やまぶきシニアトラベラー

気まぐれシニア・トラベラーの旅。あの日から、いつか来る日まで、かつ、めぐりて、かつ、とどまる旅をします。

2019年04月

ミラノの街道を走る

ミラノの街道を走る   2018年3月、9月

ミラノ市内や近郊の一般道は、かなりきれいに整えられています。経済力もあるので、市内の道路も広く、たくさんの並木が品よく茂っています。大きな樹木の姿に気持ちもいやされます。

平均的なミラネーゼの暮らす街中の通りや、郊外の緑あふれる街道の風景に、しばし、目を向けてみました。

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( ミラノの高級住宅街のひとつ、ブオナロッティ付近の並木道 )


外ミラノパヴィア途上の市内道路201803
( ミラノ北部の新市街を突き抜ける大通り風景 )

通りは広め、街路樹はゆったりと枝を広げ、道沿いの建物は、高さと色合いが、だいたい揃っています。
クモの巣状の電線は、大通りにも路地裏にもありません。ゆったり、すっきり揃うことが美しい街並みづくりの大切なポイントだなと感じました。

実際に、歴史的な街並みとか、いわゆる高級住宅街は、こんな感じですね。電線をなくすだけで、街並みのゆったり感は格段に向上します。空が広くなるのです!

日本だって、同じポイントを押さえれば素敵な場所になるに違いありません。あとは、住民と当局のやる気の問題だと思います。けれども、一度、貼り付けてしまった交通標語とか、くどくどとした注意書き、安っぽい看板などを、なかなか取り外せません。この心理の延長線上で、新しいものや、違ったものを受け入れることに抵抗感が生まれ、さらなる成長のための決断もできないような気がしてなりません。

余計な一言でした。

つづいてミラノ郊外の広い、広い平野部を突っ走ります。写真は、ナヴィリオ運河を南下したパヴィア郊外の街道風景です。早春の明るい日差しを浴びる気持ちよいドライブですが、木々の芽は、まだ出ていません。

電道イタリア道路パヴィア近郊のナヴィリオ
( パヴィア郊外の街道。右はナヴィリオ運河 )

街道を東に折れて、大木の続く並木道の突当りに、パヴィア修道院( チェルトーザ・ディ・パヴィア:Certosa di Pavia )が見えてきました。美しく、豊かなロンバルディアの田園風景に気分爽快です。

パヴィアCチェルトーザ前の並木 (2)
( チェルトーザ・ディ・パヴィア正門前の並木道 )

パヴィア修道院近くの小さな新興住宅街を突き抜けて走ります。大き目の戸建てが、カーブを描いて建ち並び、落ち着きとゆとりある生活を想像させてくれます。ミラノ都心部まで片道1時間弱かかる、ミラノ通勤圏ぎりぎりのあたりです。

電道近郊グインザーノのロトンダ201803


今度はミラノから北に向かい、アルプスに連なる山々が眼前に迫ってくるレッコ:Lecco とい小都市近郊をドライブしました。写真を見るだけで、ひんやり感が残る早春の山裾風景が頭に浮かびます。

外レッコ市内の車窓 (1)
( レッコ市郊外の一般道を走る )

山々の中腹へ上がり、尾根筋にそって開けた集落の間を縫うようにして走ります。手入れのよい戸建てや、小規模マンションが右、左と続いています。のんびりした山村暮らしが好みなら、おすすめですが、変化が少ない暮らしなので、刺激を求める方々には、ときどき、走り抜ける程度で十分でしょう。

外レッコ奥の村の道201803
( レッコ市から山の中腹へ上がったあたりの小集落を抜ける街道 )

ロンバルディアの都市も平野も山間部も、とても魅力的な道が続きました。

2019年4月記                     了

ミラノ高速を突っ走れ

ミラノ高速を突っ走れ    2018年3月、9月

イタリアも、先進国のご多分にもれずクルマ社会です。そして、イタリア人はクルマ好きだと思われています。ホントかな。

国内には、高速道路:アウトストラーダ=Autostrada  が縦横に張りめぐらされています。日本人旅行者の一部の皆さまも、レンタカーを借りてイタリアめぐりを大いに楽しんでいます。まずは、めでたし、めでたしです。

私も、たまには友達のクルマに乗っかって出かけます。ミラノ周辺の高速は、車線もいっぱい、クルマもいっぱい。
「さすが、大都会の高速道路はすごいね」
「バカンス時期は、めちゃ混みで大変なんだから」

