夕日も見ようプノン・バケンの丘で 2019年10月訪問
アンコールワットの日の出を見るならば、やっぱり夕日も見たいです。
平凡な観光客にとり、人気スポットで世界中の人たちと感動を分かち合いながら見物する方が満足度が高いことは言うまでもありません。
私も夕日が美しいことで人気のあるプノン・バケン:Phnom Bakheng Temple の丘に登ることができました。この丘は、300人の定員制なので、運良く定員の内数に入いることができたということです。日没の約45分前に展望台の入口に到着、団体でうるさいと不評の中国人不在という幸運に恵まれた結果です。
( 雲間に沈みゆくプノンバケンの夕日。アンコールワットは左に見え隠れする )
アンコールワット観光の夕日鑑賞スポットは、最近では、いちおう2カ所あります。
本命は、アンコールワットの塔が見え隠れするプノン・バケン寺院遺跡の頂上です。先着順の定員300名ですので中国人の団体が押し寄せた場合はアウトという条件付きです。噂によると、彼らの一部は3時すぎからやってきて、係員の制止などかまわずに小宴会をしながら夕暮れを待つということでした。こういう日に当たってしまっては、私たち一般人は、到底かないません。
その代替地として、確実に展望地点に上がれるということで客が付き始めたのがプレ・ループ:Pre Rup Temple という遺跡です。こちらは、場所も広いので定員無制限ですが、プノン・バケンより遠く、アンコールワットが見えないというハンディがあり、総合評価ではプノン・バケンに比べてかなり落ちます。ツアーですと、名称は同じ夕日鑑賞でも、こちらに連れていかれる場合が多いようですので、皆さんも気にした方がよいと思います。
念のため申し添えますが、天候不順で夕日が見られないリスクは両地点とも同じです。
「何、そんなにびくつかず、日没の40-50分前にプノンバケンの入口に着く程度の準備で、大方、大丈夫ですよ」
「観光中に、団体の中国人をわんさか見たら、1時間半くらい前に行ってみて様子を見ればいいじゃないですか」
( プノン・バケン遺跡の登り口と標識 )
このくらいの楽な気分で、プノン・バケンに登ればいいのです。観光客100%丸出しで夕日見物も良いではないですか。
( プノンバケンへの道は未舗装だが勾配は緩い )
夕方4時50分に、私はプノンバケンの入場口をとおり、約15分かかって海抜67mの丘の頂きにたどり着きました。高温多湿なので、ゆっくり歩いても汗ばみます。10月下旬の日没は午後5時40分ごろです。
( 遺跡の基礎部分からプノンバケンの展望スポットを仰ぐ )
プノン・バケンは、9世紀ごろのヒンドゥー寺院遺跡らしく、現在、修復工事が行なわれていますが、観光客の関心は専ら夕日鑑賞です。寺院の最上段へ上がる階段下には、入場整理券を受け取る列ができていました。
( プノン・バケンの夕日鑑賞展望台用の入場整理券 )
数人いる係員のおじさんは、のんびりムード。にやにやしながら不安そうな観光客を見回して「あと10分待ってね」と言って、ほんの小さな優越感に浸っています。
出口担当の係員が、写真のようなプラスチック製の入場整理券を運んでくると、おじさんは、ゆっくりと1枚ずつ、列に並ぶ者たちを通しながら配ります。急階段があるので、見物人が殺到しないように調整している感じです。
( プノン・バケンの展望台に上がる階段 )
手のひらを広げて「チップ」などをせびらないだけヨシとしましょう。カンボジアは現在は決して豊かとは言えないですが、こういう点は、おねだり文化ではないのです。栄耀栄華を一度は極めた民族の誇りのように感じました。
( プノン・バケン展望台で夕暮れを待つ観光客 )
はやる気持ちを抑えて展望台に上がると、そこそこの人出。欧米系あり、アジア系ありですが、皆んな個人客や数人のグループ客でした。声高に叫ぶ団体客もいません。ひそひそ話をしつつも、うきうきと夕日が雲間から姿を現わす瞬間を待っているという感じでした。
お互いの思いは同じなので、適当に声を掛けあって最前列に出してもらって記念撮影もできます。テラスの東面に行くと、大勢の見物人の肩越しにアンコールワットの尖塔がちらりと見えましたが、写真は撮れませんでした。さすがにベストポイントは超人気です。
( プノン・バケンの特等席は西向きのテラス )
私の訪れた日は、薄雲がかかっていたので、西の空に夕日が顔を出すかどうか、ちょっぴり不安でした。けれども、日没20分くらい前になったら、雲の切れ目から、濃いオレンジ色に染まった夕日が、くっきりと姿を現わしました。小さなどよめきの声とともに、見物人がいっせいにカメラのシャッターを切る音が響きました。
( プノン・バケンの丘から沈みゆく夕日を見る )
夕日を眺めるためだけに見る太陽は、ほんとにきれいです。黒ずんできた森の彼方に沈むオレンジ色の夕日は、普段より神々しく感じました。
「有名な観光スポットで、人並みに楽しい体験ができて良かったです」
「世界中の人たちといっしょに夕日が見られて、アンコールワット人気の高さを実感できました」
