シラクーザの奇跡のラクリメ聖堂をのぞく 2018年9月訪問
シラクーザの街並みを俯瞰したときから、ずっと気になっていた丸いとんがり屋根のラクリメ聖堂にやってきました。
観光案内書のオバサンは、「あれは街並みとマッチしないから嫌い」と言っていた代物ですが、私は、けっこう興味を惹かれるクチでした。ユニークな形状を見るとワクワクするタイプです。
( ラクリメ聖堂をオルティージャ島より遠望 )
ラクリメ聖堂は、案内書を見ると正式には、Basilica Santurio Madonna delle Lacrime :聖母の涙(なみだ)大聖堂、らしいです。普通の教会や、ドゥオーモとは違う特別な聖なる空間、という命名のようです。機能としては、大きな教会です。
私は、オルシ考古学博物館から、ラクリメ聖堂の裏側を目指して歩いて行きました。徒歩3分くらいで敷地の端につきました。そばで見ると、とても大きくて尖ったイメージの建造物です。
( ラクリメ聖堂を仰ぎ見る )
デザインは超モダンで、その発想にほれぼれします。バルセロナ観光で大人気のサグラダ・ファミーヤもユニークなデザインですが、一目で教会と分かる形であるのに対して、ラクリメ聖堂の方は円形大ホールだと言われたら「そんなもんか」と納得するくらいのユニーク度です。塔のてっぺんに十字架が付いているので宗教建築物だということが理解できます。
「シラクーザ、けっこう、やるじゃない」
「何しろ、奇跡にちなんだ聖堂ですからね。張り切って考えました」
「超ユニーク」
という感じです。
( ラクリメ聖堂裏門の案内板 )
裏門から入って、まず正面に行き、見てほしい姿を脳裏に焼き付けます。
ラクリメ聖堂は、近くで見ると、コンクリートの表面が、かなり毛羽だっていて劣化している印象を受けました。1990年竣工の建物ですから、まだ30年ほどしか経っていない割には劣化が早いのではないかという印象です。もう少し、コンクリート打ちっぱなしの表面にコーティング処置を施せば、味わいも出るし長持ちもするのでは、と素人ながら心配してしまいました。
「まあ、何とかなるさ」
という返事が、耳の奥に響いたような気がしたので、あまり気にせず歩みを進めました。
( ラクリメ聖堂正面入り口 )
ここも人影はまばらでした。入場料はタダ。観光施設ではなく、あくまでも祈りの場なのです。私も、静かに、そおっとドアを開けて場内に入りました。
( 奇跡の発現場所が保存されたラクリメ聖堂のメイン・ホール )
地上面から入ってまっすぐの場所にある大ホールを見下ろすと、奇跡の発現場所と思しき岩が大切に保存されていました。
あちこちの解説本のとおり、ここは、数少ないバチカン公認の奇跡認定地点のひとつです。1953年8月29日に、聖母マリア像が突然、涙を流し、しばらくの間にわたって病人たちを直したということです。それは、それで、とても喜ばしいことです。なんだか、川岸に流れ着いた金色の観音様を祀ったら村が栄えた、という我ら風の奇跡物語との共通点を感じてしまいました。宗教の癒しの機能が、存分に発揮された場所でした。
涙の聖母を思って、静かに祈る人々の邪魔をしないように、私も、そおっと周囲をひと歩きして外にでました。
宗教を超えて、みんなの心が安らぎますように・・・・・・。
2020年8月記 了
シラクーザの街並みを俯瞰したときから、ずっと気になっていた丸いとんがり屋根のラクリメ聖堂にやってきました。
観光案内書のオバサンは、「あれは街並みとマッチしないから嫌い」と言っていた代物ですが、私は、けっこう興味を惹かれるクチでした。ユニークな形状を見るとワクワクするタイプです。
( ラクリメ聖堂をオルティージャ島より遠望 )
ラクリメ聖堂は、案内書を見ると正式には、Basilica Santurio Madonna delle Lacrime :聖母の涙(なみだ)大聖堂、らしいです。普通の教会や、ドゥオーモとは違う特別な聖なる空間、という命名のようです。機能としては、大きな教会です。
私は、オルシ考古学博物館から、ラクリメ聖堂の裏側を目指して歩いて行きました。徒歩3分くらいで敷地の端につきました。そばで見ると、とても大きくて尖ったイメージの建造物です。
( ラクリメ聖堂を仰ぎ見る )
デザインは超モダンで、その発想にほれぼれします。バルセロナ観光で大人気のサグラダ・ファミーヤもユニークなデザインですが、一目で教会と分かる形であるのに対して、ラクリメ聖堂の方は円形大ホールだと言われたら「そんなもんか」と納得するくらいのユニーク度です。塔のてっぺんに十字架が付いているので宗教建築物だということが理解できます。
「シラクーザ、けっこう、やるじゃない」
「何しろ、奇跡にちなんだ聖堂ですからね。張り切って考えました」
「超ユニーク」
という感じです。
( ラクリメ聖堂裏門の案内板 )
裏門から入って、まず正面に行き、見てほしい姿を脳裏に焼き付けます。
ラクリメ聖堂は、近くで見ると、コンクリートの表面が、かなり毛羽だっていて劣化している印象を受けました。1990年竣工の建物ですから、まだ30年ほどしか経っていない割には劣化が早いのではないかという印象です。もう少し、コンクリート打ちっぱなしの表面にコーティング処置を施せば、味わいも出るし長持ちもするのでは、と素人ながら心配してしまいました。
「まあ、何とかなるさ」
という返事が、耳の奥に響いたような気がしたので、あまり気にせず歩みを進めました。
( ラクリメ聖堂正面入り口 )
ここも人影はまばらでした。入場料はタダ。観光施設ではなく、あくまでも祈りの場なのです。私も、静かに、そおっとドアを開けて場内に入りました。
( 奇跡の発現場所が保存されたラクリメ聖堂のメイン・ホール )
地上面から入ってまっすぐの場所にある大ホールを見下ろすと、奇跡の発現場所と思しき岩が大切に保存されていました。
あちこちの解説本のとおり、ここは、数少ないバチカン公認の奇跡認定地点のひとつです。1953年8月29日に、聖母マリア像が突然、涙を流し、しばらくの間にわたって病人たちを直したということです。それは、それで、とても喜ばしいことです。なんだか、川岸に流れ着いた金色の観音様を祀ったら村が栄えた、という我ら風の奇跡物語との共通点を感じてしまいました。宗教の癒しの機能が、存分に発揮された場所でした。
涙の聖母を思って、静かに祈る人々の邪魔をしないように、私も、そおっと周囲をひと歩きして外にでました。
宗教を超えて、みんなの心が安らぎますように・・・・・・。
2020年8月記 了