昼間も夜もディアヌの噴水   2018年9月訪問

「シラクーザと言えばアルキメデス」というのは日本人観光客の定番の発想です。現代イタリア語では、アルキメデ:Archimede  です。けれども、街中では、この大数学者の名前はあんまり見かけません。

昔も今も、一般人にとって、数学はあんまり関わりたくない科目のようです。

そのなかで、アルキメデを冠した数少ない場所が、ドゥオーモから北へ5分ほど歩いた場所にあるアルキメデ広場:Piazza Archimede です。オルティージャ島の、ちょうど、おへそあたりの場所です。徒歩で本土からドゥオーモへやってくると十中八九通ります。
アルキメデ広場昼下がり
( アルキメデ広場とディアナの噴水)

この広場の真ん中に鎮座しているのが「ディアナの噴水:Fontana Diana」です。周りにソテツの植え込みがあって、シラクーザが南の国にあるんだよ、ということをアピールしています。

夏の昼も夜も、ちゃあんと水が出ています。昼間はクルマが多く、音や排気ガスで少しばかりげんなりしますが、水のある風景に少し癒されます。

オルティージャD噴水前を歩く独ツアー客暑い
( ディアナの噴水を横目に歩くドイツ人ツアーご一行さま )

私が通ったとき、ちょうど反対方向から団体さんが歩いてきました。整然としたグループでしたので、遠目には日本人の皆さまかなと期待半分で待っていたのですが、近くに来たらドイツ人ご一行さまだということが判明しました。
「ありゃま、ちょっと残念」

写真のように、ドイツ人の皆さまは、ディアナの噴水の横を歩いているというのに、見向きもしません。画面の右側に来ると、噴水前に立てば順光になります。ちょいと立ち止まって記念写真を撮ろうというメンバーがいてもおかしくないのですが、前を向いて淡々と前進しています。
「さっき寄ったから、もういいの」、だったら私の勘違いで済むのですが、本当かどうか確かめることもありませんでした。

オルティージャダイアナ噴水夜景Sep2018
( ディアナの噴水のピンク色のライトアップ )

ディアナの噴水は、日が暮れると濃いピンク色にライトアップされます。セクシーなディアナ神のイメージをを直接的に表現しているし、夜の街は色彩感に乏しいので、とっても好ましい感じです。けれども、噴水周りにいたのは、一匹狼のような旅人や、勝手知ったる家族連ればかり。

せっかく、走れメロスとアルキメデスのシラクーザに来たのですから、「ニッポン人よ、もっと出歩いてシラクーザの昼も夜も満喫してね」、とつくづく思いました。

2020年7月記                  了