やまぶきシニアトラベラー

気まぐれシニア・トラベラーの旅。あの日から、いつか来る日まで、かつ、めぐりて、かつ、とどまる旅をします。

2018シチリア東トラベラー

モディカの2大展望台に汗だくで上る

モディカの2大展望台に汗だくで上る    2018年9月訪問

1  コリーナ・デリトリア:Collina dell'itria

モディカは深い谷合にある街です。両側にそそり立つ台地の端まで登ると、谷底風景が手に取るように見えます。

観光案内図によると、おすすめの見晴らし台は3カ所。アルタのピッツォ:Pizzo 、ピッツォの対面のコリーナ・デリトリア:Colina dell'itria、中心部の裏手の、コリーカ・デラ・ジャカンタ: Collica della Giacanta、です。私はジャカンタを除く2カ所に登りました。

まず、モディカのアルタ(丘の上)や、バッサ(谷合い)の歴史的景観を鳥瞰するために、コリーナ・デリトリアにあえぎながら登りました。クルマで来てもいいし、予算次第でタクシーを頼んで来てもよいでしょう。

私は、タダのかわりに汗だくとなり、すこしスリムになりました。
モディカSピエトロ前から南斜面市街Sep2018
( モディカ中心部のサンピエトロ教会前からコリーナ・デリトリア方を望む )

谷底から路地裏の階段を通って20分ほどでコリーナ・デリトリアの展望台に着きました。
モディカコリーナ・デリトリア展望台Sep2018
( コリーナ・デリトリア展望台と駐車スペース )

思った以上に展望が開けていました。モディカのアルタ地区のサン・ジョルジョ大聖堂と、モディカ市街地の最高点ピッツォの展望台が眼前に展開します。

「わああ・・・・・。すごい眺めえ・・・・・・」
モディカPizzoとSG聖堂矢印ありSep2018
( モディカのアルタが視野いっぱいに広がる )

モディカへそ部を見下ろすSep2018
( モディカのバッサの中心部方向 )

MODICAのV字谷にかかる国道橋Sep2018
( モディカの谷間の奥と国道バイパス橋 )

写真で見ると、実際より平面的に見えるのは、素人写真ゆえ仕方がないのかも知れません。また、眼前に展開するパノラマ風景の大きさも、なかなか伝わりません。プロの方々の写真や画像は、やっぱり違うなと感じます。

2  ピッツォ:Pizzo

気分が高揚して、間髪を置かず、対岸のピッツォに登ることにしました。いったん、深い谷底に降りて、再度、急坂を登ります。荒行気分です。
モディカPizzoへ向かう階段Sep2018
モディカの急坂風景 (3)
(  ピッツォへ昇り降りする階段風景のひとつ )

モディカの急坂風景 (2)
( アルタへ登る車道も急こう配 )

モディカのエバンゲリスタ教会前Sep2018
( ピッツォの近くにあるサン・ジョバンニ教会 )

ピッツォへ行く途中の坂の上にそびえ立つサン・ジョバンニ・エバンジェリスタ教会も後期バロック建築です。旅行記にもそれなりに登場しますが、その日は終日、閉館だったようです。建物のドアも固く閉じていましたし、周囲にも観光客の1人もいません。単に外から教会を仰ぎ見て通り過ぎました。

モディカのPizzoへ続く平坦路Sep2018
( ピッツォへ通じる道。突当りが展望台 )
モディカPizzoのテラスSep2018
( ピッツォの展望台風景 )

対面には、先ほどまでいたコリーナ・デリトリア展望台の車道のふくらみが、はっきりと見えました(写真の矢印の個所)。急傾斜のV字谷を下って登ってくるまで、教会見物とバル立ち寄り込みで1時間半かかりました。わき目も降らずに歩くと30分くらいかも知れません。

それにしても、立体的なモディカの街並みが視界前面に広がり、圧巻でした。10分くらい、微風に吹かれながら素晴らしい景観を見降ろしていました。
モディカPizzoより対岸展望台Sep2018
モディカPizzo展望台より中心部Sep2018
モディカPizzo展望台より南西郊外Sep2018
( ピッツォから見た市街と対面のコリーナ・デリトリア方向 )

もうこの時点で、絶対に夜景も見に来るぞ、と決めていました。

2019年11月記                                            了

モディカの夜は群青色に暮れ行く

モディカの夜は群青色に暮れ行く     2018年9月訪問


太陽が西に傾く午後7時ごろ、コリーナ・デリトリアの高台にに再び上りました。夕暮れのモディカ、特にアルタの風景を見ようと思ったからです。

9月になってもシチリアの夕暮れ時は、かなり暑いです。丘の見晴らし台に着くころには、再び汗だくでした。
モディカ薄暮のウンベルト1世通Sep2018
モディカ薄暮DuomoSep2018
( 暮れなずむモディカの中心部の風景 )

見ていると、1軒、また1軒と家々の明かりがついて行き、その分だけ空が少しずつ群青色に染まりはじめました。午後7時半を回っても、まだまだ明るいモディカの空でした。
モディカPizzo暮れなずむSep2018
モディカSジョルジョ暮れなずむSep2018
( 少しずつ暮れ行くモディカのアルタ展望 )

さらに30分ほどたたずんでいると、やっと空も濃い色に染まりました。ポツポツと灯り始めていた明かりも、一気に増えました。旧市街で一番高い場所にあるピッツォの展望台付近にも明かりが集中して灯っています。ホタルが舞っているような感じです。

透きとおるような空の下、幻想的な夜景が目の前に展開しました。高台にいるので、谷底のクルマの音もほとんど聞こえてきません。濃紺の夕暮れ風景は、次第に黒とオレンジ色の世界へと変わっていきました。

周りにいた何人かも、無言で夜景を見つめていました。汗水たらして坂道を登ってきた苦労が報われました。
モディカSジョルジョ夜Sep2018
モディカ夜景展望SGを見るSep2018 (1)
( サンジョルジオ教会に当たるスポットライト )

闇に浮かぶモディカのアルタ、そして、スポットライトに浮かびあがるサン・ジョルジオ教会の美しい姿をしっかりと脳裏に刻みます。

お腹もすいてきたので、昼間に目星をつけておいた小径を踏みしめるように降りました。路地の街灯に映える昔ながらの家の壁もベージュ色に光っていました。くねくねした小径の向こうに、何が潜んでいるのだろうとわくわくしながら階段をゆっくりと下りました。

