パリの橋 8 戦場にちなむ橋     2021年4月記


ヨーロッパやアメリカの街中の地名には、しばしば戦場や将軍の名前が使われています。

パリ市内のセーヌ川には37の橋が架かっているとのことですが、けっこう戦場にちなむ名前があります。下流からビラケム、イエナ、アルマ、オステルリッツ、ガリリャーノなどです。架け替えで名前が変わりましたが、1990年代後半まではソルフェリーノ橋という歩行者専用の橋もありました。

この命名法は明らかに日本人の命名感覚と違います。その良し悪しは別として、こうした戦場系の橋をまとめて振り返ってみました。

P53船上からビラッケム橋201905
( セーヌ川遊覧船から見たビラケム(ビール・アッケイム)橋 )

出だしは好調です。
ビラケム橋は地下鉄が上を通る2階建ての橋なので、写真を残そうという気になっていました。

P52イエナ橋とシャイヨー198609
( エッフェル塔から見下ろしたイエナ橋 )

イエナ橋も有名なので、いろいろな機会に撮影していました。上から、地上面から、そして川面からの姿が幾枚も残っていました。「よしよし」です。

P53船上からイエナ橋201905
( セーヌ川遊覧船上からみたイエナ橋 )

次はアルマ橋:Pont de l'Armaです。見た目も現代風の鋼鉄の橋ですし、有名観光スポットの近くでもないので、とても印象が薄いです。近くに、玉ねぎスタイルの塔を持つロシア正教会があるのですが、観光スポットではないので、ほとんど誰も関心を払いません。

P52ポンデラルマと正教会201905
( アルマ橋:ポンデラルマも印象が薄い )

セーヌ川の橋もときどき架け替えられました。ソルフェリーノ橋という人道橋はなくなり、現在はレオポール・セダール-サンゴール橋になっています。文化人でもあったセネガル初代大統領の名前だそうですが、それ以上のことは分かりません。どういう背景や縁での命名なのでしょう。

「まあね。フランスもいろいろな歴史があるんですよ」

P52ソルフェリーノ橋198809
( 今は別の橋になった、架け替え前のソルフェリーノ橋 )

そして、かなり上流まで飛ん現れるのがオステルリッツ橋。ここもメトロ関連のイメージがある場所なので、数回、写真に納めていました。

P13オステルリッツ橋とメトロ橋201905
( セーヌ川遊覧船上から見たオステルリッツ橋と、近接のメトロの橋 )


なんと、ガリリャーノ橋の写真がないことに気づき愕然としました。セーヌの上流にあるので仕方がないですね、と言い訳です。

パリ観光は奥が深いこと、もしパリに住んだ方がいても、数年程度ではパリという都会の表面をなでるだけなのではないかということを改めて実感した今回でした。