ミラノの平和の門をくぐれない   2018年3月訪問

ミラノに少し長くいると、お城の背後に広がる広大なセンピオーネ公園へ行くことがあります。ビルの林立する都心部にある貴重な緑です。木立の中を歩くと心が落ち着きます。ゆっくり、ゆったりと奥へ歩きます。

いちばん西の端に、ヨーロッパにはよくある形の門が見えてきます。パリの凱旋門と同じ様式のギリシャ・ローマ風の門です。

センピオーネの”平和の門”です。「また、門かよー」、という気分です。
カドルナのセンピオーネ平和の門正面
( センピオーネ公園西端の平和の門の朝 )

この門は、普段、下をくぐれません。単なるモニュメントです。
「『門』じゃないのかよお」と、グチをこぼしたくなりました。

カドルナのセンピオーネ平和の門よこ
( りりしく鎮座する平和の門 )

平和の門は、30年の間にススや排気ガスを落としてもらって小ぎれいになりました。ミラノの運気も、下り坂から上り坂になったようです。ニッポンの情勢は、ゆるやかながら下り坂に感じますので、ミラノがうらやましいです。
カドルナセンピオーネ平和門198808
( 小ぎれいになる前の平和の門。1988年8月 )

ぶらぶら散歩なので、つい、余計なことばかり考えてしまいます。

給水塔か電波塔のような展望台に行くのもやめにします。階段昇降がきついのです。
カドルナのセンピオーネ公園の展望塔か
( センピオーネ公園内の展望塔 )

朝もやの彼方に、ミラノ城ことカステロ・スフォルツェスコの背面が、ぼおっと浮かびあがっています。

酸素を多めに吸ったら、また、元気が出てきました。
カドルナのセンピオーネ平和の門より城遠望201803
( センピオーネ門付近から見たカステロ・スフォルツェスコ / ミラノ城 )


2019年1月  記    了