やまぶきシニアトラベラー

気まぐれシニア・トラベラーの旅。あの日から、いつか来る日まで、かつ、めぐりて、かつ、とどまる旅をします。

2018年12月

ひっそりと息するポルタ・ジェノバ駅

ひっそりと息するポルタ・ジェノバ駅     2018年3月訪問

トレノルドのミラノ市内のターミナル駅のひとつ、ポルタ・ジェノバ駅:Porta Genova は、人気のナヴィリオ運河の目と鼻の先にありながら、ひっそりとした駅です。

電TDポルタジェノバ駅下町ふう横面201803
( トレノルドのポルタ・ジェノバ駅前 )

緑色がシンボルカラーのメトロ2号線や、数系統の市電が通っていて、人通りが絶えませんが、地上の駅は忘れ去られたかのような感じがします。ベージュ色をした、やや大きめな駅舎はイタリア国鉄式の典型的な建物ですが、中に入っても人の気配は、あまりしません。

プラットホームへ出てみると、確かに線路は行止りで、草むしたような静寂な空間が広がっています。

ミラノ鉄道風景のエアポケットに入ったような気分になりました。
電TDポルタジェノバ駅寂れたホーム201803
( ポルタ・ジェノバ駅構内。手前奥で線路は途切れている )

ポルタ・ジェノバ発着の電車は、昼間は1時間に1本、朝夕は30分に1本です。大阪市内の南海電車の汐見橋駅みたいです。

プラットホームの1番隅に停車中の車両には、勝手知ったる通勤通学客が、もくもくと乗り込んいきます。なんか、人口20万人くらいの地方都市の鉄道風景です。さびしいような、なつかしいような気分。時間は、かなり、ゆっくりと進んでいました。

これも、ミラノの一コマです。
電TDポルタジェノバ駅と始発ローカル線201803
( ポルタ・ジェノバ始発の通勤列車に乗り込む人たち )

列車の背後に垣間見える建物の裏手は、もうナヴィリオのカナル・グランデです。この落差に、ちょっぴり驚いてしまいました。

ポルタジェノバ駅そばナビリオ夜景201803
( 夕暮れのナヴィリオ地区のカナル・グランデ。右手奥がポルタ・ジェノバ駅 )

陽が落ちてイルミネーションが輝き出したカナル・グランデの両側は、もうかなりの人出です。右奥の建物の裏手に駅があり、運河の先まで行くと、線路も見え隠れするなんて、想像だにできません。

不思議な空間体験でしたミラノ・ポルタ・ジェノバ駅。

2018年12月記         了

ミラノの駅舎をめぐりて

ミラノの駅舎をめぐりて   2018年3月、9月訪問


ミラノの大きな駅、中くらいの駅から7つの駅舎を、ささっと眺めてみました。

イタリア北部の鉄道の雰囲気を感じました。けっこう、きびきびした印象です。

1) 私の一番好きな駅カドルナ:Cadorna
駅舎カドルナ駅正面やや遠景201803
( 朝日に輝くカドルナ駅全景 )

私が、ミラノで一番好きな駅はカドルナ駅です。我ながら無難な選択です。お洒落なデザイン、メンテの良い建物、落ち着いた雰囲気で、生活者目線に近いミラノを感じます。2015年のミラノ万博を機に、駅前に設置された
クリップか組みひもみたいなオブジェは賛否両論があるようですが、私は賛成派。駅舎との相性は良いと思います。

カドルナ駅は、マルペンサ空港へ電車で行き来する方や、徒歩をいとわずに最後の晩餐を見学に行く方々の記憶にある駅だと思います。もういちど、このハイセンスな駅を振り返ってみてはいかがでしょう。

Mカドルナ駅配線DSS多い201803
( カドルナ駅の線路の配線は幾何学的 )

鉄道好きの人間の、そのまた一部の者の感想ですが、カドルナ駅の配線は幾何学的な美しさです。ダブルスリップスイッチや、シーサスクロッシングが、ほぼ左右対称に配されていて、すっかり見とれてしまいました。


