アテネのメトロ入門     2015年9月体験


アテネに行ったとき、少しだけメトロに乗りました。ギリシャのメトロ体験をたぐってみました。

アテネMTアッチキ駅と電車201509 (2)
( 落書きいっぱいでも元気に走るアテネのメトロ )

アテネのメトロも1路線を除き、2004年のオリンピック開催決定前後に整備が始まった公共交通機関です。ギリシャ経済危機で整備計画は遅れたかも知れませんが、いまでも少しずつ延伸されているようです。

アテネ地下鉄路線図2020
( アテネのメトロ路線図。2020年9月現在 )

メトロ路線図の青い線の右の地図外の場所がアテネ国際空港です。「エレフテリオス・ヴェニゼロス空港」という名前ですが、日本人には発音しにくいです。
アテネのレフテリオス ヴェニゼロス空港鉄道駅連絡通路201509
( 空港ビルからアテネ空港駅につながる連絡歩道橋 )
アテネ空港駅停車中のメトロ車両201509
( 空港駅で都心へ向かうメトロの始発電車 )

地図で分かるように、メトロは4路線があります。他にLRT式の市電が2路線ありますので、アテネには6路線の都市鉄道があります。日本のJRのような電車は都心部では走っていません。

アテネのメトロは他国の技術を導入したので、全体の雰囲気は世界共通仕様。あえて言うとスペインのメトロの雰囲気に似ています。ギリシャらしさはほとんどありません。駅の構内に工事中に出土した遺物を展示する手法も、よその国でもあります。電車が落書きだらけなんて、いまさら言うまでもないことです。

観光客がよく利用するのは、青い系統と緑色の系統でしょう。アテネ観光の基点シンタグマ広場や、パルテノン神殿やショッピング・ゾーンに近いモナスティラキ駅を通るからです。
アテネMTシンタグマ駅入口風景201509
( メトロのシンタグマ広場駅入口のひとつ )
アテネMTシンタグマ駅構内風景201509 (3)
( メトロのシンタグマ駅構内 )

「メトロは治安がいまいち」というコメントをブログに載せている人がいますが、さもありなんです。キップのチェック機はありますが、ゲート式の改札口がないので、誰でもプラットホームに入って来られるし、キセル乗車も難しくありません。2020年現在は、どうなっているか知りませんが、改札口は設置した方がいいと思います。

アテネのメトロは、線路の幅が標準軌の第3軌条方式で、電車は右側通行です。都心部を抜けると地上区間が多いです。明るい陽光を浴びながらアテネ郊外の街並みを眺めるのもよいかも知れません。パルテノン神殿周辺のごくごく狭い観光地区を離れると、車窓には、世界中のどこにでもあるようなマンション街やこじんまりした戸建て住宅が延々と並んでいます。ギリシャのイメージとは全然異なる現代都市風景に観光客はがっかりかも知れません。

アテネMTモナスティラキ駅と電車201509 (2)
( アッティキ駅北方を走る電車 )
アテネMTメトロ車内201509
( 車内は意外ときれいでシンプル )

ちょっとだけ足を伸ばして緑色系統の南の終点ピレエフス駅まで来ました。この路線は、かつての近郊鉄道が原型なので地上区間も多く、ピレエフス駅も「地下鉄の駅」のイメージとはまったくありません。ドーム屋根に覆われた長距離列車の始発駅のような雰囲気でした。
アテネMTピレウス駅と港201509 (1)
( メトロの終点のひとつピレエフス駅 )

アテネ観光を計画中の皆さんも、そして私も、世界標準仕様のメトロ体験を楽しみ、アテネならではの一コマを探してみましょう。

2020年12月記                                 了