やまぶきシニアトラベラー

気まぐれシニア・トラベラーの旅。あの日から、いつか来る日まで、かつ、めぐりて、かつ、とどまる旅をします。

迫力のアポロンの戦車の噴水

迫力のアポロンの戦車の噴水    2019年4月訪問

アポロンの噴水は、ラトゥーヌの噴水(ラトナの噴水)やネプチューンの噴水と並ぶ、ベルサイユの庭園内3大噴水のひとつです。
宮殿裏正面から、真っすぐに伸びた「王の散歩道」という遊歩道を5分くらい歩いていきます。

まずは、宮殿振り返りで1ショット。
Versailles224Bアポロン前から宮殿を
( 王の散歩道終端から宮殿を振り返る )

宮殿方面から来ると緩やかな下り坂なので、ちょっと楽。この辺も、週末の夜間限定で、ライトアップと花火のショーが開催されるときは、幻想的なシーンになります。

反対側では、すざましい勢いで、アポロンの噴水が、ごおごおと水音を響かせながら吹き上がっています。

「うわあ・・・・・・・。すごい音、すごいしぶきだあ・・・・」
Versailles221アポロン噴水
( アポロンの戦車の噴水 (アポロンの噴水)と背後のグランカナル )

正式な名前は、「アポロンの戦車の噴水:Bassin du Char d'Apollon 」ですが、呼びにくいので、「アポロンの噴水」で通っています。

彫刻は、ギリシャ神話の神のひとり、アポロンが、戦車に乗って夜明けとともに地上に現われる様子を再現しているとのことです。ルイ14世の、お好みのテーマだったそうですが、上手に造ったもんだと感嘆。爆音を聞きながら、ただただ見入るばかりでした。

Versailles238Bアポロン横の姿
( 木立を背景にしたアポロンの噴水 )

写真で見ると、単に大きな噴水程度ですが、実際に、そばで見ると、すっごい迫力があります。

太い水柱が、ごうごうと上がり、それが、バシャーーーと大音響で池に落下。同時に、馬の口あたりから吹いてくる水も、バシャバシャっと跳ねて池に注ぎ込みます。そこいらじゅう水の音であふれ返り、話し声も途切れがち。
風向きによって、容赦なく水しぶきが降りかかってきますので、神経質な方はご注意です。

「けれども、これこそベルサイユの大噴水の醍醐味です」
Versailles238Cアポロン戦車拡大

少し、場所を変えてアポロン出現の様子を観察しました。水面に現われる感じが、とてもよく伝わってきたアングルでした。
Versailles222アポロン噴水近景
( 大量の水と、水しぶきの大迫力 )

Versailles238A再びアポロン
( 大運河寄りの芝生越しに、アポロンの(戦車の)噴水 )

真夏には、この辺りも人出がいっぱいですが、春先の肌寒さの残る日曜日は、見物人もあまり多くありません。
Versailles238Dアポロン噴水北西より芝生越し
( 少し遠目に、アポロンの噴水と深緑色のベルサイユの森 )

アポロンの戦車の噴水は、彫刻が水面にあまり顔を出していません。ですから、噴水が出ていないときは、「ただの池」。写真のように、かなり間延びした光景となってしまいます。
Versailles221aアポロン噴水なし428
( 噴水がないときは、ただの池 )

ですから、水しぶきが見えないと、宮殿前あたりから、はるか遠くの大運河まで行ってみようというモチベーションは下がってしまいますね。

2019年9月記                          了




足でかせぐベルサイユの噴水めぐり

足でかせぐベルサイユの噴水めぐり     2019年4月訪問

1 ベルサイユの庭園の噴水マップ

ベルサイユ宮殿の庭には、20くらいの噴水があります。ある程度、計画を立てて回っても、なかなか1日で全部を見切れません。

とにかく、庭園入口で噴水マップをもらって、木立の間に分け入っていきましょう。お姫様や貴公子から一般庶民まで皆んなが楽しんだという、いろいろな噴水が見られます。

Versailles噴水パンフ2019 (7)
( ベルサイユの庭園の噴水マップ )

噴水は、春から秋の土曜日曜の午前中1時間、午後1時間半しか吹き上がりません。いかにものんびりした顔つきを装っても、内心では時計に絶えず注意です。


2. 木立に分け入る

私たちは、どちらかというと、大運河に向かって右側の木立の中にある噴水めぐりをしました。

濃い緑に囲まれた遊歩道は、当時は格好のナンパコースであったことが想像できます。木々の陰でイチャイチャできるからです。
「おっほん、噴水の出る時刻であるぞよ・・・・」
Versailles231Dauphin王太子噴水方
( ベルサイユ庭園の木立に分け入る )

けれども最初は、左側の木立内の、コロンナードの噴水(泉水):Bosquet de la Colonnade。
Versailles217Bコロンナード拡大
Versailles217Aコロンナードの小噴水休止中
( 水の出ていないコロンナードの噴水:Bosquet de la Colonnade )

