やまぶきシニアトラベラー

気まぐれシニア・トラベラーの旅。あの日から、いつか来る日まで、かつ、めぐりて、かつ、とどまる旅をします。

パリの門めぐり4  サンマルタン門

パリの門めぐり4  サンマルタン門     2021年2月記

パリの門、4番目の訪問先はサン・マルタン門です。
Parisサンマルタン門近影0504
( 午後の日差しに映えるサン・マルタン門)

「聞いたことないなあ。どこにあるの?」
「メトロ4号線や10号線の、ストラスブール・サンドニという駅で降りたらすぐの場所です」
「へえー。でも、あんまり観光では行かない場所ですね」
「ええ、至って普通のパリの街並みが続いています。観光客のいないパリの風景って感じです」

サン・マルタン門は1674年に完成したそうです。すぐ近くにあるサンドニ門と双子のような門です。どちらも、あのルイ14世の命令で建設された記念碑的な門です。実用性はありません。

198008サンマルタン門ルモニエ事務所から望む汚れ有の頃 (1)
( 近くの建物からのぞいたサン・マルタン門)

40年ほど前のサン・マルタン門は、自動車の排気ガスで、やや黒ずんでいました。石組のへこみには雑草も生えていました。邪魔者扱いまではいきませんが、長い間、あんまり手入れしていなかったようです。ところが、2019年に近くを通ったときは、きれいに化粧直しされてベージュ色の美しい姿で建っていました。パリ美化作戦のひとつとして、すす払いをしたようです。

Parisサンmarutann門あれこれ0504 (5)
( パリの日常に溶け込んだサン・マルタン門)

サン・マルタン門は、昔も今の当たり前のようにパリの街並みと一体化しています。けれども、パリで、門のある街角なんて、ここと、お隣のサンドニ門くらいで、実は珍しいのです。

3度目、4度目のリピーター観光客となったら、たまには、ストラスブール・サンドニ駅で降りてみましょう。名所めぐりでは味わえないパリの雑多な日常も体験できます。ついでに、大通りの交差点そばにあるスーパー「モノプリ:Monoprix」にも寄れます。

「うーん、東京でいえば五反田とか錦糸町みたいな感じかな。それなりの繁華街でにぎやかなんですが観光客と縁遠い」

                                                                了

パリの門めぐり3 カルーゼル門

パリの門めぐり3  カルーゼル門   2021年2月記

3番目のカルーゼル凱旋門( Arc de Triomoph de Carrousel )は、5つの門めぐりのちょうど半ばです。

カルーゼル門は、ルーブル美術館の西寄りに鎮座しています。ルーブル美術館の入場に気を取られて見落としがちですが、緑の木々に囲まれてたたずむ姿をぜひ、思い出してください。

美術館入場の列に並んでいると、こんな風に見えます。
「あっ、あれね。カルーゼル門って言うんだ」と、いう印象でしょう。
Parisルーブル前カル門221905
( 見るだけがほとんどのカルーゼル門 )

この門も、本家の凱旋門と同じようにナポレオンの戦勝記念のための建造物。1808年に竣工しました。小振りなのでナポレオンは満足せず、もっと大きな凱旋門を建てることにしたのは、史書や案内書が語るとおりです。こんな小さな門でも装飾が凝っているので、完成までに2年かかったようです。見た目には半年もあれば、御の字で建てられそうなのですが、という感想です。

カルーゼル門は、パリの都市軸の東の端にあるので、門の真下まで来ると、遠くに凱旋門が見えます。

チュイルリーのカルーゼル門とシャンゼリセ補正明゙1986年9月
( カルーゼル門の先に除くオベリスクと凱旋門 )

チュイルリーのカルーゼル門アーチと凱旋門方面1986年9月
( 夕暮れのカルーゼル門、オベリスク、凱旋門 )

こういう風に、パリらしい一直線上にならんだランドマークをぜひ、身近かに体験しましょう。アメリカ合衆国の首都ワシントンのキャピタル・ヒルも、こんな風に一直線上に街を代表する主要建物が配置されていると聞いています。

コンコルドからカルーゼル門編集198009
( チュイルリー公園からカルーゼル門とルーブルを振り返る )

