やまぶきシニアトラベラー

気まぐれシニア・トラベラーの旅。あの日から、いつか来る日まで、かつ、めぐりて、かつ、とどまる旅をします。

バスクの鉄道とバス

ドノスティア行き電車の旅

ドノスティア行き電車の旅    2017年9月

1) バイヨンヌからローカル電車に乗って

バスク地方は、あまり広くありません。町から町へ移動するときは、普通電車や路線バスの旅が多くなります。

今回は、パス・バスク:Passbask というフリーきっぷを使って、バイヨンヌ:Bayonne からドノスティア:Donostia へ普通電車で移動です。ここは、ビルバオとドノスティア間の高速バス移動に次いで、往来が頻繁な区間かも知れません。

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( バイヨンヌ駅に並んだTERアキテーヌのローカル電車 )

旅程は、フランス国鉄:SNCFの電車で国境のアンダイ:Hendaye まで行き、そこで ウスコトレン:Euskotren (バスク鉄道)に乗り換え、目的地ドノスティア (サン・セバスチャン):Donostia を目指すという内容です。約80km、乗車時間およそ2時間の、のんびりした移動です。

久しぶりに、ローカル線風の電車と鉄道風景を楽しみました。

バイヨンヌ駅舎は、白っぽい石でできた、時計塔のある威風堂々とした構えです。最近の経済成長のおかげか、壁を洗い、駅前の改良工事中です。きちんと手入れを怠らない姿勢が伝わってきました。さすがフランスです。時計が全然役に立たないのは、あきらめるしかありません。

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( 時計塔のある堂々としたSNCFバイヨンヌ駅舎 )

きっぷを自動刻印機に通して、使用開始の印字をします。これをやらないと、キセル乗車になります。くわばら、くわばら。インテリアの色使いが華やかで、いかにもフランス風です。

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( バイヨンヌ駅舎内部と改札口付近 )

駅構内には、3本のプラットホームがあり、1番線から5番線まであります。そのうち、真ん中の2番線がパリ方面行き、3番線がアンダイ方面行きのホームです。人は、多くなく、朝夕の通勤時間帯でも、のんびりとしたムードが漂っています。

これから乗るTER Aquitaine (テル・アキテーヌ)という普通電車は、地方政府がお金を出し、SNCFが受託運行している地域内のローカル電車です。連接台車の4両編成の車両は、まだ、新しく、車内もきれいです。

※時刻表は、別のブログ「バスク時刻表2017年メモ」を参照してください。

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電車の出入口は、低いプラットホームに対応するよう床面を低くしてあります。それでも、まだ、1段ばかりステップを昇らないといけないのは、ご愛嬌でしょう。

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( TERアキテーヌ電車側面 )

色とりどりの服を着た乗客が、のんびりとパリ行きのTGVを待っています。ヨーロッパの鉄道駅ならではの旅情を感じる場面です。

その日のアンダイ行き普通は、のっけから45分遅れ。やっと来た電車に乗って終点を目指します。
車内も、温かみのある雰囲気。清潔ですっきりしています。

TERアキテーヌも、自転車持ち込み可。日本のローカル線も、利用客の便を考えて、是非、見習ってほしいです。大前提としては、よほどのことがない限り、全員座れて、まだ空席がある程度の混み具合であることです。

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( TERアキテーヌ車内の様子 )

最近のSNCFでは、普通電車でも自動音声による案内放送があります。

駅を発車すると、
「この電車はアンダイ行きです。次はビアリッツです」
(Ce train est destination Hendaye. Prochaine d'arret, Biarittz. )
と次の停車駅を放送します。