柱の間のお盆状の台から、一筋の水がいっせいに出るようです。少し来るのが早すぎました。

ベルサイユの公式サイトなどでは、いわゆる噴水でも、Bassin とBosquetの2語をフランス語の言い方に応じて訳してあったりします。 日本人感覚では、どちらも「噴水」でいいような気がしました。大きい水柱がぶふぁー、と出ているとか、女神像の脇から水が優雅に舞うように出ているとか、の差異はありますが、そういうのは訳語の差異で感じるのではなく、実際に自分の眼で見て感じましょう。

ベルサイユの噴水はバラエティに富んだ、水の芸術的な要素がいっぱいです。

次は、右の木立の宮殿寄りにある、セレの噴水:Bassin de Ceres 。
ギリシャ神話由来らしいですが、勉強不足で分かりません。
Versailles233セレ噴水越しに宮殿北
( セレの噴水は彼方に: Bassin de Ceres )

つづいて、王太子の噴水:Bosquet du Dauphin。 「王太子」という権威ある名前の割には、小ぶりな噴水です。私の気づかない由来や裏事情があるのかも知れません。
Versailles232王太子の森の噴水
( 王太子の木立と噴水:Bosquet du Dauphin  )

3. とろーり、ぶらーり

今度は、ギリシャ神話風の寝姿の女性像から、水がぶふぁあと出ているパターン。フロールの噴水:Bassin de Flore、です。宮殿からだんだん遠ざかってくると、歩いている人も劇的に減ってきます。
Versailles234フロールの噴水
Versailles235フロールの水しぶき
( フロールの噴水と水しぶきいっぱい: Bassin de Flore )

ばしゃばしゃという音を聞きながら水しぶきを、ずうっと見ていると、とろーんとしてきます。

木々の奥へ重たくなった足を、ふらふらと引きづって行くと、空高く吹いている水柱がありました。
はっと、眼が覚めました。オベリスクの噴水:Bosquet de l'Oberisque、です。水の形が、エジプト史で出てくるオベリスクに似ているのでつけた名前ですね。
Versailles236Bオベリスクの噴水遠景
Versailles236オベリスクの噴水
( 水柱が高いオベリスクの噴水: Bosquet de L'oberisque )

ここは池も広いので、水しぶきも豪快に風下に降りかかります。ごおごおと音を立てて池に落下する噴水は勇壮です。

このあたりは、庭園のはずれですので、向きを変えてグラン・カナル=大運河の方へ向かいます。
Versailles237アポロンへ戻る森の道
( 木立の隙間にアポロンの噴水が見えてきた )

早春の木々の芽吹きが、まだ初々しいプラタナスの並木道の先に、アポロンの大噴水がちらちらと見えてきました。

2019年9月記                                  了

ベルサイユ宮殿前の水辺の花壇

ベルサイユ宮殿前の水辺の花壇    2019年4月回想

1. 水辺の花壇とは何か

ベルサイユ宮殿の裏正面には、左右対称で噴水の出る長方形の池がペアであります。
水辺の花壇、という意味の、「パルトゥール・ドオ:Parterre d'Eau」です。

普通に庭園を歩いていると、あまり記憶に残らないのですが、よく思い出すと、下の写真のような状態です。噴水が出ている場合が少ないので、忘れてしまうのかも知れません。

「花なんか植わってないじゃない」
「ち、違います。噴水が花みたいでしょ」
「なーるほど」
Versailles211A宮殿正面池の噴水
( ベルサイユ宮殿2階から見た「水辺の花壇」)

噴水が出ている時間は少ないので、その代わりに、角の女神みたいな彫刻が、皆さんのベルサイユ見学記に、よく登場します。四つの像は、フランスの四大大河を表していますが、どれがどれだが分かりません。

Versailles241噴水終了夕暮れ
( 水辺の花壇の四隅で寝転がっているシンボル彫刻 )

あらためて見ると、噴水が出ていない場面だけでは「何じゃこれ?」ですね。


2. 少し昔のベルサイユ庭園風景

ベルサイユ宮殿の庭園は、修復が進んだ今の方が、ずっと凝った造りです。単なる芝生だった場所が、少しずつ幾何学模様のフランス式庭園模様に変わり、私たち見物客の眼を楽しませてくれます。その代わり、庭園の有料拝観日が増えました。噴水の日9.5ユーロ、BGM音楽の流れる日8.5ユーロ、など、当局も増収策に余念がありません。

20-30年前、噴水のある日も無料入園だったころの夏のベルサイユ庭園風景を思い出しました。いつの時代でも、緑いっぱいの美しい庭園を、楽しく、けれども疲れ気味に歩いたことに変わりはありません。

Versailles212C夏の噴水むかし無料199007
( 左が「水辺の花壇」の噴水。庭園北から南東方向を見た場面 )
Versailles212D夏のベルサイユ庭園風景199007
( 1990年代の夏の日のベルサイユ庭園とピラミッドの噴水 )

