やまぶきシニアトラベラー

気まぐれシニア・トラベラーの旅。あの日から、いつか来る日まで、かつ、めぐりて、かつ、とどまる旅をします。

2019年05月

モンサンミシェル1泊2日220ユーロの旅

モンサンミシェル1泊2日220ユーロの旅    2019年4月

【1 旅費の実績 】
私たちのモンサンミシェル観光は、パリ発1泊2日のTGVと路線バス利用、島内ホテル泊の旅でした。

朝な夕なに、モンサンミシェルの巨大な姿と門前町の賑わいを堪能できて、大変、満足しています。「行って良かった」の一言につきます。

朝日に輝くMSM0430
( 朝日に輝くモンサンミシェル全景 )

モンサンミシェル島内泊は、意外と高くつくので、少し手間をかけて旅費をしぼりました。
振返って計算してみたところ、島内ホテル代と、交通費、宿泊費、食費、入場料を合わせて1人220ユーロ(食費込み)でした。

パリ、レンヌ間のTGV往復運賃計  47ユーロ (超早割り)
レンヌ駅、モンサンミシェル間のバス往復運賃 30ユーロ(片道15ユーロ X 2 )
モンサンミシェル修道院入場料  10ユーロ
島内のホテル代。ツインルームの1泊夕朝食付き(※)海側の部屋。滞在税込みで101ユーロ/人
対岸のレストランでの昼食代、夕食時飲物代その他   30ユーロ

合計で1人あたり  218ユーロ  →  220ユーロ でした。おみやげ代は別です。
(※Demi-pension / Half board)


【2 標準的な旅費 】

標準的な旅行内容の旅費は、もう少し高くつきます。2人で行くとして、ネット予約可能な島内のホテルに泊まり、かの有名な「ラ・メール・プーラール」レストランで、名物の「オムレツ」を注文したとすると、だいたい340ユーロ/人(食費込み)くらいになるでしょう。

差額は、以下の感じです。

① ツィンルームの1泊夕朝食付きホテル代  101ユーロ → 170ユーロ/人(+70ユーロ)
② 「ラ・メール・プーラール」レストランのオムレツ単品食事代50ユーロ (飲物込み) + 夕食時の飲物代その他30ユーロ → 80ユーロ(+50ユーロ)

①+②の合計で、120ユーロ増の340ユーロ/人(食費込み)


MSM島内ホテル例0429
( 島内ホテルは風情があるものの高止まり )


私たちは、運よく割安な島内ホテルを見つけることができました。その一方、高いオムレツ昼食を端から避けたわけではありません。結果として、こんなケースもあるんだ程度の体験談です。


【3 ツアー代金と個人旅行費用 】

今度はモンサンミシェルの各種ツアー代金と、電車やバス利用の個人旅行の旅費を比較してみます。

(1)日帰り旅行

①各種日帰りツアー(※)

貸切バスの交通費+修道院入場料+バスガイド料金計で、最低120ユーロから130ユーロ(食事なし)。
パリ午前7時発、21時ごろ帰着。現地着12時30分ごろ、現地発16:30ごろ。

(※ネット検索による各種ツアーの詳細の一般的な内容としました)

Aモンサンミシェル日帰りツアー201905
( モンサンミシェル日帰りツアーの各種案内 )

②TGVレンヌ経由直行バス利用の個人旅行。

TGV往復平均70ユーロ+バス往復30ユーロ+修道院入場料10ユーロ計で、110ユーロ(食事なし)。
パリ発7:40TGV、帰着21:04。現地着10:55、現地発18:05。

日帰りベースですと、交通費と入場料合計額は、両者ほとんど同じです。ただし、モンサンミシェル滞在時間がツアーで約4時間、個人旅行で約7時間と違います。また、個人ベースでは、予約の手間はもちろん、TGVの遅れリスク、バスや電車への乗り遅れリスクも、すべて自分持ちです。ツアーのように、日本語での補足説明もありません。