駅が近づくと、
「ビアリッツに着きます」
( Nous arrivons a* Biarittz. )
と、言います。技術の進歩の成果です。

けれども、ご乗車ありがとうございます、とか、ドアに指をはさまれないよう、ご注意ください、とかは決して言いません。

電車は、約40分かけて、フランス南端の国境の町を目指しました。

45分の遅れは、終点までそのまま。そのため、折り返し上り電車も15分遅れで発車して行きました。どうして遅れたのか、最後まで理由は分かりません。


2) アンダイとエンダイア:Hendaye & Hendaia

「Hendaye」は、難読地名です。フランス語では、「ア」ンダイと発音します。アクセントは最初の「ア」にあります。なんとなく、”アンダイエ” などと言いたくなる気持ちは分かりますが、秋葉原が、決してアキバ・ハラではなく、アキハ・バラであるように、ここは、アンダイです。

事態をややこしくしている要因に、Hendayeのことを、スペイン語またはウスケラでは、Hendaia、エンダイア、と言うこともあります。もしかしたら、エンダヤ、と聞こえる方もいると思います。フランス語風の発音をする方は、どうか、最後の母音を独立して発音したくなる気持ちを、ぐっと、こらえてください。

アンダイは、スペインに向かう場合、フランス最後の駅です。駅の構内は広大で、3本のプラットホームの海側には20本以上の線路がある貨物ヤードが広がっています。

シェンゲン協定により、国境の検問が事実上廃止となった現在、アンダイ駅もがらんとしてしまいました。ローカル線の折返し駅の風情です。長くて幅の広いプラットホームにぽつんと停車したTERアキテーヌの電車が、どこがわびしげです。

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( 広すぎるアンダイ駅構内 )

アンダイ駅舎の外観は、30年前と変わっていません。多少、改造していますが、私にとっては懐かしい姿のままでした。

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( SNCFアンダイ駅舎 )
198608アンダイ駅
( 30年前と、ほとんど変わらないアンダイ駅。Gare de Hendaye Sep.1986 )

けれども、内部は21世紀に見合うよう、現代風になっていました。天井の照明は明るくなり、発車案内は電光掲示になって、きっぷの自動販売機も設置されました。フランスとスペインを結ぶ幹線ルート上に位置していることに変わりはないので、駅には、少なくない数の旅行者がいます。

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( アンダイ駅改札と左奥のきっぷ売場 )

接続電車の発車時刻まで余裕があったので、駅の周りをぶらぶらしました。
たくさんの線路の向こうに、国境のビダソア川を隔ててオンダビリアやイルンの市街地が見えます。

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( アンダイ駅付近から対岸のオンダビリア方面を見る )
198609アンダイ駅からイルン方向手前EUSKO鉄
( アンダイ駅付近から眺めたイルン方向。1986年9月 )

かつて、駅前に軒を連ねていた両替屋さんも、ユーロ導入ですっかり消えました。平凡なアパートが並ぶだけの駅前風景です。

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( 雨のアンダイ駅前。左の道路下付近が、EuskotrenのHendaia駅 )

3) ウスコトレンで進む:Euskotren

駅に沿った道路から下を見ると、バスク鉄道こと、Euskotrenの一本きりの線路が、すうっと伸びています。

SNCFの設備や敷地がたいそうな規模であることと比べると、究極のシンプル形です。けれども、旅行者にとっては、ウスコトレンの方が便利な電車なのです。

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( ウスコトレンのエンダイア駅と、奥のSNCFアンダイ駅舎 )

乗換客は、SNCFアンダイ駅とウスコトレンのエンダイア:Hendaia 駅の間100メートルくらいを徒歩で移動します。雨でも、荷物をひきづって走れば、まあいいか程度の距離感です。

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( SNCF Hendaye駅前から見たHendaia駅舎 )

ウスコトレンの駅舎は、海上コンテナ1個分くらいの、こじんまりした空間です。きっぷ売場、2台のきっぷ自動販売機、自動改札機があるので、電車の到着時には、けっこう混雑します。駅員さんが、「降りる人を通してあげてえ」、というように腕を横に広げて、乗車客を止めています。