あるときには、台地の上の建物が視野に入り、あるときには、コツコツと靴音を建てながら家路に向かうだろう人影とすれ違いました。
モディカの夜の静かな路地裏Sep2018
モディカ夜景市内通りSep2018 (5)
モディカの小径は輝きSep2018
( 曲がり角の先に何があるのだろう。モディカの夜の路地裏 )

街の中心部に位置するバッサのドゥオーモもライトアップされて静かにたたずんでいました。やっぱり、モディカは昼も夜もバロッコの都市なんだなと実感しました。

モディカSピエトロ夜景Sep2018
( ライトアップのサン・ピエトロ教会 )

ヨーロッパによくあるオレンジ色っぽいハロゲンランプの街路灯に照らされたモディカの路地裏は、いつまでもだいだい色に輝いていることでしょう。

2019年11月記                           了



モディカの中心部で観光客歩き

モディカの中心部で観光客歩き    2018年9月訪問

モディカの中心部をぶらぶらと歩いてみました。

観光客が、主に行き来するのは、谷底の大通り「ウンベルト1世通り:Corso Umberto Ⅰ」です。20分もぶらぶらすれば、お店やドゥオーモの立ち並ぶにぎやかな一帯を往復できます。
モディカ観光案内所Sep2018
( モディカの観光案内所前の市街地図 )

モディカも、世界遺産「ヴァル・ディ・ノートの諸都市」のひとつなので、古い街並みはバロック風のベージュ色です。ただ、お隣りの都市ラグーザ(ラグーサ)にも増して起伏が多いので、街並みに立体感があります。交通の便はラグーザの方が良いので、その分、モディカに来る観光客は少ない感じです。

モディカの「へそ」は、川の合流点跡の三叉路。南国のシチリア島らしく、三叉路の一角、グリマルディ広場:Palazzo  Grimaldi にはヤシの木が生えています。右端のパトカーが停車しているあたりが、市役所、警察署などがある行政の中心です。

チョコレート店や土産物屋は、写真左のウンベルト一世通りにいっぱい固まっていますが、右の通りにも少しあります。
モディカCウンベルト1世通Y字路中心部Sep2018
( モディカ中心部の三叉路 )

この三叉路から少し南下すると、駅へ行く道につながります。新しいビルが点在するようになり、ロトンダ(ラウンド・アバウト)も、クルマ用の大きな円を描いています。観光客の姿も、ほとんどなくなりました。
モディカCウンベルト1世通と上の街Sep2018
モディカ駅へ通じるロトンダから三叉路方向SEp2018
( モディカ中心部から少し南下したあたりのティエラ通りの街並み )

今風の街並みを見ていてもつまらないので、街の中心部へ引き返し、路地裏に入って行って、バロック風の街並みを楽しみましょう。モディカの市街地は小規模で治安も良いし、迷ったら谷底に降りれば、必ずウンベルト1世通りに出ますので、気楽に路地裏に回って行きましょう。

モディカは路地が素敵Sep2018
モディカマグホテル前のたたずまいSep2018
モディカふと見上げればバロッコ彫刻の軒Sep2018
( モディカ中心部の路地裏と「持ち送り」という窓の装飾 )

暑い時期の真昼間は、ほとんど人通りがありません。汗だくでふうふう言いながらモディカを歩いているのは、物好きな観光客くらいです。ニッポン人らしき姿も見かけません。ラグーザ以上にニッポン人観光客は少ないです。
モディカ中心部観光案内所前Sep2018
( モディカのサンピエトロ教会前 )
モディカ中心部バルテラス風景Sep2018 (2)
( モディカのサンピエトロ教会付近のカフェ風景 )

だいたいモディカの古い街並みを見て中心部へ戻ってきました。よっこらしょ、と首を持ち上げると、モディカ到着時と同様に、昼下がりの陽ざしに映えるアルタ(高台)の市街地が、屏風のように広がっていました。やっぱり、この立体感がモディカの持ち味なんだな、と改めて実感しました。

モディカ迫りくるアルタの山Sep2018
( そびえ立つモディカの「アルタ」市街風景 )

2019年11月記                                    了





モディカ、後期バロッコの聖堂たち

モディカ、後期バロッコの聖堂たち    2018年9月訪問

1. このごろ人気の後期バロック建築

イタリア観光をひととおり体験してイタリア好きになると、シチリア島などの少し変わった観光地を目指します。
群青色の海が美しい高級リゾート、タオルミーナと、後期バロック建築:Tardo Barocco  が建ち並ぶ、世界遺産「ヴァル・デ・ノートの諸都市」、壮麗なロマネスク建築に圧倒される「ゴッド・ファーザーの都市パレルモ」は、島内3大観光ポイントでしょう。ギリシャ神殿跡が見事なアグリジェントも人気があります。

世界遺産「ヴァル・デ・ノートの諸都市」のひとつ、モディカの街中には、有名な後期バロック建築の大聖堂:Duomoが二つあります。
モディカSピエトロとSジョルジョSep2018
( モディカのバロック風Duomo2棟 )

「えっ!ひとつの街にドゥオーモはひとつでしょう?」
「モディカは、谷合いの地区バッサ:Bassa、と丘の上の地区アルタ:Alta、を別々にカウントしているのでDuomoが二つあるのです」
「なーるほど」

一つ目のDuomo は、バッサ地区の目抜き通りであるウンベルト」1世通り沿いに鎮座する「サン・ピエトロ教会: Chiesa di San. Pietro」です。
モディカSピエトロ教会正面Sep2018
( モディカのバッサ地区のサン・ピエトロ教会 )

二つ目は、アルタ地区の丘の斜面にそびえる「サン・ジョルジュオ教会:Chiesa di  San Giorgio」です。
モディカSジョルジョ迫力Sep2018
( モディカのアルタ地区のサン・ジョルジオ教会 )

設計者はロザリオ・ガリアルディ: Rosario Gagliardi (1698-1762 )という人で、ラグーザ・イブラの有名なサン・ジョルジオ大聖堂も設計しています。二つの街を観光すると、「あれっ?何か似てない?」と感じることがあると思いますが、それで正解です。美しく壮麗な観光ポイントですが、双方に独創性はあんまりありません。

けれども、ベージュ色でぎっしり詰まった立体的なモディカの旧市街のなかに建っているので、自然と目が吸い寄せられます。


2. サンピエトロ教会

まず、バッサ地区のサンピエトロ教会に入りました。昼下がりは、お昼寝タイムで閉館となります。午前中か夕方にアプローチしましょう。

モディカ中心サンピエトロ前の昼Sep2018
( サンピエトロ教会前:画面右の柵のある階段がサンピエトロ )