モンサンミシェル日帰り強行軍の場合、ツアーが盛況になる理由が、よおく分かります。1人10ユーロ程度を節約するために、All Riskを取って、鉄道ファンでもなく、フランス語もできないイチゲンの日本人観光客様が、わざわざTGVと路線バスを乗り継いでモンサンミシェルまで往復する、決定的に有利な差は見当たりません。

「まあ、自力でモンサンミシェルに行ったという優越感でしょうね」
「ツアーが苦手な人もいるし」
「現地滞在4時間というツアーはきつそうですが、せかされるくらいが我らが同胞にはいいのかも」
「そんなこと言っていると、炎上しますよ!」


(2) 1泊2日旅行

①各種ツアー (※※)

貸切バスの交通費+島内ホテル代(朝食付き)+修道院入場料+バスガイド料金計で、330ユーロ前後(食費別)。
パリ午前7時発で現地着12時30分ごろ、現地発は翌日16:30ごろ、パリ帰着21時ごろ。

(※※ネット検索による各種ツアーの、島内ホテル泊の一般的な内容としました)

Aモンサンミシェル1泊ツアー201905
( モンサンミシェル1泊ツアーの各種案内 )


②TGVレンヌ経由直行バス利用の個人旅行

TGV往復平均70ユーロ+バス往復30ユーロで、交通費100ユーロ。修道院入場料10ユーロ。島内ホテル代(朝食付き)ツインルーム170ユーロ前後。合計で280ユーロ前後(食費別)。
パリ発TGVは1日5-6本で、約3時間で到着。復路のバスは1日5便で、現地発10:05から18:05まであり。


③モンサンミシェル1泊を含む周遊ツアー

モンサンミッシェルの対岸地区のホテル前には、ツアーバスがいっぱい止まっています。これらのバス利用の皆さんは、いわゆる現地申込みツアーではないため、モンサンミッシェル分の旅費がいくらなのか分かりません。

MSM対岸観光バスでいっぱい0429
( 対岸のホテルの陰に、いっぱいたむろするツアー客専用バス )

けれども、国籍、年齢、性別を問わず、モンサンミシェル観光がすごい人気であることが分かります。
私も含めて、それなりに「はるばる」モンサンミシェル観光に馳せ参じています。楽しまなくっちゃね、です。


【4 モンサンミシェル1泊旅行ツアーの長短 】

私の感想では、モンサンミシェル1泊旅行となると、現地ツアーと個人旅行では、かなりの違いがあると思います。あちこちで紹介され、比較検討され、体験談が披露されている、モンサンミシェル1泊旅行論に、私もコメントします。

結論から書きますと、モンサンミシェルに入れ込んでいる方、ご高齢などで乗り物の乗換を避けたい方を除けば、時間配分の自由度が高いTGV利用のレンヌ経由での個人旅行が、断然おすすめです。クルマで行くことができるならば、もっといいのかも知れません。

(1)旅費は、自分で手配した方が1人あたり50ユーロ程度安くあがります。カップルだと2人分で100ユーロの差ですから、ちょっとした金額です。

(2)ツアーのように、モンサンミシェルに28時間滞在しても、はっきり言って飽きます。修道院の拝観は、だらだら回っても2時間もあれば終えてしまいます。周辺の教会めぐりや、お土産屋さんめぐりは、別途3-4時間あれば十分すぎるほどです。ガイドさんといっしょに干潟を歩くツアーに参加しても1-2時間程度です。夜景見物、朝焼け見物と張り込んでも、島内ホテルにいれば1回1時間程度しかかかりません。

MSM朝のMプーラール前も閑散0430
( 朝のラ・メール・プーラール前は閑散 )

個人旅行ですと、パリ発午前9:57のTGVに乗れば現地着は12:55で、朝のパリ発も遅めにできます。帰路も現地11:20発のバスに乗ればパリ着は15:04分です。朝寝坊もでき、もしも初日に霧で修道院見物が不調に終わり、翌日に再訪して帰路に就いたとしても、パリの午後を悠々楽しめる時刻に帰れます。(2019年4月現在)