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( Hendaia駅舎内部。左の青枠がきっぷの自動販売機 )

ひとしきり電車到着時の喧噪が終わると、改札口もプラットホームもひっそりとします。

電車は、ドノスティア方面からやってきて、十数分停車したのち、折り返しドノスティア・アマラ経由ラサルテ行きとなります(Amara,Donostia ---  Lasarte) 。 30分間隔の運転です。Hendaia駅では、朝6時から夜10時すぎまで、まったく同じパターンでの電車折返し風景が、米つきバッタのように繰り返されます。とても、わかりやすい仕組みです。

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( Hendaia駅に到着したウスコトレンの折返し電車 )

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( ウスコトレン最新型900形の車内 )

CAF社製の最新型の900形電車は、丸味を帯びた先頭デザイン、白っぽい色合い、機能的な座席、ごみ落書きがない車内などが印象的です。鉄道サービスや技術レベルが、とても高いことが一目で分かりました。安心して乗っていられる鉄道です。

車内の行先案内や停車駅案内は、スクリーン表示です。言語表記は、ウスケラ、スペイン語、フランス語、英語の順で繰り返されます。

また、放送では、次の停車駅の地名のみ、1回だけ言います。「次は」、に相当するセリフはなしで、チャイムのあと、「アマラ。ドノスティア」という感じです。

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( ウスコトレン900形の停車駅、行先スクリーン表示 )

さて、発車です。
すぐに、国境のビダソア川を渡ります。進行方向右側には、SNCFとスペイン国鉄RENFEの線路が敷かれた橋があります。その向こうに見えるのは、イルンとオンダビリアの境目くらいの街並みです。

写真はありませんが、進行方向左側は国道の橋です。

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( Hendaia発車直後に渡る国境のビダソア川とSNCF/RENFEの線路 )

電車は、ドノスティア・アマラまでは、右側通行で走ります。約40分かかります。

ガイジン客の大半は、サンセバスチャンに行きたいのですが、表示はドノスティアやアマラばかり。サンセバスチャンの文字が少なく、不安になる方もいるようです。ドノスティアが、サンセバスチャンと同じ意味であることや、アマラ駅が、ドノスティアの中心部に近いターミナル駅であることを知らないと、仕方がないです。慣れるしかありません。

途中駅から、少しづつ地元客が乗ってきて、アマラに着くころには、座席の3分の1くらいが埋まっていました。
私も、ビーチと美食の高級リゾート、ドノスティア観光に行くため、電車を降ります。海辺のすがすがしい空気を思いっきり吸いに行きましょう。


4) ドノスティア・アマラの鉄道風景:Donostia Amara

電車はアマラに到着しました。8割方の乗客が降ります。そして、その半分くらいの人が乗ってきます。

アマラ駅は、ウスコトレン最大の駅です。折返し式の配線で、プラットホームのある線路は6本あります。朝から晩まで、電車がひっきりなしに発着しています。そう言っても、日本人感覚では、人も少なく、いつもがらんとしています。

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( ドノスティア・アマラ駅プラットホーム風景 )

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( アマラ駅に並ぶ多くの自動改札 )

アマラ駅正面は、さすがに堂々たる造りです。青い看板に書いてある内容は、駅名ではなく、メトロ・ドノスティアという意味のウスケラ兼カスティヤーノです。駅前は、ちょとした公園になっていて、観光客は、木々の向こうに並ぶ整然とした高級マンション風景に、この地の豊かさを感じてしまいます。同時に、「ここは、安心な町だ」という雰囲気も伝わってきます。

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( アマラ駅正面 )

アマラ駅では、すべての電車が折返します。見ていると、先発の電車が発車したあと、早ければ4、5分もすると、次の電車が同じプラットホームに入線します。ダイヤが正確で、ちみつな運行管理がされていることが実感できます。車両がきれい、混雑がない、待ち時間が少ないことを考えると、日本と同等か、それ以上のサービスと技術水準です。
「ウスコトレン、すごいぞ」、と心の中で、拍手喝采しました。