主祭壇や両脇の小さな礼拝コーナーをひととおり見て歩きました。修復を終えて年月が経っていないためか、壁の真っ白い漆喰が瑞々しさいっぱいでした。

モディカSピエトロ祭壇と天井Sep2018
モディカSピエトロの穏やかな彫像Sep2018
( サンピエトロの祭壇と内陣 )

いつもながら、「神はこうあってほしい」という気持ちがいっぱいあふれている空間です。

モディカ薄暮のウンベルト1世通Sep2018
( 薄暮に浮かぶサンピエトロ )

私も、お昼寝タイムのあと、コリーナ・デリトリア展望台に再び上がり、夕暮れ迫るサンピエトロ教会を眺めました。風は涼しくなってきましたが、やはり急坂を登るのは一苦労。けれども登った甲斐がある風景が展開しました。

3. サン・ジョルジオ教会

モディカSジョルジョを正面に見るSep2018
モディカSジョルジョと背後PizzoSep2018
( ベージュ色のアルタ市街に溶け込むサンジョルジオ )

ここの堂内も修復直後らしく、とてもきれいに整えられていました。見物人も少なく、落ち着いた雰囲気です。
モディカSジョルジョ祭壇Sep2018
( サンジョルジオ教会内部 )

アルタ地区が俯瞰できる展望ポイント、コリーナ・デリトリアにも登って、サン・ジョルジオ教会を谷の対岸から眺めました。
モディカPizzoとSG聖堂その2Sep2018
( 市街風景に溶け込んでいるサン・ジョルジュ教会 )

丘の斜面にあるサン・ジョルジオは、よく見ないと分かりません。絵本の「ウォーリーを探せ」に通じるところがありますが、どこだかお判りでしょうか。そんなに難しくありません。

サンジョルジオ大聖堂も夜に美しくライトアップされます。
モディカSジョルジョ夜Sep2018
( サン・ジョルジュ教会のライトアップ )

手間暇をかけ、体力を使って高台にやってきた甲斐がある幻想的なライトアップ風景が展開していました。20分くらい、じいっとたたずんで、群青色から黒に染まっていく空と、モディカの2大聖堂の夜景などを見ていました。

モディカは期待値以上に趣きのある都市でした。


2019年11月記                          了











モディカ、見上げれば谷の街

モディカ、見上げれば谷の街      2018年9月訪問

1. モディカはV字谷の中に

シチリア島の南東部にあるモディカ:Modica は、バロック建築とチョコレートの都市として、それなりに有名です。世界遺産「バル・ディ・ノートの諸都市」のひとつです。

昔からの市街地は、二股に分かれた急傾斜のV字谷に張り付くようにびっしりと広がっています。谷底をバッサ(下)、二股の間の斜面上部をアルタ(上)と呼んでいます。観光客が集まる中心部のウンベルト1世通りは、バッサにあった川の流れの跡です。

私は、モディカへラグーザ(ラグーサ)発の路線バスで入りました。バスがモディカに近づくと、ヘアピンカーブを何度か下って市街地の縁に入っていきます。

MODICAのV字谷にかかる国道橋Sep2018
( モディカへ入るヘアピンカーブの続く街道 )

モディカ市街の周囲には、ここ20-30年ばかりの間にできた国道のバイパスの高い橋が何本もかかっています。日本人の個人観光客にもっとも記憶に残っているのは、駅の背後にかかる高さ100mばかりの国道橋でしょう。
モディカ駅南の国道橋Sep2018
( モディカ駅後方の恐ろしく高さのある国道橋 )

これこそ、モディカの地形上の特色を如実に語っている光景です。

2. バスターミナルを経てモディカ中心部へ入る
MODICAバスT街はずれSep2018
( モディカ市街の北西にあるバスターミナル見下ろし風景 )

地域の市町村をつなぐ路線バスは、街はずれのバスターミナルを経由したあと、街の中心部まで入ります。バスターミナルで、けっこうな数の乗客が降りますが、あわてず、さわがず、運転手さんに「チェントロまで行くか?」と尋ねると「シー(行くよ)」、とか「ノン(ここが終点)」と答えてくれます。体力温存のため、できるだけ街の中心部まで行きましょう。

3. そそり立つモディカ旧市街に声も出ず

街の中心部のバス停に降りた途端、360度の視界いっぱいに飛び込んできたのが、両側にそそり立つベージュ色の旧市街風景でした。

実物は、写真よりはるかに立体感があり、見上げるような感覚に襲われました。
モディカ迫りくるアルタの山Sep2018
( 谷底の両脇や背後にそそり立つモディカ旧市街 )

いっしょに降りたヨーロッパ人のカップルともども、文字通り口があいたまま塞がりませんでした。

「 ・・・・・・・・・・・・・・ 」
「 な、なんと、素晴らしい・・・・・・ 」
「 ところで、どこから来たの?」
「 スコットランド 」
「 私は、トーキョー 」
「 良いモディカ滞在を! 」
「 お二人もね 」

という感じでした。

モディカでは、バッサの谷底の目抜き通りを歩いている限り、いつでもどこでも急斜面に張り付くアルタの家並みが目に入ります。
モディカ頭上に迫るアルタのPizzoSep2018
( モディカの目抜き通りウンベルト1世通りからピッソ展望台方向を見上げる )
モディカ駅へ通じるロトンダから三叉路方向SEp2018
( 坂道の背後にも石灰石の崖と斜面に張り付く家々があるモディカ )

モディカの第1印象は、とても強烈でした。鉄道で来てモディカ駅から中心部へアプローチすると、谷底の深さが浅いので、多少、印象は薄くなるかも知れません。それでも、駅の背後の高すぎるくらいの国道橋を目にすれば、モディカの印象が記憶に焼きつくと思います。

日本人には、まだ馴染みがない観光地だけに、大切にしたい感動です。イタリアの典型的風景であるベネチアや、フィレンツェのルネサンスムード満点の都市とは違うイタリアを感じるでしょう。

2019年10月記                               了











モディカのチョコ店めぐり

モディカのチョコ店めぐり   2018年9月訪問

モディカのバッサの目抜き通りには、チョコレート店がたくさんあります。「ボナユートに続け、そして追い越せ」と言わんばかり。専門店もあれば、土産店兼用の店舗もあります。共通点は、どこのお店のチョコレートでも舌ざわりが「じょりじょり」することです。そして、固いです。歯が欠けるほどではないですが、少し強く噛まないと砕けません。