2) 伸び盛りの駅ポルタ・ガリバルディ:Milano Porta Garibaldi
駅舎Pガリ駅全景Mar2018
(再開発で一新されたポルタ・ガリバルディ駅)

ポルタ・ガリバルディ駅と、その周辺は、ダイナミックに成長するミラノを体現しています。駅舎はモダン建築になりましたが、デザインは少し面白みにかけます。残念。


駅の周りには、定番の再開発ビルあり、ユニークな高級マンションのボスコ・ヴェルティカーレあり、人気急上昇のショッピング通りコルソ・コモありです。しかし、日本人旅行者の知名度はイマイチです。
Pガリ駅とボスコVMar2018
( ポルタ・ガリバルディ駅ホームとTGVとボスコ・ヴェルティカーレ)

最近は、TGVでフランスのリヨンやパリへ向かうときや、マルペンサ空港へ行き来するときに、ポルタ・ガリバルディ駅を使います。1番線から20番線と地下の通勤新線パッサンテのホームがある大きな駅ですが、地味な印象は否めません。


3) やっと登場チェントラーレ:Milano Centrale
駅舎チェントラーレSep2018
( ミラノ・チェントラーレ駅舎を少し離れて見る)

日本人ミラノ旅行者の人気スポットのひとつ、ミラノ・チェントラーレ駅です。周辺に大小さまざまのホテルがあること、私たち日本人の鉄道好きの血がさわぐので、露出度が高くなるようです。

実際に、ものすごく大きく立派で、1日30万人以上の乗降客がある世界屈指の長距離列車ターミナルです。ヨーロッパ鉄道旅行の起終点には便利ですし、プラットホーム風景も風情がある思い出深い駅です。

その反面、やや威圧的な外観は、美の追求に余念がないイタリアらしくありません。1931年竣工という駅舎の歴史的経緯から考えると、仕方のないことかも知れませんが、あんまり、すりよりたくなる駅ではありません。

大きな駅は、街の顔のひとつですから、チェントラーレ駅も、もう少し優雅であるか、ミラノのイメージをアピールする造りであってほしかった、というのが正直な感想です。


4) ちょこんと鎮座するポルタ・ジェノバ駅:Milano Porta Genova

駅舎Pジェノバ駅Mar2018
( 周囲にどっぷり溶け込んだようなポルタ・ジェノバ駅 )

ポルタ・ジェノバ駅も、通勤電車の始発終着駅のひとつです。「そんなターミナル駅あったっけ」、というのが普通の反応でしょう。

私たちの何割かは、ナヴィリオ運河の散策やデートをするときに、この駅の近くを通ります。

「下町風の親しみやすい雰囲気の駅ですが、夕暮れ過ぎると、ちょっと日本人にはきついかも」
トレノルドという通勤列車用のポルタ・ジェノバ駅は、こんな感じです。


5) 線路がいっぱいあるランブラーテ駅:Milano Lambrate

駅舎Mランブラーテ201803
( 駅舎はこじんまり、線路はいっぱいランブラーテ )

ランブラーテ駅は、ミラノ・チェントラーレに東の方から入るさまざまな列車が集まってくるジャンクション機能が特徴の駅です。東京で例えれば、品川駅みたいなイメージです。駅舎は小振りですが、高架のプラットホームに上がると、線路がいっぱい敷いてあり、いろいろな行先の特急や通勤列車が、つぎつぎと通過して行きます。鉄道ファン向きの駅です。

数年後、市街の東にあるリナーテ空港まで地下鉄4号線が開通すると、このランブラーテ駅も、乗換駅のひとつになります。


6) パッサンテ開通でロゴレド駅:Milano Rogoredo は急上昇

駅舎ミラノロゴレドMar2018
( 昔ながらのロゴレド駅西口の反対側は再開発中 )

