やまぶきシニアトラベラー

気まぐれシニア・トラベラーの旅。あの日から、いつか来る日まで、かつ、めぐりて、かつ、とどまる旅をします。

リスボン観光の華、バイシャを徘徊

リスボン観光の華、バイシャを徘徊   2024年1月記

コメルシオ広場を出て、広場の北に広がる碁盤の目のように区画整理され、整然と建物が並ぶバイシャ地区をブラブラしましょう。お土産も含めたお店がいっぱい、観光客目当てのカフェやレストランもいっぱいあるので、多少、高め目であることを我慢すれば楽しいウォーキング・エリアです。

202304リスボン旧市街中心部の賑わい (3)
(バイシャ地区の通りは真っすぐできれいなタイル張りが多い)

バイシャ地区のメイン・ストリートは現在では完全に歩行者専用になっていますので、ゆったり、まったりとブラブラ歩きができます。ときどき角を曲がって、いろいろなお店に入ったり、カフェのメニューを見て「高けえ・・・・」と嘆息したりします。

202304リスボンサンジョルジュカステロからの旧市街 (2)
(バイシャ地区を丘の上から眺めると、濃いオレンジ色の屋根が美しい)

通りを歩いていると白っぽい建物が連なるヨーロッパの旧市街だなとしか思いませんが、丘の上から見ると、赤茶色あるいは濃いオレンジ色の屋根がびっしり連なる異なった風景が印象的です。


202304リスボン旧市街中心部の賑わい (1)
(広めの通りには、たいていカフェが軒を並べている)

202304リスボン旧市街中心部の賑わい (2)
(カフェ兼レストランは、写真付きメニューも出して観光客にPR中)

写真付きメニューは料理の内容が分かりやすくて便利です。写真をみて、「せっかくだからタラ料理とか、タコ料理、ポルトガル風ステーキを食べてみようか」と、思った方もいらっしゃるでしょう。
「思い立ったが吉日。どうぞお試しあれ」
「そうそう、リスボン観光なんて一期一会です。ポルトガルの研究者にでもならない限り、最初で最後のリスボン詣で。いろいろ食べてみましょう」

そして、コメルシオ広場から遠ざかり、もうひとつの有名な広場である「ロシオ広場」に近づくと、突如、奇異な鉄筋の塔のような建物が通りの端に見えます。「サンタ・ジュスタのエレベーター」という120年くらい経った19世紀風のエレベーターです。坂や丘のうえに住む市民が、坂道の昇り降りでふうふう言わないよう当局が作った生活施設が、いまや観光スポットのひとつに昇華しました。

202304リスボン観光客あふれるエレベーター
(西側の斜面のふもとある有名な『サンタ・ジュスタのエレベーター」乗り場)

ここは、いつも観光客が長蛇の列を作っています。エレベーター直下の階段あたりからですと、実際にエレベーターに乗るまでは30分待ちくらいです。

「ひぇー」と気が動転して、乗るのをパスした時間の少ないニッポン人の方は少なからずいらっしゃるようです。
「下がだめなら、上があるさ」とばかりに、上から下へ降りるエレベーターに乗って「どうだい、オレ/アタシの攻略法は!」と、訳の分からない自慢をするブログもお見受けしました。

これでは、リスボンに行ったことにはなりますが、リスボンを楽しんだとは言えないと思います。
私のようなシニアは、観光といえども「量より質」に傾いていますので、下降エレベーターに真っ先に乗ろうなんて思いません。

昇ってこそ価値のあるエレベーターですから、忍耐強く昇りのエレベーターを待ちましょう。


リスボン観光はコメルシオ広場から

リスボン観光はコメルシオ広場から   2024年1月記

リスボン観光の起点はコメルシオ広場だ、というブログはけっこう多いです。知名度があり、誰でも行きやすいので、リスボンを語るきっかけとしてうってつけなのでしょう。

202304リスボンコメルシオ広場の日曜午前 (1)
(さわやかな青空とコメルシオ広場)

写真のとおり、コメルシオ広場は、とっても大きな空間です。テージョ川に面した四角形の広場は、ただただ石畳。広場をぐるりと囲む建物の1階には観光客目当てのカフェが軒を連ねています。

こういう造りも、リスボン観光の語りはじめにふさわしいようです。

202304リスボンコメルシオ広場kら旧市街歩き (3)
(コメルシオ広場側面の建物)