ぶらぶらと何軒かのチョコレート店を見てみましょう。

まずは、ボナユートに続いて2番手のイメージがある「ペルーゾ:Peluso」。東京のチョコイベントにも出展したことがあると、店番のおばさんは言っていました。
ModicaPeluso看板 Sep2018
ModicaPeluso店内Sep2018
Modica Peluso 3varSep2018
( ペルーゾの店内外と、チョコレート3種 )

とても品のよい味がしました。

次は、カンネッラ:Cannella。こげ茶色の箱が記憶に残ったチョコでした。やや渋い味わいでした。
Modica chocoRIZZASep2018
( カンネッラのチョコレート )

3番目は、モンス:Monsu*。(モンスウ) やや軽い味わいでした。
Modica Choco 胃MONSU Sep2018
モディカチョコMonsu2味
( モンスのチョコレート )

土産物店と兼業のチョコレート店は、夏ならば、夜11時、12時まで営業しているようです。

陽が暮れてから入ったのが、大きな店構えのドン:Don。店の壁いっぱいに150種類以上の味の板チョコがぶらさげてありました。普通の味わいだった記憶があります。
Modica Don Sep2018
モディカのDONチョコラート品揃え
( Don のチョコレート店 )

ボナユート以外のチョコレート店の値段は、一般的なサイズの板チョコで1.5ユーロから2.5ユーロほどです。それでも、あちらこちらで、4枚、6枚と買ってコレクションしていると、すぐに50ユーロ、100ユーロの出費になりました。

たくさん買ってきたので、帰国後、家族で結構な量を食べ、職場でも1人に板チョコ1個を配るくらいの数がありました。チョコ買いすぎでした。

2019年10月記                        了



モディカのチョコならボナユート

モディカのチョコならボナユート   2018年9月訪問


1.イタリア3大チョコレートの街

モディカ、ペルージア、トリノ。イタリアの3大チョコレートの都市です。

どこのチョコレートも逸品ですが、モディカのチョコレートは、16世紀風の製法をアピールし、暑い日でも溶けにくい、じゃりじゃり感のある味わいが売りです。

その中で、1880年創業のボナユート(ボナイウート):Bonaiuto)は、モディカのチョコの創業店であり、もっとも有名で人気のあるお店です。どうして、チョコ製造を始めようと思ったかは、ちょっと調べたくらいでは書いてありません。

とにかく、谷底のバッサ地区の中心部のサンピエトロ大聖堂の、ほぼ真ん前にあるお店へ急ぎました。

モディカSPetro前のボナユート092018
(サンピエトロ大制度前の路地にあるボナユート本店)

2. 老舗ボナユート(ボナイウート):Bonajuto でチョコレート・ショッピング

ボナユートは、目抜き通りから路地に入った場所にあります。下の写真のように、お店への案内板が貼ってあるので、迷わずにたどりつけます。
モディカチョコBonajuto案内Sep2018
ModicaBonajuto前Sep2018
( ボナユートの看板と路地裏の店頭 )
モディカチョコBonajuto店構えSep2018
( ボナユートの店頭からバッサの大通り方向 )

昼ごろまでは、あんまりお客がいません。それでも店内は、かなりのにぎわいでした。
モディカチョコBonajuto観光客でいっぱいSep2018
( ボナユートの店内風景 )

カウンターに、試食用に小さく刻んだチョコレートが乗った皿が20種類くらい置いてあります。モディカのチョコレートは、カカオミルクを混ぜないので、とろみがなく舌ざわりがジャリジャリします。その代わり、常温保存でも35℃くらいまで溶けません。一般的なチョコは28℃前後で溶けて来るので、モディカのチョコは暑さに強いです。

店員さんは親切で、声を掛けると、ていねいに品揃えの説明をしてくれます。

すぐ下の写真のように、「ペルー」とか、「アランチャ」などと命名されているタイプが売れ筋とのことですが、より伝統的な製法に近いチョコレートは、その次の写真のように、ぶ厚いタブレット型のチョコレートだそうです。
Modica Bonaj2varSep2018
Modica Bonaj ChocoSep2018
Modica Bonaj TabletSep2018
( ボナユートのチョコいろいろ )

薄い一口サイズのチョコレートを、かわいい箱に詰めた品揃えもありました。10ユーロ強したと思います。
モディカボナイウートチョコ菓子箱
モディカボナイウートチョコ箱中身
( ボナユートの箱詰めチョコレート)

3. 最後にカンノーリ

お好みの味や厚い板チョコを買いました。1つ3ユーロから4ユーロですが、あれこれ買うので、お勘定額はすぐに30ユーロ、50ユーロになってしまいます。

それに、「他のチョレート店もまわりたいし」、となると、チョコレート予算は100ユーロ、150ユーロになります。

でも、モディカのチョコレートなんて滅多に変えません。三越銀座店でも、ボナユートのチョコを2-3種類だけ扱っていますが、1つ1200円くらいだったと思います。そのあたりを勘案して、買い物を楽しみましょう。

最後の最後に、ボナユートの隠れた逸品のカンノーリを注文しました。
ModicaBonajutoカンノーリSep2018
( もうひとつの名物、ボナユートの「カンノーリ」)

カンノーリ2本をトレイに載せてもらい、店の外のベンチで食べました。よそのお客さんが、「それ、なあに」と聞いてきたので「ボナユートのカンノーリ」と答えると、「私も買おっと」といった感じで店の中に入っていきました。
カンノーリは、店頭に並べてないので、知っていて、なおかつ注文しないと食べられません。

味は、噂のとおり、甘ったるくなく、奥行きがある甘さで、「さすがボナユート」と納得の内容でした。
皆さんも、お立ち寄りの際は、是非、カンノーリもご賞味ください。1本3ユーロほど(2018年9月)です。


2019年10月記                               了




駅の風景、ラグーザ、モディカ、ノート。

駅の風景、ラグーザ、モディカ、ノート     2018年9月訪問

1)  閑古鳥の鳴くラグーザ駅

シチリア南東部、ヴァル・ディ・ノートの街々を結ぶローカル線の駅を3カ所ほど訪れました。どの駅も、影のうすい存在でした。

まずは、ラグーザ(ラグーサ)駅:Ragusa。 ラグーザ県の県庁所在地、人口7万余のラグーザ市の表玄関のはずですが、誰も寄り付きません。街の中心から徒歩10分ほどのポポロ広場の奥に駅はひっそりと建っていました。