(3)個人旅行の唯一の難点は、TGVやホテルの手配を自分自身で行なわなければならないことです。旅行会社に同内容での旅行手配を依頼することも可能でしょうが、手数料を入れたら、かなり、お高い旅費になる気がします。それに、現地では自分自身で行動しなければなりませんから、普通の方々が旅行会社を通すメリットはありません。


2019年5月記      了

























 

レンヌ駅こそモンサンミシェルTGV往復の要

レンヌ駅こそモンサンミシェルTGV往復の要  2019年4月訪問

【1  ゆうゆうパリを出発 】

ParisMPS駅930AM
( 現代建築のモンパルナス駅を東側から見る )

私たちは、パリ・モンパルナス駅9時57分発のTGVでレンヌへ向けて出発しました。ダイヤどおりですと、モンサンミシェル着は12時55分。何と、片道2時間58分しかかかりません。朝7時すぎにパリを出るツアーバスの到着も午後1時前後ですから、TGVの速さを改めて実感します。

おかげで、ゆったりとした朝のひとときを過ごすことができました。

多くの方がコメントしているように、TGVの発車番線が表示されると、乗客が一斉に改札口に押し寄せるので、バーコード読み取り式の改札機の前は、押すな押すな状態です。

PairsMPS改札の群衆2019
( TGVプラットホームへ入る改札機前の大混雑。青い縦の光線が改札機 )

ゴールデンウィーク中ですので、フランスに来ても、そこそこ日本人観光客と思しき皆様を見かけます。私たちの乗車した車両にも、あと2組ばかり日本人の方がいらっしゃいました。みんなTGVに乗ってモンサンミシェル詣です。

「自力でモンサンミシェルに行けるんだ」、という達成感にあふれた表情が忘れられません。どうやら、他の日本人は邪魔なので、目にしたくないようです。最初、私たちの座席に間違えて座っていたのに、「ごめんなさい」の一言どころか、口も開いてくれません。こちらが気に食わないようでした。

パリの空気は、旅慣れ始めた日本人観光客に対して麻薬のような効果をもたらすので、仕方ありません。

TGVは全車指定席です。みんな、思い思いのキップを持っています。フランス人の多くはキップに替わるスマホデータを保持していました。ガイジンと思しき旅行者の多くは、細長い厚紙のキップや、プリントアウトしたE-ticket利用です。私たちもE-ticketです。利用列車限定のため、刻印機でキップに乗車時刻を印字する操作は不要です。

MSMtickets2019
(TGVのE-ticket とバスのレシート状キップ(左下))

今日の下りTGVブレスト行は、10両一組の電車を2編成併結した長い編成ですが、私たちの乗った後ろ10両はレンヌ切り離しの編成でした。座席のほとんどが埋まっていて、改めて、TGV人気の高さや、レンヌの都市規模の大きさを実感しました。

パリを定刻に発車したTGVは、たった1時間28分で300km先のレンヌに到着。2017年より、全区間高速新線経由になったため、新線上の途中通過駅はありません。
学校で、「フランスで速いものと言えば、特急列車、郵便、エスプレッソ・コーヒー」と教わりましたが、そのとおりでした。


【2 レンヌ駅のバス乗換こそ勝負どころ 】

レンヌ駅でのTGVとモンサンミシェル直行バスの接続時間は、上り下りとも20分です。
理屈のうえでは、余裕があるように見えますが、ガイジン観光客にとっては、けっこう緊張する場面でした。

まず、レンヌ駅が現在、北口駅舎新築中のため、案内表示が分かりにくくなっています。
レンヌ駅北口工事中2019
( レンヌ駅北口。モダンな駅舎を建設中。画面左端のさらに左がバス・ターミナル)

そのうえ、駅舎とプラットホームをつなぐ通路が、地下と2階の両方にあるので、初めてレンヌに降り立つと、どちらへ行くべきか迷います。結論は、どちらを利用しても、北口の東側にあるバス・ターミナルに行けます。

レンヌ駅北口地下通路2019
( レンヌ駅地下通路。右のエスカレーター右方向がバスターミナル。
2階からのエスカーレーターで下ってきてもバスターミナルへ行ける )