カルーゼル門をくぐった遥か先から振り返ってルーブルを見ると、こんな感じです。カルーゼル門の一直線上の先にルーブルのへこみがあることが体感できます。

「こういうアングルで写真撮ること少ないので、古い写真ですみません」

                                                          了





パリの門めぐり2の5 夜の凱旋門

パリの門めぐり2の5  夜の凱旋門    2021年2月記

夜の凱旋門のライトアップも楽しみましょう。

今でこそ、あっちでもこっちでも華やかなライトアップが見られますが、つい20-30年前から始まったイベント。
せっかくなので、昔の凱旋門のライトアップを思い出しました。

凱旋門シャンゼリゼ聖夜199512
( クリスマスのライトアップのシャンゼリゼと凱旋門。1995年12月 )

フランスを代表する街並みだけに飾り付けも凝っています。

199512ライトアップの凱旋門補正小サイズ
( ライトアップされた凱旋門を間近に見る。1995年12月 )

闇夜に、ぼおっと浮かび上がるように光を当てています。現在ならば、やれ三色旗仕様だ、やれコロナ応援カラーだとか多種多様なことができるのでしょう。それはそれで良いとして、暗闇に浮かぶだけの門も、迫力がありました。周りに光が少ないので、とても目立っていました。

凱旋門の夜1988年8月補正
( 少しだけ闇に浮かぶ凱旋門。1988年9月 )

クリスマス以外は、単に門の周りから光をぼおっと当てているだけ。だからこそ、存在感が強かったのかも知れません。

「いやいや、あんたが年を取って、単にノルタルジーにひたっているだけだよ」
「それもそうだな。技術の進歩を素直に賞賛しましょう」

また、派手に染まった夜の凱旋門を見られたらいいなと思っています。
                                                           了

パリの門めぐり2の4 凱旋門で「お上りさん」

パリの門めぐり2の4  凱旋門で「お上りさん」    2021年1月記

パリの凱旋門は上に登れます。意外と知られていません。

Paris凱旋門近影0502
( 凱旋門の周囲にたむろする観光客 )

我が家でも、子供たちと初めてパリに行って、シャンゼリゼ通りに立って凱旋門を背後にして記念撮影したあとのことです。

「じゃあ、門のてっぺんへ上りましょう」
「えっ、あの上まで行けるの?」
「行けるよ」
「行く、いくう・・・・・・。早くう・・・」

というような感じでした。読んで字のごとく、まさに「お上りさん」です。

我が家の奥様も、初めてのパリ訪問時に、同じ反応を示しました。私自身はどうだったかというと、事前に誰かに入れ知恵されていたので、凱旋門に着いて初めて屋上に行けることを知ってワクワクした記憶はありません。


凱旋門屋上の様子198009
( 凱旋門の屋上風景 1980年9月 )

コロンブスの卵のことわざではないですが、凱旋門の真下に行くには、まず地下道をくぐって広場の中心部に向かわなければなりません。そのあと、門の足の部分にある入口に行って入場券を買い、屋上に上ります。2021年現在は、狭い螺旋階段を10分弱かけて、えっちらおっちら上らないといけないようですが、10年くらい前までは小さなエレベーターで屋上のすぐ下の踊り場まで上れました。当然、階段コースより入場料は少し高かったです。

子供たちの歓声とともに見たパリの鳥瞰はひとしおでした。

凱旋門屋上からエ塔展望198009
( 凱旋門から見たエッフェル塔。1980年9月。現在とほぼ同じ景観 )

凱旋門は、年に数日の休館日があるのみで、ほぼ年中無休。そのうえ、夜の10時か11時ごろまで開いているので、夜景見物もよし、寒風に震えながらパリの街並み俯瞰もよしです。

思い思いのやり方でパリ見物を楽しめればよいですね。




パリの門めぐり2の3 横から後ろから凱旋門

パリの門めぐり2の3 横から後ろから凱旋門  2021年1月記


パリで2泊3日くらいの観光ですと、時間がないので凱旋門の後ろや横に回ることは、よほどのことがない限りありません。それに、凱旋門の圧倒的な大きさを前にすると、少し遠ざかって見ようとか、脇の方に回ってみようとする気力も湧きません。