ロゴレド駅は、ランブラーテ駅から南に下った駅です。

何の変哲もない住宅街の端にあった、寂れたムードのロゴレド駅は、ミラノ中心部を、ほぼ東西に貫通するパッサンテ:Passante、という通勤新線の開通で、ひとっとびに大きな乗換駅に大出世。駅の東側では、ガラス張りのオフィス街や、洒落たマンション街を再開発中です。

ちょっとイメージがずれる部分はありますが、武蔵小杉みたいなポジションだと感じました。


7) 若くてムンムン、グレコ・ピレリ駅(グレコ・ピレッリ):Milano Greco Pirelli

グレコ・ピレリ駅は、ビコッカ大学最寄り駅なので、学生さんでいっぱいです。そのうえ、再開発の新しいマンション群が駅前にできて、若いファミリーも増えたので、駅の利用客は、ピチピチ、ムンムンの気配が濃厚です。

チェントラーレから北に一つ進んだ駅なので、普通の旅人とは全く無縁の駅でしょう。駅舎は平凡ですが、手入れが良く、堅実で飾らないが質の良い一般市民の暮らしぶりを体現しているかのようでした。

駅舎ミラノグレコピレリMar2018
( グレコ・ピレリ駅舎はイタリアの鉄道駅の典型的な外観 )

ミラノグレコピレリ駅の朝Mar2018
( 学生や若い人が多いグレコ・ピレリ駅の朝の通勤通学風景 )

早春の朝の青空の下で、おしゃべりしながら通勤電車を待つ若いミラネーゼの姿に見とれていました。

2018年12月記        了
















天使か悪魔かブランド店 2/2 (ナ行からワ行)

天使か悪魔かブランド店 2/2 (ナ行からワ行)   2018年3月、9月訪問

つぎは、ネロ・ジャルディーニです。
ドルチェ・アンド・ガバーナと並んでベネチア通りに店を構えています。馴染みの薄い通り名ですが、スピーガ通りの東の端を折れたあたりです。

ネロジャルディーニ少し高いシックな男女靴ベネチア通201809

ミラノ・モードの基本は、落ち着いたシックな感じですが、ここも王道を行くディスプレイのようでした。

スピーガ通りからモンテナポレオーネ通りに戻ります。
フェラガモ (サルバトーレ・フェラガモ)の2018年秋冬アピールは、奥の深い味わいを追求する方針のようです。
MフェラガモMilano2018
フェラガモ (サルバトーレ・フェラガモ)の落ち着いた店舗風景。

近くのプッチというお店は、ややイタリアっぽい色使い。
女性モード中心Pucci201809Mナポ
ピンクのマネキンのシュールな存在感が目につきました。

黒を基調とすることが多いプラダの、赤系統が混じった看板がありました。
プラダMナポSep2018
プラダ、モンテナポレオーネ店は、ガッレリアの本店と装いが異なります。
ここも、2018年の最後の最後になって、人騒がせしてしまいました。

ファッション界の深層心理は、必然的にタチが悪いのか、関係者が軽薄すぎるのか部外者の私には想像することしかできません。

プラダ本店ガレリア201803
ガッレリア内のプラダ本店の輝きも虚構なのでしょうか。

宝石店の周りにはいつも緊張感が漂っています。商品の性質上、仕方ないと思いますが、それでも一所懸命に、華を演出しようとしています。
ブルガリMナポ201809
ブルガリの幾何学的なディスプレイ。


モンテナポレオーネ通りとスピーガ通りを結ぶ通りのひとつ、ボルゴ・スペッソ通りにも、ブランド店、センスの良いモードのお店が並んでいます。ローマに本拠を置くボッテガ・ベネタのお店もありました。
高級店ボッテガベネタMilano201809
ボッテガ・ベネタのミラノ店は、ひっそりとした感じ。本当に良いものを求めるお客様を待っていますというメッセージかも知れません。

それと対照的なイメージが、ランジェリーでは有名なラ・ペルラ。モンテ・ナポレオーネ通りにあります。
外から見えない場所に身に着けるものだからこそ、派手目なディスプレイで、全身あますところなく美の追求をするべし、とアピールしているようです。
LaPerlaランジェリー店Mナポ201809
ラ・ペルラのオブジェのようなショーウィンドー。ランジェリーの演出は、ちょっと難しそうですね。