ホーム脇の側線に停まっている青い電車は、旧型車両です。定期列車は、すべて白色ベースの900形車両で運転されていました。

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( アマラ駅で発車待ちをするウスコトレンの電車たち )

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( 4本の電車が横並びで停車しているのは壮観な眺め )

バスク鉄道こと、ウスコトレンの線路の幅は、JRよりちょっとだけ狭い1000mmです。また、プラットホームは、電車の床面とぴったり同じ高さに作ってあります。そのため、プラットホームに立って線路を見やると、日本の線路風景と、ほとんどウリ二つの光景が展開します。カーブの作り方、ポイントの配置など、いつもの通勤で見慣れている雰囲気そのものです。

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腹ごなしの散歩を兼ねて、アマラから5分ばかり郊外に出て、新興住宅街にある駅に降りました。日本の大都市近郊の私鉄の新線風景と、とても似た光景です。地味な色合い、機能性重視で、デザインで冒険しない抑制の効いた造りなど、日本人に受け入れやすい駅風景です。

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( ロイオラ駅出入口: Loiola )

小規模駅には、普段、駅員さんはいません。自動改札機のうち、必ず1台は通路幅が広く、車椅子利用者や、ベビーカーを押したお客がゆうゆう通れるようになっています。

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( 標準的な自動改札機とプラットホームへの階段など )

駅構内には、広告看板類がいっさいありません。発車案内は、LED電光案内で表示。電車が近づくと、発車案内表示脇のランプが点滅します。自動音声で、「電車がまいります」、とか、「あぶないですから白線の内側へ下がってお待ちください」、と注意放送を行なうことはありません。

乗客は、静かに待ち、電車もあまり音を立てずに到着し、ちょっとだけ、さわさわとしながら客扱い行なって、すうーーっと発車していきます。

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( 駅に着いた電車 )

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( 臨時折返し用のシーサスクロッシングを通って到着するウスコトレン )

「都会の電車だなあ」と、見とれてしまいました。


                                           2018/2月記。2017/9訪問   了

バスク時刻表 2017MEMO

その2 バスク時刻表メモ  2017年12月現在


2017年冬ダイヤを個人用にメモしたバスク時刻表です。電車とバスでバスクを移動するための情報です。
最後には現地で確認が必要ですが、おおまかなイメージづくりには、まだ、有用です。

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(ウスコトレン:Euskotren  サンセバスチャン/ドノスティア アマラ駅の電車 )

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( フランス国鉄:SNCF のTERアキテーヌ快速、普通用電車 )


ビルバオ空港、ドノスティア(サンセバスチャン)、ビアリッツ、バイヨンヌ付近の移動用時刻表メモ。新年に少し追記しました。
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バスク一帯の時刻表探しは、意外と大変です。

                                          2017/9--2018/1   了



バスクのお得なきっぷ

バスクのお得なきっぷ      2017年9月情報


その2   お得なきっぷ、便利なカード


1)  バリクカード  barikcard


ビルバオとビスカヤ県一帯を電車やバスで移動するならば、バリクカードが便利でお得です。

バリクカードは、日本のSuica、Icoca、Pasmo のようなIC系交通カードです。ただし、お買い物はできません。その代わり、現金払いの運賃より2割引きくらいで該当路線の電車、バスに乗れます。


バリクカードの表と裏です。裏面の上半分がウスケラ表記、下半分が、いわゆるスペイン語表記です。
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(Barikcardの表裏)

カードデザインは、とてもシンプルですが、センスの良さを感じます。右の指紋デザインは、街中アートからの流用で、オリジナルの屋外彫刻は、市内を見晴らせるアルチャンダ公園の一角に鎮座しています。

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 (アルチャンダ公園。指紋の彫刻の写真は撮り忘れました)


