、「市電のある街は風格がある」と、誰かが書いていた記憶があります。私も、その意見に大賛成です。躍動感とともに、成熟した都会の雰囲気が伝わってきます。電車の線路は、めったやたらと動かせないので、市電があるイコール街が安定している、という感じが出るのだと思います。


2) 古きも新しきも

ミラノ市電の代表的な新旧車両を、ちょっとだけ垣間見ましょう。

びっくりするくらい古そうな車両から、先月から走り始めたのではないかと思うくらい新しい車両まで走っています。

まずは、最新鋭7000形。7両連接式の長ーい車両で、省エネ、低騒音、低床設計だそうです。

電TミラノグレコP駅前7100系 (1)
( 最新鋭7000形7連接車。5連接の7500形は、最近登場 )

次は、現役、最古参の1500形電車。ドゥオーモ周辺でもよく見かけます。
なんと、就役以来80年以上も経つんだそうです。矍鑠(かくしゃく)とした老公のような存在です。

第二次世界大戦の空襲をくぐりぬけて来た古参の車両がいっぱい残っていることに驚きました。

電Tミラノ19系統センピオーネ付近走行 (1)
( 昔なつかしいスタイルの現役最古参1500形 )

1500形は、モンテ・ナポレオーネに近いマンツォーニ通りを走る1系統や、サンタ・マリア・デラ・グラーツェ教会前を通る16系統にも走っています。木製の窓枠や床、塗り天井など、ノスタルジックな気分いっぱいの車両です。年配の方ならば、子供の頃のチンチン電車体験の思い出にひたりながら乗るのもいいです。

「それどころじゃないでしょ。ミラノなんだからスリに気をつけないとね。おちおちレトロな市電の乗り心地なんて楽しめないぞお!」
という、グチが聞こえてきそうです。

「そこまで、びくびくしなくても大丈夫。ちょっと2-3駅、郊外に出たところで乗ればいいのです」
「そ、それもそうだな」

こういう観光客の声が届いたのか、1500形は、ミラノ市電の顔のようなイメージになってきたようです。イベント用の車両になったりします。当分、現役で走り続けるようなので、米寿、白寿まで頑張ってほしいです。

電Tミラノ1500形センピオーネ公園脇をガタゴト201803 (2)
( 広告塗装の1500形。平和の門付近 )

日本の鉄道風景、市電風景とは異なるところもありますが、街並みに安定感を与えるという点では、古今東西を問わず、同じ効果があるようです。


2019年3月 記











市電あふれるミラノにて

市電あふれるミラノにて   2018年3月、9月


ミラノは、ファッションの街であり、商業、金融、そして工業の街でありますが、市電の街でもあります。

200111初冬のミラノ (3)
( ミラノ城を遠目に群れをなして走るミラノ市電 )


イタリア、歴史遺産、お洒落、グルメ・・・・といったイメージから連想しにくいポイントです。私も、一番さいしょにミラノを訪れたとき、こんなにいっぱい市電が走っているとは思いませんでした。

我が家の息子は路面電車ファンなので、ミラノに行ったとき、次々とやってくる市電の走りっぷりに大興奮でした。

「ギャー、すげえ。あ、また来たあ。こっち見て・・・・」の世界です。

200508Milano Tram (2)
( 21世紀初頭に登場した7000形低床連接車 )

ミラノ市電路線図のサイトを紹介します。

http://www.urbanrail.net/eu/it/mil/tram/milano-tram.htm

1893年の開業で、現在の総延長は117kmほどだそうです。日本でも、広島市は路面電車がいっぱい走っているイメージがありますが、その総延長は宮島線を入れても約35kmです。いかに、ミラノには市電がいっぱい走っているかということです。そのうえ、ときどき短距離ながら新路線が開通しているのです。

198808ミラノ市電と街並み (1)
( ミラノというよりヨーロッパならではの市電風景 )

