やまぶきシニアトラベラー

気まぐれシニア・トラベラーの旅。あの日から、いつか来る日まで、かつ、めぐりて、かつ、とどまる旅をします。

モンサンミシェルの大企業ラ・メール・プーラール社の観察

モンサンミシェルの大企業ラ・メール・プーラール社のようす    2019年4月訪問


1. モンサンミシェル名物

モンサンミシェルの隠れた名物は、ラ・メール・プーラール:La Mere* Poulard、の巨大オムレツです。
(* アクセント記号は省略 )
値段が高い、味がうすい、などの酷評も多いですが、知名度が高いことは、まぎれもない事実です。

有名観光地には、たいてい、名物料理や定番のお土産があります。ラ・メール・プーラールのオムレツも同類です。また、ラ・メール・プーラールのビスケットやクッキーは、定番のお土産と言ってよいでしょう。

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( ラ・メール・プーラールのビスケットやクッキー )

「フランス版『モンサンミシェルに行ってきました』みやげですね」
「でも、パリなんかのスーパーにも売っているし」
「えっ?」

ラ・メール・プーラール、あなどるべからずです。


2. ラ・メール・プーラール本店の価値

ラ・メール・プーラール本店は、島に入った途端に目に飛び込んでくるお店です。素晴らしい立地で、ほとんどすべての観光客が、店の前を通ります。

ちょっと予習済みの方は「ああ、これが、うわさのオムレツ屋、ラ・メール・プーラールね」と、すぐに気づきます。私も同じでした。

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( 島に入って最初の店がラ・メール・プーラール)

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( ラ・メール・プーラール前から島の入口を振り返る )

重厚な石造建築の1階がレストラン。少し離れた右のドアがホテルの入口です。
通りからのぞくと、銅なべをはじめとする調理道具がいっぱいにならび、歴史ある宿屋の食堂をアピールしています。

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( 「宿屋の食堂」の雰囲気のラ・メール・プーラール本店 )

店の左には、法令にのっとりメニューが出してあります。ブログや口コミなどで、「オムレツの値段が、ばか高い」、「値決め方法が分かりにくい」、と酷評されていますが、2019年4月時点では、少なくとも、お品書きは騙し討ちのような書き方ではありませんでした。

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( ラ・メール・プーラールのオムレツ単品メニュー )

ただし、オムレツ単品の値段がとても高いことは否めません。トッピングによりけりですが、1皿38ユーロから44ユーロです。ワインや水を注文し、デザートを加えたりすると、1人前55ユーロ前後になりそうです。
「なにぃ?1人前7000円のオムレツかよ!」、という怨嗟(えんさ)の声が聞こえてきそうな値段です。

ここは、店内でオムレツ料理の実演が目玉です。その見物料が、お一人さま25ユーロくらいだと思えば、オムレツの値段は近隣の他店並みの20ユーロ内外に落ち着きます。
「オムレツ調理ショー付き、オムレツ・ランチ、金50ユーロ也」、と考えれば、少し前向きな気持ちでラ・メール・プーラール本店の敷居を跨げるのではないでしょうか。

それでも私たちは高いと思ったので、結局、入店しませんでした。
「さんざん書き散らかしておいて、結局、素通りかよー」
「はい、そうです」

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( ラ・メール・プーラールの定食(ムニュ) のメニュー )

オムレツ以外の普通の定食も、松竹梅の3種類があり、お値段は、55ユーロから90ユーロくらいでした。定食の1品にオムレツが組み込まれたコースもあります。

オムレツ以外の価格は、人気観光地の高めのレストランという感じでした。次回、モンサンミシェルに来たときは、思い切って挑戦してみようと思っています。


3  大企業ラ・メール・プーラール

現在の「ラ・メール・プーラール」は、地元の大企業です。モンサンミシェル島内にホテル3軒、島外にホテル3軒を経営するほか、手広くクッキーの製造販売を手掛け、レストランやお土産屋を開き、あるいは不動産をたくさん所有してテナントに貸し出すなど、総合観光産業を営んで大いに栄えているようです。

モンサンミシェル経済の立役者、あるいは、地元のドンかのどちらかです。うがった見方をすれば、私たち観光客は、モンサンミシェル観光に来て、ラ・メール・プーラール社に貢いでいるようなものです。

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( ラ・メール・プーラールのお菓子販売店舗 )

ラ・メール・プーラールの開店は1888年です。そして、現在のオーナー様は、1986年に、ラ・メール・プーラールの商権を買い取って、現在のラ・メール・プーラール株式会社を創立しました。本店所在地はパリです。そして、1998年には、ラ・メール・プーラール名のサブレの製造販売をスタートして大成功。絵に書いたような、やり手の実業家様。プーラール家との血縁は不明です。

ブログや旅行記で、「ラ・メール・プーラールは、創業者夫妻の奥方であるアネット・プーラールさん(1851年~1931年:本名はアンヌさん )が、『遠路はるばるやってきた巡礼者』に、『安くて栄養価の高いオムレツを振舞った』のが事始めの老舗」、という趣旨の解説をされている方々がいます。私の感想では、現実のイメージとは異なります。「歴史と伝統ある美しい聖地に、こんな由緒あるお店があったらいいなあ」という、メルヘンチックな幻想をツアー・ガイドさんに語られたみたいです。

実際は、1873年、プーラール夫妻は、旦那さまの親族から現在の郵便局付近の建物を借りて食堂を開業しました。1879年に、本土と島を結ぶ道路が完成して観光客が増加。観光ブームに乗って儲かったことをねたまれて建物を借りられなくなりました。そこで1888年、それまでの貯金をはたいて現在地を購入してラ・メール・プーラールを開店しました。道路ができたとはいえ、遠路はるばるやってきた参詣客という名の観光客の気を惹こうと、ファストフード感覚で出し始めたのが、今をときめくスフレのようなオムレツ。さっぱりした食感と見た目のユニークさが評判を呼んで、いつの間にか名物料理になりました。ご夫妻も誠実な人柄で、堅実に商売に励んだので、ホテル兼レストランの名声は世界中に広まりました。

ですから、
① 1888年開店なので、モンサンミシェルの1000年以上におよぶ歴史の中では新規の店です。中世の巡礼時代やフランス革命前からのお店や料理ではありません。

②ラ・メール・プーラール開店当時は、すでに島への連絡道路は完成していました。したがって、干潟を猛スピードで押し寄せてくる大潮にさらわれて命を落としたのは、安全無視で干潟へ入っていった人だけ。押し寄せる大潮をやっとのことで振り切り、ほうほうのていで島へ上陸したような巡礼者は、基本的にいません。

②ラ・メール・プーラールのお客さまは、秘境観光好きな観光客です。ボロをまとい、ぐったりして当地へたどりついたような苦労人風の巡礼者ではありません。競合他店より「安く」する必要はあったと思いますが、貧乏旅行者をターゲットにしたので「安く」する必要はなかったと思います。

③お料理も、メインの肉料理は時間がかかるので、その代わりに手っ取り早く出せるオムレツを考案しました。競争に勝つため、他店のメニューとの差別化も必要だったでしょう。プーラール夫人は700種類ものお料理ができたと言われています。ご自身の才能をビジネスに生かすことができた幸運に恵まれたのです。

④オムレツは、秘伝のように代々、子孫に受け継がれたわけではありません。ですから、現在の経営者が、アカの他人でもレシピを守れればよいのです。

なんだか夢のないお話しですが、よく考えれば、地に足が着いた物語だと思います。


4 ラ・メール・プーラールの仲間たち

モンサンミシェルの不動産の多くを手中にしていると言われているラ・メール・プーラール社のビジネス最前線を少しばかり見ました。別館や離れを別にすれば、どの店もグランド・リュ沿いに玄関があります。