ですから、パリ観光のリピーターの方々で、偶然、凱旋門の横顔や後ろからの姿を眼にした場合は、是非、写真の2-3枚を撮っておきましょう。自分だけの、意外と貴重なパリ有名ポイント風景となります。

凱旋門を背後から198608補正後
( 西日を浴びる凱旋門の裏側(ラ・デファンス側)風景 )

晴れの日の夕暮れ、凱旋門の西側は美しく輝きます。シャンゼリゼ通りの反対側のグランダルム大通り沿い:Avenue Grand Arme まで行ってみました。オレンジ色に輝く大きな凱旋門の姿を記憶に残しました。

凱旋門フォッシュ通りから近景198609
( 夕陽を浴びて輝くフォッシュ通り面の凱旋門 )

その次は、斜め横から凱旋門の夕焼け見物。凱旋門から放射状に出ている道のなかで最も美しいとされているフォッシュ大通り:Avenue Foch から堂々たる姿を拝みました。すごい量感です。

Paris凱旋門北東から201905
( 凱旋門を北東方向より見る )

午前中のすっきりとした空気に映える凱旋門北東側。凱旋門は裏表の印象が同じなので、写真を撮った位置をよく覚えておかないと、どれがどの向きやら分からなくなります。

カルーゼル門越し凱旋門夕方198609
( カルーゼル門から一直線にオベリスク、凱旋門を見る )

これぞパリの都市づくり、を実証するかのようなアングル。ルーブル美術館前のカルーゼル門から西をのぞくと、コンコルド広場に鎮座するオベリスクを通して、その彼方に凱旋門が左右対称の姿で目に入ってきます。直線的な美しさがパリのウリであることを実感する一場面でした。






パリの門めぐり2の2  遠目に凱旋門

パリの門めぐり2の2   遠目に凱旋門   2021年1月記

エッフェル塔に上ると、凱旋門が眼下のやや遠くに見えます。

視界に入ってくると「おおっ」という感じ。観光客としてパリに来た心証を強くします。

エッフェル塔から凱旋門遠望201905
(エッフェル塔から見下ろした凱旋門)

凱旋門が、丸い形をした大きな広場の中央に、でんと建っていることが一目瞭然です。
カメラをズームアップしてみると、屋上に見物客がいるのが分かります。

「あっ、事前にこんなこと言わない方がいいかも」

エッフェル塔から凱旋門199007
( ズームアップして眺めた凱旋門 )

パリは、とっても直線的な造りの都市です。新凱旋門のグランダルシュ、凱旋門、そしてルーブル美術館のそばに鎮座するカルーゼル門が一直線に並んでいます。いわゆる、パリの軸です。有名な凱旋門が、やや小高い場所にあるので、地上にいると3つの門を同時に見ることはできないのが玉に傷です。

グランダルシュの展望階に上ったら、一直線上に凱旋門とカルーゼル門が並んでいるのが見えるようです。

コンコルド広場より凱旋門方面少し工事中1980年9月
( コンコルド広場より遠くに映る凱旋門を見やる )

こういう視点こそ、パリのパリたる風景の一コマだと思います。「路地を曲がった先に何があるのかな」とワクワクしながら進む街歩きと正反対の気分で楽しむ都市です。パリでは、いつも、遥か彼方に目を向けましょう。現実の風景においても、心の中の未来においても、です。

なるほどねえ、という気分になりませんか?





パリの門めぐり2の1  本命の凱旋門

パリの門めぐり2の1    本命の凱旋門     2021年1月記

華の都パリの5つの門めぐり、その2は「凱旋門」です。

Paris凱旋門近影0502
(  パリの凱旋門の典型的な風景 )

凱旋門:Arc de Triomphe (アルク・ドゥ・トゥリオンフ) は超有名です。パリを代表する観光スポットのひとつです。そして、今回の5つの門めぐりの中では2番目に新しい門です。1836年に完成しました。

門の由来をはじめ、細かいことや、観光の仕方は、ごまんと出ている観光ガイドやブログのとおりです。私ごときが、いまさら、ああだこうだと解説するようなことはありません。

「冒頭の写真が定番のアングルですね」
「ほんと、パリに来たわ、って感じ」

まずは、凱旋門をシャンゼリゼ通りから眺めてみましょう。いわゆる正面で、王道のアングルです。

シャンゼリゼより凱旋門正面小サイズ198009
( シャンゼリゼ通りから眺める凱旋門正面 1980年9月 )