うろうろ、どきどきしながらも、10分もすればバス・ターミナルに着くことができます。その日は、もう、モンサンミシェル行きの直行バスがターミナルに入ってきていました。大型の長いバスです。


【3 あせっても、あきらめず】

バスの周りに集まってきた人の多いことにびっくり。トランクを引きづった中国人らしき人たちが最も多く、続いてニッポン人、カナダ人かアメリカ人っぽい感じの人がバスを取り囲みました。

レンヌ駅バスTのMSM行きバス2019
( レンヌ駅バス・ターミナル4番線に入ったモンサンミシェル行き路線バス )

「えっ、こんなにいっぱい客がいるの・・・・・・」と、のけぞってしまいました。
「モンサンミシェル人気、あなどるべからず」です。

そして、乗車口にたどりついた私たちに運転手さんが告げたひとこと。
「キップは、あそこの窓口で買ってきて。今日は、車内販売なし!」

後で聞いたら、我が家のマダムは、この時点で、このバスには乗れないとあきらめたそうでした。

しかし、ここはフランス。あせっても、あきらめてはいけません。

運転手さんが指示したレンヌ駅構内の端にあるバス専用のキップ売場に行き、無事に人数分のキップを買い終えた私が戻ってきたときは、まだ10人くらい乗車待ちのお客がドアの前にいました。混雑のため、乗車に手間取っていたのです。ちゃんと、私の努力は報われ、予定したバスに間に合います。

「でも、運転手さん、すみません。もう空席ありませんが・・・・」
「えっ、そうなの?」
私たちのキップにチェックマークを入れた、くだんの運転手さんは、少しもあわてず、隣に止まっていたバスを指さしました。急きょ、続行便を出すことにして、2台目のバスが1台目のバスの横に到着していたのです。
「じゃあ、あっちの車両に乗ってね」

そして、隣のバスの運転手さんらしき人に何やら声掛けししています。あとで考えると、「キップはこっちでチェックした」旨のことを言ったようです。隣のバスの運転手さんも、何も言わずに1台目のバスの背後から現れた10人ばかりのお客を乗せてくれました。

そして、2台目のバスは、1台目のバスが発車した後も数分待機し、バス・ターミナルの中に旅の者と思われる格好をした人間がいないのを見届けると、おもむろにドアを閉めて発車しました。2台目のバスは、がらがらで、残り物には福がある状態で、快調に走ります。

バス内で打ち明けてくれましたが、我らがマダムは1台目のバスが満員になっただろうと推測した時点で、再度、1時間後の次の便を待つべく、あきらめムードになったとのことです。

もう一度繰り返します。勝手にあきらめてはいけません。

旅の移動は、何とかするの一心で、周りに聞きまくると、何とかなるものなのです。その日のモンサンミシェル行きのバスは臨機応変に続行便を手配した、ということは現地で初めて分かったことです。早々にあきらめて、駅の待合室に引っ込んでしまったら、2台目のバスの運転手さんのチェックにも引っ掛からずに置いてきぼりにされ、次のバスまで、本当に1時間待ったことでしょう。

MSMレンヌバス0429
( 中国人、日本人、北米人らで大盛況のモンサンミシェル行き直行バス )

また、ひとつ貴重な体験をしてしまいました。

結果論と言われればそれまでですし、ツアーではこんなことはできませんが、そこは個人の旅。何とかしようと、ちょっと動くと、何とかなります。旅慣れた皆さんの真価が、このようなときに如何なく発揮できます。



【4 行きが行きなら、帰りも同じ 】

モンサンミシェルへ電車とバスで来る観光客はパリ往復のパターンが大半を占めるようなので、往路のバスが混めば、当然、復路のバスにも人が集まります。

帰りの便も、バス停は黒山のひとだかり。
最初は、「キップを持っている人が優先です」と私に告げた運転手さんも、
「でも、接続のTGVの予約があるのです」と答えると、「分かった。オッケー」のひとことで、その場で車内発券です。フランス流の『魚心に水心』に感謝いっぱいの瞬間です。