ですから9割以上の旅行者の皆さまが、ミラノ市電の一コマ、二コマを旅行記で紹介しています。無意識のうちに目につくくらいいっぱい走っているということです。ローマやトリノ旅行記で、鉄道ファンでもないのに市電のことを書いている方なんて、ほぼ皆無ですから、ミラノの市電の存在感の大きさが分かろうというものです。

人懐っこい雰囲気のドゥオーモや、次々と振り返ってしまうお洒落な美男美女の姿も貴重なミラノ体験ですが、街中をガーガーとひっきりなしに走る市電も、実はミラノならではの旅行体験です。是非、1区間でも、5分でもよいので市電にも乗ってほしいです。

198808ミラノ市電連節車内部
( ミラノ市電の車内。4900形連接車 )

下り方向の電車だと、ルートや行先が分からないので、どこに連れていかれるか不安いっぱいです。ですから、上り電車での市電体験がおすすめです。上り方向の電車は、たいていドゥオーモ付近を必ず通るので、どれに乗っても何とかなります。

最後の晩餐を見物し終えてドゥオーモ方面に戻るときの16系統、ナヴィリオ運河沿いのバルでアペリティーボや夕ご飯を食べてドゥオーモ方面に向かうときの2系統、3系統、14系統などが、おすすめです。電車は5分から15分間隔くらいで朝から夜まで走っています。停留所には、ちゃんと時刻表が貼ってあり、けっこう定時運行しています。

電Tミラノ5月24日広場4700形201803
( 3系統上り電車。奥がドゥーモ方向 )

異国の地で、不安気な顔で市電に乗っても楽しくありません。深呼吸をしてミラネーゼ気分になって市電のステップを上がりましょう。

是非、プラス・アルファの市電体験にチャレンジして、短めになりがちなミラノ滞在を楽しみましょう。

電TミラノNaviglioのベルサーチ電車7500形201803 (1)
( ベルサーチの広告いっぱいの市電の夜の風景 )

ミラノに、もっと親しみを覚えてくれる日本人の旅行者が増えるようお祈りしています。

2019年3月 記








お気に召しますカドルナ駅

お気に召しますカドルナ駅        2018年3月訪問


私は、ミラノ・カドルナ駅:Stazione  (Milano)  Cadorna  が好きです。

この前、初めてカドルナ駅と周囲の風景を写真に納めました。
カドルナ駅正面アップ201803
( ミラノ・カドルナ駅正面と、駅前広場のオブジェ )

鮮やかな色使いの駅舎、コルドバのメスキータを思わせる赤い列柱、幾何学的な線路の配線、周辺のハイソな雰囲気に、ミラノの奥の深さ、美しさを感じました。
カドルナ駅赤の柱廊メスキータ風Mar2018
( スペイン、コルドバのメスキータ風の列柱が並ぶ駅前の屋根 )

カドルナ駅は、もともとは、ミラノ・ノルド鉄道という、旧国鉄とは別会社のターミナル駅でした。そのため、駅舎をはじめとする鉄道風景の基本コンセプトが、チェントラーレ駅やポルタ・ガリバルディ駅の雰囲気と別物です。JRと阪急電車の違いと思えば、想像しやすいかも知れません。

また、2015年のミラノ万博を機に駅前広場に設置されたクルクル巻きのオブジェも、見慣れてくると、なかなか愛嬌があって面白いものです。

ミラノに行かれ、空港連絡電車のマルペンサ・エクスプレスを利用し、かつ、カドルナ駅にて乗り降りされる方は、是非、お洒落で美しいミラノ風の鉄道風景を堪能してほしいです。

カドルナ駅前オブジェ201803
( 朝のカドルナ駅前広場とオフィスビル、高級マンション街 )

カドルナ駅は、ミラノ北西部に向かう通勤電車の始発駅です。駅の反対側に周って、行き交う通勤電車や、幾何学模様のように左右対称で、整然と分岐器が交差する線路を、うっとりと眺めていました。

カドルナ発着の通勤電車上り8両201803
( カドルナ駅に到着する2階建て通勤電車 )