バッグが目立つ中堅のモード店、ロジャー・ヴィヴィエ。
バッグのRogerVivier201809
ロジャー・ヴィヴィエはフランス発祥。伝統的なイメージの飾りつけです。

同じく、フランスから始まったハイセンスな日常を追求するファッション店ロンシャン。
ロンシャンもスピーガ通201809
ロンシャンは、少し抽象的なイメージをアピール。フランス風の遺伝子なのかも知れません。

モードも、もともとは美しい人生のためにあるものでした。
最先端のセンスかもSep2018

いままでも、そして、これからも愛を込めて。

2018年12月記                  了




天使か悪魔かブランド店 1/2 (ア行からタ行)

天使か悪魔かブランド店  1/2 (ア行からタ行)  

2018年3月、9月訪問

ミラノのモードのお店は、有名店でも普通の店でも、かなり大胆なディスプレイを競っています。とにかく、人の目を惹くために一生懸命。ときには、負のイタリアンが出てきて、ぶっ飛んだものになってしまい、世界中から大ヒンシュクを買います。モード界も、「ブラックなイタリアン」は卒業してほしいです。

2018年の秋の商戦を前にしたディスプレイを見てみました。

典型的な店頭のショーウィンドー。色合い、配置は日本人の発想にはないものが多く楽しめます。
大胆なディスプレ201809
( ミラノのモード店のディスプレイでも、これは大人しいほう )

 まずは、エルマンノ・シェルヴィーノ。
エルマーノシェルヴィーノはモノトナスSpiga201809
シックな大人をアピール。


フランスが本店のエルメス。
MエルメスMilano201803
2018年秋は、どうってことはない飾りつけです。


ウィメンズバッグが売りのオルチアーニ。
オルチアーニSpiga通シックな女性用バック201809
真面目で長続きするディスプレイで安心感を与えます。


フランスが本店の有名店のひとつカルチエ。
お馴染Cartierミラノ201809
見るからに超高級な店構えで、ディスプレイも美術品の展示風。


超有名店のひとつグッチ。
MSpigaグッチ201803
2018年秋は、赤系テイストで燃える気持ちを表現でしょうか。


コチネレは中堅のウィメンズのお店。服中心に靴やバッグ有り。
コチネレ女性向けマンチーニ通201809
マンツィーニ通りのお店は、目立たない感じでミラノでは意外感ありです。

高級な靴ブランド、ジミー・チョー。
ジミーチョーSアンドレア通はモノトーン風201809
 円を重ね合わせて、躍動感を出していました。


これまた有名店、手袋専門店セルモネータ。
セルモネータ手袋Spiga201809
 2018年は赤系統を柱に、けっこう情熱的なディスプレイ。

ミラノを代表するブランド店のひとつトッズ。
MSpigaのTODS前2018 (2)
落ち着き払ったディスプレイに変わらぬ自信がのぞいてました。

2018年の最後にやってくれました。ドルチェ・アンド・ガバーナ。(ガッバーナ)
ドルチェガバーナのベネチア通店Sep2018


ドルチェアンドガバーナの派手なディスプレイ201809
秋の装いは、いつもどおりの華がありました。しかし、調子に乗りすぎて、かの東アジアのお国ではブーイング。
来年からは、大いに反省してほしいところですが、どうなることやら。

前半のア行からタ行のお店終了。
2018年12月記









ミラノの「垂直の森」を仰ぎ見る

ミラノの「垂直の森」を仰ぎ見る    2018年3月、9月訪問


ミラノ中心部では、あちこちにユニークな建物が出現しています。どれもこれも評判がよいとは限りませんが、とにかくチャレンジしようという意欲はトーキョーの比ではありません。

「たかだか20年くらいの経済的成功にアグラをかいてしまった私たちニッポン人よ、ミラノ精神に見習え」、と思います。

今回は、ポルタ・ガリバルディ地区で一番ユニークなビルを見に行きました。その名も、ボスコ・ヴェルティカーレ:Bosco Verticale。直訳すると、「垂直の森」という名のツィンタワー式高級マンションです。

