ビルバオの歓び 2017年9月
その1 グッゲンハイム見ずしてビルバオ観光なし
(グッゲンハイム美術館正面と下をくぐるトランヴィア)
いまや、グッゲンハイム・ビルバオ・美術館:Guggenheim Bilbao Museoa " は、ビルバオ観光の目玉。そして、ビルバオの顔であり、ビルバオ再生のシンボルです。
ご当地での発音は、「グッグアイム」 (グッグンアイム)。市電のトランヴィアの案内放送でも、同じ発音が聞こえます。
ポーーン ”グッグアイム” (案内放送)
(観光客動ぜず)
「あんたがた、美術館に行くんじゃないの?ここだよ!」
「えっ!」(ダッシュで飛び降り)
(窓越しに手を振って、おばさんに「ありがとさん」。内心で、「ああっ、危ないところだった」)
という風になります。
(グッゲンハイムを背に走るトランヴィア。ちらりと、人が抜け出た形の彫刻が見える)
”美術館”の部分は、ウスケラの ”Museoa” が正式名称です。
いわゆるスペイン語では、おそらく、Museo Guggenheim Bilbao となるのでしょう。けれども、単にひとこと”グッグアイム”、と言えば分かるので、実生活では、なんら問題ありません。
グッグアイムは、1997年10月に開館しました。当初は、あまり注目度もなく、「けっこう奇抜な形の美術館ができたの」という感じで言われただけです。1999年にそばを通ったときも、ふんふんとうなづいて、数分眺めただけでした。
「あのとき、もっと、みんなにPRしていれば、今ごろは・・・・・・」と、後悔すること、しきり。観光客目線の悲しいところです。
グッゲンハイム美術館の最大の展示物は、美術館の建物そのものでしょう。アメリカ人建築家フランク・ゲーリー:Frank Gehly の作品です。”変な作風のおっさん”、と言われていたのが、これをきっかけに、大人気になったらしいです。
彼の才能を見破ったビルバオ市の先見の明に拍手喝采です。
「いやあ、候補作の中で、猛反対が多かったので、コンチクショーと思って採用したんです」、という、感じかも知れません。
多くの方が、グッゲンハイム美術館の周囲をひとめぐりし、お犬さまのパピーや屋外彫刻を遠目に見ただけで、それなりに満足されているのが、とっても新鮮です。
ビルバオにいるときは、朝な夕なに周りをうろつき、チタン合金でできたバラの花、あるいは船をイメージさせる百面相のような建物を、自己流で堪能していました。
評判によりますと、晴れの日の夕暮れ、西側のデウスト大学付近にかかる橋の上から見える姿が最高のようです。淡いオレンジ色に染まるグッゲンハイムと、背後のサルベコ・スビア(橋):Salbeko Zubia の真っ赤なアーチが脳裏に焼き付くようです。
(グッゲンハイムとサルベコ・スビア。もう少し離れた場所から眺めるのがお薦めのようです)
私は、雨上がりの夕陽に照らされたグッゲンハイムを見るのが精一杯でした。曲面が、品よくうすいオレンジ色に輝いています。朝か夕方でないと、うまく輝きが出ないようです。
(雨あがりの夕陽に映えるグッゲンハイムと犬のパピー)
(朝のグッゲンハイム。橋といっしょに写真を撮ると逆光です)
( デウスト大学前の橋。ここに行って夕陽の写真を撮りましょう )
ビルバオは、雨が多いので、是非、晴れ女、晴れ男になって、評判の姿を目にしてください。
美術館入口は、そばを流れているネルビオン川の反対側にあります。2017年9月時点での入場料は、大人1名10ユーロでした。小さなバッグ以外は、すべてクロークに預けて入館します。
(グッゲンハイム・ビルバオのパンフレット表紙と館内図)
(グッゲンハイム・ビルバオ美術館正面口)
室内展示品は、超モダンアートの絵や彫刻、映像です。アバン・ギャルドなものがいっぱいあります。具体的な作品名は、ほとんど知られていません。いまのところ、パピーや屋外彫刻ばかりが有名になっています。
室内展示品は撮影厳禁です。ホールなどの構造物の撮影はOKです。インテリアの一部みたいな作品もあり、係員が写真を撮らないよう注意していました。
(グッゲンハイム内部。ガラスと中空の渡り廊下がいっぱい)
内部は、ガラスをたくさん使い、自然光がいっぱい入るようになっています。花びら状の建物なので、展示室を移動するときは、宙に浮いたような渡り廊下を伝わって移動します。