カドルナ発着の2階建通勤電車201803
( 最新鋭タイプの2階建て通勤電車。朝夕は8両編成 )

カドルナ駅配線DSS多い201803
( 朝日に輝く幾何学的なカドルナ駅の線路 )

カドルナ駅配線と8両編成電車201803
( カドルナ駅を発車する通勤電車。正面奥が深緑色の駅舎の背面)

実に楽しいひとときでした。
そして、カドルナ駅にも夜がきて、人々は家路に急ぎます。おやすみなさい。

カドルナ駅オブジェ夜景Mar2018
( 夜のカドルナ駅前 )

2019年1月記     了











線路がいっぱい電車がいっぱい、ポルタ・ガリバルディ


線路がいっぱい電車がいっぱい、ポルタ・ガリバルディ    2018年3月、9月訪問


ミラノ・ポルタ・ガリバルディ駅:Porta Garibaldi は大きな駅ですが、あまり目立つ駅ではありません。

Pガリ駅とボスコVMar2018
( ボスコ・ヴェルティカーレを視野に入れながらポルタ・ガリバルディ駅に到着 )

駅舎は、平凡な現代建築ですし、整然と並ぶ行止り式のプラットホームも、コンクリートの平屋根を乗せたような造りなので、建築美も風情もあまりありません。

Pガリ駅頭端部Mar2018
( ポルタ・ガリバルディ駅プラットホームの頭端部と電車 )

また、特急や中距離列車の本数も少なく、旅行者の印象に残るとも言い難いです。

プラットホームは、地上の1番線から20番線と、地下のパッサンテが2線あります。さらに、地下鉄2路線も乗り入れています。鉄道交通の一大ジャンクションなのに、とても地味な存在です。生活者にとっては身近かな駅ですが、旅行者にとっては縁のうすい駅です。

そんなポルタ・ガリバルディ駅の様子を、イータリーやイゾラ地区に行くときに寄り道して、見つめてみました。

Pガリ駅パッサンテ通路Mar2018
( パッサンテ:Passante 乗り場へ通じる長いエスカレーター )

Pガリバルディ駅エキナカと発車案内201803
( ポルタ・ガリバルディ駅地上部のエキナカ )

電TDポルタガリバルディ駅前とAXAビル
( ポルタ・ガリバルディ駅正面と左の生命保険会社のビル )




Pガリ駅通勤電車Sep2018
( トレノルドの通勤電車とポルタ・ガリバルディ駅 )

DSSいっぱいのPガリ構内Sep2018
( ポルタ・ガリバルディ駅いっぱいに張めぐされた線路と分岐器 )


DSSの幾何学美Sep2018ガリバルディ
( ヨーロッパの鉄道線路独特の分岐器風景 )

Pガリ駅イタロSep2018
( 新しくできた看板特急、イタロ:italo )

Pガリ駅TGVSep2018
( パリ~ミラノ間のTGVテッロ:Thello )

ヨーロッパ風のターミナル駅風景や、いろいろな電車が見られて満足でした。ミラノが大きな都会であることも改めて実感しました。

2019年1月記       了


旅人たちのミラノ・チェントラーレ

旅人たちのミラノ・チェントラーレ    2018年3月訪問


ミラノ・チェントラーレ駅:Milano Centrale も、旅ごころを、しっかりと演出させてくれる駅だと思います。おしゃれで、不安で、わくわくするような空気がいっぱい。次々に出入りする電車や機関車のエンジン音が旅人の心に響きます。

その一方、リンゴのオブジェなどを置き、駅舎の見た目の威圧的な気分を少しでも和らげようとしている関係者の涙ぐましい努力に、思わず、もらい泣きをしたくなります。

駅舎チェントラレとリンゴのオブジェMar2018
( ミラノ・チェントラーレ駅正面とリンゴのオブジェ )

ミラノチェントラーレ工事開始中Aug1988
( 1988年のチェントラーレ駅舎。30年でイメチェンに成功したのでしょうか )