昔の写真を見たら、ちらりと「水辺の花壇」の噴水も写り込んでいました。変わらないベルサイユに、ほっとしました。

2019年9月記                           了

庭から眺めるベルサイユ宮殿

庭から眺めるベルサイユ宮殿     2019年4月他

1. 世界遺産の庭に出る

ベルサイユは、宮殿と庭園がセットになった世界遺産です。宮殿を作った国王ルイ14世も一押しの、天才造園家アンドレ・ル・ノートル設計の庭園を是非、訪れましょう。

庭園を歩き回ると足が棒のようになりますが、それだけの価値はあります。

庭園へ出るためには、宮殿本体のやや南側の、くびれた部分をくぐって進みます。

Versailles201A庭園有料入口風景
( ベルサイユ庭園へ宮殿直下から入るゲート )

2. 庭園から宮殿を眺める

庭園へ出てまず目にするのは、幾何学模様の庭園と、その向こうに長々と横たわる宮殿です。鏡の回廊(鏡の間)から、南ウィングあたりが最初に視界に入ります。
Versailles205B庭園の奥の宮殿裏正面堂々
( フランス式庭園の彼方に横たわる宮殿。2階が「鏡の回廊(間))

庭を、のんびり歩きながら、刻々と位置を変え、姿を変えて行くベルサイユ宮殿を眺めました。

「うーーん、あんまり時間がないのです」
「少し、急ぎ足で歩きましょう」
「足が疲れた」

Versailles205A前庭と宮殿遠景
( 位置を変えながら見るベルサイユ宮殿 )

Versailles207宮殿を正面に見て
( 裏正面から見た宮殿 )

Versailles208A前庭北と宮殿夕
( 庭園より宮殿北ウィングを見る。小さくプティトランが見える )

3. 歩くかプティトランか

足が疲れた方々用に、宮殿の北ウィング前から有料のプティトランという園内専用の簡易移動車が出ています。2019年4月現在、1日券は大人一人8.5ユーロ、約1100円です。

プティトランは楽ですが、宮殿正面から大運河まで真っすぐに伸びている「王様の散歩道」を通りません。楽をすると、ベルサイユの庭園屈指の風景が見られません。

体力の続く限り、宮殿を背に大運河まで散歩がてら歩くことをお勧めします。
ものの5分も歩けば、次の写真のように、ラトゥナの噴水越しに威風堂々のベルサイユ宮殿が見られます。

いかにも、「豪華絢爛で巨大な宮殿と庭園」いうシーンです。段差を設けて建物と庭園を配置しているのが妙だと思いました。
Versailles225dラトナ噴水を囲む緑
( 噴水越しにベルサイユ宮殿を望む美しさ )

但し、噴水サービスのある時間は、原則として、4月から10月の土日の11:00~12:00と、15:30~17:00のみ。なかなか噴水が出ている場面に当たりません。各種サイトの宣伝写真や、旅行会社のパンフレットなどに過度な期待をしないようにします。

噴水サービスのある日時や入場料の最新詳細は、以下の宮殿公式サイトを開き、ticket;英語、 billet ;フランス語、のページを選択して確認します。フランス語と英語版のみしかありません。

http://en.chateauversailles.fr/plan-your-visit/tickets-and-prices?


2019年9月記                                         了








これぞベルサイユ土産

これぞベルサイユ土産     2019年4月訪問

(1) ベルサイユ土産だ!

2019年のいま、ベルサイユ土産の定番は「マリー・アントワネット商品」です。

Versailles154マリーアントワネットグッズ
(  マリー・アントワネット土産は種類が豊富 )

手帳、ボールペン、ノートなどの文具類から始まり、香水、ポーチなどの化粧品類、ブローチなどのアクセサリーなど小物類がいっぱいあります。ドロップ類もあったような記憶があります。これからも、マリー・アントワネット・グッズは増えていくでしょう。

ちなみに、これらのお値段は、1つ5ユーロから30ユーロくらいで微妙。いっぱい買い込むと、思わぬ金額になります。「お客さん、ここでしかマリー・アントワネット柄は買えないのですよ」、と囁かれると、ついつい、多めに手が出ます。


(2)迷ったら買え

ベルサイユ宮殿内のお土産屋さんは、自由見学コースの順路の途中にもあります。写真の売店は、王立礼拝堂脇のもの。カタログと文具類専門です。

お土産屋さんは、順路の最後にもあるし、ちょっと脇道にそれた場所にもあります。

けれども、「見学終えてからお土産を」、と思っていると、じっくりお土産を買えません。お買い物に重点をおいている方は、目についた売店でさっさと買うのが良いと思います。「海外旅行では、迷ったら買え!」です。

Versailles153礼拝堂脇2Fの土産店
( 王立礼拝堂脇のお土産屋さん )