まずは、島内のホテル兼レストラン、ル・ムートン・ブラン:Le Mouton Blanc です。意味は「白羊亭(はくようてい)」といったところ。1階がレストラン、2階から上がホテルという、典型的なモンサンミシェルの旅籠(はたご)風景です。

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( ラ・メール・プーラール系列レストラン、ラ・テラス・ドゥ・ムートン・ブラン )

つづいて、レ・テラス・ドゥ・ラ・ベ:Les Terrases de la Baie。 意味は「展望レストラン湾岸亭」。

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( ラ・メール・プーラール系列のレストラン、ラ・テラス・ドゥ・ラ・ベ )

今度はホテルの観察です。
島内にあるグループホテルは、ラ・メール・プーラール、レ・テラス・プーラール、ル・ムートン・ブランの3軒です。日本人をはじめとする世界中の観光客を迎えています。どこも、清潔な室内や水回りのようで、安心ですね。歴史的建造物であるためエレベーターがないことや、部屋が手狭なこと、それなりに料金が高いため、口コミでも絶賛とはいかないようです。世界遺産の内部へ泊まれるというメリットを積極的に評価する気持ちでチャレンジしてみましょう。
ちなみに私たちは、旅費節約のため、他の島内ホテル利用でした。

まずは、旗艦店「オテル・ラ・テラス・プーラール:Ho*tel La Me*re Poulard」 (*にアクセント記号あり)
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( ラ・メール・プーラール本店とホテルを城壁から俯瞰 )

どっしりとした石造建築が創業130余年の誇りを漂わせています。
本館の裏手には、別館もあります。ホテルのサイトなどで部屋やロビーの写真が見られます。
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( ホテル、ラ・メール・プーラールの別館 )

すご腕のオーナー様が、ラ・メール・プーラールの商権入手をバネに事業をどんどん大きくしていった経過が分かるようです。大観光地といえども、リーダー不在では客足は伸びないし、その一方で、少数の大金持ちに資産が集中すると貧富の差が大きくなるし、と、メリット、デメリット半ばです。

島内の様子が分かったので、今日は、この辺でおしまいです。

2019年6月記                          了



朝昼晩のモンサンミシェルを拝む

朝昼晩のモンサンミシェルを拝む    2019年4月訪問


私は、泊まり、でモンサンミシェル旅行をしたので、朝、昼、晩の雄姿を拝むことができました。幸い、霧も雨もなく、始めは曇り空だった天気は、夕方から翌朝にかけて快晴に変わりました。モンサンミシェル初心者にとって、これだけ晴れてくれれば「御」の字でした。

皆さんと同じように、モンサンミシェルの、ずっしりと美しい全景を記憶に残したいです。見た順序は、昼下がり、夕暮れ、夜景、朝の風景、です。

多くを語らず、美しい姿を拝みましょう。

うす曇りのMSM0429
( 昼下がりのモンサンミシェル全景。実物は圧倒的な存在感 )

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( 見上げればサンミシェルの尖塔 )

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( フニクレールと垂直に近い絶壁をため息まじりに見つめる )

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( 夕暮れの影は、かげろうのように )

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( 茜色の空は、次第にうすくなりつつ )

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( いまはここ、次はあそこと、明かりが灯る夕暮れのモンサンミシェル )


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( 藍色の空を背に夕闇せまるモンサンミシェル )


MSM夜景0429
( 夜空に輝くモンサンミシェルを、ひたすら見つめる )

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( ライトアップが幻想的な金色のサンミシェルは輝く )

MSM161干潟に上る朝陽0430
( 干潟の彼方に若い太陽が顔を出した )

MSM162朝日に輝く0430
( 朝焼けの美しいモンサンミシェルは静かにたたずむ )

MSM163朝焼けの天使0430
( 家並みの向こうに朝焼けのモンサンミシェル修道院 )


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( 快晴のモンサンミシェルの姿こそ絶景なり )

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( 朝もやに霞むモンサンミシェル遠景 )


MSM朝のクエノン川の向こうに0430
( 遠くにそびえるモンサンミシェルのピラミッドが別れの姿 )


我が家も、有名な風景を、自分の五感で体験できて、全員満足。
月並みですが、さようなら、美しきモンサンミシェル!

2019年6月記                                             了

パリに呑まれるニッポン人観光客 パリにいるのは私たちだけ 

パリに呑まれるニッポン人観光客

パリにいるのは私たちだけ   2019年春



「ニッポン人の嫌いな日本人」が、まだまだ残っていたことに改めて気づきました。とても、寂しいことです。

【1 確認が苦手 】

エッフェル塔見学のときでした。

最近の様子をご体験された皆様は分かると思いますが、エッフェル塔は、とても混雑しているうえ、セキュリティチェックあり、事前予約制度あり、入場ゲートの位置がよく変わる人気観光スポットです。

ParisわたしだけのTourEiffel0501
( パリ観光の華のひとつ、エッフェル塔の美 )

そして、この手順や案内表示が、観光する側から見ると、あまり明確ではないのです。

私たちは、公式サイトから時間指定キップを事前購入した予約客でした。今のエッフェル塔は、土台を囲むように透明のフェンスが延々と張られています。フェンスの切れ目を探して、まずセキュリティ・チェックを受け、その後に入場ゲートへ行きつかなければなりません。

大勢の人が並んでいるセキュリティ・チェックの行列に近づくと、2、3列に一本の割合で立て札があり、「レストラン予約者レーン」、「時間指定予約レーン」、「キップ購入レーン」と3種類の表示があるものの、どの列がどれに相当するやら、あいまいです。
そこで、真ん中あたりの列の後ろに入り、前に並んでいた方に、

「すみません、ここは、時間指定予約キップの列ですか?」
とフランス語、英語の順で尋ねると、何と素敵なニッポン人カップルでした。

「私たちは、時間指定キップを持っていますが、前の方のキップは3時間先のようです」
と、日本人の方は、ご自身のキップの指定時刻を私たちにヒラヒラさせながら答えてくれましたが、顔には「実は、不安です」と書いてありました。3時間先のキップを持った方は、中南米からの旅人のようです。

これでは確認できません。

時間指定のキップは、予約時刻から30分限りで効力発揮。その30分間に限って、他の一般客を飛び越えて優先的に取り扱ってくれる制度ですが、遅刻したら一般客扱いになります。また、3時間先のキップは、現在時刻では、一般客の取扱いと変わりありませんし、厳しい場所では、「まだ早すぎます。入れません」と言われて、待機場所にさえ入れてくれないケースもあります。予約は、遅刻してもだめ、早く行き過ぎてもだめなのです。

結論として、前の方の2組の例だけでは、私たちの列が時間指定入場用の優先レーンであることは確認できません。

ParisLV買い物のシンボルのひとつ2019
( ルイヴィトン本店。ここも入場制限がかかるときがあります)

【2 何とかしなければと思うタイミング 】

そのため、仕方なく、面倒くさいのですが、列の人混みを「すんません」とかき分けて、10人くらい前の人のところへ、にじり寄って、同じ質問をすると、「私は時間指定キップを持っていて並んでいます。そして、優先レーンだと思っています」との答え。

この状況ですと、8割方、予約者の列のような感じ。列も少しづつ進んでいるので、いまさら、似たような長さの「本当の」優先レーンを見つけて移動しても、スピードアップにはならない状況です。7対3くらいの信頼性で、このまま列に並んでセキュリティチェックを受け、そこで、何かあったら係の方と再交渉の方が、トータルで何とかなりそうです。

それで、戻ってくると、
「たぶん、おそらく、ここで大丈夫でしょう。前の方の人も『多分ここ』と言っていたから」
と状況報告。「日本人は、こういうとき、確かめる作業をしないんだよね」と、ぶつぶつひとりごとを言ったのが、先方様にはお気に召さなかったようです。その後は、口も開いてくれません。