余程の荒天や炎暑でない限り、コメルシオ広場周囲は、いつも人でいっぱいです。真ん中の空間は、何もない日もありますが、仮設ステージや仮設展示ブースが置かれてコンサートやPRイベントが開催されている日も多いようです。数日しか滞在しない観光客には不評のステージやブースですが、市民にとっては嬉しいイベント。市民生活と観光ニーズを一致させるのは、リスボンでも大変だと思いました。

202304リスボンコメルシオ広場の日曜午前 (10)

(コメルシオ広場の観光カフェは大賑わい)

私も、大勢に従ってカフェの客となりました。お値段は、新市街のそれの5割増し、近くの旧市街のそれの2割増しくらいですが、雰囲気料金込みと思えば辛うじて許容範囲。料理の味はまあまあです。
具体的には、ビールがグラス1杯4.5ユーロくらい、イカのから揚げ11ユーロ、タコのぶつ切りいりマリネ14ユーロといったところでしょうか。3-4人で入って、飲み物と料理3-4皿を取って、コメルシオ広場のカフェ体験を楽しむと、おひとりあたり20ユーロ台でしょう。

「えっ、3000円から4000円というわけですか。高けえ・・・・」
「リスボンといえどもEU圏ですし、円安も重なって、東京以上のお値段かも知れませんね」
「はあ、ニッポン経済弱い・・・・」
「でも、せっかくの旅を楽しみましょう。細かい計算したって、私の力では時代遅れのオッサンののさばる日本経済なんて変えるのほぼ無理ですから」
「それを言っちゃあ、おしまいよ」

202304リスボンコメルシオ広場の日曜午前 (9)
(コメルシオ広場から川岸に降りる傾斜路)

お腹を満たしたあと、あるいは空腹感を覚えるために、広場の川岸に降りていきましょう。水草が少々こびりついて臭い匂いもあるスロープを降りると眼前にテージョ川の広ーい水面が展開します。

202304リスボンコメルシオ広場の日曜午前 (7)
(コメルシオ広場突端の川岸のモニュメント)

わあー。
イメージとしては、大航海時代華やかなりし頃は、陸ではなく川からリスボンに入って、コメルシオ広場を川から眺めて帰国の歓びを味わうのが歴史的な感情かなと思いたいのですが、そればベネチアのイメージに引っ張られたウソです。
「えっ?」
「コメルシオ広場は、1755年11月1日のリスボン大地震後に造られました。したがって、ポルトガルの絶頂期とも言える14世紀後半から16世紀前半くらいの大航海時代に、コメルシオ広場はなかったのです」
「なるほど」
「アジア、アフリカから帰還した帆船は、テージョ川沿いに連なる、ごちゃごちゃっとしたリスボンの赤い屋根を見やって、『ああ、無事に帰還!』と思ったのでしょうね」





オレンジ屋根はリスボン旧市街のシンボルカラー

オレンジ屋根は、リスボン旧市街のシンボルカラー

ポルトガル観光を代表する色が、アスレージョと呼ばれるタイルの濃い青ならば、リスボン旧市街を代表する色は、やや茶色がかったオレンジ色の屋根だと思います。
当然、法令その他で厳しく景観を維持しているから、びっしりと連なるオレンジ色の屋根の美しさを堪能できるわけでしょう。屋根の連なりは、日本では考えられないくらいの広がりを持っているので、青空に映えるオレンジ色の迫力は満点です。

サン・ジョルジュ城址などの高台からリスボン旧市街を見下ろすと、写真のように濃いオレンジ色の瓦屋根が視界いっぱいに広がります。
「これは、きれいな光景ですね」
「でしょう?」

202304リスボンサンジョルジュカステロからの旧市街 (1)
(サンジョルジュ城址から旧市街のオレンジ屋根とテージョ川を俯瞰)

202304リスボン城跡へ上がる道 (7)
(サン・ジョルジュ城址へ登る坂道から見るバイシャ地区の屋根)

旧市街の丘を登る坂道の中腹に上がってきて、振り向くと、たいてい眼前いっぱいにオレンジ色の屋根が広がっています。

私も、サンジョルジュ城址へ登る道すがらに、谷底のバイシャ地区の屋根をいっぱいに見ることができました。よおく目を凝らすと、黒っぽいサンタ・ジュスタのエレベーターが小さく見えます。