(3) 割り切って商売、商売

ここ20年ばかり、美術館や博物館も積極的にお土産を売るようになっています。財政難の補填も兼ねています。ベルサイユなどは話題性に事欠かないので、お客の気を惹くグッズがいっぱいあるかと思いきや、お土産の品揃えは意外と地味です。

大きく分けると3つしかありません。カタログ、太陽王ルイ14世関連、マリー・アントワネット関連の3つです。ベルサイユ宮殿の形がレリーフされたチョコレート、王族の紋章入り携帯ホルダー、手鏡なんか作ればいいのに、と思っていますが、ありません。

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Versailles154bみやげ0428
    ( ベルサイユ土産の例 )

IMG_7398
( マリー・アントワネット関連みやげは種類が多め )

最近でこそ、マリー・アントワネットとベルサイユの相性は良くなっているので、マリー・アントワネット・グッズは増えています。けれども、現在のフランス政府からすれば、絶対王政は敵ですから、ベルサイユの歴史やイメージを肯定的にアピールすることなど容認しずらかったのでしょう。そのため、長らくマリー・アントワネット・グッズは、ベルサイユというかフランスではタブー扱いだったような印象です。

本来の趣旨からいえば、「しっかりとベルサイユの華と陰を五感で感じて帰る」のがベルサイユ観光の姿なのだと思いますが、それでは、お客も当局も満足できません。こちらは、「ベルサイユへ確かに行った」という物証がほしいのです。

その結果、「いろいろあったけれど、お客さんが楽しめるなら商売、商売」に大転換。

いったん、吹っ切れたら地力のあるベルサイユのこと。お土産やイベントの新企画が出るわ出るわで大盛況。いま、ベルサイユ観光に来る私たちは幸せものです。

一気に人気者に登りつめたマリー・アントワネット・グッズは、宮殿内の各売店に所狭しとならんでいます。是非、最低でも2つ、3つと買って帰りましょう。もちろん、伝統のカタログ類も、従前に比べて充実。日本語版もばっちりあります。

2019年8月記                                            了

自由に楽しむベルサイユ

自由に楽しむベルサイユ    2019年4月訪問


1) 豪華絢爛で巨大

ベルサイユ宮殿は、「豪華絢爛で巨大」の一言につきます。

宮殿内の自由見学コースを1時間強で見物しただけでも、十分に圧倒されます。ベルサイユを代表する「鏡の回廊(鏡の間)」:Galerie des Glaces = The Hall of Mirror  に加えて、国王関連の部屋や王妃の寝室、ナポレオンの間などを周るだけでも、目がくらくらし、人混みでぐったりするでしょう。

私たちも、そんなベルサイユ宮殿の自由見学コースを見物して、ブルボン絶対王政の光と陰を堪能しました。見どころや由来は、ガイドブックや、多くの方々が、繰り返し丹念に描写していますので、さらりと写真チェックして、余韻に浸ります。

Versailles自由見学と正面
( 自由見学コースの入口 )

左から右へ中庭を抜けて入ります。本当は、奥まった場所の正面玄関まで歩み寄って大理石の玄関先や精巧な外観を堪能するべきなのでしょうが、混雑で気が急いているので、そそくさと通り過ぎてしまいます。
「まっ、いいか」、という感じです。


2) 礼拝堂から国王の間

Versaillesシャペル縦0428
( 自由見学コースからのぞく王室礼拝堂 )

Versailles151裏の大広間と安絵画
( 1階の北にある十字軍の間と言われる部屋の数々 )

十字軍の間あたりは、最近、一般公開されたようです。特別貸切で夕食会やパーティもできるとのことです。

Versailles北庭噴水0428
( 2階の国王の寝室入口付近から見た庭園北側 )

土日は、午前11時から12時までは、庭園の噴水が吹きあがります。午後の部は3時30分からです。

Versailles155a王の部屋群混雑
( 国王の寝室一帯は、大混雑。人息れでムンムン )

Versailles国王の間天井
( ベルサイユ宮殿の天井画は、ひときわゴージャス )

Versailles156王の部屋群アポロンの間とルイ14世の絵
( 高校の世界史の教科書にも出てくるルイ14世の肖像画 )

ヨーロッパに行って、世界史や美術の教科書に出てきた肖像画や名画を、この眼で見たときの歓びは格別です。歴史は暗記物だと思っていた方も、自分も過去や世界とつながっているんだ、という実感に浸れます。

このルイ14世、カツラをかぶり、かなり高いヒールの靴を履いています。それらを取り去った姿を想像するのも面白いものです。

「中背、やや腹が出て、髪も薄く、歯もほとんどなくなっている、このオヤジが国王だってえ?」と、叫びたくなるようなお姿なのかも知れません。


3) クライマックス鏡の回廊 (鏡の間)