電FSミラノCle駅前ビル街風景201803
( 駅前のデューカ・ダオスタ広場:Piazza Duca d'Aosta もすっきり )

電FSミラノCle駅舎正面の内側201803
( 昔のクルマ寄せも歩行者専用通路にリニューアル )

電FSミラノCle駅舎正面切符売場201803
( 風雅さに少し欠ける高い天井 )

電FSミラノCle構内長いエスカレーター201803
( 地下鉄連絡のエスカレーター。ファッショナブルな空間づくりでミラノをアピール中 )

改札代わりにキップのチェックを受けて、プラットホームへ、にじり寄りました。
いわゆる、駅構内の治安対策のひとつで、ふらふらしているヤツを締め出しています。とても、よいことですね。

電FSミラノCle終端部とドーム屋根201803
( ドーム屋根の下に集えば、心は早くも旅先へ )

ミラノ・チェントラーレのドーム屋根は、大きく明るく美しい形状で、何度見てもほれぼれします。
旅人の話し声、電車のエンジン音が心地よくドーム内で反響していました。

電FSミラノCleドーム屋根の美201803
( 開放感あふれる素敵なドーム屋根と、ファッショナブルな高速電車 )

おおっ、あそこに停まっているのは、トレニタリア:Treitalia (イタリア鉄道) が誇る最新鋭の高速電車「フレッチャ・ロッサ」ではありませんか。

少し経つと、今度は、新興の看板特急「イタロ:italo」が発車していきました。赤光りする”いもむし”のような感じがしました。
電FSイタロ入線201803
( 紅色の高速電車イタロ )

なつかしの客車特急は、ミラノ界隈では絶滅危惧種です。20世紀風の特急列車の旅の思い出を、もういちど味わいたい方は、無理をしてでも客車特急やコンパートメントに乗っておきましょう。
電FSミラノCleの客車特急トリノ行き201803
( トリノ行き特急は、まだ客車。一番後ろの電気機関車が押して走ります )

プラットホームの先端から振り返りざま、見事なドーム屋根が整然と並んでいる光景にまたまた感動しました。

電FSミラノCle駅ドームの美201803
( ミラノ・チェントラーレ駅の美しいドーム屋根 )

人々のざわめきも消えたプラットホームの端で、列車発着風景の醍醐味に浸ります。

左から、白い車体のスイス直通特急の車両が近づいてきます。右からはフレッチャ・ロッサの赤い車体が迫ってきました。
電FSミラノCle入線のフレッチャロッサ201803 (4)
( ミラノ・チェントラーレ駅の発車方向の配線を眺める )

線路は、複雑にからみあい、あるいは側線を分岐して旅先へと伸びていました。
実に壮観な眺めです。

よい旅を! Buon Viaggio !

                             2019年1月記      了












ひっそりと息するポルタ・ジェノバ駅

ひっそりと息するポルタ・ジェノバ駅     2018年3月訪問

トレノルドのミラノ市内のターミナル駅のひとつ、ポルタ・ジェノバ駅:Porta Genova は、人気のナヴィリオ運河の目と鼻の先にありながら、ひっそりとした駅です。

電TDポルタジェノバ駅下町ふう横面201803
( トレノルドのポルタ・ジェノバ駅前 )

緑色がシンボルカラーのメトロ2号線や、数系統の市電が通っていて、人通りが絶えませんが、地上の駅は忘れ去られたかのような感じがします。ベージュ色をした、やや大きめな駅舎はイタリア国鉄式の典型的な建物ですが、中に入っても人の気配は、あまりしません。

プラットホームへ出てみると、確かに線路は行止りで、草むしたような静寂な空間が広がっています。

ミラノ鉄道風景のエアポケットに入ったような気分になりました。
電TDポルタジェノバ駅寂れたホーム201803
( ポルタ・ジェノバ駅構内。手前奥で線路は途切れている )