外ミラノのイタリアの高速道走行風景
( ミラノ郊外の高速道路を南下 )

ミラノが大きな都市であることや、クルマ社会のすごさを実感してしまいます。

「何てたくさんのクルマやトラック、バスが走っているんだろう!」
「何だかんだ言いながらも、道路コンディションだって悪くないぞ」
「ミラノから北へ30-40分も走ると、もう山並みが間近かに見えてきて、けっこうきれいだよ」

2001年11月北イタリアの道 (4)
( 山並みを見ながらロンバルディアの高速を走る )

こんな調子で走っていたところ、”がああーーーん、がらがらがらーーー!” 2018年8月15日の未明、ジェノバ近郊の高速道路の高架橋が、いきなり崩落したのでした。犠牲者の方々に、あらためて、ご冥福をお祈り申し上げます。

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( 高速道路の崩落を伝える新聞の例 )

念のためですが、アウトストラーダは有料です。日本ほど料金は高くありません。土地代も安いし、トンネルや橋も少ないので、日本より建設単価が安いのかも知れませんし、国の政策で通行料金を安くしているのかも知れません。

2001年11月北イタリアの道 (1)
( ベルガモ近郊の料金所。けっこうクルマが溜まります )

パヴィアへの高速料金所2018
( ミラノ南方の料金所。右3車線が、いわゆる自動化ゲート、テレパス )

日本でいう”ETC”はイタリアでは”テレパス”:Telepass です。写真のとおり、普及率は日本ほどではないようで、まだまだ有人のブースの数が多いです。その辺へのピクニックで、1時間くらい走っても料金が500円程度なので、カード式で通行料を払うメリットを、あんまり感じなかったようです。最近は、当局の人員抑制方針で、2018年現在、テレパスへの切替えを積極的にPRしていました。

ミラノ周辺ドライブを楽しみました。ありがとう。

2019年4月記       了

イタリアの高速道路と黒いスイス

イタリアの高速道路と黒いスイス   2018年3月、9月

クルマ社会のイタリア。ミラノ周辺にも高速道路が網の目のように通っています。

ニッポン人のイメージでは、「かっ飛ばすイタリアン」、「絶妙なドライブ・テク」ですが、大半のイタリア人は、普通に運転し、交通ルールを守っています。当たり前ですね。

外ミラノのイタリアの高速道ミラノ外周
( ミラノ近郊の高速道路風景 )

「高速の制限速度って110(km/h)くらいなの?」
ミラノ近郊で、速度標識が見えたので、ちょっと、尋ねてみました。
「いいや、何も書いてなければ130(km/h)だよ」
「うーーん、でも、もっとスピード出ているよね」
「まあね、でも、スイス人ほどじゃないぜ・・・・・」
私の友人は、にやっとして話し始めました。

イタリア北部は、国境が近いこともあり、スイスのクルマがたくさん走っていますが、スピード違反で捕まえるのがとても難しいのだそうです。イタリアの交通警察は、スピードガンなどで違反者を見つけると、スイス車だろがフランス車だろうが相手国の警察に通知して取り締まりますが、スイス側の取締り当局は、照会依頼をほぼ黙殺するという話です。

「何で?」
「知らない。でも、スイス車のスピード違反が捕まらないことは、みんな知ってる」
「けっこう、イメージ・ダウンだよね」
「そのとおり。表向きのイメージはいいんだけれど、見えないところでは、ずるやってるよ。あそこの国は・・・・」

2001年11月北イタリアの道 (3)
( 山並みを見ながら走る高速道路 )

私としては、それなりに納得する話でした。むかし「黒いスイス」という本を読んだことがありますが、そういうことを知っていると、スピード違反照会無視も、さもありなんです。

またひとつ、ブラックなネタが増えました。

私は、特段、スイスという国や個人に恨みも差別感情もありません。高速道路を走りながらの雑談でしたが、どこの国にも負の側面があり、良いところもあるんだ、ということを改めて感じました。

今日まで、スイス車のスピード違反を摘発できる実効性のある手立ては、なかなか思いつきません。
もどかしい!