Versailles161戦争の間と奥の鏡の回廊
( 戦争の間から左に折れたところが「鏡の回廊」(鏡の間)の入口 )

ベルサイユ宮殿きっての有名ポイント「鏡の回廊」には、みんなお行儀よく列を作って入って行きます。

我が物顔に人を押しのけて歩みを進めたのは、かつて王族、戦後はアメリカ人、バブル時代は日本人、そして今は中国人、といったところでしょうか。

Versailles162豪華絢爛鏡の間(回廊)
( 鏡の回廊 (鏡の間) は息を呑む美しさ )

Versailles163鏡の修復も良好
( すっかり鏡の輝きも修復されました )

この空間、最近は「鏡の『回廊』」と訳してあることが多いようですが、昔は「鏡の『間』」と言うのが普通でした。フランス語の「Galerie」の訳を、うるさく言う人がいたのでしょうね。実物を体験すると、大きくて細長い空間なので、「回廊」でも「間」でもなく、強いていえば「広間」っぽい感じが一番しっくりきます。英訳は「Hall」=「広間」ですね。

4) ルイ14世の寝室

「鏡の間」の壁の裏側は、ルイ14世の寝室や「閣議の間」、控室などです。「鏡の間」と行ったり来たりしながら豪華絢爛なインテリアを目に焼き付けました。

Versailles165鏡の裏の閣議の間
( 閣議の間 )
Versailles166ルイ14世の寝室
( ルイ14世の寝室 )
Versailles167牛の眼の控室428
( 「牛眼の間」は控室見合い )


5) 王妃の寝室

「鏡の間」を出て左に曲がったさきに「王妃の寝室」の一群があります。
ベルサイユに縁のあった王妃様は数人いますが、ここはマリー・アントワネット仕様になっています。思わず「萌え・・・・」とする方も多いはず。何しろ、「ベルばら」の場面と同じく、寝室の壁には、ちょっと見には分からない隠しドアが仕込まれています。

Versailles171王妃のベッド
( マリー・アントワネット仕様の「王妃の寝室」 )

当時は、膝を折って寝る習慣でしたので、意外とベッドの奥行きがありません。「ベルばら命!」の皆さまも、いちどブルボン王朝風の姿勢で、お休みになってはいかがでしょう。

Versailles173王妃の居間とMアントワネットの絵
( 続きの部屋。控えの間だったかな )
Versailles王妃系0428
( 大膳の間。部屋の中央には入れません。どうしてかな )
Versaillesナポレオン系の部屋0428
( こちらも続きの間。詳しくは、「うんちく」いっぱいのブログをご覧あれ )

6) ナポレオンの間

王妃の寝室群の一部は、「ナポレオンの間」に改造されています。何たって、ナポレオンは現代フランス社会の立役者ですから、王朝の皆さまより重要なことは言うまでもありません。

Versailles174ナポレオンの戴冠ダヴィドのベル版
( 超有名な「ナポレオンの戴冠」ベルサイユ宮殿バージョン )

「ナポレオンの戴冠」は、ルーブル美術館にある絵が1作目、ベルサイユ宮殿にある絵が2作目で、ほんのちょっぴりだけ違います。他所のブログかガイドブックで差異はご確認ください。

私が初めに思った疑問は、そんなことではなく、「女性に冠を授けているのに、どうして『ナポレオン』の戴冠なの?」と、いうことでした。

史実は、ナポレオンは戴冠式で、自ら帝冠を手に取って、自分の頭に載せて政治力をアピールしたのですが、それを絵に残すと、あまりに生々しすぎるという配慮で、皇后へ専用の冠を授ける場面を描くことにしたとのこと。

実際は実力でトップに昇り詰めたのに、それは、さも神とか天から「授けられた」、あるいは「選ばれた」と装って、自己の権威付けを図る政治家が99%を占めるなかで、ナポレオンの成したことはユニークです。だからこそ、時代を超えて受け継がれる数々の法令や社会の仕組みを残せたのだと思います。

Versailles175ナポレオンの肖像
( ナポレオンの肖像画。 ご本人は小柄だったようですが )

7) 戦史の間と南ウィング

普通に見学していると、このあたりへ来るころは、だいぶ疲れてきています。

「あと少しです。足を引きづってでもベルサイユ宮殿を見物しましょう」

Versailles176戦争画のギャラリーの木目床
( 戦史の間。「鏡の間」の手前は「戦争の間」で、ちょっと名前が違います )

この部屋は、2014年3月9日に、かのカルロス・ゴーンさんが、ルノー社の祝典と称して、実質的に自分の還暦祝い誕生日パーティを催した空間です。有名シェフのアラン・デゥカスさんが料理を担当したとのことです。さぞかし、豪勢で美味なるパーティだったことと思います。ゴーン氏も、会社のパーティでしたならば堂々と公言すればよかったのに、やはり気が引けたと見えて、当時は「どうか内々に」と招待客に一声お願いをしていたそうです。

