イタリアの高速道路と黒いスイス   2018年3月、9月

クルマ社会のイタリア。ミラノ周辺にも高速道路が網の目のように通っています。

ニッポン人のイメージでは、「かっ飛ばすイタリアン」、「絶妙なドライブ・テク」ですが、大半のイタリア人は、普通に運転し、交通ルールを守っています。当たり前ですね。

外ミラノのイタリアの高速道ミラノ外周
( ミラノ近郊の高速道路風景 )

「高速の制限速度って110(km/h)くらいなの?」
ミラノ近郊で、速度標識が見えたので、ちょっと、尋ねてみました。
「いいや、何も書いてなければ130(km/h)だよ」
「うーーん、でも、もっとスピード出ているよね」
「まあね、でも、スイス人ほどじゃないぜ・・・・・」
私の友人は、にやっとして話し始めました。

イタリア北部は、国境が近いこともあり、スイスのクルマがたくさん走っていますが、スピード違反で捕まえるのがとても難しいのだそうです。イタリアの交通警察は、スピードガンなどで違反者を見つけると、スイス車だろがフランス車だろうが相手国の警察に通知して取り締まりますが、スイス側の取締り当局は、照会依頼をほぼ黙殺するという話です。

「何で?」
「知らない。でも、スイス車のスピード違反が捕まらないことは、みんな知ってる」
「けっこう、イメージ・ダウンだよね」
「そのとおり。表向きのイメージはいいんだけれど、見えないところでは、ずるやってるよ。あそこの国は・・・・」

2001年11月北イタリアの道 (3)
( 山並みを見ながら走る高速道路 )

私としては、それなりに納得する話でした。むかし「黒いスイス」という本を読んだことがありますが、そういうことを知っていると、スピード違反照会無視も、さもありなんです。

またひとつ、ブラックなネタが増えました。

私は、特段、スイスという国や個人に恨みも差別感情もありません。高速道路を走りながらの雑談でしたが、どこの国にも負の側面があり、良いところもあるんだ、ということを改めて感じました。

今日まで、スイス車のスピード違反を摘発できる実効性のある手立ては、なかなか思いつきません。
もどかしい!

2019年4月記           了