Pガリバルディ駅近く森のマンション201803
( ポルタ・ガリバルディ駅近くのボスコ・ヴェルティカーレ )

写真を見ると、「ああ、あれね」と思い出す旅行者の皆さんも多いと思います。

ボスコ・ヴェルティカーレは、有名食料品店イータリー:Eataly  へ行くときに通ったポルタ・ガリバルディ駅前から、少し遠目に見えた、もさもさした高層建築です。

駅の周囲は、現代建築でいっぱいです。この辺まで出没する日本人旅行者は、Eatalyの方に気が向いていたり、スリ、かっぱらいに狙われないかと思って用心深くなりすぎ、周りを見渡す気持ちの余裕がなくなっています。そのため、樹木がからみついたようなボスコ・ヴェルティカーレの異様さばかりが記憶に残ってしまいます。

もっと前向きに現代ミラノの街並みを堪能しようと思います。晴れた日の昼前、この高層ビルのそばまで行ってみました。

Pガリバルディ垂直森BoscoVerticaleSep2018
( 周囲から、にょきっと生えているようなツインタワー )

繰り返しますが、ボスコ・ヴェルティカーレは、ツイン・タワーの高級マンションです。

Pガリバルディ垂直の森近影Sep2018
( ボスコ・ヴェルティカーレの正面玄関付近 )

玄関先から仰ぎ見ると、毛むくじゃらの建物に見えました。かなり大きな木々が、最上階まで段違いに植えてありますし、ツタ類もバルコニーの手すりにたくさんからまっています。

そばで見ると、木々の重みが感じられて、かなりの迫力です。こんな位置関係に樹木があるわけないだろ、という気持ちがあるので、余計に圧倒されました。

Pガリバルディ垂直の森見上げSep2018
( ボスコ・ヴェルティカーレの真下から見上げ )

その一方、見ようによっては、朽ち果てたマンションに雑木が生い茂っているようにも感じます。

手入れは、専門の会社がこまめに行なうそうです。屋上には、樹木を吊り下げるクレーンも設置してあります。
上層階でも窓の外に緑が茂っているのは気が休まりますが、高い管理費を考えると気が重くなりそうです。

総論としては、住み心地良さそうなマンションでした。

                                     2018年12月記                    了






怖気づいたミラノの「10 コルソコモ」

怖気づいたミラノの「10 コルソコモ」  2018年9月訪問


1. 有名店「ディエチ・コルソコモ」

10 Corso Como:ディエチ・コルソコモ は、20年ほど前のイタリアブームの頃、日本でも注目を集めたセレクトショップです。別の言い方をすると、ハイセンスなカフェ兼高級ブティックです。

Cコモディエチ中庭Sep2018
( ディエチ・コルソコモの中庭 )

かつては、モード系雑誌や女性向けミラノ特集で必ずと言っていいほど紹介されたお店だそうです。けれども、あまりにハイセンスすぎるのか、普通の観光客には人気がありません。

私も、話に聞く有名店を、野次馬根性でのぞきに行ってみました。

結論として、
「初老の男性客には、縁遠い場所です」
「いまさら、分かり切ったことを書かれても困ります」
「すみません。浅慮の至りでした」

旅に行ったのですから実地体験が楽しみです。実際の様子を見聞きして自分なりの感想を持つプロセスを楽しみましょう。


2. コルソ・コモ歩きを楽しむ

ディエチ・コルソコモは、敷居が高いのですが、幸いなことに、コルソコモ:Corso Como、つまりコモ通りは、イータリー:Eataly へ行くときに、ほぼ必ず通る、すてきなショッピングストリート兼散歩道です。ですから、興味本位で、ディエチ・コルソコモや他のお店へ、どんどん入ればいいのですが、なかなか、そうはいかなかったのでした。