凱旋門工事中正面1986年9月写
( フランス革命200周年を控えて補修中の凱旋門 1986年7月 )

こうしてさまざま写真を見比べると、シャンゼリゼ周辺の街並みはあまり変化していないことも分かります。もちろん建物内部やビルのテナントの消長はありますが、表向きは、ずっと同じ雰囲気です。これが、ヨーロッパの多くの都市景観と日本の都市景観との違いのひとつです。

変わらないことで安心感も出るのですが、それは一方で、上下や左右の格差を固定することにもつながります。どっちがいいのやら、一長一短ですね。







パリの門めぐり1  新凱旋門

パリの門めぐり1    新凱旋門   2021年1月記

華の都パリには、2021年現在5つの門があります。観光客目線で5つの門をめぐりました。

「5つの門を言い当てられますか?」
「ええと、『凱旋門』でしょ、それから・・・・・・。わかんないや」
「それが普通です」

凱旋門、新凱旋門、カルーゼル門、サンドニ門、サンマルタン門の5つです。これを少ないというべきか、それなりにあるんだと感じるかは個人次第です。

今回は新しい順に見てみます。まずは、新凱旋門:グランダルシュ=Grand Archeです。一番、観光とは無縁な門です。「門ではない!あれはビルだ、パリ市内に位置している訳でもないぞ!」とクレームしたい方々もいると思います。私としては、細かいことは抜きでパリ観光をすればいいと思います。

パリ外デファンス新凱旋門正面201509
( グランダルシュ。日本での通称『新凱旋門』 )

パリ外デファンス新凱旋門を見上げ201509
( グランダルシュへの入口 )

グランダルシュは、正確には門の形をした高層ビルです。場所も、いわゆるパリ市内ではなく、市外の副都心ラ・デファンス地区の真ん中あたりにそびえています。東京のお台場にも、類似の吹き抜け型構造のビルがあります。

グランダルシュは、地上100メートル超の最上階が展望台になっています。私も、まだ、上がったことはありません。生きているうちに1回くらいは上がりたいのですが、2021年1月現在のコロナ禍ではパリ訪問の予定すら立てられません。

どうりで日本人パリ観光客には馴染みがうすいわけです。けれども、その外観は画像や本などで一度や二度は見たことがあるのではないでしょうか。

新凱旋門は1989年8月竣工です。フランス革命200周年を記念して建設しました。そのため、ラ・デファンスを写した古い写真には載っていません。ビフォー、アフターのラ・デファンスの高層ビル群を比べてみました。

エトワール屋上からデファンス展望198009小サイズ
( 1980年9月のラ・デファンス。大通りの先にグランダルシュがない )

エッフェル塔からデファンス眺望199007
( 1990年7月のラ・デファンス風景。グランダルシュ完成後 )

こう見ると、やっはりパリは大都会です。観光客でにぎわう伝統的な市街の周囲には、高層建築がにょきにょき建っていますし、住宅地が果てしなく広がっています。

さすがパリ。これでは2泊3日くらいでパリに滞在しても、パリのさわりの部分の、その上澄みくらいしか観光できません。そうして強烈で最上の「華の都パリ」の印象を抱いて帰途につくのが、もっとも素晴らしいパリ観光ノウハウだと思います。









アテネのメトロ入門

アテネのメトロ入門     2015年9月体験


アテネに行ったとき、少しだけメトロに乗りました。ギリシャのメトロ体験をたぐってみました。

アテネMTアッチキ駅と電車201509 (2)
( 落書きいっぱいでも元気に走るアテネのメトロ )

アテネのメトロも1路線を除き、2004年のオリンピック開催決定前後に整備が始まった公共交通機関です。ギリシャ経済危機で整備計画は遅れたかも知れませんが、いまでも少しずつ延伸されているようです。

アテネ地下鉄路線図2020
( アテネのメトロ路線図。2020年9月現在 )

メトロ路線図の青い線の右の地図外の場所がアテネ国際空港です。「エレフテリオス・ヴェニゼロス空港」という名前ですが、日本人には発音しにくいです。
アテネのレフテリオス ヴェニゼロス空港鉄道駅連絡通路201509
( 空港ビルからアテネ空港駅につながる連絡歩道橋 )
アテネ空港駅停車中のメトロ車両201509
( 空港駅で都心へ向かうメトロの始発電車 )

