ベルサイユのオランジュリーを眺める     2019年4月訪問


1 オランジュリーは普段は見るだけ

宮殿近くの庭園は、写真のように左右対称の幾何学模様が美しい、いわゆる「フランス式庭園」です。

庭園ゲートを入って直進すると、眼の下の一段低い場所にもフランス式庭園が広がっています。近くまで来ないと、視野に入りません。

ここが「オランジュリー:Orangerie」と呼ばれる、特別なスペースです。

Versailles202B遠くにスイス人の池
( 下段の「オランジュリー」 の春景色 )
Versailles202C肌寒いオランジュリー201904
( 後方の「スイス人警護兵の池※」は、道路を隔てた向こう側 )

(※スイス人傭兵の池、という訳語もある)

4月の末ですと、フランス北部はまだまだ肌寒い風景です。小振りなヤシの木の植木鉢が数個並んでいましたが、そろそろ出してもよい頃合いなのでしょうか。


2 オランジュリーはぜいたくの証

オランジュリーは、発音から想像できるように”オレンジ園”です。
Q 「どうして、そんな名前なの?」
Q 「別に、ミカン(オレンジ)の木なんか植えてないですよね」

A 「オレンジ園ではなく、意味を汲んで、『大温室』と言えば理解しやすいかも知れません」

要は、オレンジ、レモン、ヤシの木などの暖かい地方の木々の植木鉢を春から初秋にかけて置くスペースです。

王政時代は、オレンジなどを冬越しさせるガラス窓のある部屋を持っていたのは大金持ちだけでしたので、いつの間にか、オレンジ園=金持ち、の意味になりました。現代の「蘭マニアの温室」に通ずるところがあります。
Versailles202スイス人の池とオランジュリー
( 寒い季節のオランジュリー。暖地性植物は建物内で冬越し )
Versailles203夕焼けオランジュリー夏とスイス池198609
( 暖かい季節のオランジュリーの夕暮れ )

1990年代後半の夏の写真ですが、建物内で冬越ししていた暖地性植物の大きな植木鉢がならんでいます。昔は、芝生に模様もなかったのですね。

最近の写真を拝見すると、大きなヤシの木の植木鉢はないようです。どこかに売ってしまったか、人前に出さないのか私レベルでは分かりません。


2019年9月記                             了