ラグーザ駅とポポロ広場Sep2018
( ラグーザ駅をポポロ広場より見る )

駅前のポポロ広場周辺は、近代建築のマンション街で、ヤシの木や棕櫚(シュロ)の並木がきれいですが、駅は、半分、草むしています。

寂しげなラグーザ駅Sep2018
( 草むしるラグーザ駅舎 )

駅舎の地下は市営駐車場ですが、鉄道利用者とは無関係。休日のため、駅周辺には人っ子一人いません。ラグーザの治安は悪くないので、ひょこひょこ歩いても不安感はありません。

ラグーザ駅構内ひっそりSep2018
( ラグーザ駅構内 )

駅の構内は、旅客列車のプラットホームの奥に、何本もの側線が並び、大きな保線基地になっています。かつては、貨物ヤードだったところを転用しています。

線路の向こうには、観光地区ラグーザ・スーペリオーレの市街地に傲然とそびえるカテドラーレの塔が見えます。直線距離は1km強、少し坂道がありますが、徒歩15分か20分程度です。

こんな場所に、のこのこやってくる物好きな日本人と思うでしょうが、ニッポン人は鉄道好きなので、旅行記にも意外とラグーザ駅のことが書いてあります。皆さん、不便さをそれなりに楽しんでシチリア鉄道の旅を敢行しています。拍手!

ラグーザ駅からカテドラーレ見えるSep2018
( ラグーザ駅構内保線基地の向こうにカテドラーレが見える )


2) モディカ駅は無人の始発と終着駅

次の日にはモディカ駅:Modica の様子をみました。路線バスに乗ってラグーザからモディカに移動しました。

モディカ駅は、時刻表を見ると、1日に数本の始発、終着列車が設定されています。付近一帯の要(かなめ)となる駅であると感じましたが、フタを開けてみると、ややびっくり。ラグーザと五十歩百歩の閑古鳥の鳴く駅でした。

モディカだって、人口4万5千人の小都市で、街の中心部は活気があります。けれども、鉄道の駅は影がうんと薄くなっていました。


モディカ駅Sep2018
( モディカ駅は旧市街のはずれにひっそりと )

モディカ駅は、旧市街中心部から徒歩15分ほどの場所ですが無人駅です。列車の発車時刻が近づいてきても、パラパラと数人の利用者が動いているだけでした。駅の待合室には、お馴染みのキップの自動販売機が鎮座しています。コカコーラの自動販売機みたいな色合いです。


モディカ駅待合室と自動券売機Sep2018
( 無人駅モディカ駅の待合室とキップ自動販売機 )

待合室の中は、きれいに手入れされていました。怪しげなやからがタムロしたり、落書きされることもなく、ほとんど見放された感じです。


モディカ駅で入換中の始発列車Sep2018
( 始発列車が車庫から出てきて転線中 )

その一方、列車の運転関連の施設は現役で、車庫や乗務員の宿泊棟などのそばには制服姿の職員が数人いて、のんびりと談笑していました。おそらく、みんな顔見知りなのでしょう。

雑草が多いとはいえ、線路も立派に改修されていて、公共交通機関を前向きに維持しようという姿勢を感じます。外見だけで判断すると、日本では特急列車も通るような高規格のレールが敷いてありました。


3)  無人のノート駅と観光客

駅体験の最後は、ノート駅:Noto です。

ノートもバロック建築の世界遺産を有する人口2万人強の小都市で、観光地区は、かなりの人出があります。この地方の中心都市シラクーザから30kmの近さにあるので日帰り観光客も多く、ニッポン人だって、見かけない日はないくらいの頻度で観光にやってきます。

けれども、駅はやっぱり廃墟寸前でした。立派な駅舎ですが、待合室も含めて建物の中へは一切、入れません。キップの自動販売機もプラットホームの壁にくくりつけられています。


ノート駅前がらーんSep2018
( 完全封鎖のノート駅舎 )

数少ない鉄道利用客は、駅舎の両側の隙間を通って、プラットホームへ出入りします。

ノート駅前から観光地区が見えるSep2018
( ノート駅から世界遺産のドゥオーモを目指す観光客 )

昼間の列車でノート観光に来る旅行者は、1列車で10人くらいいます。私も含めて皆んな、駅の向こうに見える世界遺産を目指して駅前通りの坂を昇って観光に行きます。徒歩15分か20分くらいなので、ちょっと地図を見られる程度ならば、列車利用でのノート観光も苦にはなりません。

ノート駅構内草ぼうぼうSep2018
( ノート駅のはずれから駅構内を見渡す )

帰りしなに、ノート駅の端まで歩いて行って構内を見渡してみました。草むした線路や朽ち果てそうな貯水タンクが、SL時代や鉄道華やかなりし時代の活気ある駅風景を思い起こせてくれました。

芭蕉の名句「夏草や、つわものどもの夢の跡」そのものの光景でした。

けれどでも、イタリア最南端の鉄路と駅はいまだに生きています。そして、老いた地元民と、好奇心旺盛な外国人観光客を迎え続けてくれます。


 2019年10月記        了



意外と快適なシチリア南部のローカル線


意外と快適なシチリア南部のローカル線
      2018年9月訪問

1) イタリア最南端の鉄道路線

シチリア島南端のローカル線に少しだけ乗りました。

シラクーザ:Siracusa からイタリア最南端の駅ポッツァーロ:Pozallo をとおり、シクリ:Siculi 、モディカ:Modica 、ラグーザ:Ragusa  、ヴィットリア:Vittoria  を経由してジェーラ:Gela を結ぶ約150kmの路線です。利用したのは、そのうちのモディカからシラクーザまでの、東半分の区間です。

この路線は、全線、単線非電化の典型的なローカル線です。区間運転の列車も含め、1日に8往復ほどの列車しかありません。そして、日曜祝日は全列車運休という徹底ぶりです。

シチリア島内鉄道路線図Sep2018
( シチリア島トレニタリア路線図。一番下の方が乗車区間 )

それでも、線路はコンクリート枕木で、走行中の揺れもあまりありません。列車は、直線区間では時速100kmくらいで快走します。駅の数も少なく、従前に比べて半分以上の駅が廃止になったような印象です。設備の維持管理コストを削減する一方で、スピードアップを図り、乗り心地も良くして少しでも鉄道の利便性を高めようとする努力を感じました。

ノート付近の軌道状態良いSep2018
( それなりに整備された線路。Noto付近 )

