ミラノ市電最新鋭7000形のスマートさ   2018年3月、9月

ミラノ市電は、環境優先、エコ指向の現代にあって、いまなお意気軒高です。少しずつ新線を建設していますし、専用の線路周りを緑化することもしています。

そして、重量感ある新型の連接車を2000年代初頭から投入しました。

電TミラノグレコP駅前7100系 (3)
( 7100形。グレコ・ピレリ付近の芝生軌道を走る )

新型連接車はデザインが21世紀風なので、すぐに分かります。7000形と7100形の7両編成の連接車と、7500形、7600形の5両編成の連接車の2グループがあります。後者は、色がオレンジ色とクリーム色なので、すぐに見分けがつきます。

7000形と7100形は、先頭車両のデザインが違うこと、連接の節の切れ目が違うことが見分けるポイントです。

いやしくも、「ミラノ市電でテツをした」なんてことを書きたい旅行者は、少し注意深く観察してみたいものです。
けれども、それ以外の皆さんは、市電のたくさん走っている街、ミラノの雰囲気を楽しめば良いと思います。

電TミラノグレコP駅前7100系 (4)
( 7100形の後ろ姿。グレコ・ピレリ駅前 )

市内でしょっちゅう見るのは、全面が丸っこい感じで、連接の節目が等間隔に近い7100形です。

けれども、ミラノで初めてのエコタイプ、バリアフリータイプの低床車両が7000形です。前面が尖った感じのガラスで、連接の節目に長短があることが、後継の7100形との違いです。

我が家の次男は、7000形を初めてみたとき大興奮でした。路面電車ファンでなくとも、19世紀スタイルの石造りのビルがひしめき合っている街中に、斬新で緑色もあざやかな電車が走ってくれば、びっくりするのは当たり前でしょう。

電Tミラノ7000形連接200508
( エコタイプのはしり7000形 )

けれども、会社側は灰色やカーキ色の建物が多いミラノに緑色は合わないと考えたのか、新型連接車第2世代の7500形、7600形連接車は、クリーム色とオレンジ色の塗分けになり、ミラノ風景に溶け込む感じになりました。


電TミラノNaviglioを行く7500形 (2)
( 7600形の5連接車でも存在感は抜群 )

7600形は、2007年に走り始めてから、もう10年強。けれども、7000形や7100形ともども、おニューの装いを保っています。

もともとしっかりした作りのうえに、きちんと手入れしていることがうかがえます。
私のようなシニアも、きちんと手入れしていれば、まだまだ若く見えるかも・・・・・、と切ない期待を抱いてしまいました。

電TミラノNaviglioのベルサーチ電車7500形201803 (1)
( 夕暮れの7100形。ヴェルサーチの広告電車 )

いまは、どこの都市でもラッピングした電車やバスがたくさん走っています。ミラノでも、夜のライトに照らされ、ベルサーチの広告を付けた7600形が走りぬけていきました。低騒音なので、スーッと近づいてきて、サアーッと抜けていく感じです。

私たちはミラノ市電を無意識のうちに見過ごしていますが、「ミラノって、市電が走っていてこそのイタリアの都市なんだな」と、改めて思い返す、この頃です。                          

2019年4月 記                                        了