①「日本人は」論で、他のニッポン人を誹謗中傷する昔風の口調に聞こえた。

②「私は正しい」と思って並んだカップルの男性の判断が確実ではないことを、私があばいてしまい、同行者に恥をかかせた。特にマダムの方が、パリ慣れしている感があり、男性が、もともと気おくれしていたところへ、男性の判断に不安材料があることが発覚したので、余計、頭に血がのぼった。

どうして、分からないなら分からないと素直に答えて、確認作業をしないのでしょう。

また、間違った列に並んだため、列の並び直しを指示されたり、入場時刻に遅れた場合、まとまって多くの人数で交渉に臨んだ方が得策です。入場ゲートを突破するまで、一時的な連帯を結成しようと思わないのでしょう。「多勢に無勢」作戦は、土産の値引き交渉などで、よく中国人がやります。マナーが悪いと成功率は低いのですが、おっとり型でルール重視のニッポン人がやると、意外に効果を発揮します。


【3 パリでメンツをつぶされる屈辱 】

「『男のメンツ』をつぶした、あなたは、すごく恨まれていると思う」とは、我がマダムの弁です。カップルの女性の方が、どう思ったかのコメントはありませんでしたが、「あの人たちは無礼な観光客だし、彼は意外と気弱だし、ああ、頼れるのは、やっぱり私自身しかないのね」と、思ったのではないでしょうか。

パリの誘惑は妖艶です。日本人に対して、とても強い作用を引き起こす場合があります。誘惑されてしまうと、ご本人たちのカップルやグループの周りに、一人として個人行動のニッポン人は存在しません。私たちは、彼らからすると、あってはならない存在なので、見て見ぬふりをするしかないのです。頭の中では、彼らはフランス人に取り囲まれて、ほとんど優雅に、でも、ときどきフランス語にうんざりしながらパリ観光を、不安感50%くらいで満喫しているのです。アメリカ人やアフリカ系の皆さまは、パリの国際性を演ずるエキストラみたいになるようです。

ParisSGデプレカフェに入る私0501
( パリ独特の街角カフェの優雅な雰囲気 )

「別に、パリは、あのカップルなんかに特に目をかけていないと思うけど」、と言うとケンカになるので黙っているに越したことはありません。

Parisラジョコンダは私だけのもの052019
(La Joconde/モナ・リザ。別にあなただけに微笑んでいるわけではありませんことよ)

それとも、用意周到に事前予約をしていたにもかかわらず、トラブル発生でエッフェル塔に上れず、とブログに書く方が格好よいのでしょうか。ちょっと声かけするだけで、エッフェル塔観光なんか、何ら問題なくできます。「尋ねるは、いっときの恥、知らぬは、一生の恥」です。声をかけあってパリ観光、フランス旅行を楽しめばよいのではないでしょうか。


【4 優先レーンの取扱はどうなのよ 】

言い忘れましたが、本題の、一般レーンと優先レーンの区別はどうであったかと言うと、
「あまり列が長くない場合は、適当にセキュリティ・チェックの列に並ばせる」
だったと感じました。

おそらく、全体が長蛇の列になって、場の雰囲気がざわざわし始めると、間違えて並んだ人を、係員が声掛けして、本来の優先レーンに誘導したりするのではないでしょうか。フランス人は、こういうとき、意外とカンがよいので、長蛇の列の整理に取り掛かる確率が高いです。


2019年6月記      了

















パリに呑まれるニッポン人観光客 TGVに乗れるのは俺たちだけだ

パリに呑まれるニッポン人観光客 
 
TGVに乗れるのは俺たちだけだ    2019年春



「ニッポン人の嫌いな日本人」が、まだまだ残っていたことに改めて気づきました。とても、寂しいことです。


【1 TGV車内でシカトするニッポン人 】

パリからモンサンミシェルへ向かうために乗ったTGV車内での出来事です。

TGV2階建てと右の改札機MPNS201904
( TGVアトランティックの2階建て車両。右のホーム上の改札機 )

私たちの予約していた座席に行くと、そこには見知らぬ4名の旅行者が座っていました。

私は、そこそこのフランス語で、
「すみません、私たちは、ここの座席のキップを持っています。皆様のキップを見せてくださいな」
と丁重に依頼し、自分のE-ticket をひらひらさせました。それなりの確率で、二重発券もありうるからです。
「・・・・・・・・」
次に、「英語話せますか?」と、言葉をかけました。

すると、何か変だぞ気づいたような、一人の初老の男性が席を立ちあがり、電光表示の座席番号を見ると、お連れに「あっちの席みたいだ」と、日本語で言って、自分はさっと席を離れました。そして、4-5列の奥の方の席番を見たあと、仲間に手招きで「こっちだ・・・・・・・」というような合図を送っています。

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( TGV2等車の車内の様子。1999年ごろ。今は、もう少しカラフル )

それを見ていた残りの3人は無言で立ち上がり、私たちに一切言葉をかけず、そして、目も合わせず、膝上の小カバンを持って移動しました。その後、カバンを置いて戻ってくると、頭上の棚に置いてあった旅行カバンやコートを降ろすと、無言で立ち去りました。

その中の一人は、多少、足が悪い様子。おばさま風の同行女性が「・・・・、大丈夫?」と、小声の日本語で声をかけるのが聞こえました。

3人は、私たちなど存在しないような振りをし、反対側の窓の外などに視線を向けながら、ぞろぞろと席を移ったのです。


【2 無言で睨まれる 】

我がマダムにも「あの人たち、こっちの方を、こわそうな眼付きで睨んでいたわよ」と、あとで言われました。

マダムは、私が、最初にフランス語で、次に、英語で質問したのを聞いています。そして、「私たちが日本語でしゃべっているのを、先方の4人には聞こえていたと思う」と、言っています。マダムも、彼らが席を移動するとき、私たちに何も言わず、目線も合わさなかったことも知っていました。常々、マダムには、「あなたも決して感じは良くないと」、言われて続けていますが、そんなレベルの比ではないくらい、彼らの感じは悪かったそうです。

「私たちが、いわゆるフランス人顔だったら、小さくなって『すみません』と、言って席を移動したんだろうね」と、マダムは言っています。彼らは、そういうオーラを持っていたと感じたようです。

「ほんと、いいものを見せていただきました」

こうして、ブログ一作分のネタを提供していただいたのですから、感謝しなければいけません。


【3 つぶれたメンツ 】

我がマダムの想像した、先方ご一行様の心理です。

①リーダーの初老らしき男性は、TGV車内に入るやいなや、入口に近い場所に、予約した内容と同じ4人向かい合わせの席を見つけました。そこで、座席番号を確認せずに、”知ったかぶり”で、「ここだ、ここだあ」と、仲間に向かって自信たっぷりに、本来の私たちの座席を案内して、自分もすわりました。

( 4人向かい合わせの座席は1車両に4カ所くらいあります。ですから、車内の座席番号と自分のキップの番号を照合することが必要です。また、ファミリー向けの人気席なので、二人席と替わるのをいやがる人も多いです。 )

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(  TGV2等車の座席配置例。ところどころに4人向かい合わせ席がある )


②どんどん乗客が増えてきましたが、しばらく、4人席に来る人がいなかったので、リーダー格は、「どうだ、おれの予約ノウハウはうまいだろう」と、同僚に笑顔を振りまいていました。

③そこへ私たちが登場し、フランス語で座席確認を求められたので、超びっくり。そして、3秒後には、自信たっぷりに陣取った場所が、予約席ではないことに気付きました。そのうえ、相手は、どうやら日本人です。

「お、おれのメンツが、丸つぶれじゃないかあ・・・・・!」

リーダー格の方のプライドは、一瞬で地に堕ちてしましました。足の不自由な母も、『席移るの?』みたいな不満顔を自分に向けたと思い込みます。

④こういうときは、他人、特に、言葉も分かる同胞のニッポン人への責任転嫁が、最初で最終の手段です。座席表示が分かりにくいTGVサービスに文句を言うなんて、これっぽっちも思い浮かびません。