少なくともJRの三島会社のように、基金を作ったあとは、各社の経営手腕にお任せというアプローチの結果、ローカル線はボロボロになるばかりという状態ではないようです。最近のイタリア政府のローカル鉄道網に対する施策を知りたいなと思いました。


2) けたたましいローカル線の駅

私が利用したのは、モディカ始発8:34分、終点シラクーザ着10:12分のトレニタリア:Trenitalia の普通列車です。車両は、たった1両のディーゼルカー。列車は、ディーゼル・エンジンの爆音を響かせながら世界遺産ヴァル・ディ・ノートの街々をつなぐように走りました。

モディカ駅舎と橋Sep2018
( モディカ駅。始発、終着列車もあるが駅は閑散 )

モディカ駅:Modica は、沿線のちょうど中間付近にあるため、始発終着列車がありますが、駅の方は完全な無人駅。乗務員の宿泊設備や、車庫だけに人の気配がありました。

駅舎内には、お決まりの近郊区間用のキップの自動販売機があり、プラットホームにはキップの刻印機が取り付けられています。

モディカ駅ホームと高架橋Sep2018
( モディカ駅プラットホームから国道高架橋を見る )

午前8時すぎのモディカ駅のプラットホームです。私の背後では、始発列車に乗務予定の運転手さんや車掌さんがペチャクチャおしゃべりをしていますし、10人に満たない乗客も、思い思いの立ち位置で列車を待っていますが、全体にがらーんとしたムードが漂っています。治安は良いので、不安感や恐怖感は全く感じません。

駅の向こうに、モディカ一帯の谷を、100メートル弱の高さで跨ぐ真新しい国道高架橋が、いやでも目に入ります。19世紀の鉄道技術と、21世紀の道路技術の差を、まざまざと見せつけられているようなシーンでした。

少し経つと、車庫からディーゼルエンジンの音も騒々しく1両の列車が姿を現わしました。何回か線路を転線して駅舎に隣接したプラットホームに入ってきました。


モディカ駅で入換中の始発列車Sep2018
( 車庫から出てきたモディカ始発のシラクーザ行き普通列車の車両 )

みんな車掌さんにキップを見せてバラバラとディーゼルカーに乗り込みます。

ちなみに、こんなローカル線でも、ネットや駅の窓口で買ったキップはQRコード付きです。車掌さんは、自分のタブレットにQRコードをかざして検札します。瞬時に旅客情報が分かるし、データが蓄積されるので大変、便利です。

こういうやり方を目にするにつけ、紙のキップにスタンプを押したり、車内を回って、目視で乗客数を数えたりする日本古来の流儀は、ほほえましいのですが、何か時代遅れ、周回遅れのサービスのような気がしてなりません。

そして、何と、この車両は旧型車であるにもかかわらず冷房付きでした。9月とはいえ、昼間は暑いので、思わず「やったあ」と、心の中で喝采。ただし、冷房改造されていない旧型車両の方が多いので、ローカル線では、過度な期待は禁物です。

モディカディーゼルカー車内Sep2018
( 旧型ディーゼルカーの車内 )

ゆったりとしたクロスシートに腰掛けて待つこと15分、やっと、モディカ止まりの普通列車が10分ほどの遅れで到着しました。向こうは、ばりばりの連接式新型ディーゼルカーで、けっこう、かっこいい外観です。

トレニタリア新型DCSep2018
( モディカ止まりの普通は新型車両 )

10人ほどの乗客が降り、2,3人を除いて、こちらの接続列車に乗り移ってきました。私も含めてガイジン観光客が目立ちます。

紙面や画像では分からないですが、イタリアのローカル線では、列車が前の駅を発車すると、次の駅では、チンチンチン・・・・、と大音量で予告用のベルが5分くらい鳴り響き、けっこう、うるさいです。

「遥かなるローカル駅のベンチに座っていると、ただ聞こえるのは、田園をわたる風音のみ」、というようなロマンチックな表現があったとしても、列車到着前ならば絶対にウソです。旅情をそそらせるために、そのように書きたいところでしょうが、現実は安全優先、旅客への注意喚起第一です。


3) 最果てのディーゼルカーは走る

旧型ディーゼルカーは、さらにエンジンのうなりもけたたましくモディカ駅を発車し、一路、終点シラクーザを目指しました。モディカを発車した時点では20人弱の乗客がいました。バロックの世界遺産の街シクリ、イタリア鉄道最南端ポッツァ―ロ、同じく世界遺産の街ノート、農産物で有名なアボーラなどを通る約1時間40分の鈍行列車の旅です。

列車は、ポッツァーロやノートで10人弱の乗り降りを繰り返し、少しずつ乗客を増やしながら終点へ向けて走ります。イタリア鉄道最南端の駅ポッツァーロの前後では、車窓のかなり先に海が見えます。

のんびりしたムードで、つい、うつらうつら・・・・・・・。

ノート駅の普通ディーゼルカーSep2018
( ノート駅に着いた普通列車。ディーゼルカーの単行 )

世界遺産の街ノートの駅も完全な無人駅で、実にのんびりしたムードです。行き違い列車もないので、駅舎に沿った線路以外は錆付き草むしています。

それでも、ローカル列車は、あまり多くない乗客を乗せて走り続けています。

最後の停車駅、フォンターネ・ビアンケ:Fontane Bianche (白い泉、の意味)では、一気に10人くらいが乗り込み、列車はそれなりの賑わいになって終点シラクーザに着きました。いつの間にか10分弱の遅れを取り戻し、シラクーザには1分か2分遅れただけで到着しました。この鈍行列車からは15分くらいの接続時間で、特急ローマ行きに乗換えられるので、定時運行に努力しているようです。

シラクーザ駅のジェーラ行きディーゼルカーSep2018 
( シラクーザ駅のモディカ方面行き列車発着ホーム )

シラクーザ駅も、小ぎれいに整備されていました。線路も敷き直したようで、バラストも枕木も真新しい状態でした。

ノート、モディカ、ジェラ方面のディーゼルカーは、駅舎正面のプラットホームではなく、左の奥に進んだ位置にある西1番線から西3番線:Ouest 1--Ouest 3 に発着します。

カターニア、メッシーナ方面の列車が発着するプラットホームには、4両編成とか5両編成の列車が停まっています。たった1両のディーゼルカーから降りた我が身には、それを見ただけで、何か都会に出てきたような気分になりました。

シラクーザ駅本線方面Sep.
( シラクーザ駅の西ホームから本線ホームを見る )