地図で分かるように、メトロは4路線があります。他にLRT式の市電が2路線ありますので、アテネには6路線の都市鉄道があります。日本のJRのような電車は都心部では走っていません。

アテネのメトロは他国の技術を導入したので、全体の雰囲気は世界共通仕様。あえて言うとスペインのメトロの雰囲気に似ています。ギリシャらしさはほとんどありません。駅の構内に工事中に出土した遺物を展示する手法も、よその国でもあります。電車が落書きだらけなんて、いまさら言うまでもないことです。

観光客がよく利用するのは、青い系統と緑色の系統でしょう。アテネ観光の基点シンタグマ広場や、パルテノン神殿やショッピング・ゾーンに近いモナスティラキ駅を通るからです。
アテネMTシンタグマ駅入口風景201509
( メトロのシンタグマ広場駅入口のひとつ )
アテネMTシンタグマ駅構内風景201509 (3)
( メトロのシンタグマ駅構内 )

「メトロは治安がいまいち」というコメントをブログに載せている人がいますが、さもありなんです。キップのチェック機はありますが、ゲート式の改札口がないので、誰でもプラットホームに入って来られるし、キセル乗車も難しくありません。2020年現在は、どうなっているか知りませんが、改札口は設置した方がいいと思います。

アテネのメトロは、線路の幅が標準軌の第3軌条方式で、電車は右側通行です。都心部を抜けると地上区間が多いです。明るい陽光を浴びながらアテネ郊外の街並みを眺めるのもよいかも知れません。パルテノン神殿周辺のごくごく狭い観光地区を離れると、車窓には、世界中のどこにでもあるようなマンション街やこじんまりした戸建て住宅が延々と並んでいます。ギリシャのイメージとは全然異なる現代都市風景に観光客はがっかりかも知れません。

アテネMTモナスティラキ駅と電車201509 (2)
( アッティキ駅北方を走る電車 )
アテネMTメトロ車内201509
( 車内は意外ときれいでシンプル )

ちょっとだけ足を伸ばして緑色系統の南の終点ピレエフス駅まで来ました。この路線は、かつての近郊鉄道が原型なので地上区間も多く、ピレエフス駅も「地下鉄の駅」のイメージとはまったくありません。ドーム屋根に覆われた長距離列車の始発駅のような雰囲気でした。
アテネMTピレウス駅と港201509 (1)
( メトロの終点のひとつピレエフス駅 )

アテネ観光を計画中の皆さんも、そして私も、世界標準仕様のメトロ体験を楽しみ、アテネならではの一コマを探してみましょう。

2020年12月記                                 了






アテネのLRT市電を走破する

アテネのLRT市電を走破する    2015年9月訪問

2015年9月、ギリシャのアテネのLRT市電に乗ってきました。英語案内ではトラム:Tram、と表記していますが、古びた線路をガタゴト走るチンチン電車ではありません。21世紀風のLRT( Light Rail Transit )式市内電車です。2004年のアテネ・オリンピックに合わせて開業した新しい公共交通機関です。

まずは、アテネからピレウスヘ向かう途中にあるファリーロという駅に向かいました。何の変哲もない住宅街の地下鉄の駅から高速道路を渡った反対側にLRTのファリーロ停留所がありました。

アテネTR2015 ファリロ駅構内見下ろし
( ファリーロ停留所と市街地遠望 )

歩道橋の上でしばらく待っていると、ガアーッという走行音を響かせて折返し電車が入ってきました。開業後10年あまりしか経ていないので、全体的にきれいで整っています。よく観察すると、線路の端がすり減り始めていたり、舗装のひび割れが大きいところもあり、メンテナンスが不安だなという印象でした。

アテネTR2015ファリロ駅に入る市電
( 北端のファリーロ停留所に発着するLRT電車)

見た目に新しい電車も、昼間の暑い時間帯はガラガラ。冷房付きですが、乗客は多くありません。ギリシャ人も、涼しい朝と夕方に行動するようで、暑い日差しの下で歩いているのは、閑人か観光客のようです。

アテネTR車内2015
( アテネのLRT車内 )