2019年4月記           了





ぐるぐるロトンダ交差点

ぐるぐるロトンダ交差点   2018年3月、9月

ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアなどには、周回式の交差点が大小いっぱいあります。

イタリア語とスペイン語では、ロトンダ:Rotonda。
フランス語では、ロン・ポワン:Rond Point。
英語では、ラウンド・アバウト:Round About。

日本語では、まだ、定まった呼び方がありません。私は、周回式交差点と書いています。ちょっと、法律用語みたいな固い感じがしますから「丸い交差点」なんて、いかがでしょうか。”ロトンダ”の語感に近い発想になってしまいました。

日本では、当局は、ロトンダを「さあ、これから」という感じで普及させようとしていますが、この先、どうなるのでしょう。

屁理屈こねる前に、まずは体験です。

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( ミラノ市内の典型的なロトンダ。交通標識もばっちり )

電道イタリア道路セストSGロトンダ
( ミラノ郊外の団地入口のロトンダ。片側2車線道路 )

ミラノにも、ロトンダはいっぱいあります。地区の中心となっている広場から、ちょっとした交差点まで、大小のロトンダがあります。

いつもクルマは、ぐるっと回って自分の目指す方向へ走りぬけます。片側1車線か2車線の道路ですと、信号待ちや割り込み、幅寄せもなく、するすると交差点を走りぬけていく気分です。

ロトンダコンチリアツォーネ広場
( ミラノ、コンチリアツォーネ駅前の広場も大ロトンダ )

けれども、あまりに巨大な交差点になると、ロトンダを作っても、信号機を設置してクルマの流入をコントロールしないと、流れが、すっちゃかめっちゃかになるようです。別に、ミラネーゼのドライビング・テクニックが勝手気ままなのではなく、道路構造上、混沌としてしまいます。

ロトンダピエモンテ広場
( ミラノ、ピエモンテ広場は、信号機付きの巨大なロトンダ )

少し長めに観察した体験によりますと、①そこそこの広い道、②あまり多くないクルマの量、③統一感のある周囲の建物、④小ぎれいな植え込み、の4つのポイントが揃うと、美しく整い、かつクルマの流れもスムーズなロトンダ風景が展開するように思います。

ロトンダMチェーザレ広場
( シティライフ・ミラノが見える広々とした美しいロトンダ )

ちっちゃなロトンダは、なんかせせこましく感じます。信号機の数を減らすために、何でもかんでもロトンダを作ればいいと言うものではなさそうです。

ロトンダSジョバンニV家の前
( マンション街の小さなロトンダ。少し窮屈な感じ )

我が家の近くにも丸い交差点がありますが、そこだけ空間が広くなるので、街並みに開放感が出ます。ロトンダ、あるいはラウンド・アバウトを上手く取り込んで、新しいスタイルの街づくりを日本でも考えつくといいなあ、と思いました。


2019年4月  記                     了





ミラノ市電4900形なつかしの連接車

ミラノ市電4900形なつかしの連接車     2018年3月、9月訪問

ミラノ市電にも連接車がたくさん走っています。たくさんどころか、連接車比率が3分の2くらいです。

日本では、市電でもバスでも連接車は珍しい存在なので、日本人にはレアな見世物です。

ミラノ市電の旧型式の連接車は、やや古い感じのする4600形、4700形と、1970年代に登場した4800形、4900形です。4600形グループは連接車、4900形グループは3連接車です。どちらも実用一点張りの車両です。

電Tミラノドゥオーモ南にて (2)
( ダンテ通りを走る4600形広告塗装車 )

はっきり言って、お洒落シティ、ミラノのイメージからすると、多少、野暮ったいデザインです。都心部で見かけても、「おおっ」と、のけぞるほど斬新な外観でもないし、窓なども平凡なデザインです。

電Tミラノ4700形ブレッラ付近201803 (1)
( のっそりした感じの4700形 )

やや古びた連接車が、節をつけて2両か3両編成で、くねくねと街中を走っている姿は、けっこうユーモラスです。いもむしが、曲がった木の枝を這っているような感じもします。

けれども、だんだんミラノに慣れてくると、この、のそのそ感に妙な温かみを感じます。まじめにコツコツ暮らすミラネーゼ気分が出ているな、と思うのです。

電Tミラノのトリノ通3系統4700形
( トリノ通りを南下する4900形連接車 )

電車内もビジネスライクで、70年代、80年代の、大量生産や規格統一こそ名経営の証、という時代だった頃の雰囲気を残しています。

198808ミラノ市電連節車内部
( 4900形の車内 )

それでも、もう50年にもなろうとする車両を大切に使い続けている経営姿勢に脱帽です。

旧式連接車は、ドゥオーモからカステロ・スフォルツェスコ(ミラノ城)方向へ伸びるダンテ通りなどを歩いていると、ひんぱんに走ってきます。

電Tミラノダンテ通りに向かう4600形201803
( ドゥオーモ横のトリノ通りからダンテ通りに入ってきた4900形 )