乗り終えてみれば、なかなか味わいのあるイタリアのローカル線の旅でした。

                        2019年10月記                          了











ヴァル・ディ・ノートの鉄道時刻表2018

ヴァル・ディ・ノートの鉄道時刻表2018     2018年9月


シラクーザと、ノート、モーディカ、ラグーザ、コミーゾ、ジェラを結ぶ、JR相当のトレニタリア:Trenitalia  最南端の路線は、超ローカル線です。単線、非電化で、ルートは大回り、列車本数も少なく、車窓風景も、期待ほど良くありません。海は、かすかに見えるか見えないか程度です。

それでも、鉄道を使って旅行する人はいるし、ときには日本人だって乗ります。2018年9月現在の列車時刻情報です。

シチリア島内鉄道路線図Sep2018
( シチリア島のトレニタリアの全駅、全路線図 )

今回、紹介する路線は、地図の右下の路線。線路が逆U字型に大回りしている場所がラグーザです。

この路線図は、縮尺どおりなので、シチリアの鉄道網を理解しやすいです。ただし、エトナ山麓を回る路線は書いてありません。トレニタリアではない、別の私鉄だからです。

イタリアでは、かつて、日本人にもとっつきやすい冊子タイプの時刻表を駅の売店で売っていましたが、今はないようです。ネット時代ですから、そんな重たいものは、マニア中のマニアしか買わないので、当然、廃刊です。

列車の時刻表を調べるためには、トレニタリアのwebsiteを利用します。

http://www.viaggiatreno.it/viaggiatrenonew/index.jsp

利用区間や希望日を入れると、たちどころに列車時刻が案内されます。駅名を指定して列車の発着時刻を検索することもできます。各駅の発着時刻表は、現地の駅にも印刷して張り出してあります。

ラグーザ駅列車発着時刻表Sep2018
( ラグーザ駅の列車発着時刻表。白が到着:Arrivi 、黄色が発車:Partenze )

ピンポイントで、ある都市から別の街へ移動する場合は、websiteの時刻表検索サービスや、駅ごとの発着時刻表で事足ります。けれども、旅のおおまかな移動パターンを練るため、周辺一帯の列車時刻をいっぺんに見たいときは、不便です。

そのため、発着時刻表を主に読み込んで、シラクーザ以南の全列車の時刻表を書き出しました。駅も1駅を除いて書き出してあります。小さい駅をどんどん廃止したので、駅間は、たいてい10kmくらい離れています。

1枚目が、シラクーザ発の下り、2枚目がシラクーザ着の上りです。

SiraGela線時刻表Sep2018 (1)
       ( シラクーザ~ジェラ線時刻表2018年:下り )

SiraGela線時刻表Sep2018 (2)
     ( シラクーザ~ジェラ線時刻表2018年:上り )

驚きを超えるくらいの閑散路線です。そして、いわゆる高校生ダイヤです。

途中駅の時刻は、websiteの各駅時刻表をつなぎ合わせると、分単位の部分で、一致していない場合が多いです。5分くらいの誤差はあると思っても、大勢に影響はありません。イメージづくりのメモとしては有用です。

そして、実際、乗って見ると、鉄道旅行好きな人にとっては楽しい体験です。そうではない人にとっては、のちのちまで語り継いでもよいくらい貴重な体験だと思います。

※2019年にダイヤ変更があり、シラクーザ発11:00の下りが30分程度繰り上がっています。13:04発下りは13:30発に繰り下がっています。

                                  2019年10月記                     了



シクラメンテを買おうかな

シクラメンテを買おうかな      2018年9月  

( 新シチリア土産 )

シチリア島のお土産の定番と言ったら、食べ物かマヨルカ焼きです。

でも、たまには、目新しいものも見つけたいと思いました。シチリアにぞっこんの方が、ブログでシクラメンテ:Sicuramente、というTシャツ、カジュアル・バッグのお店を紹介していたことを思い出したので、さっそく入ってみました。創業20年くらいの、新進気鋭のカジュアル・ブティックで、シチリア島内限定のお店だそうです。

店名は、「シ・ク・ラ・メ・ン・テ」です。クリスマスのお花の”シクラメン”と間違えないようにしましょう。

お店はきれいだし、カジュアル衣料系なので、ちょっとくらいショッピングするのも悪くないと思います。写真は、トリナクリア・デザインのTシャツ、23ユーロです。

シクラメンテTシャツトリナクリア201809
( シクラメンテのメンズTシャツ )

シクラメンテタグのトリナクリア201809
( シクラメンテのロゴ )

色合いもデザインも普段着には十分です。

他の方のブログどおり、古いシチリア語の一句が書いてあるシャツもありました。面白い趣向だと思います。軽くて小さくたためるので、持ち帰りも便利。古いシチリア語なので、少し皮肉っぽい台詞が書いてあっても、日本では誰も分かりませんので、安心です。

シクラメンテNoto店内201809
( 古シチリア語ロゴのシャツと、品揃え )

レディースのシャツは、種類も色も豊富です。ただし、日本人だとびっくりするような露出度の高いデザインや、原色中心の色使いのものが多いので、本人の趣向を確かめてから買った方がいいと思います。

シクラメンテラグーザ店内と女性シャツ201809
( 後ろのラインナップが、レディースのシャツ )

バッグやエプロンなどもあり、20ユーロから60ユーロくらいが中心価格帯です。

玉に傷は、多くの商品が、Made in Italy、  Made in Sicilia でないこと。私のTシャツは、バングラデシュ製です。おそらく、パキスタン製、イエメン製などもあるでしょう。手頃な値段に抑えるためには仕方がないプロセスです。シチリア製の特別品は80ユーロとか100ユーロくらいするというようなことが、他の方のレポートに書いてあった記憶があります。

お好みで、一着か二着くらい買うのも損はないと思います。


( シクラメンテ3店舗紹介 )

シクラメンテのお店は、有名観光ポイントのそばにあります。websiteに当たれば店舗所在地はすぐに分かります。シチリア島内のみに10店舗しかありません。

私は、偶然にも、3店舗も見つけました。

ラグーザ店は、イブラのドゥオーモ広場にあります。

シクラメンテラグーザ店201809
( シクラメンテ、ラグーザ・イブラ: Sicuramente, Ragusa Ibla )

ノート店は、ドゥオーモからヴィットリオ・エマヌエーレ通りを劇場方向へ行った右手の、ちょっと引っ込んだ場所にあります。

シクラメンテNoto外観201809
( シクラメンテ、ノート:Sicuramente, Noto )

