やまぶきシニアトラベラー

気まぐれシニア・トラベラーの旅。あの日から、いつか来る日まで、かつ、めぐりて、かつ、とどまる旅をします。

2020年12月

アテネのメトロ入門

アテネのメトロ入門     2015年9月体験


アテネに行ったとき、少しだけメトロに乗りました。ギリシャのメトロ体験をたぐってみました。

アテネMTアッチキ駅と電車201509 (2)
( 落書きいっぱいでも元気に走るアテネのメトロ )

アテネのメトロも1路線を除き、2004年のオリンピック開催決定前後に整備が始まった公共交通機関です。ギリシャ経済危機で整備計画は遅れたかも知れませんが、いまでも少しずつ延伸されているようです。

アテネ地下鉄路線図2020
( アテネのメトロ路線図。2020年9月現在 )

メトロ路線図の青い線の右の地図外の場所がアテネ国際空港です。「エレフテリオス・ヴェニゼロス空港」という名前ですが、日本人には発音しにくいです。
アテネのレフテリオス ヴェニゼロス空港鉄道駅連絡通路201509
( 空港ビルからアテネ空港駅につながる連絡歩道橋 )
アテネ空港駅停車中のメトロ車両201509
( 空港駅で都心へ向かうメトロの始発電車 )

地図で分かるように、メトロは4路線があります。他にLRT式の市電が2路線ありますので、アテネには6路線の都市鉄道があります。日本のJRのような電車は都心部では走っていません。

アテネのメトロは他国の技術を導入したので、全体の雰囲気は世界共通仕様。あえて言うとスペインのメトロの雰囲気に似ています。ギリシャらしさはほとんどありません。駅の構内に工事中に出土した遺物を展示する手法も、よその国でもあります。電車が落書きだらけなんて、いまさら言うまでもないことです。

観光客がよく利用するのは、青い系統と緑色の系統でしょう。アテネ観光の基点シンタグマ広場や、パルテノン神殿やショッピング・ゾーンに近いモナスティラキ駅を通るからです。
アテネMTシンタグマ駅入口風景201509
( メトロのシンタグマ広場駅入口のひとつ )
アテネMTシンタグマ駅構内風景201509 (3)
( メトロのシンタグマ駅構内 )

「メトロは治安がいまいち」というコメントをブログに載せている人がいますが、さもありなんです。キップのチェック機はありますが、ゲート式の改札口がないので、誰でもプラットホームに入って来られるし、キセル乗車も難しくありません。2020年現在は、どうなっているか知りませんが、改札口は設置した方がいいと思います。

アテネのメトロは、線路の幅が標準軌の第3軌条方式で、電車は右側通行です。都心部を抜けると地上区間が多いです。明るい陽光を浴びながらアテネ郊外の街並みを眺めるのもよいかも知れません。パルテノン神殿周辺のごくごく狭い観光地区を離れると、車窓には、世界中のどこにでもあるようなマンション街やこじんまりした戸建て住宅が延々と並んでいます。ギリシャのイメージとは全然異なる現代都市風景に観光客はがっかりかも知れません。

アテネMTモナスティラキ駅と電車201509 (2)
( アッティキ駅北方を走る電車 )
アテネMTメトロ車内201509
( 車内は意外ときれいでシンプル )

ちょっとだけ足を伸ばして緑色系統の南の終点ピレエフス駅まで来ました。この路線は、かつての近郊鉄道が原型なので地上区間も多く、ピレエフス駅も「地下鉄の駅」のイメージとはまったくありません。ドーム屋根に覆われた長距離列車の始発駅のような雰囲気でした。
アテネMTピレウス駅と港201509 (1)
( メトロの終点のひとつピレエフス駅 )

アテネ観光を計画中の皆さんも、そして私も、世界標準仕様のメトロ体験を楽しみ、アテネならではの一コマを探してみましょう。

2020年12月記                                 了






アテネのLRT市電を走破する

アテネのLRT市電を走破する    2015年9月訪問

2015年9月、ギリシャのアテネのLRT市電に乗ってきました。英語案内ではトラム:Tram、と表記していますが、古びた線路をガタゴト走るチンチン電車ではありません。21世紀風のLRT( Light Rail Transit )式市内電車です。2004年のアテネ・オリンピックに合わせて開業した新しい公共交通機関です。

まずは、アテネからピレウスヘ向かう途中にあるファリーロという駅に向かいました。何の変哲もない住宅街の地下鉄の駅から高速道路を渡った反対側にLRTのファリーロ停留所がありました。

アテネTR2015 ファリロ駅構内見下ろし
( ファリーロ停留所と市街地遠望 )