(朝の陽差しに輝くチタン合金の曲面。後ろにサルベコ・スビアが見え隠れ)
私の感想です。
「抽象画は、胸に直接飛び込んでくる響きのある作品があり、けっこういけます。映像作品は、どこかで見たようなスピリチャルの修行場面みたいのが多く、あんまり独創性がありません」
「うーーん、霊感でハイになって寺で修行中とか、服を着ないでヨガをやっている感じかな」
当日は、フランス人がいっぱいいたのですが、あまりのモダンアートぶりに圧倒されたようです。入場前のおしゃべりはどこへやら。静かに作品を鑑賞していました。
室内の作品を見終えてから、屋外の作品を見ます。
見逃してはならないのが、有名な、”チューリップ”です。外から見ると、遠目になりますので、館内にいるうちに近寄って見ます。さわれません。
(チューリップ:アメリカ人ジェフ・クーンズ作。Tulip, Jeff Koons )
(チューリップの展示と背後のビルバオ市街)
チューリップは、ネルビオン川沿いに張り出したテラスの上にあります。
館内から出ましょう。玄関前に鎮座しているのが、花で作った犬のパピーです。
パピー:Puppy、はご当地の音で”プピー”。チューリップと同じジェフ・クーンズ作です。
パピーは、かなり大きく、怪獣のような量感です。両目の上に金属の角が生えていますが、スプリンクラーです。花の維持が大変なようで、ところどころに枯れかかった株がありました。次の植え替え時期はいつでしょうか。
(花で作った犬のパピー)
パピーは当初、客寄せのための期間限定展示だったそうです。人気が沸騰したので、いつの間にか常設展示になりました。
この犬は、美術館にケツ、いや、お尻を向けています。
「パピーは、どこを見ているんですか? 目線の先にペアになる像や建物があるの?」
「えっ? 知らない。どこも見てないと思う」
「ふうーん、じゃあ、ビルバオの未来でも見ているのかなあ」
「そう言われてもねえ・・・・・・」
続いて、ネルビオン川沿いに降りて屋外彫刻を見ます。
(グッゲンハイム館外から見た夕暮れの Tall Tree and the Eye )
チューリップの花びらの手前にある ”高い木と目玉:Tall Tree and the Eye” です。インド人のアーニッシュ・カプーア:Arnish Kapoor 作です。銀色の玉に映る景色にも目をこらしましょう。
周囲の池にも展示作品があります。ナカヤ・フジコ(中谷芙二子)作の”霧の彫刻:Fog Sclupture)で、時間を決めて、霧吹きショーがあります。
夜の光のショーをする作品もあるようですが、見落としました。
( Tall Tree and the Eye と池。背景はデウスト大学本部 )
池を過ぎて、サルベコ・スビア寄りに向かうと、蜘蛛の彫刻ママン:Mamanが、足を広げています。アメリカ人ルイーズ・ブルジョア:Louise Bourgeois 作です。
ママンを見て平気な人もいれば、「キモー」となる人もいるようです。思わず殺虫剤をかけたくなるのでしょうか。
「見る人に深い印象を与える」という意味では、作者のテーマ選びは成功です。
(ママン:Maman)
(ママンと、左グッゲンハイム美術館、奥デウスト大学本部)
ママンの下を抜けると、サルベコ・スビアの下をくぐり、トランヴィアの線路沿いに出ます。巨大な板チョコを人の通った形にくり抜いたような彫刻と、逃げる人間像が置いてあります。
近くにはアイスクリーム・スタンドもあるので、日中の暑いときは、ついつい足が向いてしまいます。
グッゲンハイム美術館と一体化した景観を構成しているサルベコ・スビアを、うまく写真に撮るのは、ちょっと大変です。徒歩で橋の歩道に出て、少し移動するのが王道です。空港と市内を結ぶバスが、ここを通るので、前の席から1枚撮ることもできます。チャンスを狙っていないと、失敗します。クルマでも、駐停車禁止場所なので撮影は大変です。
昔、横浜のベイブリッジができたとき、夜景見物のため橋の上でクルマが徐行するので大渋滞になりました。同じ感覚の場所ですが、交通マナーはきちんと守りましょう。
(サルベコ・スビアの赤いアーチと、右のグッグアイム )
とにかく、グッゲンハイム美術館詣ができたので、気分もすっきりです。
ビルバオ観光客としての最低限のノルマをクリアーです。