そして、ラッキーなことに、あんなにいたはずのお客も、なんとバス1台に全員着席で乗り切れてしまいました。
運転手さんは、「さっき電話して、もう1台呼んだ」と、一応言っていましたが、案ずるより産むが易しだったのです。
「ああっ、フランス・・・・・・・」なのでした。

多くの乗客がいたため、レンヌ行きのバスは10分ほど遅れてモンサンミシェルを発車しましたが、運転手さんもTGV接続のことは分かっているので、途中の道を飛ばして走り、遅れ挽回の努力をしています。

それにもかかわらず、レンヌ駅には10分遅れで到着でしましたので、手に汗にぎる展開にやきもきしました。レンヌ駅にて早歩きでTGVホームへ着いたときは、もう所定の電車がホームに入っていました。
レンヌ駅2階TGV改札左0430
( レンヌ駅2階TGV専用改札口。3、4番線はTGV発車専用ホーム )

レンヌ駅に到着済TGV
( レンヌ駅にすでに到着して増結作業中のTGV )

私たちの乗るTGVは、レンヌで、2編成併結作業のため約8分停車するので、乗り遅れることはありませんでしたが、ひやひやものであったことは間違いありません。

結論。「よい子は、是非、チャレンジ精神を発揮し、ロスタイムの少ない『何とかなる』フランス鉄道旅行を楽しみたいものです」

説諭。「世界中どこだろうが、指定席の番号を間違えて座ったことが分かったときは、ひとこと、お詫びの言葉を添えて移動しましょう。『悪いのは、席を間違えたアンタなんだよ!』」

2019年5月 記         了


モンサンミシェルTGV利用時刻表2019

モンサンミシェルTGV利用時刻表2019

このテーマも、繰り返し書かれてきたテーマです。SNCF:フランス国鉄、の旅を知っている人には大して役に立たず、知らない人には複雑すぎる内容かも知れません。

MSM朝もやの風景0430
( 朝もやに霞むモンサンミシェル遠景 )

1 私のモンサンミシェル往復TGV利用時刻表 】

2019年4月に私がモンサンミシェル往復に利用したTGVとバスの時刻は以下のとおりでした。

1)往路
パリ・モンパルナス発9:57  TGV8009→ レンヌ着11:25  運賃指定席特急券込み1人片道超早割21ユーロ
レンヌ駅発11:45直行バス → モンサンミシェル(対岸)着 12:55 当日きっぷ大人1人15ユーロ

2)復路
モンサンミシェル(対岸)発10:05→  レンヌ駅着11:15 当日きっぷ大人1人15ユーロ
レンヌ発11:35  TGV8710→  パリ・モンパルナス着13:04 運賃指定席特急券込み1人片道超早割26ユーロ

モンサンミシェル滞在時間1泊2日で21時間
1人あたり往復交通費77ユーロ

TGVモンパルナス列車群0429
( パリ・モンパルナス駅に並ぶTGV )

実際にも、ストライキやTGVの遅れもなく、計画どおりのモンサンミシェル小旅行ができました。

「できて当然です。でも、ちょっと、ひやっとした場面がありました」


【2 手っ取り早くモンサンミシェル往復時刻を知る 】

ずばり、直行バスのサイトにアクセスすると、ピンポイントで所要の時刻表を閲覧できます。

https://keolis-armor.com/index.php

モンサンミシェルとレンヌ駅もしくはドル・ドゥ・ブルターニュ駅間の直行路線バスを運行する会社は、ケオリス・アルモール:keolis-armor、という名前です。SNCFも株主ですから、日本で言えばJRバスに近い感じでしょう。

サイトは、フランス語と英語の二言語があります。トップ画面に、英語ならば、「Go to  Mont-Saint-Michel」、フランス語ならば「Aller au Mont-Saint-Michel」という目次が出ています。画面を開き、青い字で強調されている ”schedule :時刻表”(フランス語はhoraires )のページを出すと、どんぴしゃりでモンサンミシェルまでのバス時刻表が、往路、復路それぞれ表示されます。接続するTGV時刻も書いてある便利な時刻表です。