続いて、ラブラのケーブルカーで上がった丘の中腹に広がるトレル公園(ジャルディン・ド・トレル)から昼下がりのバイシャ地区と、その向こうのテージョ川の広い川面を見ました。空気がさわやかで青空とオレンジ色の屋根が映えていました。

202304リスボントーレル公園水しぶき (6)
(トレル公園(ジャルディン・ド・トレル)から旧市街のオレンジ屋根を遠望)

202304リスボンフィゲラス広場日曜朝
(フィゲラス広場に立って見るオレンジ屋根の数々)

当然のことながら、地上にいると、あの美しく広がる一面のオレンジ屋根はあまり見えません。広場や大通りの並ぶ建物の上にオレンジ色の瓦が、ちょこっと載っている程度の光景です。リスボンがオレンジ色の街だってことは、鳥瞰して初めて理解できることなんです。
「そりゃ、そうだ」




リスボンのサンタ・ジュスタから見るオレンジ屋根

リスボンのサンタ・ジュスタから見るオレンジ屋根

リスボンのオレンジ色の旧市街の屋根の連なりを眺めましょう。今度は、サンタ・ジュスタのエレベーターの上の階からの展望です。
エレベーターホールの天井部分に有料の屋上展望台もありますが、眺められる景色は、金網の有無以外の差はないと思います。
202304リスボンサンタジュスタのエレ上の展望 (10)
(サンタ・ジュスタのエレベーターの上の階の通路)

202304リスボンサンタジュスタのエレ上の展望 (8)
(サンタ・ジュスタのエレベーターへ渡る歩道橋と景色)


202304リスボンサンタジュスタのエレ上の展望 (1)
(サンタ・ジュスタからバイシャ地区とサン・ジョルジュ城址を見る)

202304リスボンサンタジュスタ頂上から
(視線の向きを変えてロシオ広場方向を見る)

こう見ると、観光客が集中するバイシャや旧市街は、びっちりとオレンジ瓦屋根に覆われていることが分かります。明るい陽光に映える濃いオレンジ色が観光気分をとっても盛り上げてくれます。リスボン観光人気が上がっているのもうなずけます。

私は専門家ではないので細部は知りませんが、こうした面は、市民生活に配慮しながらも制定している厳しい景観条例のおかげのような気がします。観光に力を入れるというのは、こういう点も考慮しないといけませんね。単に、現存する自然や人工物を、ちょこちょこっと活かして観光客を呼びこもうなんて魂胆では、一過性の観光ブームすら巻き起こさないような気がしました。









アルカンタラ展望台からリスボンのオレンジ屋根を見て考える

アルカンタラ展望台からリスボンのオレンジ瓦屋根を見て考える

今度は西のサン・ペドロ・アルカンタラの丘の展望台から東のリスボン城址まで続くオレンジ色の屋根の街並みを見渡しました。午前中は逆光なので、写真ではあんまりオレンジ色が際立ちません。ごめんなさい。
この辺りまで考えてリスボン旧市街のあちこちに出没できれば、リスボン観光も堂に入ってくるのでしょうが、私はそのレベルには至っていません。

それでも、保存された統一感のある屋根の連なりは見事なものです。現代の日本では体験できない都市景観であることは間違いありません。
観光客の心を鷲掴みにするっていうのは、このくらいやらないといけんません、と私は常々思っています。

202304リスボンSペドロデアルカンタラ展望台付近 (10)
(バイシャと呼ばれる旧市街と、真下にロシオ駅の大屋根)

202304リスボンSペドロデアルカンタラ展望台付近 (9)
(サン・ジョルジョ城址と手前の旧市街全景)

202304リスボンSペドロデアルカンタラ展望台付近 (8)
(リベルターデ大通りを隔てた北の新旧市街を俯瞰)

それにしても、リスボンの空は青くて広いです。工業都市ではないことや、100m、200mの高さのビルやタワー建築がほとんどないことが要因です。観光客の気持ちを開放的にさせてくれる眺めであることは間違いありません。

私たち観光客も、地元の老いも若きも、しばらく展望台のある公園のベンチに腰を下ろしてリスボンの景観を楽しみましょう。
「チュッ」


リスボン城址からオレンジ色の屋根を見渡す

リスボン、サン・ジョルジョ城址からオレンジ色の屋根を見渡す

ポルトガルの首都リスボンは、このごろEUや北米からの観光客人気が上昇中だそうです。その反面、コロナ後、のニッポン人客はかなり減っている感じ。
「人々は温和、治安もよく物価も英米よりお安いし、ゆったりとした雰囲気なのに、なぜ?」
「円安でヨーロッパ旅行どころじゃないのよ・・・」
だそうです。