了
その1 グッゲンハイム見ずしてビルバオ観光なし
(グッゲンハイム美術館正面と下をくぐるトランヴィア)
いまや、グッゲンハイム・ビルバオ・美術館:Guggenheim Bilbao Museoa " は、ビルバオ観光の目玉。そして、ビルバオの顔であり、ビルバオ再生のシンボルです。
ご当地での発音は、「グッグアイム」 (グッグンアイム)。市電のトランヴィアの案内放送でも、同じ発音が聞こえます。
ポーーン ”グッグアイム” (案内放送)
(観光客動ぜず)
「あんたがた、美術館に行くんじゃないの?ここだよ!」
「えっ!」(ダッシュで飛び降り)
(窓越しに手を振って、おばさんに「ありがとさん」。内心で、「ああっ、危ないところだった」)
という風になります。
(グッゲンハイムを背に走るトランヴィア。ちらりと、人が抜け出た形の彫刻が見える)
”美術館”の部分は、ウスケラの ”Museoa” が正式名称です。
いわゆるスペイン語では、おそらく、Museo Guggenheim Bilbao となるのでしょう。けれども、単にひとこと”グッグアイム”、と言えば分かるので、実生活では、なんら問題ありません。
グッグアイムは、1997年10月に開館しました。当初は、あまり注目度もなく、「けっこう奇抜な形の美術館ができたの」という感じで言われただけです。1999年にそばを通ったときも、ふんふんとうなづいて、数分眺めただけでした。
「あのとき、もっと、みんなにPRしていれば、今ごろは・・・・・・」と、後悔すること、しきり。観光客目線の悲しいところです。
グッゲンハイム美術館の最大の展示物は、美術館の建物そのものでしょう。アメリカ人建築家フランク・ゲーリー:Frank Gehly の作品です。”変な作風のおっさん”、と言われていたのが、これをきっかけに、大人気になったらしいです。
彼の才能を見破ったビルバオ市の先見の明に拍手喝采です。
「いやあ、候補作の中で、猛反対が多かったので、コンチクショーと思って採用したんです」、という、感じかも知れません。
多くの方が、グッゲンハイム美術館の周囲をひとめぐりし、お犬さまのパピーや屋外彫刻を遠目に見ただけで、それなりに満足されているのが、とっても新鮮です。
ビルバオにいるときは、朝な夕なに周りをうろつき、チタン合金でできたバラの花、あるいは船をイメージさせる百面相のような建物を、自己流で堪能していました。
評判によりますと、晴れの日の夕暮れ、西側のデウスト大学付近にかかる橋の上から見える姿が最高のようです。淡いオレンジ色に染まるグッゲンハイムと、背後のサルベコ・スビア(橋):Salbeko Zubia の真っ赤なアーチが脳裏に焼き付くようです。
(グッゲンハイムとサルベコ・スビア。もう少し離れた場所から眺めるのがお薦めのようです)
私は、雨上がりの夕陽に照らされたグッゲンハイムを見るのが精一杯でした。曲面が、品よくうすいオレンジ色に輝いています。朝か夕方でないと、うまく輝きが出ないようです。
(雨あがりの夕陽に映えるグッゲンハイムと犬のパピー)
(朝のグッゲンハイム。橋といっしょに写真を撮ると逆光です)
( デウスト大学前の橋。ここに行って夕陽の写真を撮りましょう )
ビルバオは、雨が多いので、是非、晴れ女、晴れ男になって、評判の姿を目にしてください。
美術館入口は、そばを流れているネルビオン川の反対側にあります。2017年9月時点での入場料は、大人1名10ユーロでした。小さなバッグ以外は、すべてクロークに預けて入館します。
(グッゲンハイム・ビルバオのパンフレット表紙と館内図)
(グッゲンハイム・ビルバオ美術館正面口)
室内展示品は、超モダンアートの絵や彫刻、映像です。アバン・ギャルドなものがいっぱいあります。具体的な作品名は、ほとんど知られていません。いまのところ、パピーや屋外彫刻ばかりが有名になっています。
室内展示品は撮影厳禁です。ホールなどの構造物の撮影はOKです。インテリアの一部みたいな作品もあり、係員が写真を撮らないよう注意していました。
(グッゲンハイム内部。ガラスと中空の渡り廊下がいっぱい)
内部は、ガラスをたくさん使い、自然光がいっぱい入るようになっています。花びら状の建物なので、展示室を移動するときは、宙に浮いたような渡り廊下を伝わって移動します。