今となって考えてみれば、それだけの器しかなかった人物なのか、ベルサイユ宮殿のきらびやかで由緒あふれる伝統の前に、魂を抜かれてしまったのか、分かりません。

Versailles南端ルイフィリップ画0428
( 「戦史の間」のさらに奥は、国王ルイ・フィリップの絵の部屋 )

Versailles177戦争画裏の美しい回廊
( 「戦史の間」の壁の背後を通って出口方向へ戻る )

Versailles179出口への南翼大階段
( 大階段から1階に降りる。下にお土産屋、トイレ、庭園への出口などがある )

まだ少し歩き回れるところはあるのですが、足の疲れも限界にきています。あまりの豪華さに感覚もマヒしています。「まだ見たい」、という欲望より、「一休みしたい」、「もういいわ」、気分が勝りましたので、引き揚げました。

足が棒のようになっていますが、最後の力を振り絞り、大階段を下りて、お土産屋とトイレへ向かいます。

こうしてベルサイユ宮殿に圧倒された数時間は終了しました。


2019年8月記                     了


ようこそマリー・アントワネットの祝いの間へ

ようこそマリー・アントワネットの祝いの間へ   2019年4月


1  シャペル:Chapelle

ガイドツアーの締めは、王室礼拝堂:Cahpelle と王室オペラ劇場:Op*era でした。( * アクセント記号あり)

2019年4月現在、王室礼拝堂は修復工事のため、外側が覆われてしまっています。いまのところ2020年完了予定です。工事が終われば、下の写真のように、周囲から頭ひとつ出した端正な姿が観光客の前に現われるでしょう。

Versailles王室礼拝堂199007
( 王室礼拝堂遠景。修復工事前のすがた )

私たちは、ガイドさんの誘導に従ってシャペルの中に入りました。大理石の床なので、多少、冷え冷えとした豪華な空間が広がっています。

Versailles132王の礼拝堂正面
( 王室礼拝堂正面祭壇 )

往時、ここでは毎日、ミサが行なわれ、国王も2階席で参列したと言われています。フランス王家は、一応、キリスト教の守護者でもあったので、建前上は信心深く振舞うのがお約束でしょう。教義と実生活との大きな差に関して、どういうメンタリティでバランスを取っていたのか、私には興味深いところです。

また、1770年5月16日に、将来のルイ16世とマリー・アントワネットの結婚式が行なわれたのも、この空間でした。

「お互いに、初めて、実物の相手方を見て、どう思ったのでしょうね?」
「少しは、『萌えっと』したかも知れません。けれども、本人も含めて、誰にも分からないと思います」
これが私の意見です。
「えっ?」
「まず、ホンネをもらした記録があるやに聞いていません。本人も、一応、嬉しいのでしょうが、早熟気味とはいえ、まだ二人とも15歳でした。恋愛結婚ではないので、当日は、かなりどきまぎしていたのではないでしょうか」
「そんなものなのですかねえ」

結果論ですが、このご夫妻には公式寵姫がいませんでした。
ベルばらで有名になったように、奥方についての噂はたくさんありますが、旦那様は堅かったようです。

Versailles133b
( 王室礼拝堂の祭壇 )

現在のシャペル内は、椅子などが取り外されています。豪華絢爛な祭壇は見事なまでに輝いています。床も負けじと美しい細工物で覆われています。天井も、あいた口が塞がらないくらいゴージャスです。

祈りの場というより、儀式の間です。

Versailles133d
( 王室礼拝堂の天井画 )

シャペルは、自由見学コースでも入口から内部をのぞけます。
ですから、シャペルの写真に見覚えのある方はいっぱいいらっしゃると思います。

けれども、内部までずんずんと入れるのはガイドツアーのみです。ガイドさんは、「写真を撮ったら両脇にどいてね」と、私たちを促します。のぞき口から祭壇を見る多くの見学者への配慮です。

Versailles133c
( 王室礼拝堂の見事な床と側面アーチ )

自由見学者は、押すな押すな状態でシャペルをのぞいています。
Versailles133王の礼拝堂祭壇から入口
( 王室礼拝堂の祭壇から入口方向を見る )

2. 王室オペラ

王室礼拝堂(シャペル)の見学を終えたので、王室オペラ劇場に向かいました。本日の最終コースです。場所は、正面向かって右のかなり奥の方です。普通のベルサイユ全景写真には写り込まない位置です。

ガイドさんは、私たちを促して、ずんずんと奥へ歩いて行きました。
そして、外見上は地味な大理石の柱や壁に覆われた入口から劇場内に入って行きました。
Versailles131一般エリアとガイドさんアンヌ0428
( 専属ガイドさんの誘導でオペラ劇場へ向かう )

Versailles145一般ルートに合流
( オペラ劇場へ向かう長い廊下 )