「憎いのは、いま、そこにいる観光客然としたニッポン人。フランス人の前で、俺に恥をかかせやがって!。でも、席は間違えているので、どかなければならない・・・・。」

「俺たちは、あのニッポン人のせいで『席をどかされた』、ちくしょう!」

赤っ恥と、怒り心頭で、私たちを睨みつけますが、すごすごと座席移動せざるを得ないのです。それを察知した他のお三方も、私に恨みをぶつけてシカトします。結局は、リーダーに従って行くしかありません。


【4 パリに呑まれて 】

西暦2000年ごろまでは、海外、特に欧米諸国でニッポン人を見かけると、わざと無視したり、気づかないふりをする日本人旅行者が多い感じでした。けれども、最近は様変わりして、お互いに、「こんにちは、どこから来たのですか。それでは、よい旅を」くらいに声を掛け合うようになったな、と感じていました。

どうやら、この変化は、フランス、特にパリについては当てはまらないのではないかと不安になりました。

それだけ、世界一妖艶(ようえん)なアイドル的観光都市 『パリ』 さまの強烈なオーラは、まだまだ、一部の日本人旅行者をイチコロにするようです。『パリ』 さまに対して、日本人の方からの一方的な疑似恋愛関係ができてしまうのです。

『パリ』を、『フランス』という言葉に置き換えても通用する心理です。ヨーロッパ主要国を観光する場合でも、フランスは独特の雰囲気が強めです。個人旅行のコツを少し覚えただけで、鬼の首を取ったような気持ちになりやすい国です。

「私だけのパリちゃん、他の日本人の方を向いちゃだめ!」

「パリは、私(たち)だけのために、微笑んでいるよの。あんた、目障りだから、どきなさい!」

Parisよあたしだけを見て
( パリよ、あたしだけを見て! )

『酒は飲んでも呑まれるな』ですから、『パリを愛でても呑まれるな』です。


【5 リラックスして楽しいTGVの旅を 】

冒頭のような場面で、メンツとかプライドに重きを置く心理は、中国人、韓国人、ニッポン人に、よくありがちな気がします。
たかがTGVの座席チェックです。ときどき指定席の二重発券があったり、車両変更で、当該座席番号がない、という事態も起こります。

お互いに声を掛けあって助け合いましょう、何とかなるさ、旅は道連れ、の気持ちを忘れずにTGVの旅を楽しみましょう。

TGVホーム混雑MPNS201904
(  TGVは数多くの乗客で大人気 )

今回、私たちの乗った車両内で、座席表示の電光表示が点灯したのは、くだんの方々に問いかける数分前です。もとはと言えば、乗客を車内に入れてから座席番号表示を点灯させるようなSNCFのサービス感覚が混乱の原因です。

それでも、去年も昨日も、何とかなっていたのです。私も、先客に尋ねながら自分たちの座席を探していました。

ですから、

「すみませんが、皆様はこちらの座席ですか?」
「あっ、いけねえ。座席表示が消えていたから、つい、ここだと勘違いして。ごめんね、いま移るから」

このくらいでいいのです。

あるいは、

「間違ったのは私たちで、本当は、3列先の4人席なんです。でも、母の足が悪くて、できるだけ動きたくないのです。ミスをしたのはこっちですが、あちらの4人席と替わっていただけないでしょうか?」

というように受け応えをしてくれたら、事はスムーズに進んだはずです。さらに、会話の途中で、お互いに日本人と分かったのですから、ダメもとで、このような複雑な提案もできたのではないでしょうか。

モンサンミシェルへ個人旅行で行けるスキルを持っていることは重要ですが、これだけでは「仏作って、魂入れず」状態。実際に、その場の状況変化に合わせたり、言うべきことはきちんと言って、満足度も高く、費用対効果も予算どおりの言動をしてこその旅行スキルだと信じて止みません。

かのリーダー格の方は、ご自身では「自信たっぷり」なのでしょうが、端から拝見すると「緊張しています」と顔に書いてありました。

「リラックスしてください。分からないことは、その場で確認してください。そして、よいご旅行を」


2019年6月 記    了
































モンサンミシェル1泊2日220ユーロの旅

モンサンミシェル1泊2日220ユーロの旅    2019年4月

【1 旅費の実績 】
私たちのモンサンミシェル観光は、パリ発1泊2日の、TGVと路線バス利用、島内ホテル泊の旅でした。

朝な夕なに、モンサンミシェルの巨大な姿と門前町の賑わいを堪能できて、大変、満足しています。「行って、良かった」の一言につきます。

朝日に輝くMSM0430
( 朝日に輝くモンサンミシェル全景 )

モンサンミシェル島内泊は、意外と高くつくので、少し手間をかけて旅費をしぼりました。
振返って計算してみたところ、島内ホテル代と、交通費、宿泊費、食費、入場料を合わせて1人220ユーロ(食費込み)でした。

パリ、レンヌ間のTGV往復運賃計  47ユーロ (超早割り)
レンヌ駅、モンサンミシェル間のバス往復運賃 30ユーロ(片道15ユーロ X 2 )
モンサンミシェル修道院入場料  10ユーロ
島内のホテル代。ツインルームの1泊夕朝食付き(※)海側の部屋。滞在税込みで101ユーロ/人
対岸のレストランでの昼食代、夕食時飲物代その他   30ユーロ

合計で1人あたり  218ユーロ  →  220ユーロ でした。おみやげ代は別です。
(※Demi-pension / Half board)


【2 標準的な旅費 】

標準的な旅行内容の旅費は、もう少し高くつきます。2人で行くとして、ネット予約可能な島内のホテルに泊まり、かの有名な「ラ・メール・プーラール」レストランで、名物の「オムレツ」を注文したとすると、だいたい340ユーロ/人(食費込み)くらいになるでしょう。

差額は、以下の感じです。

① ツィンルームの1泊夕朝食付きホテル代  101ユーロ → 170ユーロ/人(+70ユーロ)
② 「ラ・メール・プーラール」レストランのオムレツ単品食事代50ユーロ (飲物込み) + 夕食時の飲物代その他30ユーロ → 80ユーロ(+50ユーロ)

①+②の合計で、120ユーロ増の340ユーロ/人(食費込み)


MSM島内ホテル例0429
( 島内ホテルは風情があるものの高止まり )


私たちは、運よく割安な島内ホテルを見つけることができました。その一方、高いオムレツ昼食を端から避けたわけではありません。結果として、こんなケースもあるんだ程度の体験談です。


【3 ツアー代金と個人旅行費用 】

今度はモンサンミシェルの各種ツアー代金と、電車やバス利用の個人旅行の旅費を比較してみます。

(1)日帰り旅行

①各種日帰りツアー(※)

貸切バスの交通費+修道院入場料+バスガイド料金計で、最低120ユーロから130ユーロ(食事なし)。
パリ午前7時発、21時ごろ帰着。現地着12時30分ごろ、現地発16:30ごろ。

(※ネット検索による各種ツアーの詳細の一般的な内容としました)

Aモンサンミシェル日帰りツアー201905
( モンサンミシェル日帰りツアーの各種案内 )

②TGVレンヌ経由直行バス利用の個人旅行。

TGV往復平均70ユーロ+バス往復30ユーロ+修道院入場料10ユーロ計で、110ユーロ(食事なし)。
パリ発7:40TGV、帰着21:04。現地着10:55、現地発18:05。

日帰りベースですと、交通費と入場料合計額は、両者ほとんど同じです。ただし、モンサンミシェル滞在時間がツアーで約4時間、個人旅行で約7時間と違います。また、個人ベースでは、予約の手間はもちろん、TGVの遅れリスク、バスや電車への乗り遅れリスクも、すべて自分持ちです。ツアーのように、日本語での補足説明もありません。

