パリの門めぐり5   サンドゥニ門   2021年2月記

現存するパリの門めぐりの最後は、サンドゥニ門(サン・ドニ)門です。
メトロの、ストラスブール・サンドゥニ駅下車徒歩1分の立地です。

サンドゥニ門は、サン・マルタン門より西へ100mほど行った場所に建っています。ルイ14世の命で1672年に完成したそうです。記念碑なので、門としての実用性はありません。

偶然なのかどうか分かりませんが、普通に「市の門」と想像するとき思い浮かぶような形の門が、2つ隣接しています。けれども、全然、観光名所ではないし、それどころかサンドゥニ門の奥の方は暗くなると危ない、などという噂も立つ地区です。

Parisサンドニ門正面0504
( 彫刻が印象的なサンドニ門:Saint Deni )

ルイ14世の遺体は、ここを通って墓所のサンドゥニ(サンドニ)大聖堂へ運ばれたそうです。けれども、門自体は全然、悲壮感などありません。当時も今も、とにかく、ハコモノを作ればよかったのです。

198809サンドニ門横風景
( 1989年夏ごろのサンドゥニ門 )

サンドゥニ門も大通り沿いに建っているので、30-40年ほど前は、自動車の排気ガスで黒ずんでいました。ブラブラ歩き、とか、環境に優しい街づくりなんて発想が出てくるまでは、門のあるサン・マルタン通りやボンヌ・ヌベル通りはクルマがいっぱいでした。このあたりは、どちらかというと下町風なので、ワイワイがやがやの雰囲気です。



Parisサンドニ門斜め前0504
( すっかり化粧直ししたサンドゥニ門 )

私は、この近くを所用で訪問したときに、近くのレストランに行ったので門の存在を知っていたのですが、普通は、あえて門めぐりをするか、ホテルが偶然に近くであったなどの理由がないと、サンマルタン門やサンドゥニ門のことは知りません。

「東京へ来るガイジン観光客が、わざわざ亀戸天神などへ行きませんよね」

Parisサンドニ門Bヌーベル大通0504
( サンドゥニ門と、ボンヌ・ヌベル大通り )

「でもね、周りは普段着のパリっていう感じの場所ですよ」
「いろんな人がいっぱい歩いています。これが、治安注意説の原因かも。自分だって、胡散臭い方に入っていることに気づかない方々の言い分のようですね」

それなりに美しく修繕されたパリの街並みと門を楽しみましょう。
                                                           了