バリクカードの詳細は、メトロビルバオのウェブサイトに載っています。
https://www.metrobilbao.eus/en

1枚3ユーロ、有効期限なし、10人まで同時利用可能、クレジットカードで購入やチャージ可。メトロの他、ビルバオ市内バス、ビスカイバス、スペイン国鉄のRENFEとFEVE、ケーブルカー、そしてビスカヤ橋の通常利用で通用します。運賃は、現金払い額のおおむね2割引き。メトロの駅の自動販売機もしくは周辺の提携店舗で販売中。

何と言っても、不慣れな外国で、毎回、きっぷを買う手間が省けるし、小銭をその度ごとに用意することもなくなります。

ビルバオ都心部の均一区間の運賃は2017年9月現在で0.90ユーロ、ビスカヤ橋の最寄り駅までの片道運賃は1.07ユーロです。ざっくり言って、まる2日間、ビルバオ街歩きをしようとしているならば、バリクカードの初回最低購入額13ユーロを買っても損はないと思います。
ビルバオ土産は少ないので、記念品にもなります。

「えっ、何ですって? ”Barikcard自体を買うことが不安” ですか?」
「それもそうですね。外国ですものね」
「日本でも、電車やバスに乗り慣れていない人が、海外に行ったら、そりゃ、たまらんわ」

いろいろ、あるようですが、何とかなります。

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 (ビスカヤ橋の自動改札機。出っ張っている部分がカードタッチ場所。タッチが有効な場合は、バーが開いて通行できます)


2017年4月からバリクカードの定期券版が本格スタート。
30日有効期間中の70回利用券とか、高齢者向けのカードなどがある旨ウェブサイトに書いてあります。写真付きカードになるので、発売は、有人のカスタマーセンターのみ。観光客向きではありませんが、運賃は3割引き、5割引きの感じです。日本と違って、大幅割引の通勤通学定期券制度が少ないヨーロッパ諸国の中では、目立ったサービスです。

単なる紹介のはずが、バリクカードの宣伝になってしまいました。

ビルバオ市では、バリクカードとは別に、地下鉄と市電の市内均一区間のフリー乗車券に観光施設割引券のついた”ビルバオビスカヤカード”、略称BBCカードを発売しています。24時間券10ユーロ、48時間券15ユーロです。郷土博物館のような場所まで、こまめに入場するくらいの気概の方ならば、役立つようなイメージです。



2) サンセバスチャアンカード、バスクカード

美食都市ドノスティア(Donostia)、 スペイン語名、サン・セバスチャン(San Sebastian) でも、いわゆるツーリストカードの宣伝に余念がありません。観光案内所で紹介されたのは、市内向けの ”サンセバスチャアンカード”、と郊外を含む広域用の ”バスクカード”でした。

ドノスティアランス語版交通カード案内パンフ2017

ドノスティアウスケラと仏語版交通カード案内2017
(ウスケラとフランス語によるサンセバスチャン・カードとバスク・カードの紹介:出典ドノスティア・サンセバスチャン観光案内所パンフレット)

総論として、”10日有効”、ということで、端から日本人観光客向けではない感じです。
発想の原点が、「ゆっくり滞在して、あるときにはバスで出かけ、ある時には市内をブラブラする」、という滞在型観光客の行動を前提にしています。1泊2日や2泊3日で、三ツ星レストランや、ランキング上位のピンチョス・バルを歩き回る場合、こういうカードは使い勝手が良くありません。

私が寄った観光案内所のスタッフが調べた結果、期間限定で、バス用の6ユーロ券があることが分かりました。パンフレットに”6、12”の手書き文字が入っているのは、そのためです。それでも1回1.70ユーロの市内バスに4回乗らないと元が取れません。「オラ!ようこそドノスティアへ!」と、笑顔で接客してくれたお姉さんには残念でしたが、利用しないことに決めました。