「早く、それを言えよ!」
「だから、普通の方のもったいぶった内容のブログの順序を飛ばして、結論を先に出したじゃないですか」
「おそい!ニッポン人は、せっかちなんだぞお」

下の参考画面をごらんください。
AKeolisMSM時刻表例
( モンサンミッシェル往路のTGV+バス時刻表画面例 )


2019年4月現在、レンヌ発着のバスは、平日休日を問わず1日4往復です。ここ数年1日4往復体制です。
レンヌ発、9:45、11:45、12:45、16:45.
モンサンミッシェル発、10:05、11:20、14:05、18:05 
です。
片道運賃は大人1人15ユーロ。青年割引、老齢者割引、小児割引などがあります。

ドル・ドゥ・ブルターニュ発着のバスは、平日休日を問わず走る1往復に加えて土曜休日の下りのみ1便増発です。
ドル・ドゥ・ブルターニュ発10:55(毎日運転)、12:25(土曜休日運転)
モンサンミッシェル発 16:05(毎日運転)
片道運賃は大人1人8ユーロ。各種割引もあります。

モンサンミッシェル直行バスの本数が少ないので、どのバスに乗って、日帰りあるいは、日にちをまたいで往復するかを決めてからTGVを選びましょう。サイトのおすすめに従ってもよし、自分なりにレンヌ街歩きの時間を加えてもよしです。パリ発着のレンヌ方面行きTGVは、ほぼ1時間に1本の運転です。


3 TGVの時刻表や運賃を調べる

TGV時刻表調べは、SNCF:フランス国鉄:SNCFのOUI SNCF:(ウイ・エスエヌ・セーエフ)=(「はい、フランス国鉄」、という意味) というサイトにアクセスして行ないます。

https://en.oui.sncf/fr

最初の画面で、英語ならば、「train」、または、「 train tickets」を選択すると、乗車区間、日付、片道か往復か、利用人数や割引適用条件などを入力する画面になりますので、希望内容を入れて「search」で検索します。1文字くらい綴りを間違っても「これですか?」みたいな補正案を聞いてくるので、気軽に入力しましょう。

地名の綴りです。

パリ:Paris
モンパルナス(レンヌ方面のTGV発着駅):Montparnasse
レンヌ:Rennes
ドル・ドゥ・ブルターニュ: Dol de Bretagne
モンサンミシェル: Mont Saint-Michel
ポントルソン:Pontorson
ParisMNPS正面
( レンヌ方面行きTGVも発着するパリ・モンパルナス駅正面 )

フランス語は、発音が短い割に、文字数が多いので、うんざりという方もいますでしょうが、「郷に入っては郷に従え」で続けましょう。

本当にキップを買う場合は、サイトの会員になるために、個人名や連絡先、精算用のクレジットカード番号などを、画面の指示に従って登録します。

「えっ、けっこう面倒くさいなあ」
「日本だって、自分で旅行の手配をするときは、このくらいの条件検索するでしょ」
「でも、フランス語や英語は苦手だし」
「英語版があるし、少し慣れれば、コツはすぐ飲み込めますから、ご安心を」

パリ発レンヌまでのTGVの時刻と運賃表示例を添付します。
ASNCF OUI検索例
( OUI SNCF での時刻表、運賃検索画面例 )

TGVは、航空券予約と同じシステムです。早割はもちろん、発車時間帯や季節、曜日によってさまざまな割引、割増があります。日本の新幹線のように、大半は正規運賃で、例外的に割引や割増がある価格体系ではありません。また、運賃プラスTGV料金という発想もなく、TGV運賃一本建てです。自由席もありません。全車指定席です。

TGVキップの発売開始日は乗車日の3カ月前です。

ですから、
「早く買えば、それだけお得」
「割安なキップは、ほぼ、払い戻しや無料での変更が不可」

検索条件を、こちょこちょ、いじくって、お得な乗車パターンや、平日と週末の運賃差などを何となく理解することも必要です。

「ところで、ストライキなどで運休になった場合の返金はあるのですか」
「うーん。はっきり言って分かりません。事故で遅れた場合とかの取扱規程も書いてあるのでしょうが、そういうときは、『言ったもんがち』のケースもあると思います。個人旅行の醍醐味だと思って、是非、体験談を聞かせてください」
「はあーい」