2020年1月記 了
アンコールワットの日の出を見るならば、やっぱり夕日も見たいです。
平凡な観光客にとり、人気スポットで世界中の人たちと感動を分かち合いながら見物する方が満足度が高いことは言うまでもありません。
私も夕日が美しいことで人気のあるプノン・バケン:Phnom Bakheng Temple の丘に登ることができました。この丘は、300人の定員制なので、運良く定員の内数に入いることができたということです。日没の約45分前に展望台の入口に到着、団体でうるさいと不評の中国人不在という幸運に恵まれた結果です。
( 雲間に沈みゆくプノンバケンの夕日。アンコールワットは左に見え隠れする )
アンコールワット観光の夕日鑑賞スポットは、最近では、いちおう2カ所あります。
本命は、アンコールワットの塔が見え隠れするプノン・バケン寺院遺跡の頂上です。先着順の定員300名ですので中国人の団体が押し寄せた場合はアウトという条件付きです。噂によると、彼らの一部は3時すぎからやってきて、係員の制止などかまわずに小宴会をしながら夕暮れを待つということでした。こういう日に当たってしまっては、私たち一般人は、到底かないません。
その代替地として、確実に展望地点に上がれるということで客が付き始めたのがプレ・ループ:Pre Rup Temple という遺跡です。こちらは、場所も広いので定員無制限ですが、プノン・バケンより遠く、アンコールワットが見えないというハンディがあり、総合評価ではプノン・バケンに比べてかなり落ちます。ツアーですと、名称は同じ夕日鑑賞でも、こちらに連れていかれる場合が多いようですので、皆さんも気にした方がよいと思います。
念のため申し添えますが、天候不順で夕日が見られないリスクは両地点とも同じです。
「何、そんなにびくつかず、日没の40-50分前にプノンバケンの入口に着く程度の準備で、大方、大丈夫ですよ」
「観光中に、団体の中国人をわんさか見たら、1時間半くらい前に行ってみて様子を見ればいいじゃないですか」
( プノン・バケン遺跡の登り口と標識 )
このくらいの楽な気分で、プノン・バケンに登ればいいのです。観光客100%丸出しで夕日見物も良いではないですか。
( プノンバケンへの道は未舗装だが勾配は緩い )
夕方4時50分に、私はプノンバケンの入場口をとおり、約15分かかって海抜67mの丘の頂きにたどり着きました。高温多湿なので、ゆっくり歩いても汗ばみます。10月下旬の日没は午後5時40分ごろです。
( 遺跡の基礎部分からプノンバケンの展望スポットを仰ぐ )
プノン・バケンは、9世紀ごろのヒンドゥー寺院遺跡らしく、現在、修復工事が行なわれていますが、観光客の関心は専ら夕日鑑賞です。寺院の最上段へ上がる階段下には、入場整理券を受け取る列ができていました。
( プノン・バケンの夕日鑑賞展望台用の入場整理券 )
数人いる係員のおじさんは、のんびりムード。にやにやしながら不安そうな観光客を見回して「あと10分待ってね」と言って、ほんの小さな優越感に浸っています。
出口担当の係員が、写真のようなプラスチック製の入場整理券を運んでくると、おじさんは、ゆっくりと1枚ずつ、列に並ぶ者たちを通しながら配ります。急階段があるので、見物人が殺到しないように調整している感じです。
( プノン・バケンの展望台に上がる階段 )
手のひらを広げて「チップ」などをせびらないだけヨシとしましょう。カンボジアは現在は決して豊かとは言えないですが、こういう点は、おねだり文化ではないのです。栄耀栄華を一度は極めた民族の誇りのように感じました。
( プノン・バケン展望台で夕暮れを待つ観光客 )
はやる気持ちを抑えて展望台に上がると、そこそこの人出。欧米系あり、アジア系ありですが、皆んな個人客や数人のグループ客でした。声高に叫ぶ団体客もいません。ひそひそ話をしつつも、うきうきと夕日が雲間から姿を現わす瞬間を待っているという感じでした。
お互いの思いは同じなので、適当に声を掛けあって最前列に出してもらって記念撮影もできます。テラスの東面に行くと、大勢の見物人の肩越しにアンコールワットの尖塔がちらりと見えましたが、写真は撮れませんでした。さすがにベストポイントは超人気です。
( プノン・バケンの特等席は西向きのテラス )
私の訪れた日は、薄雲がかかっていたので、西の空に夕日が顔を出すかどうか、ちょっぴり不安でした。けれども、日没20分くらい前になったら、雲の切れ目から、濃いオレンジ色に染まった夕日が、くっきりと姿を現わしました。小さなどよめきの声とともに、見物人がいっせいにカメラのシャッターを切る音が響きました。
( プノン・バケンの丘から沈みゆく夕日を見る )
夕日を眺めるためだけに見る太陽は、ほんとにきれいです。黒ずんできた森の彼方に沈むオレンジ色の夕日は、普段より神々しく感じました。
「有名な観光スポットで、人並みに楽しい体験ができて良かったです」
「世界中の人たちといっしょに夕日が見られて、アンコールワット人気の高さを実感できました」
2020年1月記 了