モンサンミシェル日帰り強行軍の場合、ツアーが盛況になる理由が、よおく分かります。1人10ユーロ程度を節約するために、All Riskを取って、鉄道ファンでもなく、フランス語もできないイチゲンの日本人観光客様が、わざわざTGVと路線バスを乗り継いでモンサンミシェルまで往復する、決定的に有利な差は見当たりません。

「まあ、自力でモンサンミシェルに行ったという優越感でしょうね」
「ツアーが苦手な人もいるし」
「現地滞在4時間というツアーはきつそうですが、せかされるくらいが我らが同胞にはいいのかも」
「そんなこと言っていると、炎上しますよ!」


(2) 1泊2日旅行

①各種ツアー (※※)

貸切バスの交通費+島内ホテル代(朝食付き)+修道院入場料+バスガイド料金計で、330ユーロ前後(食費別)。
パリ午前7時発で現地着12時30分ごろ、現地発は翌日16:30ごろ、パリ帰着21時ごろ。

(※※ネット検索による各種ツアーの、島内ホテル泊の一般的な内容としました)

Aモンサンミシェル1泊ツアー201905
( モンサンミシェル1泊ツアーの各種案内 )


②TGVレンヌ経由直行バス利用の個人旅行

TGV往復平均70ユーロ+バス往復30ユーロで、交通費100ユーロ。修道院入場料10ユーロ。島内ホテル代(朝食付き)ツインルーム170ユーロ前後。合計で280ユーロ前後(食費別)。
パリ発TGVは1日5-6本で、約3時間で到着。復路のバスは1日5便で、現地発10:05から18:05まであり。


③モンサンミシェル1泊を含む周遊ツアー

モンサンミッシェルの対岸地区のホテル前には、ツアーバスがいっぱい止まっています。これらのバス利用の皆さんは、いわゆる現地申込みツアーではないため、モンサンミッシェル分の旅費がいくらなのか分かりません。

MSM対岸観光バスでいっぱい0429
( 対岸のホテルの陰に、いっぱいたむろするツアー客専用バス )

けれども、国籍、年齢、性別を問わず、モンサンミシェル観光がすごい人気であることが分かります。
私も含めて、それなりに「はるばる」モンサンミシェル観光に馳せ参じています。楽しまなくっちゃね、です。


【4 モンサンミシェル1泊旅行ツアーの長短 】

私の感想では、モンサンミシェル1泊旅行となると、現地ツアーと個人旅行では、かなりの違いがあると思います。あちこちで紹介され、比較検討され、体験談が披露されている、モンサンミシェル1泊旅行論に、私もコメントします。

結論から書きますと、モンサンミシェルに入れ込んでいる方、ご高齢などで乗り物の乗換を避けたい方を除けば、時間配分の自由度が高いTGV利用のレンヌ経由での個人旅行が、断然おすすめです。クルマで行くことができるならば、もっといいのかも知れません。

(1)旅費は、自分で手配した方が1人あたり50ユーロ程度安くあがります。カップルだと2人分で100ユーロの差ですから、ちょっとした金額です。

(2)ツアーのように、モンサンミシェルに28時間滞在しても、はっきり言って飽きます。修道院の拝観は、だらだら回っても2時間もあれば終えてしまいます。周辺の教会めぐりや、お土産屋さんめぐりは、別途3-4時間あれば十分すぎるほどです。夜景見物、朝焼け見物と張り込んでも、島内ホテルにいれば1回1時間程度しかかかりません。

MSM朝のMプーラール前も閑散0430
( 朝のラ・メール・プーラール前は閑散 )

個人旅行ですと、パリ発午前9:57のTGVに乗れば現地着は12:55で、朝のパリ発も遅めにできます。帰路も現地11:20発のバスに乗ればパリ着は15:04分です。朝寝坊もでき、もしも初日に霧で修道院見物が不調に終わり、翌日に再訪して帰路に就いたとしても、パリの午後を悠々楽しめる時刻に帰れます。(2019年4月現在)

(3)個人旅行の唯一の難点は、TGVやホテルの手配を自分自身で行なわなければならないことです。旅行会社に同内容での旅行手配を依頼することも可能でしょうが、手数料を入れたら、かなり、お高い旅費になる気がします。それに、現地では自分自身で行動しなければなりませんから、普通の方々が旅行会社を通すメリットはありません。


2019年5月記      了

























 

レンヌ駅こそモンサンミシェルTGV往復の要

レンヌ駅こそモンサンミシェルTGV往復の要  2019年4月訪問

【1  ゆうゆうパリを出発 】

ParisMPS駅930AM
( 現代建築のモンパルナス駅を東側から見る )

私たちは、パリ・モンパルナス駅9時57分発のTGVでレンヌへ向けて出発しました。ダイヤどおりですと、モンサンミシェル着は12時55分。何と、片道2時間58分しかかかりません。朝7時すぎにパリを出るツアーバスの到着も午後1時前後ですから、TGVの速さを改めて実感します。

おかげで、ゆったりとした朝のひとときを過ごすことができました。

多くの方がコメントしているように、TGVの発車番線が表示されると、乗客が一斉に改札口に押し寄せるので、バーコード読み取り式の改札機の前は、押すな押すな状態です。

PairsMPS改札の群衆2019
( TGVプラットホームへ入る改札機前の大混雑。青い縦の光線が改札機 )

ゴールデンウィーク中ですので、フランスに来ても、そこそこ日本人観光客と思しき皆様を見かけます。私たちの乗車した車両にも、あと2組ばかり日本人の方がいらっしゃいました。みんなTGVに乗ってモンサンミシェル詣です。

「自力でモンサンミシェルに行けるんだ」、という達成感にあふれた表情が忘れられません。どうやら、他の日本人は邪魔なので、目にしたくないようです。最初、私たちの座席に間違えて座っていたのに、「ごめんなさい」の一言どころか、口も開いてくれません。こちらが気に食わないようでした。

パリの空気は、旅慣れ始めた日本人観光客に対して麻薬のような効果をもたらすので、仕方ありません。

TGVは全車指定席です。みんな、思い思いのキップを持っています。フランス人の多くはキップに替わるスマホデータを保持していました。ガイジンと思しき旅行者の多くは、細長い厚紙のキップや、プリントアウトしたE-ticket利用です。私たちもE-ticketです。利用列車限定のため、刻印機でキップに乗車時刻を印字する操作は不要です。

MSMtickets2019
(TGVのE-ticket とバスのレシート状キップ(左下))

今日の下りTGVブレスト行は、10両一組の電車を2編成併結した長い編成ですが、私たちの乗った後ろ10両はレンヌ切り離しの編成でした。座席のほとんどが埋まっていて、改めて、TGV人気の高さや、レンヌの都市規模の大きさを実感しました。

パリを定刻に発車したTGVは、たった1時間28分で300km先のレンヌに到着。2017年より、全区間高速新線経由になったため、新線上の途中通過駅はありません。
学校で、「フランスで速いものと言えば、特急列車、郵便、エスプレッソ・コーヒー」と教わりましたが、そのとおりでした。


【2 レンヌ駅のバス乗換こそ勝負どころ 】

レンヌ駅でのTGVとモンサンミシェル直行バスの接続時間は、上り下りとも20分です。
理屈のうえでは、余裕があるように見えますが、ガイジン観光客にとっては、けっこう緊張する場面でした。

まず、レンヌ駅が現在、北口駅舎新築中のため、案内表示が分かりにくくなっています。
レンヌ駅北口工事中2019
( レンヌ駅北口。モダンな駅舎を建設中。画面左端のさらに左がバス・ターミナル)

そのうえ、駅舎とプラットホームをつなぐ通路が、地下と2階の両方にあるので、初めてレンヌに降り立つと、どちらへ行くべきか迷います。結論は、どちらを利用しても、北口の東側にあるバス・ターミナルに行けます。