(朝の陽差しに輝くチタン合金の曲面。後ろにサルベコ・スビアが見え隠れ)
私の感想です。
「抽象画は、胸に直接飛び込んでくる響きのある作品があり、けっこういけます。映像作品は、どこかで見たようなスピリチャルの修行場面みたいのが多く、あんまり独創性がありません」
「うーーん、霊感でハイになって寺で修行中とか、服を着ないでヨガをやっている感じかな」
当日は、フランス人がいっぱいいたのですが、あまりのモダンアートぶりに圧倒されたようです。入場前のおしゃべりはどこへやら。静かに作品を鑑賞していました。
室内の作品を見終えてから、屋外の作品を見ます。
見逃してはならないのが、有名な、”チューリップ”です。外から見ると、遠目になりますので、館内にいるうちに近寄って見ます。さわれません。
(チューリップ:アメリカ人ジェフ・クーンズ作。Tulip, Jeff Koons )
(チューリップの展示と背後のビルバオ市街)
チューリップは、ネルビオン川沿いに張り出したテラスの上にあります。
館内から出ましょう。玄関前に鎮座しているのが、花で作った犬のパピーです。
パピー:Puppy、はご当地の音で”プピー”。チューリップと同じジェフ・クーンズ作です。
パピーは、かなり大きく、怪獣のような量感です。両目の上に金属の角が生えていますが、スプリンクラーです。花の維持が大変なようで、ところどころに枯れかかった株がありました。次の植え替え時期はいつでしょうか。
(花で作った犬のパピー)
パピーは当初、客寄せのための期間限定展示だったそうです。人気が沸騰したので、いつの間にか常設展示になりました。
この犬は、美術館にケツ、いや、お尻を向けています。
「パピーは、どこを見ているんですか? 目線の先にペアになる像や建物があるの?」
「えっ? 知らない。どこも見てないと思う」
「ふうーん、じゃあ、ビルバオの未来でも見ているのかなあ」
「そう言われてもねえ・・・・・・」
続いて、ネルビオン川沿いに降りて屋外彫刻を見ます。
(グッゲンハイム館外から見た夕暮れの Tall Tree and the Eye )
チューリップの花びらの手前にある ”高い木と目玉:Tall Tree and the Eye” です。インド人のアーニッシュ・カプーア:Arnish Kapoor 作です。銀色の玉に映る景色にも目をこらしましょう。
周囲の池にも展示作品があります。ナカヤ・フジコ(中谷芙二子)作の”霧の彫刻:Fog Sclupture)で、時間を決めて、霧吹きショーがあります。
夜の光のショーをする作品もあるようですが、見落としました。
( Tall Tree and the Eye と池。背景はデウスト大学本部 )
池を過ぎて、サルベコ・スビア寄りに向かうと、蜘蛛の彫刻ママン:Mamanが、足を広げています。アメリカ人ルイーズ・ブルジョア:Louise Bourgeois 作です。
ママンを見て平気な人もいれば、「キモー」となる人もいるようです。思わず殺虫剤をかけたくなるのでしょうか。
「見る人に深い印象を与える」という意味では、作者のテーマ選びは成功です。
(ママン:Maman)
(ママンと、左グッゲンハイム美術館、奥デウスト大学本部)
ママンの下を抜けると、サルベコ・スビアの下をくぐり、トランヴィアの線路沿いに出ます。巨大な板チョコを人の通った形にくり抜いたような彫刻と、逃げる人間像が置いてあります。
近くにはアイスクリーム・スタンドもあるので、日中の暑いときは、ついつい足が向いてしまいます。
グッゲンハイム美術館と一体化した景観を構成しているサルベコ・スビアを、うまく写真に撮るのは、ちょっと大変です。徒歩で橋の歩道に出て、少し移動するのが王道です。空港と市内を結ぶバスが、ここを通るので、前の席から1枚撮ることもできます。チャンスを狙っていないと、失敗します。クルマでも、駐停車禁止場所なので撮影は大変です。
昔、横浜のベイブリッジができたとき、夜景見物のため橋の上でクルマが徐行するので大渋滞になりました。同じ感覚の場所ですが、交通マナーはきちんと守りましょう。
(サルベコ・スビアの赤いアーチと、右のグッグアイム )
とにかく、グッゲンハイム美術館詣ができたので、気分もすっきりです。
ビルバオ観光客としての最低限のノルマをクリアーです。
了