歩道橋の上でしばらく待っていると、ガアーッという走行音を響かせて折返し電車が入ってきました。開業後10年あまりしか経ていないので、全体的にきれいで整っています。よく観察すると、線路の端がすり減り始めていたり、舗装のひび割れが大きいところもあり、メンテナンスが不安だなという印象でした。

アテネTR2015ファリロ駅に入る市電
( 北端のファリーロ停留所に発着するLRT電車)

見た目に新しい電車も、昼間の暑い時間帯はガラガラ。冷房付きですが、乗客は多くありません。ギリシャ人も、涼しい朝と夕方に行動するようで、暑い日差しの下で歩いているのは、閑人か観光客のようです。

アテネTR車内2015
( アテネのLRT車内 )

電車の中は、世界のLRTの標準的なインテリア。ヨーロッパ仕様なので、床面いっぱいまで広がるガラス扉が開放感を紡いでいました。

アテネLRT市電路線図2020
(アテネLRT市電路線図。逆T字型で、上部の突端がシンタグマ広場停留所 )

LRTの路線は、アテネ南部の海岸線に沿って逆T字型に走っています。T字の縦棒の先端が、観光客のランドマークのひとつシンタグマ広場停留所です。

「えっ、シンタグマに市電なんか走っていなかったぞ?」
「そうなんです。ちょっと見たくらいでは停留所は気づきにくい位置にあります。最後の写真を見てね」
「はあ」、って感じで、大多数のアテネ観光客は気付かない電車です。

LRT電車は、ファリーロを出ると専用軌道をかなりの高速で飛ばし、海岸線に沿って南東方向へ突っ走ります。
おそよ30分で南の終点アスクリピオ・ブーラスに到着です。途中は、真新しくて小ぎれいなマンション街やマリン・スポーツのクラブ、ヨット・ハーバーが連なります。観光ムードはありませんが、住み心地は良さそうです。

アテネTR2015アスクリピオ駅折返電車いろいろ (3)
( 終点アスクリピオ・ブーラス停留所で折返し待ちのLRT)

ギリシャですから、何と言っても陽射しが明るいです。太陽がいっぱいって、やはり良いものです。

アテネTR2015 アスクリピオボーラス駅構内
( 南の終着駅アスクリピオ・ブーラス停留所の構内 )

午後の強い日差しも夕方7時の声を聞くと影がさすようになりました。

折返し電車に乗って数駅戻り、ショッピング・センターのある停留所で降りて街中散策をしてみました。線路は環境にやさしい雰囲気をアピールしている芝生軌道ですが、雑草が生えているようで手入れが悪い感じ。紙屑などもちらかっていて、高級感あふれる新興マンション街といえども、ちょっと減点要素が多いような気がしました。

アテネTR2015 アゲルーマターシャ付近 (1)
( 郊外の芝生軌道とアゲルー・メタシャ停留所 )

1-2駅分歩きまわって、シンタグマ広場へ向かうLRTに乗りました。電車はT字に沿って3系統があり、6分から18分くらいの間隔で走っていました。もちろん、シンタグマとT字からT字の両端、特に南の端に向かう系統の本数が多いです。

アテネTR2015芝生軌道を走るプラティアエスペリドン付近 (2)
( 郊外の芝生軌道を走るLRT。プラティア・エスペリドン付近 )

LRTの車両はとてもきれい。落書きもありません。車内も落ち着いていますので安心して乗っていられます。

アテネTRシンタグマに停車中の折返し電車201509
(シンタグマ広場停留所で発車を待つLRT電車)

30分強かかってシンタグマ広場停留所に着きました。夕方なので、都心部へ向かうにつれて乗客も増えてきて、終点につく頃には立ち客も出るくらいの賑わいでした。ちょっと、埃っぽい道路や、地中海風の樹木が茂る緑地のそばをかすめて大きくカーブしたところが終点シンタグマ広場停留所です。


アテネTRシンタグマを出る下り2015明るい
(シンタグマ広場停留所を発車するLRT電車 )

道幅が広くないため、シンタグマ広場停留所は単線でホームも1面しかありません。


アテネTRシンタグマのホーム2015
( シンタグマ広場停留所は単線折返し)

それでも、あれこれ工夫してLRT路線を都心部の便利な場所まで伸ばした苦労が伝わってきました。
夕方は5-6分間隔で電車が発着し、それなりの人々が集まってきては電車に乗り込んで郊外方面へと向かっていきました。

アテネTRシンタグマ駅と国会2015明るい
( シンタグマ広場停留所と国会議事堂の夕暮れ )

ふと、遠くに目をやると、アテネ市内観光いちのランドマークである国会議事堂の建物正面がオレンジ色に染まっているのが見えました。隣の列柱風の建物と合わせて、アテネ風、ギリシャ風の街中ムードを醸し出していました。観光客が期待しているような美しい夕暮れ風景でした。