ポルタ・ジェノバ発着の電車は、昼間は1時間に1本、朝夕は30分に1本です。大阪市内の南海電車の汐見橋駅みたいです。

プラットホームの1番隅に停車中の車両には、勝手知ったる通勤通学客が、もくもくと乗り込んいきます。なんか、人口20万人くらいの地方都市の鉄道風景です。さびしいような、なつかしいような気分。時間は、かなり、ゆっくりと進んでいました。

これも、ミラノの一コマです。
電TDポルタジェノバ駅と始発ローカル線201803
( ポルタ・ジェノバ始発の通勤列車に乗り込む人たち )

列車の背後に垣間見える建物の裏手は、もうナヴィリオのカナル・グランデです。この落差に、ちょっぴり驚いてしまいました。

ポルタジェノバ駅そばナビリオ夜景201803
( 夕暮れのナヴィリオ地区のカナル・グランデ。右手奥がポルタ・ジェノバ駅 )

陽が落ちてイルミネーションが輝き出したカナル・グランデの両側は、もうかなりの人出です。右奥の建物の裏手に駅があり、運河の先まで行くと、線路も見え隠れするなんて、想像だにできません。

不思議な空間体験でしたミラノ・ポルタ・ジェノバ駅。

2018年12月記         了

ミラノの駅舎をめぐりて

ミラノの駅舎をめぐりて   2018年3月、9月訪問


ミラノの大きな駅、中くらいの駅から7つの駅舎を、ささっと眺めてみました。

イタリア北部の鉄道の雰囲気を感じました。けっこう、きびきびした印象です。

1) 私の一番好きな駅カドルナ:Cadorna
駅舎カドルナ駅正面やや遠景201803
( 朝日に輝くカドルナ駅全景 )

私が、ミラノで一番好きな駅はカドルナ駅です。我ながら無難な選択です。お洒落なデザイン、メンテの良い建物、落ち着いた雰囲気で、生活者目線に近いミラノを感じます。2015年のミラノ万博を機に、駅前に設置された
クリップか組みひもみたいなオブジェは賛否両論があるようですが、私は賛成派。駅舎との相性は良いと思います。

カドルナ駅は、マルペンサ空港へ電車で行き来する方や、徒歩をいとわずに最後の晩餐を見学に行く方々の記憶にある駅だと思います。もういちど、このハイセンスな駅を振り返ってみてはいかがでしょう。

Mカドルナ駅配線DSS多い201803
( カドルナ駅の線路の配線は幾何学的 )

鉄道好きの人間の、そのまた一部の者の感想ですが、カドルナ駅の配線は幾何学的な美しさです。ダブルスリップスイッチや、シーサスクロッシングが、ほぼ左右対称に配されていて、すっかり見とれてしまいました。


2) 伸び盛りの駅ポルタ・ガリバルディ:Milano Porta Garibaldi
駅舎Pガリ駅全景Mar2018
(再開発で一新されたポルタ・ガリバルディ駅)

ポルタ・ガリバルディ駅と、その周辺は、ダイナミックに成長するミラノを体現しています。駅舎はモダン建築になりましたが、デザインは少し面白みにかけます。残念。


駅の周りには、定番の再開発ビルあり、ユニークな高級マンションのボスコ・ヴェルティカーレあり、人気急上昇のショッピング通りコルソ・コモありです。しかし、日本人旅行者の知名度はイマイチです。
Pガリ駅とボスコVMar2018
( ポルタ・ガリバルディ駅ホームとTGVとボスコ・ヴェルティカーレ)

最近は、TGVでフランスのリヨンやパリへ向かうときや、マルペンサ空港へ行き来するときに、ポルタ・ガリバルディ駅を使います。1番線から20番線と地下の通勤新線パッサンテのホームがある大きな駅ですが、地味な印象は否めません。


3) やっと登場チェントラーレ:Milano Centrale
駅舎チェントラーレSep2018
( ミラノ・チェントラーレ駅舎を少し離れて見る)

日本人ミラノ旅行者の人気スポットのひとつ、ミラノ・チェントラーレ駅です。周辺に大小さまざまのホテルがあること、私たち日本人の鉄道好きの血がさわぐので、露出度が高くなるようです。