レンヌ駅北口地下通路2019
( レンヌ駅地下通路。右のエスカレーター右方向がバスターミナル。
2階からのエスカーレーターで下ってきてもバスターミナルへ行ける )

うろうろ、どきどきしながらも、10分もすればバス・ターミナルに着くことができます。その日は、もう、モンサンミシェル行きの直行バスがターミナルに入ってきていました。大型の長いバスです。


【3 あせっても、あきらめず】

バスの周りに集まってきた人の多いことにびっくり。トランクを引きづった中国人らしき人たちが最も多く、続いてニッポン人、カナダ人かアメリカ人っぽい感じの人がバスを取り囲みました。

レンヌ駅バスTのMSM行きバス2019
( レンヌ駅バス・ターミナル4番線に入ったモンサンミシェル行き路線バス )

「えっ、こんなにいっぱい客がいるの・・・・・・」と、のけぞってしまいました。
「モンサンミシェル人気、あなどるべからず」です。

そして、乗車口にたどりついた私たちに運転手さんが告げたひとこと。
「キップは、あそこの窓口で買ってきて。今日は、車内販売なし!」

後で聞いたら、我が家のマダムは、この時点で、このバスには乗れないとあきらめたそうでした。

しかし、ここはフランス。あせっても、あきらめてはいけません。

運転手さんが指示したレンヌ駅構内の端にあるバス専用のキップ売場に行き、無事に人数分のキップを買い終えた私が戻ってきたときは、まだ10人くらい乗車待ちのお客がドアの前にいました。混雑のため、乗車に手間取っていたのです。ちゃんと、私の努力は報われ、予定したバスに間に合います。

「でも、運転手さん、すみません。もう空席ありませんが・・・・」
「えっ、そうなの?」
私たちのキップにチェックマークを入れた、くだんの運転手さんは、少しもあわてず、隣に止まっていたバスを指さしました。急きょ、続行便を出すことにして、2台目のバスが1台目のバスの横に到着していたのです。
「じゃあ、あっちの車両に乗ってね」

そして、隣のバスの運転手さんらしき人に何やら声掛けししています。あとで考えると、「キップはこっちでチェックした」旨のことを言ったようです。隣のバスの運転手さんも、何も言わずに1台目のバスの背後から現れた10人ばかりのお客を乗せてくれました。

そして、2台目のバスは、1台目のバスが発車した後も数分待機し、バス・ターミナルの中に旅の者と思われる格好をした人間がいないのを見届けると、おもむろにドアを閉めて発車しました。2台目のバスは、がらがらで、残り物には福がある状態で、快調に走ります。

バス内で打ち明けてくれましたが、我らがマダムは1台目のバスが満員になっただろうと推測した時点で、再度、1時間後の次の便を待つべく、あきらめムードになったとのことです。

もう一度繰り返します。勝手にあきらめてはいけません。

旅の移動は、何とかするの一心で、周りに聞きまくると、何とかなるものなのです。その日のモンサンミシェル行きのバスは臨機応変に続行便を手配した、ということは現地で初めて分かったことです。早々にあきらめて、駅の待合室に引っ込んでしまったら、2台目のバスの運転手さんのチェックにも引っ掛からずに置いてきぼりにされ、次のバスまで、本当に1時間待ったことでしょう。

MSMレンヌバス0429
( 中国人、日本人、北米人らで大盛況のモンサンミシェル行き直行バス )

また、ひとつ貴重な体験をしてしまいました。

結果論と言われればそれまでですし、ツアーではこんなことはできませんが、そこは個人の旅。何とかしようと、ちょっと動くと、何とかなります。旅慣れた皆さんの真価が、このようなときに如何なく発揮できます。



【4 行きが行きなら、帰りも同じ 】

モンサンミシェルへ電車とバスで来る観光客はパリ往復のパターンが大半を占めるようなので、往路のバスが混めば、当然、復路のバスにも人が集まります。

帰りの便も、バス停は黒山のひとだかり。
最初は、「キップを持っている人が優先です」と私に告げた運転手さんも、
「でも、接続のTGVの予約があるのです」と答えると、「分かった。オッケー」のひとことで、その場で車内発券です。フランス流の『魚心に水心』に感謝いっぱいの瞬間です。

そして、ラッキーなことに、あんなにいたはずのお客も、なんとバス1台に全員着席で乗り切れてしまいました。
運転手さんは、「さっき電話して、もう1台呼んだ」と、一応言っていましたが、案ずるより産むが易しだったのです。
「ああっ、フランス・・・・・・・」なのでした。

多くの乗客がいたため、レンヌ行きのバスは10分ほど遅れてモンサンミシェルを発車しましたが、運転手さんもTGV接続のことは分かっているので、途中の道を飛ばして走り、遅れ挽回の努力をしています。

それにもかかわらず、レンヌ駅には10分遅れで到着でしましたので、手に汗にぎる展開にやきもきしました。レンヌ駅にて早歩きでTGVホームへ着いたときは、もう所定の電車がホームに入っていました。
レンヌ駅2階TGV改札左0430
( レンヌ駅2階TGV専用改札口。3、4番線はTGV発車専用ホーム )

レンヌ駅に到着済TGV
( レンヌ駅にすでに到着して増結作業中のTGV )

私たちの乗るTGVは、レンヌで、2編成併結作業のため約8分停車するので、乗り遅れることはありませんでしたが、ひやひやものであったことは間違いありません。

結論。「よい子は、是非、チャレンジ精神を発揮し、ロスタイムの少ない『何とかなる』フランス鉄道旅行を楽しみたいものです」

説諭。「世界中どこだろうが、指定席の番号を間違えて座ったことが分かったときは、ひとこと、お詫びの言葉を添えて移動しましょう。『悪いのは、席を間違えたアンタなんだよ!』」

2019年5月 記         了


モンサンミシェルTGV利用時刻表2019

モンサンミシェルTGV利用時刻表2019

このテーマも、繰り返し書かれてきたテーマです。SNCF:フランス国鉄、の旅を知っている人には大して役に立たず、知らない人には複雑すぎる内容かも知れません。

MSM朝もやの風景0430
( 朝もやに霞むモンサンミシェル遠景 )

1 私のモンサンミシェル往復TGV利用時刻表 】

2019年4月に私がモンサンミシェル往復に利用したTGVとバスの時刻は以下のとおりでした。

1)往路
パリ・モンパルナス発9:57  TGV8009→ レンヌ着11:25  運賃指定席特急券込み1人片道超早割21ユーロ
レンヌ駅発11:45直行バス → モンサンミシェル(対岸)着 12:55 当日きっぷ大人1人15ユーロ

2)復路
モンサンミシェル(対岸)発10:05→  レンヌ駅着11:15 当日きっぷ大人1人15ユーロ
レンヌ発11:35  TGV8710→  パリ・モンパルナス着13:04 運賃指定席特急券込み1人片道超早割26ユーロ

モンサンミシェル滞在時間1泊2日で21時間
1人あたり往復交通費77ユーロ

TGVモンパルナス列車群0429
( パリ・モンパルナス駅に並ぶTGV )

実際にも、ストライキやTGVの遅れもなく、計画どおりのモンサンミシェル小旅行ができました。

「できて当然です。でも、ちょっと、ひやっとした場面がありました」


【2 手っ取り早くモンサンミシェル往復時刻を知る 】

ずばり、直行バスのサイトにアクセスすると、ピンポイントで所要の時刻表を閲覧できます。

https://keolis-armor.com/index.php

モンサンミシェルとレンヌ駅もしくはドル・ドゥ・ブルターニュ駅間の直行路線バスを運行する会社は、ケオリス・アルモール:keolis-armor、という名前です。SNCFも株主ですから、日本で言えばJRバスに近い感じでしょう。