とても良い体験ができたアテネLRT全線体験乗車の旅でした。

2020年12月記                      了

ムーリ・ア・セッコとカッルーバの木

ムーリ・ア・セッコとカッルーバの木    2018年9月訪問


ラグーザ一帯のB級風景のひとつが、カッルーバの木のある田園風景だそうです。

ラグーザムーロアセッコと馬の放牧Sep2018
( ムーリ・ア・セッコとカッルーボ )

「カッルーバの木って、なあに?」

正確には、『カッルーボ』が樹木名で、その木の実が『カッルーバ』だそうです。カッルーボは、真黒でうすっぺらい枝豆かソラマメみたいな果実です。硬いので粉にしてチョコレートやソテーに練りこむんだそうですが、私も詳しく知りません。料理系のブログなどをご覧ください。

「それで、何が特色なの」

「丸っこく、こんもりした木々が、ムーリ・ア・セッコで囲まれた農地や牧場の中に点々と生えている様子がラグーザならではの景観だそうです」

「ふうん」

201809Mムーリアセッコとカンルーバの農家風景
( カッルーボの木々のある農家 )
201809Mラグーザ西セッコとカンルーバ樹のある農家
( カッルーバの木が点在するムーリ・ア・セッコのある風景 )

こんな程度なので、あんまり面白みがありません。念には念を入れてラグーザを楽しもうとするとき、やっと視野に入ってくる景色です。ご当地ならではの風景のアクセントでしょう。私としては、こんなものまで見られて良かったですが、一般的には「何のこっちゃ」でしょうね。

2020年12月記                                了


ムーリ・ア・セッコに囲まれた家

ムーリ・ア・セッコに囲まれた家   2018年9月訪問

ラグーザ郊外をてくてく歩きながらムーリ・ア・セッコのある田園風景を満喫していると、ところどころに農家が点在していました。

ムーリ・ア・セッコ(Muri a secco:単数形はMuro a secco)の白っぽく不揃いな石積みが、うねうねと家の周りを取り囲んでいる様子こそ、ラグーザの農村風景だと思います。ラグーザはラグーザなりに、出雲平野では出雲平野なりに自然の特色や技能を生かした村の風景が広がっているんだと、しみじみ実感しました。

ラグーザムーロアセッコのある農家Sep2018
(ムーリ・ア・セッコの築かれた農家の玄関口 )

家の周りや玄関へ通じる道もムーリ・ア・セッコに囲まれています。ここまで石を積み上げるのにどのくらいかかったのでしょう。濃い緑色をして、こんもりと丸く茂ったカッルーバの木々が、ラグーザの農村風景に色を添えています。

ムーリ・ア・セッコのある農家らしき家を別の方角から見てみました。手入れもよさそうです。どんな家族が住んでいるのでしょう。

201809Mムーリアセッコとカンルーバの農家風景
( ムーリ・ア・セッコのある農家を遠望 )

別の農家は、ムーリ・ア・セッコと家の石壁が一体化していました。外観こそ伝統的な農家なのでしょうが、中をのぞくと、ピカピカのクルマもあれば、クーラーの室外機も並んでいました。
「グー!」

ラグーザムーロアセッコの農家Sep2018
( ムーリ・ア・セッコと石壁が連なった農家 )

こちらのお宅は、畜産農家のようで、母屋の脇に牛舎がありました。暑い昼間は、どの牛も日陰に入って、モーの一声もなく大人しくしていました。
「あー、あっつい」、という心の叫びも聞こえてきそうです。

201809Mムーリアセッコと牛小屋のある農家
( ムーリ・ア・セッコに囲まれた牛舎と牛 )


ムーリ・ア・セッコ、どれもこれも解説どおり、石を上手に積み上げただけの構造でした。生活感がある地区でしたので、ムーリ・ア・セッコの石積みが崩れていたり、隙間から雑草が伸びているようなことも皆無。

白っぽいゴツゴツ気味の石の列が延々と続くさまを、この目で確かめ、肌で感じたので大満足のウォーキング・アワーでした。

「ホントにラグーザならでの光景をいくつも体験できてよかったあ」

2020年12月記                       了

ムーリ・ア・セッコに沿って歩く

ムーリ・ア・セッコに沿って歩く   2018年9月訪問


ムーリ・ア・セッコ(Muri a secco:単数形はムーロ・ア・セッコ)は、『乾いた壁』という意味の、農地や土地の境目を仕切る腰から肩くらいの高さの石積みの塀です。シチリアのラグーザ一帯でしか見ることのできない風景だそうです。

ラグーザ市街地のはずれに広がるムーリ・ア・セッコに沿って歩いてみました。クルマで農村地帯に行き、丘の斜面に連なるムーリ・ア・セッコを心ゆくままに展望すればよいのでしょうが、そこまで移動手段がないので街はずれのムーリ・ア・セッコ体験を楽しみました。
201809Mラグーザ西セッコの石積近影
( ムーリ・ア・セッコで仕切られた農地)