内部に出た瞬間、そこにも、金ピカで豪華絢爛、精巧な細工と紋章に飾られた空間が広がっていました。
「わあー、これぞベルサイユ!」

オペラは、、マリー・アントワネットのお輿入れを祝って作られました。
Versailles142オペラ座席と我ら
Versailles141舞台の幕
( オペラの席と正面舞台の緞帳 )

ここは、いまでも現役の舞台なので、全体の空気が生き生きとしていました。自由見学で回る「鏡の間」は、同じく豪華絢爛でも、なんとなく展示品のイメージですが、オペラは豪華さで劣るものの、今を生きる人々の息吹きが漂っていました。舞台の緞帳などにホコリがなく、輝いているのです。

オペラでは、ときどきコンサートや、政府の歓迎イベントがあるそうです。前者は、早い者勝ち、金運次第なので、是非、チャレンジしましょう。
Versailles144cオペラ天井
( ギリシャ神話を題材にした天井画 )

相変わらず、見事な天井画とシャンデリアです。ぽかんと口を開けて、ずうっと上を見ていたので首が少し痛くなりました。

「あそこの格子窓が国王の席です。顔を出すと、みんな舞台そっちのけで王様の方を見てしまうので、その対策です」
ガイドさんの淀みのない説明に、一同納得。
「それにしても、すごい」
Versailles144aオペラ格子の王の席
( 宮殿オペラ劇場の王の桟敷(格子窓の部屋))
Versailles144bOPERA
( 王の桟敷とシャンデリア、天井 )

「でも、王様は、一番前で、かぶりつきで芝居を見たいなんて思わなかったのでしょうか」、と思いました。
天皇陛下が国技館で相撲観戦のときも、微妙に遠い場所が貴賓席。一番前に出たいとは思わないのでしょうか。

ですから、2019年5月に、かなり前の席にて相撲観戦されたアメリカのトランプ大統領夫妻は、本心から相撲楽しんだことと思います。

「でもね、やっぱり芝居は見るものではなくて、出るものよ。おほほ」
マリー・アントワネットのささやきが、私の耳の奥に響いたところで、ガイドツアーは終了となりました。

なかなか充実した内容に、あらためて感動しました。ていねいに、そして簡潔に見物個所の説明をしていただいたガイドさんに拍手を送って、さよならをしました。


2019年8月記                       了



密かにまわるベルサイユ

密かにまわるベルサイユ  2019年4月

1 ガイドツアーにそおっと入る

私たちが予約した個人向けガイドツアーは、人知れず、そおっと入ります。始めは、Aile des Ministres Nord=内閣府北棟、という建物にある受付に向かいました。予約券の地図に、はっきりと受付場所は指示してあります。建物前には、きちんと案内表示が出ていますので、迷うことはありません。

ガイドツアーは1組25人程度です。また、時刻をずらして募集していますので、受付に向かうのは一握りの人たちです。ほとんど、誰もいないと言ってよいでしょう。
「あの人たち、何しに行くんだろうね」と、いう風に思われたかもしれません。

Versailles104ガイドツアー受付案内
( ガイドツアー受付場所の案内表示 )
Versaillesガイドツアー受付
( Aile des Ministres Nord:内閣府北棟、の建物 )

ベルサイユに来ると、前方の宮殿玄関の方に視線が集まりますので、左右の建物のことは見落としがちです。衆人注目のなかで受付に入るような場所でなくて、ほっとしました。

日本人にとって一番こわいのは「妬み」です。きちんと手順を踏んでいるのにもかかわらず、「自分だけ得しやがって」と思われると、もうどうしようもありません。


2  粋な待合室

受付のドアを押すと、係のスタッフがいて、「ボンジュー」の一言のあと、すぐさま入場券と予約券を照合、確認されました。そして、背後の廊下沿いに並ぶ待合室のひとつに案内してくれました。トイレは、待合室の並ぶ廊下の奥です。

肌寒い気候の日に、少しばかりですが暖房の入った部屋で、座って待てることに感動しました。室内で防寒と体力温存ができる一石三鳥のサービスに、思わず「ああ、ガイドツアーに申し込んでよかった」。

待合室の壁は、部屋ごとに、ベルサイユ・ムードを醸し出すデザインです。ここは、宮殿の中でも実務遂行のための建物であったようで、質素な印象です。木組みの床は高級そうで、さすがベルサイユ。けれども、定番の金ピカムードは一切ありません。もちろん、現在のニーズに合うよう改修されています。

Versailles105B待合室428
( 連続するガイドツアーの待合室 )

私たちが入った部屋の壁は、国王、王妃、そして公式の愛人である寵姫(ちょうき)の影絵をあしらったデザインでした。

「ほら、マリー・アントワネットもいるよ」

ベルばらファンのマダムは、ベルサイユの雰囲気に呑み込まれていましたので、最初は何のことやらという顔をしていました。私の指した影絵と名前を見ると、急に眼が輝き出しました。”こんなところにも、もうマリー・アントワネットが顔を出すのか”、というマダムの表情が、とても新鮮でした。「物語の世界が現実にあったんだ」、と実感する瞬間は、誰でも体験しているはずです。