ひと昔前までは、ミラノ市電の色は、濃いオレンジ一色でしたが、最近は、ツートンカラーとか、緑色主体の新型車、さまざまなラッピング塗装の電車も増えています。

一部の車両は、車体を新しく作り直したようです。優しい感じの大型窓や、グラディエーションのかかった塗分けで、従前の車体に比べると、すっごく格好良くなりました。思わず、カメラを向けてしまいます。

電TミラノDuomo付近4800形 車体更新車
( すっきり美しくなった4900形車体更新車 )

蛇足ですが、まれに連接バスも見かけます。観光スポットをはずれた場所に足を伸ばすと走っています。そう言えば、リナーテ空港とドゥオーモを結ぶ市バスも連接バスです。

日本にいると乗るチャンスも少ないので、連接車の市電やバスに乗って、ミラノ市内をくねくね走るのは面白い体験です。

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( ワグネル市場近くを通る連接バス67系統 )
MILANOリナーテ空港風景201803 (6)
( リナーテ空港とドゥオーモを結ぶ市バス空港線73系統 )

お洒落して、ながーく走り続けてくださあい。応援しますミラノ市電!


2019年4月 記                             了



ミラノ市電最新鋭7000形のスマートさ

ミラノ市電最新鋭7000形のスマートさ   2018年3月、9月

ミラノ市電は、環境優先、エコ指向の現代にあって、いまなお意気軒高です。少しずつ新線を建設していますし、専用の線路周りを緑化することもしています。

そして、重量感ある新型の連接車を2000年代初頭から投入しました。

電TミラノグレコP駅前7100系 (3)
( 7100形。グレコ・ピレリ付近の芝生軌道を走る )

新型連接車はデザインが21世紀風なので、すぐに分かります。7000形と7100形の7両編成の連接車と、7500形、7600形の5両編成の連接車の2グループがあります。後者は、色がオレンジ色とクリーム色なので、すぐに見分けがつきます。

7000形と7100形は、先頭車両のデザインが違うこと、連接の節の切れ目が違うことが見分けるポイントです。

いやしくも、「ミラノ市電でテツをした」なんてことを書きたい旅行者は、少し注意深く観察してみたいものです。
けれども、それ以外の皆さんは、市電のたくさん走っている街、ミラノの雰囲気を楽しめば良いと思います。

電TミラノグレコP駅前7100系 (4)
( 7100形の後ろ姿。グレコ・ピレリ駅前 )

市内でしょっちゅう見るのは、全面が丸っこい感じで、連接の節目が等間隔に近い7100形です。

けれども、ミラノで初めてのエコタイプ、バリアフリータイプの低床車両が7000形です。前面が尖った感じのガラスで、連接の節目に長短があることが、後継の7100形との違いです。

我が家の次男は、7000形を初めてみたとき大興奮でした。路面電車ファンでなくとも、19世紀スタイルの石造りのビルがひしめき合っている街中に、斬新で緑色もあざやかな電車が走ってくれば、びっくりするのは当たり前でしょう。

電Tミラノ7000形連接200508
( エコタイプのはしり7000形 )

けれども、会社側は灰色やカーキ色の建物が多いミラノに緑色は合わないと考えたのか、新型連接車第2世代の7500形、7600形連接車は、クリーム色とオレンジ色の塗分けになり、ミラノ風景に溶け込む感じになりました。


電TミラノNaviglioを行く7500形 (2)
( 7600形の5連接車でも存在感は抜群 )

7600形は、2007年に走り始めてから、もう10年強。けれども、7000形や7100形ともども、おニューの装いを保っています。

もともとしっかりした作りのうえに、きちんと手入れしていることがうかがえます。
私のようなシニアも、きちんと手入れしていれば、まだまだ若く見えるかも・・・・・、と切ない期待を抱いてしまいました。

電TミラノNaviglioのベルサーチ電車7500形201803 (1)
( 夕暮れの7100形。ヴェルサーチの広告電車 )

いまは、どこの都市でもラッピングした電車やバスがたくさん走っています。ミラノでも、夜のライトに照らされ、ベルサーチの広告を付けた7600形が走りぬけていきました。低騒音なので、スーッと近づいてきて、サアーッと抜けていく感じです。

私たちはミラノ市電を無意識のうちに見過ごしていますが、「ミラノって、市電が走っていてこそのイタリアの都市なんだな」と、改めて思い返す、この頃です。                          

2019年4月 記                                        了



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