ご当地を開墾したときに出てきた、ごつごつした石灰石の角を適当に砕き、崩れないように積み上げた様子を実際に見ることができて、とても満足です。見ているだけでは簡単に作れそうな感じですが、実際の作業は、かなりの熟練が必要とのこと。ちょっとやそっとでは、石積みがゆがんだり崩れたりしないようにバランスを取り、見た目もすっきりと仕上げるのは難しいとのことです。
201809Mムーリアセッコとカンルーバの木と草地
( 簡単に積めそうで積めないムーリ・ア・セッコ )
ラグーザムーロアセッコと馬の放牧Sep2018
( ムーリ・ア・セッコの連なる牧草地 )

ふたつとして同じパターンがない石積みの塀が延々と続く風景こそ、ラグーザの隠れた見どころの一つだと改めて感じました。これも、映画「カオス・シチリア物語」に魅せられたからこと気づいた風景。遠路はるばる旅をした甲斐がありました。

2020年12月記                        了

ムーリ・ア・セッコのあるラグーザの車窓

ムーリ・ア・セッコのあるラグーザの車窓    2018年9月訪問


ラグーザならではの農村風景も目に入れました。

ムーリ・ア・セッコ:Muri a secco という、石積みの低い境界塀です。単数形ではムーロ・ア・セッコ” Muro a secco”です。意味は、乾いた壁。セッコは、ワインの辛口を示すセッコ(セコ)と同じ単語です。

201809Mラグーザ北西ムセッコの丘
( 高速バスから見えるラグーザ近郊のムーリ・ア・セッコ )

この風景も、映画「カオス・シチリア物語」で島の印象的な風景のひとつとして出てきました。


201809Mラグーザ近郊ムーリアセッコの丘
( 丘の斜面にびっちり広がるムーリ・ア・セッコの区画 )


201809Mラグーザ市街近くのMセッコ車窓
( ムーリ・ア・セッコの牧場風景 )

農地や牧草地を石塀や低木で仕切る習慣は世界各地にあります。現代では、もうそんな小区画では農業をやっていけないので放置されたり取り壊されていますが、ラグーザ周辺のムーリ・ア・セッコは健在のようです。けれども、ところどころに、ほころびがあるのは時代の趨勢でしょう。

201809Mムーリアセッコのラグーザ市道を行く
( 道なりにどこまでも続くムーリ・ア・セッコの農村風景 )

どこにでもありそうで、ラグーザ近郊や限られた地域でしか見られない風景を目にすることができて、とっても充実した半日郊外歩きでした。めでたし、めでたし。

2020年12月記                           了




ラグーザの戸建てに目を奪われて

ラグーザの戸建てに目を奪われて     2018年9月訪問

ラグーザでは数時間ばかり近代的な市街地にも入り込みました。観光用の古い街並みとは別の、現代風のラグーザ暮らしを感じることができました。

201809ラグーザ西郊外洒落た家々 (2)
( 緑豊かなラグーザ郊外の戸建て住宅地 )

少し郊外に住むならば、やっぱり、お家は戸建てで広めで、清潔で、緑もそこそこあり、クルマ社会に不便がない造りがいいなと思いました。あんまりシチリア風、ラグーザ風ではありませんが、現代イタリアの一面にふれました。

ラグーザ新市街アメリケ通西端Sep2018
( ラグーザ市街地西側の新興住宅街の広い道路 )

最近50年ほどの間に広がったような市街地の道路は広くまっすぐです。ヤシの並木が南国風。舗装や歩道の敷石が少し破損していますが、日本でも似たり寄ったりなので致し方ないことです。電線がない街づくりをしているので、とてもすっきりした印象。これは、日本も見習ってほしいポイントです。

201809ラグーザ西郊外洒落た家々 (1)
( とても大きなイタリアンな雰囲気の邸宅 )

けっこう大きな邸宅です。けれども、壁が薄かったりすることもあるそうです。専門家の眼で見れば、耐震設計とか水回りも気になるかも知れません。安全性やメンテの良し悪しは、長く住めば住むほどにボディブローのように効いてきます。

201809ラグーザ西郊外洒落た家々 (3)
( オシャレでかわいい感じの戸建て )

維持費用や掃除の手間を考えると、一般市民は、これくらいの家でいいかも。内部は、外見で想像するより広く感じるはずです。

ラグーザ郊外といえども、庭付きの戸建て住宅はあんまり多くありません。2階か3階建てのコンドミニアム混じりの小ぎれいな住宅街の中に、ちょっと見とれてしまう造りの戸建てが散在している地区でした。手入れの良い家を見ているだけで、なんだか嬉しくなりました。


2020年12月記                   了

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