今回は、王道のポルタ・ガリバルディ駅からの道ではなく、一駅、南のモスコバ駅:Moscova からアプローチしてみました。
「モスコバって、ロシアのモスクワのことですよねえ」
「ええ、そうです。ロシアのモスクワにちなんだモスコバ通り沿いにあるメトロの駅です」

CコモとPガリモスコバ広場Sep2018
( コルソコモへ北上する起点モスコバ駅前 )

モスコバ駅前から、ポルタ・ガリバルディ駅まで、ずうっと歩行者専用の散歩道になっています。南半分が、コルソガリバルディ、ガリバルディ門以北がコルソコモです。通り沿いに並ぶ中高級マンション街の地上階(1階)には、センスのよいバルやブティック、なんちゃって和食屋さんが、たくさん並んでいます。かつての下町風住宅街は、センスも良く気の置けない商店街に変身しました。夕暮れ時や週末の昼下がりに、ぶらぶら歩きするのが楽しいストリートです。

10分ほどで、ポルタ・ガリバルディ:Porta Garibaldi 、つまり、ガリバルディ門に着きます。右手奥が、イータリーです。もう説明不要の有名食品専門店です。

建物の煤(すす)も、きれいさっぱり落とされて、本当にきれいな再開発地区に生まれ変わったようです。めでたいことです。

CコモとPガリ門Sep2018
( 南から見るガリバルディ門と右のイータリー )

門の背後には、ガラス曲面もまぶしげな高層建築が誇らしげに建っていて、ミラノらしさを感じます。9割のニッポン人観光客は「イタリアの都市風景に非ず」と、したり顔で小言を言いたくなる情景ですが、私に言わせれば、「未来に向かうミラノの力を感じられないなんて、何て凝り固まった発想!」、です。

私の想像ですが、ルネサンス期の変革に対する当時の人々の感想なんて、きっと、こんな感覚だったのではないでしょうか。未来を感じて力強く進もうとする天才的なリーダーと、変化に戸惑う人たちの、しかめっ面が、心に浮かんできました。

CコモとPガリEatalySep2018
(  ガリバルディ門とイータリー近景 )

イータリーを間近に見て北へ進むとコルソコモの中心部に出ます。ミラノ市が設置した地図もセンスがいいです。

CコモとPガリ地図Sep2018
( コルソコモ一帯の地図。黄色に丸が現在地 )

あまりにかっこいいので、イチゲンさんには、一瞬、どこがどこだか分からないくらい素晴らしい地図です。
日本の地図と違って、駅や鉄道路線がランドマークではなく、大通りや広場がランドマークなので、ぱっと見で、どまどってしまうのだと思います。

コルソコモは年中無休の歩行者天国なので、存分に新しいミラノ、万博を起爆剤に変わろうとしているミラノを感じましょう。

CコモとPガリ駅方向Sep2018
( すっきりとしたコルソコモの街路風景と正面の再開発タワー )


3. ディエチ・コルソコモに怖気づく

10 Corso Comoは、ポルタ・ガリバルディ駅とイータリーの、ほぼ中間あたりにあります。ビルのバルコニーに、植木が”もさもさっと”生えている場所が目印です。お店は、門をくぐった奥の方に展開しています。

Cコモディエチ前Sep2018
( イータリー方向より見た10 Corso Como )

PGCORSOコモ10左端201803
( Porta Garibaldi 駅方向より見た 10 Corso Como )


私は、今回、急に怖気づいてしまい、10 Corso Como の中をちょっとのぞいて退散しました。

バルでは、マダムたちが優雅に午後のひとときを楽しみ、目がくらくらするような品々がブティックに並んでいます。ミラノ・モードの最先端を感じたい方の世界のひとつが広がっていました。

少し後悔しつつ。


2018年12月記            了



ミラノ、ポルタ・ガリバルディの新しい息吹き

ミラノ、ポルタ・ガリバルディの新しい息吹き      2018年3月、9月訪問


1. 新しいミラノへのチャレンジ

ミラノは、2015年の万博を機に再開発プロジェクトを推進しています。結構、チャレンジングなプランです。

例えば、旧フィエラの跡地は、シティライフ・ミラノという高層ビル街兼マンション街兼大きな公園になりました。そして、ポルタ・ガリバルディ駅周辺も、高層ビルと公園を柱にした21世紀風の新都心に生まれ変わりました。