シラクーザ店は、オルティージャ島内のローマ通りのミネルバ広場との交差点付近にあります。

シクラメンテシラクーザ店201809
( シクラメンテ、シラクーザ・オルティージャ:Sicuramente, Ortigia, Siracusa )

いずれも、入口は地味ですが、店内は明るく清潔な雰囲気です。たいてい日曜日も営業、それも、夜10時くらいに閉店のようです。観光客を十二分に意識した、うれしい展開です。

きっと、「私だけの発見」を考えている方のプライドも満たすお土産候補だと感じました。


 2018年10月記                         了


シチリアのシンボル、トリナクリアを探す

シチリアのシンボル、トリナクリアを探す   2018年9月訪問

( トリナクリアに魅入られて )

トリナクリア:Trinacria は、シチリアのシンボルであることを、3月の旅で知りました。ミラノのシチリア菓子チェーン店、ブッチリアの店先で、シュールな三本足マークに魅入られたのです。

「今さら、気づいたのかよお」という、シチリア・ファンの方の罵声が聞こえてきそうです。

ミラノのアブチリア店のトリナクリア201809
( ブッチリアのトリナクリアのマーク )

人の足だけが三本、巴(ともえ)のように、放射状に生えている構図は、ユニークであり、グロテスクでもあります。

普通の人間は、あるべきものがないのを見ると、魅入られるか、嫌悪感を感じるものですと、ある方に諭されたことがあります。ミロのヴィーナスなどは前者の代表でしょう。トリナクリアについても、私は、前者だったようです。

トリナクリアの、かわいくもあり、人を食ったようでもあり、不気味でもある三本足が、ずうっと、脳裏に焼きついています。

トリナクリア焼き1 Sep2018
( ちょっと不気味な、モノクロのトリナクリアとメドゥーサ )

皆様のブログや、観光案内で、しばしば登場するのは、トリナクリアの真ん中にメドゥーサ(メドゥーザ):Medusa という、女神の顔をくっつけた、トリナクリアです。

トリナクリア焼き2 Sep2018
 ( 典型的なトリナクリアとメドゥーサの組み合わせ )

これも、十分にシュールか、きもい、です。

各種解説によると、トリナクリアは、シチリア島の形の特色を成す3つの岬を表わし、メドゥーサは、かつてのシチリアの豊かさを表わしているようです。また、異説も、それなりにあるようです。

アカデミックなことはさておき、シチリア旅行では、いろいろなトリナクリアを探すことにしました。


( へびのメドゥーサは嫌い )

はっきり言って、ヘビの髪の毛をしたメドゥーサは、嫌いです。ヘビが嫌いだからです。

もちろん、ギリシャ神話上のメドゥーサは、ヘビの髪をして、目を合わす者を石に変えてしまう、恐ろしい女神であることは承知の上です。ヨーロッパ系の人たちは、子供の頃から、そういうメドゥーサ像を生活感覚で覚え込まされているので、そんなものかと思っているようです。

ラグーザトリクリア素焼き201809
( 怖そうな顔のヘビ髪のメドゥーサとトリナクリア )

シラクーザトリナクリアと島のマグネット201809
( かわいい感があっても、ヘビ髪のメドゥーサ付きトリナクリアのマグネット)

けれども、陽光がいっぱいで、食も豊かなシチリアのシンボルが、恐ろし気な女神というのも変な感じ。ギリシャ文明で、ヘビが医学のシンボルでもあったことを割り引いて考えても、女神さまから、にょろにょろ、はいい気がしません。

そういうことを感じた方は、他にもいらっしゃたらしいことも分かりました。

シチリア州旗にあしらわれたメドゥーサは、とても女神っぽくなっていました。

トリナクリアその2
( シチリア州旗に配されたメドゥーサとトリナクリア )

メドゥーサの髪の毛は、小麦の穂ですし、表情も穏やかです。にょろにょろ、はなくなった上、天使の羽根みたいなものも付いています。

しかし!
今度は、トリナクリアの足に、すね毛が生えてきて、シュール過ぎる艶めかしさとなりました。

それをトリミングしたデザインも見っけ。

トリナクリアその1
( すっきり足のトリナクリアで、ヘビ髪でないが能面のメドゥーサ )

今度は、メドゥーサが能面のようで、女神の魅力がそがれています。
また、足の向きも反転。

千差万別のトリナクリア、メドゥーサがあることも、現地ならではの体験でした。
最低限のポイントさえ押さえれば、あとは、お好きなデザインで、という、おおらかな雰囲気が読み取れた点は、大いに満足です。

シラクーザトリナクリア焼き物201809
( 刺青入りのトリナクリアと緑へび髪のメドゥーサ )

そして、私好みのトリナクリアとメドゥーサは、ないものかなあと思っていました。


( シクラメンテのトリナクリア )

私の求めるトリナクリア像に一番近かったのは、シクラメンテ:Sicuramente、というTシャツ、バック類を売っているお店で見つけた、モダンなトリナクリアでした。

シクラメンテTシャツトリナクリア201809
( シクラメンテのTシャツのトリナクリア )

ダンスをしているようなトリナクリアで、グロテスク感もなく、軽快な感じです。メドゥーサはいません。
モノトーンな色合いも、気に入りました。

シクラメンテは、ここ20年ばかりの間にシチリア島内で人気が出た、カジュアルなムードのブティックだそうです。”シチリア”、をキーワードにしているので、島外にお店はありません。その代わり、主要観光地の目立つ場所にお店を出しています。

シクラメンテシラクーザ店201809
( シクラメンテ:Sicuramente、シラクーザ・オルティージャ店 )

お店のロゴも、シンプルなトリナクリアで、とても印象的でした。

トリナクリア絵葉書201809
(  シクラメンテの記念カード(上段) )
トリナクリアModica土産店Sep2018
( ヘビのないトリナクリアの土産物店。モディカ市内)

お買い物といっしょにもらった、シクラメンテの記念カードも、あっさり系のトリナクリア・デザインで、私好みでした。下に写っている絵ハガキのトリナクリアは、州政府公認の図柄。ここには、ヘビはいません。

また、モディカのお土産屋さんの店頭にあったトリナクリアも、カラフルな足だけのデザイン。とっても嬉しい、トリナクリアやメドゥーサの図柄を目にすることができました。


こんなトリナクリアやメドゥーサが、これからも増えますように。

                                  2018年10月記                     了








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