そういう話はさておき、オレンジ色の屋根が美しいリスボン旧市街を丘の上から眺めましょう。
まず、旧市街の東にあるサン・ジョルジュ城址からの眺めです。ここは、夜の9時か10時まで入場可能なので夜景見物だってできます。
202304リスボンサンジョルジュカステロからテージョ川 (2)
(テージョ川と赤瓦の旧市街)

202304リスボンサンジョルジュカステロからの旧市街 (1)
(旧市街中心部と4月25日橋や河口方向)

湾のように広がるテージョ川をバックに、赤瓦の家並みが美しく横たわっています。もちろん、厳しい景観条例があるからこその風景ですが、色彩と高さがほぼ揃いながらも、微妙に個性を主張している建物の重なりが美しいですね。どんなに高さやデザインを揃えてもコンクリートとガラスの現代建築群が醸し出せない温かみを感じます。

もう少し目線を北に向けましょう。
リスボン旧市街の中心に位置するロシオ広場と、その手前のフィゲイラ広場の四角い空間が、はっきりと認識できます。

202304リスボンサンジョルジュカステロからの旧市街 (5)
(ロシオ広場とフィゲイラ広場)

202304リスボンサンジョルジュカステロからの旧市街 (7)
(並木の続くリベルターデ大通りと背後の丘にそびえる現代建築)

202304リスボンサンジョルジュカステロ城から北や西 (3)
(北方向の丘にも赤瓦の旧市街が伸びる)

美しいけれども、ちょっと田舎じみた雰囲気の旧市街を俯瞰していると、思わず「大航海時代で栄えた頃からの街並み」と言ってしまいそうですが、実は18世紀末期の建築が主流。1755年11月1日のリスボン大地震で倒壊した市街を計画的に復興したからこそ出来上がった美しさのようです。
「変な物知り博士や、勉強不足だけれどPR上手なブロガーさんの画像や語りに騙されないようにしましょうね」
「お前の書いていることだってホントかあ?」
「それも、そうだな」





リスボンのアセンソール、ラブラ線は地味に走る

リスボンのアセンソール、ラブラ線は地味に走る   2023年11月記


リスボン名物のひとつ、ケーブルカー(アセンソール)3路線中の最古のラブラ線、アセンソール・ド・ラブラ:Asensor do Labra は、ちょっと目立たない場所にあります。レスタウラドーレス広場から東へ一本入った通りを注意深く北に歩いて行くと何の変哲もない建物の間に坂の下駅と線路が現れました。

202304リスボンラブラのフニクラ (1)
(ラブラ線の坂の下の始発地点)

一目で、地味な感じが伝わってきました。人出も多くありません。
202304リスボンラブラのフニクラ (3)
(単線並列の線路をラブラ線の車両がゆっくり登りだす)

急坂を徒歩で上がり、途中で10分ほど待っているとラブラ線の電車が、これまた、ゆっくりと動き出しました。

202304リスボンラブラのフニクラ (8)
(落書きいっぱいの電車どうしのすれ違い)

線路の配置は、他の2路線と同じく、坂の下はガントレット式の複線、坂の中腹から複線です。落書きいっぱいの車両はリスボン観光客には、当然、良い印象は与えません。
202304リスボンラブラのフニクラ走る (1)
(ラブラ線の終点はホームのある駅)

ラブラ線も終点まで2分ほど。坂の上の駅にはプラットホームと屋根付きの門構え風の駅舎がありした。3路線の中では、もっとも鉄道風な造りでした。
「ほんと、100年前の最先端技術の誇らしげな様子が伝たわるような構造物ですね」
「それが、いまや、少し薄汚い観光客相手の乗り物になってしまった」
「ああ、残念。そして無常観も漂います」

202304リスボンラブラのフニクラ (14)
(ラブラ線の坂の上駅舎と停車中の電車)