【4 TGV+バスの連絡キップを買う】

な、なんと、モンサンミッシェルに関しては、さきほどの「OUI SNCF」の鉄道キップ購入画面で、パリ発着TGVでレンヌ乗換モンサンミッシェル行きバスの通しキップが買えます。激安、超早割運賃適用の組み合わせでは買えませんが、通常の早割運賃と正規のバス運賃の組み合わせなら購入可能。

例示画面のように、TGV通常早割35ユーロ+バス15ユーロ、合計片道1人あたり50ユーロという検索結果が表示されます。
ATGV検索モンサンミッシェルキップ201905
( パリ--レンヌ--モンサンミシェルのTGV+バス時刻と運賃表示 )

さすが、Keolis-armor社はSNCF系列だけあって、人気スポットまでの通しキップを取り扱うようです。

日本でも見習いたいサービスです。スカイライナーで上野へ出て北陸新幹線で長野へ行く、とか、東京から新幹線で名古屋乗換の近鉄特急で宇治山田駅往復などがサイトや駅にて1回の手間で買えると、本当に利用者フレンドリーだと思います。

最後になりましたが、こういう時刻表や、おすすめパターンは、モンサンミッシェルに限っては「地球の歩き方」に手際よく書いてあります。それほど、日本人のモンサンミッシェル詣での旅行パターンというのは定形化しているるのでしょう。そして、売れ筋のガイドブックというのは、すごいものだと改めて感心しました。

ただし、「パターンに乗らない歩き方」は、ほとんど教えてくれません。ですから、敷かれたレールを、さも自分で敷いたレールのように錯覚しながら進むのがよろしいようで。

2019年5月記   了
























































モンサンミシェルへの行き方の復習

モンサンミシェルへの行き方の復習    2019年4月訪問


【1  ツアーそれとも個人旅行】

2019年のゴールデン・ウィークに、家族ともども初めてパリから1泊2日でモンサンミシェルに行きました。幸い、天候にも恵まれ、圧倒的な存在感で眼前に迫る、正式名称「ル・モン・サン・ミシェル:Le Mont Saint-Michel 」の威容と賑わいを存分に堪能しました。

「いやあ、行って良かったあ」です。私も、長年の思いが、やっとかないました。

MSM夜景0429
( 夕闇せまるル・モン・サン・ミッシェル )

今回の観光は、いわゆる島内ホテルに宿泊した往復約27時間の小旅行。普通にキップを予約し、TGVと路線バスを乗り継いで往復する、皆様のよく言う個人旅行です。

モンサンミシェル観光は、ツアーが良いのか、個人旅行で行くのが良いのか、ブログやガイド本でも意見百出です。私は、各人の時間配分、フランス旅行ノウハウへの習熟度やチャレンジ力、ご予算などで変わるので、一概に優劣は決まらないと思っています。

我が家の場合は、のっけから自分たちで行くことにしていました。

*せっかく行くのだから1泊したい。
*1泊ツアーの標準パターンである、パリ早朝発、翌日夜半帰着のバス旅は長すぎ。
*自分たちで行く方が安いもんね。
*同行者がTGVに乗りたーい、と希望。

これらが我が家の個人旅行選択理由。私は、空気読めない系の性格なので、余程のことがない限り、先進国ではツアーの旅はしないことも隠れた理由です。


【2  パリとモンサンミシェルの標準往復ルート】

パリからモンサンミシェルへ公共交通機関で往復する場合の一般的なルートは、パリからレンヌへTGVで行き、モンサンミシェル行き直行路線バスに乗り換えるという行程です。

もう、言い尽くされていますが、何回でも記録しておいて損はないと思います。

1) パリ ⇔ レンヌ:Rennes はTGVで往復。片道1時間30分弱から2時間。約1時間ごと。

TGVouiモンパルナス駅20190430
( パリのモンパルナス駅のTGV。左が格安ウイゴー車両、右が一般車両 )

