パリの橋を渡りて 9 それでもアレクサンドル3世橋        2021年4月記


パリ観光で数日滞在したくらいでは、セーヌ川なんて滅多に渡りません。エッフェル塔やノートルダムに行ったときに、ちらりとセーヌ川を目にするくらいです。

ですから、セーヌ川にかかる大半の橋は、ニッポン人パリ観光客とは無縁です。
その中でも、派手な欄干が記憶に残るのが、アレクサンドル3世橋です。
P52アレクサンドル三世橋198609
( パリ市内のセーヌ川に架かる橋で最も豪華という評判のアレクサンドル3世橋 )
P52アレ3世橋飾りおE塔201905
( セーヌ川とエッフェル塔の組み合わせも定番 )

橋の名前は、1894年にフランスと同盟を結んだロシア皇帝アレクサンドル3世に由来します。フランスやロシアの政治力をアピールするために、思いっきり金ピカムードにしたのかも知れません。

橋の中央には、パリ市の紋章が取り付けてあります。
P52アレク3世橋のパリ市の紋章201905
( アレクサンドル3世橋の欄干外側のパリ市の紋章 )

「たゆたえども、沈まず」という意味のパリ市の諺にちなんだデザインです。河川航行盛況なりし頃の言い伝えで、『どんなに揺れても、パリという船はしずみません』ということを言いたいのだそうです。

「パリは内陸都市なのに、船の図柄ですか?」
「あったりめえでえ。セーヌ川を行き交う船で賑わったのがパリの始まりよお」
「ふうん。『宵越しの銭は持たねえ!』っていうのが江戸っ子じゃい、に通じるパリのプライドですね」
「わかってりゃいいのよ。わかってりゃあ」、という感じです。

さあ、次の橋へ進みましょう。