結果として、バスに乗ったのは2回限りでした。バルめぐりは徒歩なので、あんまりバスには乗らないのです。

「やっぱり、普通の日本人の旅行ペースなんて、こんなものかな」と、サンセバスチャン・カードのパンフレットを見返して、寂しくなりました。

また、MugicardというSuica相当のバス、電車用カードがあるそうですが、バスカード以上に、一見の者には縁遠いカードでした。



3) パスバスク:Passbask

パスバスクは、スペイン側のウスコトレン社と、フランス国鉄SNCFの共同企画フリーきっぷです。
お得感があります。2)のバスクカードとは全くの別物です。

パスバスクは、ドノスティア・ラサルテからエンダイア間のウスコトレン(バスク鉄道)と、アンダイとバヨンヌ間のSNCFの、ほぼ全列車が乗り放題というフリーきっぷです。値段は12ユーロで、使用開始日と、その翌日有効。利用圏内の主要駅窓口で発売しています。

この12ユーロという値段は、バヨンヌからドノスティアまでの片道運賃額より、少し高いくらい。私も、試しに利用しました。

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 (Passbask  きっぷの購入時のセット。下がフランスSNCF区間のフリーきっぷ。上の2/2がウスコトレンの1日乗車券の引換用バウチャー)

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(バヨンヌ駅のSNCFのセルフ式改札機)

SNCF部分の切符を使い始めるときは、ご自身で刻印することを忘れないようにしましょう。これを怠ると、キセル乗車とみなされます。

パスバスクは、派手な宣伝こそないものの、地道に売れているようです。日本人のブログ旅行記でも、一人か二人、パスバスクのことに触れている人を見つけました。こまめに節約型旅行を実践する方々がいるようで、少し感動しました。

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(下のきっぷが、ウスコトレンの指定区間1日乗車券。大きな文字の「Kutxabank」は、銀行の宣伝ロゴで、きっぷの内容と無関係です)


自分の旅行プランに適したお得な切符や、期間限定の割引券をGETしたりすると、旅の達成感が不思議と高まります。


    その2 了

















バスクの時刻表探し


ビルバオの鉄道に揺られて  2017年9月


その1  鉄道とバスの時刻表探し


バスクの旅も、基本的には公共交通機関を使った個人旅行です。

電車やバス、タクシーの情報収集は旅の必須作業です。それどころか、これを機に、バスクの電車やバスの旅を楽しむことにしました。


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(ウスコトレンの最新型電車900形。ビルバオ市内にて)


バスク旅行で役に立つ公共交通機関は、

1)フランス国鉄SNCF
2)スペインのバスク鉄道ことウスコトレン
3)空港バス、高速バス
4)ビルバオの地下鉄
5)ビルバオのニュートラム
6)ビルバオの市内バスと郊外バス

本屋でのガイドブック立ち読みは、古典的手法。ブログ上の旅行記や口コミを探して、電車やバスの話題を読むのは、ネット社会ならではのやり方です。

それでも、体系的にバスク一帯の交通事情は分かりません。普通の旅行者が、電車の画像を貼り付けたり、ひやひやものの高速バス体験談を披露したくらいでは、これからバスクに行こうとする旅行者の役には立ちにくいのが実態でしょう。

6つの交通情報を整理しました。

1) フランス国鉄SNCF   

SNCFのウェブサイトには、いわゆるフランス領バスク付近の地域限定時刻表があるので、列車事情の全体像が分かります。

SNCF時刻表画面例2017
(SNCFバスク付近時刻表検索で、路線番号を入力してクリック前の状態。出典SNCFウェブサイト)

http://www.sncf.com/>>> Se delacer (*)>>> En region >>> ter >>> Aquitaine >>>Horaires & trafique >>> Fiche horaires a telecharger >>> Ligne 61  を入れて、画面中央右の濃いピンクの表示 RECHERCHER をクリック。画面下部に当該時刻表のPDFマークが出ますので、それをクリックすると当該区間の上下線の全駅、全列車の時刻表が出ます。画面をスクロールして、列車を探します。