実際に、ものすごく大きく立派で、1日30万人以上の乗降客がある世界屈指の長距離列車ターミナルです。ヨーロッパ鉄道旅行の起終点には便利ですし、プラットホーム風景も風情がある思い出深い駅です。

その反面、やや威圧的な外観は、美の追求に余念がないイタリアらしくありません。1931年竣工という駅舎の歴史的経緯から考えると、仕方のないことかも知れませんが、あんまり、すりよりたくなる駅ではありません。

大きな駅は、街の顔のひとつですから、チェントラーレ駅も、もう少し優雅であるか、ミラノのイメージをアピールする造りであってほしかった、というのが正直な感想です。


4) ちょこんと鎮座するポルタ・ジェノバ駅:Milano Porta Genova

駅舎Pジェノバ駅Mar2018
( 周囲にどっぷり溶け込んだようなポルタ・ジェノバ駅 )

ポルタ・ジェノバ駅も、通勤電車の始発終着駅のひとつです。「そんなターミナル駅あったっけ」、というのが普通の反応でしょう。

私たちの何割かは、ナヴィリオ運河の散策やデートをするときに、この駅の近くを通ります。

「下町風の親しみやすい雰囲気の駅ですが、夕暮れ過ぎると、ちょっと日本人にはきついかも」
トレノルドという通勤列車用のポルタ・ジェノバ駅は、こんな感じです。


5) 線路がいっぱいあるランブラーテ駅:Milano Lambrate

駅舎Mランブラーテ201803
( 駅舎はこじんまり、線路はいっぱいランブラーテ )

ランブラーテ駅は、ミラノ・チェントラーレに東の方から入るさまざまな列車が集まってくるジャンクション機能が特徴の駅です。東京で例えれば、品川駅みたいなイメージです。駅舎は小振りですが、高架のプラットホームに上がると、線路がいっぱい敷いてあり、いろいろな行先の特急や通勤列車が、つぎつぎと通過して行きます。鉄道ファン向きの駅です。

数年後、市街の東にあるリナーテ空港まで地下鉄4号線が開通すると、このランブラーテ駅も、乗換駅のひとつになります。


6) パッサンテ開通でロゴレド駅:Milano Rogoredo は急上昇

駅舎ミラノロゴレドMar2018
( 昔ながらのロゴレド駅西口の反対側は再開発中 )

ロゴレド駅は、ランブラーテ駅から南に下った駅です。

何の変哲もない住宅街の端にあった、寂れたムードのロゴレド駅は、ミラノ中心部を、ほぼ東西に貫通するパッサンテ:Passante、という通勤新線の開通で、ひとっとびに大きな乗換駅に大出世。駅の東側では、ガラス張りのオフィス街や、洒落たマンション街を再開発中です。

ちょっとイメージがずれる部分はありますが、武蔵小杉みたいなポジションだと感じました。


7) 若くてムンムン、グレコ・ピレリ駅(グレコ・ピレッリ):Milano Greco Pirelli

グレコ・ピレリ駅は、ビコッカ大学最寄り駅なので、学生さんでいっぱいです。そのうえ、再開発の新しいマンション群が駅前にできて、若いファミリーも増えたので、駅の利用客は、ピチピチ、ムンムンの気配が濃厚です。

チェントラーレから北に一つ進んだ駅なので、普通の旅人とは全く無縁の駅でしょう。駅舎は平凡ですが、手入れが良く、堅実で飾らないが質の良い一般市民の暮らしぶりを体現しているかのようでした。

駅舎ミラノグレコピレリMar2018
( グレコ・ピレリ駅舎はイタリアの鉄道駅の典型的な外観 )

ミラノグレコピレリ駅の朝Mar2018
( 学生や若い人が多いグレコ・ピレリ駅の朝の通勤通学風景 )

早春の朝の青空の下で、おしゃべりしながら通勤電車を待つ若いミラネーゼの姿に見とれていました。

2018年12月記        了
















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