サイトは、フランス語と英語の二言語があります。トップ画面に、英語ならば、「Go to  Mont-Saint-Michel」、フランス語ならば「Aller au Mont-Saint-Michel」という目次が出ています。画面を開き、青い字で強調されている ”schedule :時刻表”(フランス語はhoraires )のページを出すと、どんぴしゃりでモンサンミシェルまでのバス時刻表が、往路、復路それぞれ表示されます。接続するTGV時刻も書いてある便利な時刻表です。

「早く、それを言えよ!」
「だから、普通の方のもったいぶった内容のブログの順序を飛ばして、結論を先に出したじゃないですか」
「おそい!ニッポン人は、せっかちなんだぞお」

下の参考画面をごらんください。
AKeolisMSM時刻表例
( モンサンミッシェル往路のTGV+バス時刻表画面例 )


2019年4月現在、レンヌ発着のバスは、平日休日を問わず1日4往復です。ここ数年1日4往復体制です。
レンヌ発、9:45、11:45、12:45、16:45.
モンサンミッシェル発、10:05、11:20、14:05、18:05 
です。
片道運賃は大人1人15ユーロ。青年割引、老齢者割引、小児割引などがあります。

ドル・ドゥ・ブルターニュ発着のバスは、平日休日を問わず走る1往復に加えて土曜休日の下りのみ1便増発です。
ドル・ドゥ・ブルターニュ発10:55(毎日運転)、12:25(土曜休日運転)
モンサンミッシェル発 16:05(毎日運転)
片道運賃は大人1人8ユーロ。各種割引もあります。

モンサンミッシェル直行バスの本数が少ないので、どのバスに乗って、日帰りあるいは、日にちをまたいで往復するかを決めてからTGVを選びましょう。サイトのおすすめに従ってもよし、自分なりにレンヌ街歩きの時間を加えてもよしです。パリ発着のレンヌ方面行きTGVは、ほぼ1時間に1本の運転です。


3 TGVの時刻表や運賃を調べる

TGV時刻表調べは、SNCF:フランス国鉄:SNCFのOUI SNCF:(ウイ・エスエヌ・セーエフ)=(「はい、フランス国鉄」、という意味) というサイトにアクセスして行ないます。

https://en.oui.sncf/fr

最初の画面で、英語ならば、「train」、または、「 train tickets」を選択すると、乗車区間、日付、片道か往復か、利用人数や割引適用条件などを入力する画面になりますので、希望内容を入れて「search」で検索します。1文字くらい綴りを間違っても「これですか?」みたいな補正案を聞いてくるので、気軽に入力しましょう。

地名の綴りです。

パリ:Paris
モンパルナス(レンヌ方面のTGV発着駅):Montparnasse
レンヌ:Rennes
ドル・ドゥ・ブルターニュ: Dol de Bretagne
モンサンミシェル: Mont Saint-Michel
ポントルソン:Pontorson
ParisMNPS正面
( レンヌ方面行きTGVも発着するパリ・モンパルナス駅正面 )

フランス語は、発音が短い割に、文字数が多いので、うんざりという方もいますでしょうが、「郷に入っては郷に従え」で続けましょう。

本当にキップを買う場合は、サイトの会員になるために、個人名や連絡先、精算用のクレジットカード番号などを、画面の指示に従って登録します。

「えっ、けっこう面倒くさいなあ」
「日本だって、自分で旅行の手配をするときは、このくらいの条件検索するでしょ」
「でも、フランス語や英語は苦手だし」
「英語版があるし、少し慣れれば、コツはすぐ飲み込めますから、ご安心を」

パリ発レンヌまでのTGVの時刻と運賃表示例を添付します。
ASNCF OUI検索例
( OUI SNCF での時刻表、運賃検索画面例 )

TGVは、航空券予約と同じシステムです。早割はもちろん、発車時間帯や季節、曜日によってさまざまな割引、割増があります。日本の新幹線のように、大半は正規運賃で、例外的に割引や割増がある価格体系ではありません。また、運賃プラスTGV料金という発想もなく、TGV運賃一本建てです。自由席もありません。全車指定席です。

TGVキップの発売開始日は乗車日の3カ月前です。

ですから、
「早く買えば、それだけお得」
「割安なキップは、ほぼ、払い戻しや無料での変更が不可」

検索条件を、こちょこちょ、いじくって、お得な乗車パターンや、平日と週末の運賃差などを何となく理解することも必要です。

「ところで、ストライキなどで運休になった場合の返金はあるのですか」
「うーん。はっきり言って分かりません。事故で遅れた場合とかの取扱規程も書いてあるのでしょうが、そういうときは、『言ったもんがち』のケースもあると思います。個人旅行の醍醐味だと思って、是非、体験談を聞かせてください」
「はあーい」


【4 TGV+バスの連絡キップを買う】

な、なんと、モンサンミッシェルに関しては、さきほどの「OUI SNCF」の鉄道キップ購入画面で、パリ発着TGVでレンヌ乗換モンサンミッシェル行きバスの通しキップが買えます。激安、超早割運賃適用の組み合わせでは買えませんが、通常の早割運賃と正規のバス運賃の組み合わせなら購入可能。

例示画面のように、TGV通常早割35ユーロ+バス15ユーロ、合計片道1人あたり50ユーロという検索結果が表示されます。
ATGV検索モンサンミッシェルキップ201905
( パリ--レンヌ--モンサンミシェルのTGV+バス時刻と運賃表示 )

さすが、Keolis-armor社はSNCF系列だけあって、人気スポットまでの通しキップを取り扱うようです。

日本でも見習いたいサービスです。スカイライナーで上野へ出て北陸新幹線で長野へ行く、とか、東京から新幹線で名古屋乗換の近鉄特急で宇治山田駅往復などがサイトや駅にて1回の手間で買えると、本当に利用者フレンドリーだと思います。

最後になりましたが、こういう時刻表や、おすすめパターンは、モンサンミッシェルに限っては「地球の歩き方」に手際よく書いてあります。それほど、日本人のモンサンミッシェル詣での旅行パターンというのは定形化しているるのでしょう。そして、売れ筋のガイドブックというのは、すごいものだと改めて感心しました。

ただし、「パターンに乗らない歩き方」は、ほとんど教えてくれません。ですから、敷かれたレールを、さも自分で敷いたレールのように錯覚しながら進むのがよろしいようで。

2019年5月記   了
























































モンサンミシェルへの行き方の復習

モンサンミシェルへの行き方の復習    2019年4月訪問


【1  ツアーそれとも個人旅行】

2019年のゴールデン・ウィークに、家族ともども初めてパリから1泊2日でモンサンミシェルに行きました。幸い、天候にも恵まれ、圧倒的な存在感で眼前に迫る、正式名称「ル・モン・サン・ミシェル:Le Mont Saint-Michel 」の威容と賑わいを存分に堪能しました。

「いやあ、行って良かったあ」です。私も、長年の思いが、やっとかないました。

MSM夜景0429
( 夕闇せまるル・モン・サン・ミッシェル )

今回の観光は、いわゆる島内ホテルに宿泊した往復約27時間の小旅行。普通にキップを予約し、TGVと路線バスを乗り継いで往復する、皆様のよく言う個人旅行です。

モンサンミシェル観光は、ツアーが良いのか、個人旅行ベースで行くのが良いのか、ブログやガイド本でも意見百出です。私は、各人の時間配分、フランス旅行ノウハウへの習熟度やチャレンジ力、ご予算などで変わるので、一概に優劣は決まらないと思っています。

我が家の場合は、のっけから自分たちで行くことにしていました。

*せっかく行くのだから1泊したい。
*1泊ツアーの標準パターンである、パリ早朝発、翌日夜半帰着のバス旅は長すぎ。
*自分たちで行く方が安いもんね。
*同行者がTGVに乗りたーい、と希望。

これらが我が家の個人旅行選択理由。私は、空気読めない系の性格なので、余程のことがない限り、先進国ではツアーの旅はしないことも隠れた理由です。


【2  パリとモンサンミシェルの標準往復ルート】

パリからモンサンミシェルへ公共交通機関で往復する場合の一般的なルートは、パリからレンヌへTGVで行き、モンサンミシェル行き直行路線バスに乗り換えるという行程です。