2) レンヌ ⇔ モンサンミシェル対岸は、ケオリス・アルモール社:Keolis Armor、の直行路線バスで往復。片道70分。TGV接続で1日4往復。

MSMレンヌバス0429
( モンサンミシェル対岸のバスターミナルに着いた直行路線バス )


3) モンサンミシェルの対岸と島の入口は無料シャトルバスのパスー(パスール):Passeur、で約15分。朝7時から夜中の12時ごろまで5分から15分おきくらいに、適当な間隔で運転。

MSMPaseur0430
(モンサンミッシェルの対岸と本島を結ぶ無料シャトルバス)

このルートだと、何と、パリからモンサンミシェル対岸の路線バスタ-ミナルまで、片道3時間を切るスピードで行けるのです。

「は、速い!」

パリからモンサンミシェルまでは350km以上ありますので、TGVの威力に脱帽です。かつて、モンサンミシェルと言えば、「パリから遥か彼方のノルマンディーの寒村の先にそびえ立つ辺境の有名観光地」のイメージでした。交通網の発達で、いまや、多少無理すればパリ日帰り圏の観光地になったことを実感しました。

東京から伊勢神宮まで日帰り観光する感じです。途中乗換え1回で、1点張りの豪華観光スポットへ多少の強行軍で往復する旅程が、何となく似ていませんでしょうか。


【3 その他のモンサンミシェル往復ルート】

ちなみに、パリ発の他のモンサンミシェル往復ルートは、

①ツアー・バスで片道4-5時間、
②フランス国鉄SNCFのTGVで、レンヌではなく、ドル・ドゥ・ブルターニュ:Dol de Bretagne という駅で直行路線バスに乗り換え、
③SNCFの在来線で、近隣のポントルソン・ルモンサンミシェル:Pontorson-Le Mont Saint Michel、という駅まで行って路線バスに乗り換え、
④高速バスでレンヌまで行き、一般ルートで書いたレンヌ⇔モンサンミシェル間の直行路線バスに乗り換え、

です。

もちろん、クルマで行く選択肢もあり、フランス人や近隣諸国の人たちの多数派は、クルマでモンサンミシェル観光にやってきます。

皆さんも、時と場合と予算に応じてルートやスケジュールを選択しましょう。

是非、モンサンミシェルに行きたい場合は、個人旅行で1泊がおすすめです。冬場ならば天候不順や霧に備えて滞在時間を長めに取る計画が良いと思います。「霧で見えなかった」モンサンミシェル観光ほど悲惨な旅はありません。

観光地めぐりの数をこなす場合は、論をまたずにパリ発の日帰りツアー、TGVでの日帰り旅行、または、モンサンミシェル1泊が組み込まれたフランス・ツアーの選択が良いと思います。霧でも嵐でも、人混みにもみくちゃにされながら参道を歩いても、「モンサンミッシェルに行った」という、厳然とした事実は微動だにしないからです。


2019年5月記   了





番外 イタリアの田舎道

番外 イタリアの田舎道     2018年まで


イタリアも郊外に出ると、おだやかな田園風景が広がります。

ヨーロッパ松の続く街道、豊かに実る畑と堂々たる農家が点在する道を、ほんのちょっとだけ見ます。

2001年11月伊ポリコーロ付近の松並木 (2)

199808伊ロレンチーニ農場風景 (3)

2001年11月北イタリアの道 (6)

恵まれたイタリアの大地の温かみを感じます。
イタリア観光が万人に人気な理由も納得です。

細かく言えば、イタリア半島南部やシチリア島では、やや乾燥した車窓風景に変わります。陽ざしもかなり強く感じます。

2001年11月伊ポリコーロ農村風景 (5)


きょうも、赤々とした夕陽がロンバルディアの野に落ちて行きます。
また、明日も、良い旅が続きますように。

外レッコからミラノ道の夕陽 (2)


2019年4月記                          了



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