シティライフショッピングディストリクト緑地とビル201803 (2)
( 再開発中のシティライフ・ミラノ )

Pガリバルディ州政府庁舎Sep2018
( 再開発で生まれたガリバルディ駅北のポルタヌオバ緑地。
  高層ビルはロンバルディア州政府庁舎 )


巨大イベントをきっかけに街の再開発をするのは世界共通のパターンですが、可もなく不可もない建物を建てるだけの都市もあれば、先端を行く街づくりを意欲的に目指している都市もあります。

自虐気味ですが、東京は前者に近く、ビルバオとかミラノは後者に近いなと私は感じました。

2020年オリンピック開催の東京や、2025年万博開催の大阪の街づくりポイントは何なのでしょう。あまり、はっきりとしたコンセプトが伝わってきていないような気がします。

その点、ミラノは、環境配慮、緑地づくりにポイントを置いているなと、旅の者でも感じるくらいの強いオーラがありました。

2. ポルタ・ガリバルディ駅を降りて

旧イタリア国鉄時代からのポルタ・ガリバルディ駅:Stazione Porta Garibaldi は、ミラノで、チェントラーレに次ぐ大きな駅です。駅舎の建替え工事が終わり、ミラノ・パサンテという新通勤路線が開通し、何系統かの特急列車やマルペンサ・エクスプレスも発着するようになりました。

Pガリバルディ駅と再開発ビル201803
( ポルタ・ガリバルディ駅舎と、背後の再開発ツィンタワー )

駅前の土地は整理され、たくさんの高層ビルが建ち、イタリア有数の銀行や保険会社が入りました。ちょっとあぶなかっしい雰囲気だった地区は、バリバリのビジネス街、お洒落なショッピングストリートに変身です。

駅舎と向かい合った場所は、高層ビルに囲まれた2層式のショッピングセンターになりました。アウレンティ広場:Piazza Aulenti です。

PガリバルディAulenti広場Sep2018
( 2層式のアウレンティ広場と周囲のショッピングゾーン )

1階は、スーパーマーケットやブティック、2階は噴水を囲むようにカフェやお菓子屋さんなどが並んでいます。
イタリアっぽくない場所なので、観光客はほとんどいません。ぶらぶら歩きを楽しむミラネーゼと、ビジネスマンとビジネスウーマンの街です。

ニッポン人にも知られているお菓子屋さん兼ジェラート屋さんのヴェンキ:Venchi、とかイリー・カフェ:illy caffe *もあるので、イータリーへお買い物に来るならば、アウレンティ広場に寄り道するのも手かなと思います。

PガリバルディAulentiヴェンキSep2018
( ニッポン人への知名度も高いヴェンキの支店:Venchi )

PガリバルディillyCafeSep2018
( これまた有名店、イリー・カフェ:illy Caffe* )

(*) caffe の最後の「e」は、アクセント記号のある文字 

どの店やビルも、できたてほやほやなので、すごくピカピカしています。出入りする人たちも、それなりの身のこなしをしている階層の方々なので、全体的にリッチでハイセンスな雰囲気です。

つまり、数年後には商売の見通しがはずれて閉店している店があるかも知れないし、逆に、人気が沸騰して押すな押すな状態になり、「私が初めて行ったときは、まだまだ新しもの好きの観光客しかいなくってさあ」と、訳の分からない自慢話ができるかも知れない、ということです。

そんなミラノの躍動感にひたりながらカフェ・マロキーノ (マロッキーノ): Caffe Marocchino を一杯飲んで、ポルタ・ガリバルディ駅前を後にしました。

PガリバルディillyマロキーノSep2018
( 隠れた人気のカフェ・マロキーノ:Caffe Marocchino )