皆さんも、時間の余裕に応じてアセンソール体験を楽しんだことと思います。こういうケーブルカー(フニクレール、フニクラ)って、あんまりないですものね。


グロリア線のケーブルカーは便利でお手軽

グロリア線のケーブルカーは便利でお手軽   2023年11月記

リスボンのケーブルカー3路線のうちグロリア線は、駆け足で旧市街を回ろうという観光客には便利な立地です。なにしろ90%以上の確率で私たち観光客が足を運ぶレスタウラドーレス広場から出ているからです。
202310Lレスタウラドローレス広場からアルト (2)
(レスタウラドーレス広場に面した場所にあるグロリア線始発停留所)

皆さまのブログなどを拝読しますと、乗車体験こそパスしたもののグロリア線を見ただけという方も少なからずいます。
「でも、乗らないのは残念」
「実用的ではないからこそ観光客向けのリスボン情緒いっぱいなのに」
という感じです。

ビルに挟まれた急坂から出ているグロリア線に乗り、あとで、じっくり観察してみました。

202304リスボングロリアフニクラ (1)
(広場脇の坂の下停留所に停車中のグロリア線の電車)

電車は坂の下を出ると、ゆっくりとですが急こう配を進みます。100mくらい登ったところで、線路が単線から複線に広がります。

202304リスボングロリアフニクラ (13)
(線路は坂の途中で単線もどきから複線に分岐)

写真のとおり、グロリア線の線路も、いわゆる単線並列と呼ばれる構造で、坂の下では2組の線路が重なるように敷かれていることが分かります。2両の電車は、したがって、必ずどちらかの線路上しか行き来できないのです。
ふうん、こういう構造だったんだあという感想でした。

202304リスボングロリアフニクラ (11)
(複線部分ですれ違う2両の電車)

それにしても、つい最近(2023年4月時点)まで、落書きだらけの車両が走っていたのは実に痛々しいことでした。

また、歩いて観察すると、線路の間に設置された電車を牽引するケーブルを敷いた溝がよく観察できます。
「でも、細部の構造はどうなっているんだろう」と、私などはもっと見たくなるタイプです。

202304リスボングロリアフニクラ (12)
(終点近くを登るグロリア線)

いよいよ終点近くのサンペドロ・アルカンタラ公園端の石垣脇にさしかかります。線路の上半分は複線なので、やや広い空間を電車はゆっくりと動いていました。

202304リスボングロリアフニクラ (7)
(車両の側面)

急こう配専用車両のため、台車に対して車体が斜めに取り付けられている構造がよく分かります。けれども、どうやってケーブルを掴んで車両を走らせているかは分かりません。台車内部の構造が見えないからです。

202310Lケーブルカー夜景 (1)
(夜のグロリア線停車中)

まあ、よほどのマニアでない限り、そんなことなど考えないでリスボン名物を楽しみましょう。実用目的からほとんど離れているからこそ、100年経っても100年前と同じ雰囲気を保っているので、趣が出ているのかも知れません。





リスボン一の人気、ビカのケーブルカー

リスボン一の人気路線、ビカのケーブルカー   2023年11月記

ビカのケーブルカー:Asensor da Bica、はリスボンのケーブルカー3路線のうち一番人気です。海のように広がるテージョ川を背景に旧市街をゆっくり上下する車両が、リスボンの風情にぴったりだからでしょう。

202304リスボンビカのケーブルカー 入口
(ビカのケーブルカーの坂の下の駅舎)

ビカのケーブルカーの坂の下の駅は、タイムアウト・マーケットの奥から2-3分入った場所にあります。昼間は、ごらんのように観光客が駅舎からはみだして列を作って待っていますので、すぐに分かります。

駅舎の脇をすり抜けて急階段を少し登ると、少し息切れします。急斜面に敷かれた線路があり、5分から10分ほど待っていると、ケーブルカーがゆっくり動いてくる場面に出くわします。ほんとうに、ゆっくり走ります。若い方が手ぶらで歩く方が、はっきり言って早いです。

202304リスボンビカのケーブルカー
(アスレージョの街並みにマッチするビカのケーブルカー)

2023年10月の時点では、ビカのケーブルカーの車両は2両とも黄色と白のツートンカラーですが、ちょっと前まで、1両は落書きだらけでした。

202304リスボンビカのケーブルカー (3)
(ちょっと前まで落書きだらけだったビカのケーブルカー)