(*)eやaなどの上に、フランス語特有のアクセント記号がある語がありますが、うまく変換できないので省略しています。


2) スペインのウスコトレン (バスク鉄道) EUSKOTREN

EUSKOTRENのウェブサイトがあり、全駅全列車時刻表の他、路線図、運賃などが分かります。ただし、言語はウスケラとカステヤーノ(スペイン語)しかありません。時刻表は、地名と数字を理解するだけですから、すぐ内容を会得できます。

Euskotren時刻表例201709
(ウスコトレン(バスク鉄道)時刻表の画面例。出典:EUSKOTRENウェブサイト)

http://www.euskotren.eus/でトップ画面が出ます。euskotren horario とかで検索しても、ウェブサイトに行き当たります。時刻表は、全駅全列車が載っています。平日と土曜休日ではダイヤが異なるの注意して見ます。


3) 空港バス、高速バス

日本人のバスク旅行者にとっては、何にも増して知りたい交通情報です。

まず、ビルバオ空港バス探しをしました。空港は、ロイウというビルバオに隣接した市にあります。<”羽田”にある”東京国際空港”>という表現と同じパターンです。

Bilbao airport とか Airepuerto de Bilbao の語句で検索し、ビルバオ空港のウェブサイトを見つけました。http://www.aena.es/en/bilbao-airport/index.html

空港アクセスのページに市内連絡バスと高速バスの発車時刻表やバス乗り場が書いてあります。

ご当地の2言語に加えて、英語、フランス語も選択できます。

ビルバオ空港バス案内例2017
 (ビルバオ空港の高速バス時刻表と乗り場案内画面例。出典:ビルバオ空港ウェブサイト)

関係するバス路線の時刻表を詳しく知りたい人のために、各バス会社のURLを書いた個所があります。さらに詳しい内容や、別の路線のバス情報も得られます。


Q1 ビルバオ空港と市内を結ぶ空港バスの本数と最終や始発は?

2017年9月現在の冬ダイヤでは、空港発は6:15から30分毎で23:15までと、最終の0:00発があります。

空港行きのバスは、サンマメス始発が5:25で、最終の21:55発まで終日30分間隔の運転です。空港と市内間は25分から30分程度かかります。

大人片道一人当たりの運賃は、現金で1.45ユーロ、ICカードで1.13ユーロです

6月から9月初頭までの夏休みシーズンの空港バスは、2017年は20分間隔の運転でした。何はともあれ、最新の時刻表やバス停位置のチェックは、私も怠らないようにしました。

下の写真は、ビルバオ都心のモユア広場の空港バス乗り場です。バス停の看板も大きく、時刻表も貼ってあります。明らかに旅行者と見える方々が列を作っているので、安心していられます。

Bizkaibus 5 Sep2017
(モユア広場の空港バス乗り場。2017年9月)


Q2 空港からドノスティア・サンセバスチャン行きのバス時刻表と発車場所は?

2017年9月現在、ビルバオ空港発は、7:45から1時間毎で最終は23:45発です。大人片道1人あたり運賃は17.10ユーロです。


類似の手順で、例えば、ビルバオとドノスティア・サンセバスチャン間の高速バス時刻表も調べることができます。ドル箱路線なので2社が競合する状態で運行しています。

PESA社 http://www.pesa.es    最短30分間隔の運転が魅力的です。
ALSA社 https://www.alsa.es     本数は少ないですが、早割運賃が安いです。


4) ビルバオの地下鉄

メトロ・ビルバオのウェブサイトで地下鉄事情全般が分かりました。
https://www.metrobilbao.eus/en  英語版もありますので安心です。

2017年9月現在、路線は3系統あります。
早朝、深夜を除き、運転間隔は8分から10分内外です。L1とL2が重なるビルバオ都心部では、電車は4-5分間隔で走っています。とても、便利です。