もう、言い尽くされていますが、何回でも記録しておいて損はないと思います。

1) パリ ⇔ レンヌ:Rennes はTGVで往復。片道1時間30分弱から2時間。約1時間ごと。

TGVouiモンパルナス駅20190430
( パリのモンパルナス駅のTGV。左が格安ウイゴー車両、右が一般車両 )

2) レンヌ ⇔ モンサンミシェル対岸は、ケオリス・アルモール社:Keolis Armor、の直行路線バスで往復。片道70分。TGV接続で1日4往復。

MSMレンヌバス0429
( モンサンミシェル対岸のバスターミナルに着いた直行路線バス )


3) モンサンミシェルの対岸と島の入口は無料シャトルバスのパスール:Passeur、で約15分。朝7時から夜中12時ごろまで5分から15分おきくらいに、適当な間隔で運転。

MSMPaseur0430
(モンサンミッシェルの対岸と本島を結ぶ無料シャトルバス)

このルートだと、何と、パリからモンサンミシェル対岸の路線バスタ-ミナルまで、片道3時間を切るスピードで行けるのです。

「は、速い!」

パリからモンサンミシェルまでは350km以上ありますので、TGVの威力に脱帽です。かつて、モンサンミシェルと言えば、「パリから遥か彼方のノルマンディーの寒村の先にそびえ立つ辺境の有名観光地」のイメージでした。交通網の発達で、いまや、多少無理すればパリ日帰り圏の観光地になったことを実感しました。

東京から伊勢神宮まで日帰り観光する感じです。途中乗換え1回で、1点張りの豪華観光スポットへ多少の強行軍で往復する旅程が、何となく似ていませんでしょうか。


【3 その他のモンサンミシェル往復ルート】

ちなみに、パリ発の他のモンサンミシェル往復ルートは、

①ツアー・バスで片道4-5時間、
②フランス国鉄SNCFのTGVで、レンヌではなく、ドル・ドゥ・ブルターニュ:Dol de Bretagne という駅で直行路線バスに乗り換え、
③SNCFの在来線で、近隣のポントルソン・ルモンサンミシェル:Pontorson-Le Mont Saint Michel、という駅まで行って路線バスに乗り換え、
④高速バスでレンヌまで行き、一般ルートで書いたレンヌ⇔モンサンミシェル間の直行路線バスに乗り換え、

です。

もちろん、クルマで行く選択肢もあり、フランス人や近隣諸国の人たちの多数派は、クルマでモンサンミシェル観光にやってきます。

皆さんも、時と場合と予算に応じてルートやスケジュールを選択しましょう。

是非、モンサンミシェルに行きたい場合は、個人旅行で1泊がおすすめです。冬場ならば天候不順や霧に備えて滞在時間を長めに取る計画が良いと思います。「霧で見えなかった」モンサンミシェル観光ほど悲惨な旅はありません。

観光地めぐりの数をこなす場合は、論をまたずにパリ発の日帰りツアー、TGVでの日帰り旅行、または、モンサンミシェル1泊が組み込まれたフランス・ツアーの選択が良いと思います。霧でも嵐でも、人混みにもみくちゃにされながら参道を歩いても、「モンサンミッシェルに行った」という、厳然とした事実は微動だにしないからです。


2019年5月記   了





番外 イタリアの田舎道

番外 イタリアの田舎道     2018年まで


イタリアも郊外に出ると、おだやかな田園風景が広がります。

ヨーロッパ松の続く街道、豊かに実る畑と堂々たる農家が点在する道を、ほんのちょっとだけ見ます。

2001年11月伊ポリコーロ付近の松並木 (2)

199808伊ロレンチーニ農場風景 (3)

2001年11月北イタリアの道 (6)

恵まれたイタリアの大地の温かみを感じます。
イタリア観光が万人に人気な理由も納得です。

細かく言えば、イタリア半島南部やシチリア島では、やや乾燥した車窓風景に変わります。陽ざしもかなり強く感じます。

2001年11月伊ポリコーロ農村風景 (5)


きょうも、赤々とした夕陽がロンバルディアの野に落ちて行きます。
また、明日も、良い旅が続きますように。

外レッコからミラノ道の夕陽 (2)


2019年4月記                          了



ミラノの街道を走る

ミラノの街道を走る   2018年3月、9月

ミラノ市内や近郊の一般道は、かなりきれいに整えられています。経済力もあるので、市内の道路も広く、たくさんの並木が品よく茂っています。大きな樹木の姿に気持ちもいやされます。

平均的なミラネーゼの暮らす街中の通りや、郊外の緑あふれる街道の風景に、しばし、目を向けてみました。

IMG_2669
( ミラノの高級住宅街のひとつ、ブオナロッティ付近の並木道 )


外ミラノパヴィア途上の市内道路201803
( ミラノ北部の新市街を突き抜ける大通り風景 )

通りは広め、街路樹はゆったりと枝を広げ、道沿いの建物は、高さと色合いが、だいたい揃っています。
クモの巣状の電線は、大通りにも路地裏にもありません。ゆったり、すっきり揃うことが美しい街並みづくりの大切なポイントだなと感じました。

実際に、歴史的な街並みとか、いわゆる高級住宅街は、こんな感じですね。電線をなくすだけで、街並みのゆったり感は格段に向上します。空が広くなるのです!

日本だって、同じポイントを押さえれば素敵な場所になるに違いありません。あとは、住民と当局のやる気の問題だと思います。けれども、一度、貼り付けてしまった交通標語とか、くどくどとした注意書き、安っぽい看板などを、なかなか取り外せません。この心理の延長線上で、新しいものや、違ったものを受け入れることに抵抗感が生まれ、さらなる成長のための決断もできないような気がしてなりません。

余計な一言でした。

つづいてミラノ郊外の広い、広い平野部を突っ走ります。写真は、ナヴィリオ運河を南下したパヴィア郊外の街道風景です。早春の明るい日差しを浴びる気持ちよいドライブですが、木々の芽は、まだ出ていません。

電道イタリア道路パヴィア近郊のナヴィリオ
( パヴィア郊外の街道。右はナヴィリオ運河 )

街道を東に折れて、大木の続く並木道の突当りに、パヴィア修道院( チェルトーザ・ディ・パヴィア:Certosa di Pavia )が見えてきました。美しく、豊かなロンバルディアの田園風景に気分爽快です。

パヴィアCチェルトーザ前の並木 (2)
( チェルトーザ・ディ・パヴィア正門前の並木道 )

パヴィア修道院近くの小さな新興住宅街を突き抜けて走ります。大き目の戸建てが、カーブを描いて建ち並び、落ち着きとゆとりある生活を想像させてくれます。ミラノ都心部まで片道1時間弱かかる、ミラノ通勤圏ぎりぎりのあたりです。

電道近郊グインザーノのロトンダ201803


今度はミラノから北に向かい、アルプスに連なる山々が眼前に迫ってくるレッコ:Lecco とい小都市近郊をドライブしました。写真を見るだけで、ひんやり感が残る早春の山裾風景が頭に浮かびます。

外レッコ市内の車窓 (1)
( レッコ市郊外の一般道を走る )

山々の中腹へ上がり、尾根筋にそって開けた集落の間を縫うようにして走ります。手入れのよい戸建てや、小規模マンションが右、左と続いています。のんびりした山村暮らしが好みなら、おすすめですが、変化が少ない暮らしなので、刺激を求める方々には、ときどき、走り抜ける程度で十分でしょう。

外レッコ奥の村の道201803
( レッコ市から山の中腹へ上がったあたりの小集落を抜ける街道 )

ロンバルディアの都市も平野も山間部も、とても魅力的な道が続きました。

2019年4月記                     了