「何だこりゃ」
の状態に、皆さんもびっくりしたことと思います。夜間は見張りやカメラもない線路上に留置するので、絶好の落書きの標的にされたようです。

講釈はやめて、ケーブルカーに乗って坂の上まで来てみました。カモンイス広場から市電の走る通りを西に5分くらい歩いた地点が坂上の終点です。

202310ビカのケーブルカー (1)
(遠くにテージョ川を望みながら下るビカのケーブルカー)

ほんと、観光ガイドやブログのとおり絵になる背景が展開するアセンソールですね。人気の理由がいやというほど分かりました。

202310ビカのケーブルカー (2)202310ビカのケーブルカー (3)
(入れ違いに着いたビカのケーブルカー)

遠くの川面を背景にしたビカのケーブルカーの写真は、リスボン観光の目玉シーンのひとつです。私も、こうして皆さんの期待どおりの構図の写真を撮りました。
「観光とは、期待どおりの風景を見せたり、諸体験させたりするのがデフォ」
という哲学を改めて確認するシーンです。

202310ビカのケーブルカー案内
(時刻表もあり、おおむね12-15分間隔)

この路線、観光シーズンや週末の昼間の登り方向は、めちゃ混みです。30分待ち、1時間待ちくらいは覚悟しましょう。けれども、青い空の下、暑いくらいの空気に当たりながらゆっくり昇り降りする車両に乗って2-3分のぼおっとしたときを過ごすとき、待った甲斐はあったと感じるはずです。これもがリスボン観光のエッセンスのひとつだと思います。

早朝に行って「がらがら、すぐ乗れた」では、乗り鉄オタク気分は味わえるでしょうが、リスボンを感じたと言うのには、おこがましいと思います。






土曜日はリスボンの骨董市に行って

土曜日はリスボンの骨董市に行って   2023年11月記


リスボンの旧市街であるアルファマ地区をぶらぶら、フラフラしていたら、骨董市に出くわしました。場所は、パンテオンの脇です。後から観光情報をみたら、別名、女泥棒市:Feira da Ladra (フェイラ・ダ・ラードラ)と言うのだそうです。呼び名はともかく、まぎれもない青空市スタイルの骨董市、がらくた市、蚤の市、ブロカントでした。

202310Lパンテオンと週末ブロカント (13)
(パンテオン脇の坂道の広場の骨董市)

パンテオンは、メトロのサンタ・アポローニャ駅から丘を登ること10分弱で着きます。白くて丸いクーポラが目印です。暑い日ですと、ここに来るだけで汗だくになるときもあるでしょう。その分、のんびりと楽しんで帰りましょう。坂の上まで来るとテージョ川の広い水面が視野に入ります。

202310Lパンテオンと週末ブロカント (4)
(テントや青空店舗がいっぱい。人もいっぱい)

お店は、広場中に、ほぼ隙間なく並んでいます。商品グループごとにまとまりがあるわけではなさそうです。また、いわゆるバッタ屋のような、うさんくさい商売人はいませんので、しつこい勧誘や、高額品の偽物掴みに悩まされることもないと思います。もちろん、ちょっとしたハプニングやチーティングはつきものでしょうが。

202310Lパンテオンと週末ブロカント (12)
(衣類、食器、アンティークにヴィンテージ品もある)

何となく人の多い店舗とか、あんまり人だかりがしていない店とかがあるのも世界共通です。

202310Lパンテオンと週末ブロカント (9)
(世界中どこでも『がらくた市』を兼ねる『蚤の市』)

ごちゃごちゃ品物を並べただけの店だと、こちらも目を凝らして商品を見極める眼力が要ります。
「うーん、でも、何をコンセプトにした品ぞろえか分からない店もあるんです」
「はあ・・・・」

202310Lパンテオンと週末ブロカント (5)
(売る方もマイペースで楽しく商売)

ざっと見た印象では、それなりのアンティーク陶磁器や置物は少なく、数十年前のアクセサリーや新古品のような衣類や装飾品がいっぱい並んでいる感じでした。値段は、もちろんお安く、1ユーロ、2ユーロから始まる世界でした。

202310Lパンテオンと週末ブロカント (6)
(暑いので木陰のバルで一休み)

坂道のふくらみが広場になっている地形なので、あちこち歩き回ると足は疲れるし、のども乾きます。ちゃんとバルやカフェがあり、老いも若きもみんなでガヤガヤと週末の昼下がりを楽しんでいました。

ひとつ、ご注意。ここの骨董市には、公衆トイレがないので、用を足したくなったらバルやカフェに入るしかありません。


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