メトロビルバオ路線図とカード利用運賃
 (メトロ路線図。2017年9月現在。出典:メトロビルバオ案内パンフレット)

メトロビルバオ2017始発終電等案内
(メトロ各線の始発、終電、運転間隔。2017年9月現在。出典:メトロビルバオ案内パンフレット)


L3は、2017年4月に開通した新路線。ウスコトレンの地下鉄線ですが、メトロビルバオと一体となって運行しています。近い将来、ロイウにあるビルバオ空港まで延伸するようです。楽しみです。


5) ビルバオのニュートラム

ビルバオにはニュートラムタイプの市電が走っています。”トランヴィア”という名前です。

路線図、時刻表は 2)のウスコトレン社のウェブサイトに載っています。先頭のページで、TRANVIAを選択して進むと路線図などが出てきます。英語版がないのが、玉に傷でしょう。

6) 市内バス、郊外バス

バス情報収集は、一般論として、どこの国でも決して楽ではありません。

ビルバオ市内バスは、Bilbobusという名前の市営バスです。真っ赤な車体のバスです。
こういうバスは、現地に行けば何とかなるものなので、予習はなしです。

一方、ビスカヤ県一帯の郊外路線バスは、ビスカイバス:Bizkaibus という県のバス事業体が運行しています。黄緑色で、ぴっかぴかの大型バスが走っています。利用者の多い路線では、後方のタイヤが二組ついたロングボディ車とか、二両連結のバスがやってきます。

Bizkaibus 1 Sep2017
(サンマメスのサッカースタジアム前に停車中のビスカイバス2両連結車)


このビスカイバス情報探しは、難易度が高いです。バスサービスの通称が、”ビスカイバス”であることを突き止めるまでに、結構時間がかかりました。ただし、一度、知ってしまうと、何てことはありません。

時刻表調べ用の、ウェブサイトは、http://www.bizkaia.eus/home2/Temas/DetalleTema.asp?Tem_Codigo=195&idioma=CA
 です。

画面左上付近のバスマークをクリック。試行錯誤してみましょう。

出発地と目的地の地名を選択してページ下のConsultaという表示部をクリックすると、ビスカヤ県の地図上に、希望路線が明るいブルーの線で表示されます。濃いブルーの線は、希望外の全路線なのでびっくりしないようにしましょう。

試しに、サンファン・デ・ガステルガチェ近くのバキオに行く路線を見ることにしました。ビルバオからバキオへのバスは、A3518系統でビルバオからムンギア経由バキオ(Bilbao - Mungia - Bakio ) 行きであることが分かりました。

Bizkaibus検索画面例201709

 (ビルバオからバキオへのビスカイバス検索画面例。出典:ビスカイバスのウェブサイト)

表の右は、明細欄です。

Ida :  往路のバスルートが出ます。右の Vuelta は復路の意味。
Horario : 始発停留所の発車時刻です。途中停留所の通過時刻や所要時間は、どこをつっついても表示されません。

A3518系統のビルバオ発は、平日および土曜日は6:30から1時間間隔で最終は21:30、ムンギア止まりが22:30。休日は8:00発から1時間間隔で最終が22:00発、ということが書いてあります。

Iteneraio :市町村単位の区切りで全部の停留所の位置が書いてあります。

観光客は、停留所明細場所をきちんとメモして行き、現地で付近の人に、正確な停車場所を聞くしかないです。ヨーロッパ流です。

Tarifa : 運賃表です。

県内は完全なゾーン別運賃制です。最高でも7ユーロくらいですから、けっこう安い運賃体系です。


同じ手順で、いろいろなバス路線の概要を調べることができました。主なバス路線は、1時間毎くらいの運行なので、あらかじめバーチャルな路線バスの旅を楽しめました。


その1 了



















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