電車の中は、世界のLRTの標準的なインテリア。ヨーロッパ仕様なので、床面いっぱいまで広がるガラス扉が開放感を紡いでいました。

アテネLRT市電路線図2020
(アテネLRT市電路線図。逆T字型で、上部の突端がシンタグマ広場停留所 )

LRTの路線は、アテネ南部の海岸線に沿って逆T字型に走っています。T字の縦棒の先端が、観光客のランドマークのひとつシンタグマ広場停留所です。

「えっ、シンタグマに市電なんか走っていなかったぞ?」
「そうなんです。ちょっと見たくらいでは停留所は気づきにくい位置にあります。最後の写真を見てね」
「はあ」、って感じで、大多数のアテネ観光客は気付かない電車です。

LRT電車は、ファリーロを出ると専用軌道をかなりの高速で飛ばし、海岸線に沿って南東方向へ突っ走ります。
おそよ30分で南の終点アスクリピオ・ブーラスに到着です。途中は、真新しくて小ぎれいなマンション街やマリン・スポーツのクラブ、ヨット・ハーバーが連なります。観光ムードはありませんが、住み心地は良さそうです。

アテネTR2015アスクリピオ駅折返電車いろいろ (3)
( 終点アスクリピオ・ブーラス停留所で折返し待ちのLRT)

ギリシャですから、何と言っても陽射しが明るいです。太陽がいっぱいって、やはり良いものです。

アテネTR2015 アスクリピオボーラス駅構内
( 南の終着駅アスクリピオ・ブーラス停留所の構内 )

午後の強い日差しも夕方7時の声を聞くと影がさすようになりました。

折返し電車に乗って数駅戻り、ショッピング・センターのある停留所で降りて街中散策をしてみました。線路は環境にやさしい雰囲気をアピールしている芝生軌道ですが、雑草が生えているようで手入れが悪い感じ。紙屑などもちらかっていて、高級感あふれる新興マンション街といえども、ちょっと減点要素が多いような気がしました。

アテネTR2015 アゲルーマターシャ付近 (1)
( 郊外の芝生軌道とアゲルー・メタシャ停留所 )

1-2駅分歩きまわって、シンタグマ広場へ向かうLRTに乗りました。電車はT字に沿って3系統があり、6分から18分くらいの間隔で走っていました。もちろん、シンタグマとT字からT字の両端、特に南の端に向かう系統の本数が多いです。

アテネTR2015芝生軌道を走るプラティアエスペリドン付近 (2)
( 郊外の芝生軌道を走るLRT。プラティア・エスペリドン付近 )

LRTの車両はとてもきれい。落書きもありません。車内も落ち着いていますので安心して乗っていられます。

アテネTRシンタグマに停車中の折返し電車201509
(シンタグマ広場停留所で発車を待つLRT電車)

30分強かかってシンタグマ広場停留所に着きました。夕方なので、都心部へ向かうにつれて乗客も増えてきて、終点につく頃には立ち客も出るくらいの賑わいでした。ちょっと、埃っぽい道路や、地中海風の樹木が茂る緑地のそばをかすめて大きくカーブしたところが終点シンタグマ広場停留所です。


アテネTRシンタグマを出る下り2015明るい
(シンタグマ広場停留所を発車するLRT電車 )

道幅が広くないため、シンタグマ広場停留所は単線でホームも1面しかありません。


アテネTRシンタグマのホーム2015
( シンタグマ広場停留所は単線折返し)

それでも、あれこれ工夫してLRT路線を都心部の便利な場所まで伸ばした苦労が伝わってきました。
夕方は5-6分間隔で電車が発着し、それなりの人々が集まってきては電車に乗り込んで郊外方面へと向かっていきました。

アテネTRシンタグマ駅と国会2015明るい
( シンタグマ広場停留所と国会議事堂の夕暮れ )

ふと、遠くに目をやると、アテネ市内観光いちのランドマークである国会議事堂の建物正面がオレンジ色に染まっているのが見えました。隣の列柱風の建物と合わせて、アテネ風、ギリシャ風の街中ムードを醸し出していました。観光客が期待しているような美しい夕暮れ風景でした。

とても良い体験ができたアテネLRT全線体験乗車の旅でした。

2020年12月記                      了

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