                        2018年12月記    了





イゾラの人気じわじわ

イゾラの人気じわじわ    2018年9月訪問

ミラノの街々にも、はやりすたりがあります。

最近、少しずつ注目度が上がっているのがイゾラ地区:Isola 。ポルタ・ガリバルディ駅の北側に広がる下町情緒が残る地区です。ジャズホールや気のおけないバル、食堂、アトリエなどが増えてきています。夕暮れ時のアペリティーボをリラックスしながら楽しんだり、週末の夜を少し静かに過ごしたいミラネーゼが集まってくるようです。

まず、イゾラ地区を目指します。ポルタ・ガリバルディ駅:Stazione Porta Garibaldi に近い有名マンション、ボスコ・ヴェルティカーレ:Bosco Verticale の横をすり抜けて北へ進んで行くと、お店が点在する平凡な住宅街に出ます。

イゾラ地区と遠くに垂直Sep2018
( ボスコ・ヴェルティカーレが見えるイゾラ地区の通り )

いつの間にかイゾラ地区に入っています。昔は運河があって街を仕切る役割をしていたそうですが、今はどこかに埋もれてしまいました。イゾラという地名も、ずばり、「島」という意味ですから、かつて運河があったことが想像できます。

イゾラ地区には、目立ったランドマークもありません。いくつかの広場や、市電の走るカルロ・ファリーニ通り:Via Carlo Farini などを目安に歩き回ってみました。

イゾラUGO通Sep2018
( イゾラを南北に貫くカルロ・ファリーニ通り )

大通りは、けっこうな交通量がありますが、一歩、入ると静かな下町風の住宅街。それが、いやしの風景を形づくっているように感じました。親しみやすく、手入れもよく、がポイントです。

イゾラ地区の街角Sep2018
(   イゾラ地区の広場とマンション街 )

イゾラのSegrino広場記念碑Sep2018
(   イゾラ地区の中ほどにあるセグリーノ広場と記念碑 )

イゾラも、ナヴィリオ同様に夕方から夜にかけての時間を楽しむ場所なので、明るいうちは、のんびりとした雰囲気につつまれています。

そんなイゾラで一番有名なお店が、アメリカン・ジャズ・ホール、「ブルー・ノート」:Blue Note 。ニューヨークにある有名店のミラノ支店です。開場は夕方からなので、玄関先で、ここ一週間のプログラムを見て退散。ジャズ趣味ではないので、有名店である以外、何も分かりません。次は、誰かに連れてきてもらいたいです。

イゾラBlueNoteジャズホールSep2018
( イゾラの夜の中心、ジャズバー、ブルーノート )


イゾラBlueNote店の前Sep2018
( ブルーノート入口。昼間は閑散 )

バルやレストランは、イゾラのあちこちに点在しています。

今回、紹介されたレストランは、ブルー・ノートの北側にある、オステリアルノーベ:Osterialnove、というカジュアルなお店。写真のとおり、肩肘張らない、小ぎれいな店構えです。そこそこの通りに面したお店は、みんな似たり寄ったりの雰囲気ですので、みんなで少しずつお店情報をためて行きたいものです。

イゾラのオステリアルノーベSep2018
( イゾラの典型的レストラン、オステリアルノーベ )

オステリアルノーベのウリは、中庭があり、緑を愛でながら食事をするテラス席があることです。
こんもりとした茂みに沿った席は、ミラネーゼには人気です。

私の感想では、あんまり庭の手入れが良くなく、木々が雑然と生い茂っている感じですが、緑の少ないミラノでは、貴重な空間のようです。ランチタイムのテラス席は、ほぼ満席でした。その反対に、室内の一般席はガラガラ。ヨーロッパの人たちは、本当にテラス席での食事が好きだということを、ここでも体感しました。

イゾラOsterianove庭の席Sep2018
( オステリアルノーベのテラス席 )

これから、だんだんと注目度が集まりそうなイゾラ。お時間に余裕がある方は、是非、足を伸ばしてほしいです。ミラノの魅力が、しみわたる街中体験ができると思います。

                       2018年12月記                    了

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