しかし、彼女だけ頭飾りが断トツで派手なのですね。

Versailles105Aガイドツアー待合室と壁面
( 私たちの待合室は歴代君主、王妃、寵姫の影絵 )


フランス史の知識がないと、影絵の人物たちの歴史上の位置づけが分かりにくいと思いますが、宮殿見学のムードを出す部屋の雰囲気を味わうだけでも十分だと思います。

ところで、「ベルばら」に登場する人物は何人くらい描かれているのでしょう。マリー・アントワネット、ルイ15世、ルイ16世、デュ・バリー夫人の4人くらいです。


3 ガイドツアーが始まった

集合時刻5分くらい前になると、スタッフの方が現われて、みんなに専用のイヤホンを配り、性能テスト。間髪をおかずに当日のガイドさんも登場して、自己紹介と簡単なルート説明をしました。ガイドツアー用のイヤホンの有無で、ガイドツアー参加者を見分けるので、常時、装着してほしいということも言われました。

それでは、早速出発です。ツアーその他見学者用に「B」ゲートに行き、最優先で入場してセキュリティ・チェックを受け、正面玄関前の、王家の中庭:Le Court de Bonheur に出ました。


Versailles106宮殿真正面 顔塗り
( 王家の中庭と、大理石の正面玄関 )

ガイドさんは、ここでベルサイユの歴史を2-3分で要領よく語ってくれました。ガイドブックやブログのとおりです。
そして、いよいよ、自由見学不可エリアに入って行きました。多くの皆さまがオーディオガイドを借りる部屋を左折したあたりから、仕切りの柵を開けてもらって入り、階段を昇った2階がルイ15世の住まいです。

外から見ると、正面玄関右手の2階付近一帯です。

Versailles112王の私室への裏階段
( ルイ15世の住まいへ上がる階段 )

落ち着いた金箔に彩られた、しっかりと作り込まれた感じの階段を、ぐるぐると昇った先には、金ピカの空間が待っていました。

Versailles107A王の私室へ階段昇る428
( ルイ15世の住まいのオモテの最初の部屋の前 )

ルイ15世の住まいは、いわゆるオモテとオクの2種類がありました。オモテは、特に重要な人物や知人を招き入れる空間です。オクは、本当のプライベート空間で、家族や親せき、超VIPだけの部屋だったそうです。

どちらもベルサイユの基本デザインである、白壁に金泊の縁取りで豪華に飾られ、ギリシャ神話由来の天井画と、輝くばかりのシャンデリアが下がった部屋であることは変わりません。けれども、慣れてくると、オモテの方が、見た目重視で、より豪華絢爛に造られています。オクの方は、暮らしやすいように造られています。石造建築は、真冬に、想像を絶するくらい冷え込むことがあるので、南向けの部屋を作って太陽を取り込み、暖房効果を上げるために間取りを小さくしています。また、派手過ぎる飾りつけは避け、エレガントで落ち着きのある金泊の空間になっていました。

また、ベルサイユ宮殿の家具調度類は、フランス革命真っ盛りのころに大半が競売にかけられて売られました。外国軍や反乱軍に対抗するための戦費調達目的です。国家の存亡がかかっていたのですから当然ですが、よくぞ、建物本体は無償で残ったと言うべきでしょう。

ですから、見学者が見る家具類の大半は、最近、買い戻したものや、何らかのイベント用にしつらえたものの残りです。その一方、壁や天井やシャンデリアはオリジナルで超豪華絢爛。筆舌に尽くしがたい美しさを放っています。

ベルサイユをいったん見てしまうと、同系統の宮殿は、すべて「ベルサイユと比べるとねえ」、という気持ちでしか鑑賞できなくなります。日本の迎賓館(赤坂離宮)も、その例外ではありません。

ここでは、受け売りの解説など書きません。

ただただ豪華絢爛、エレガントで高貴な雰囲気のルイ15世の住まい、ルイ16世の図書室などの写真を紹介します。

Versailles113C王の謁見室付近
( ルイ15世のVIP謁見の部屋。私室のオモテの続きの間 )

Versailles113A時計の間
Versailles114王の私室の調度
( ルイ15世のVIP謁見の部屋。私室のオモテ )

Versailles115王の私室から雨のテラス
( 王の住まいから見た、私的な中庭 )

Versailles111a外交団通行階段
Versailles111b大使の階段反対側
( VIPがルイ15世に面会するために通った階段 )

ここからは、ルイ15世の住まいのオクの部分になります。
Versailles116王の私的食堂か居間
( 狩りの後の談話室兼軽食室 )

Versailles117a楽器のデザインの部屋
Versailles117王の音楽のサロン
( 家族のサロン。扉と壁が一体化した造り )

Versailles118ルイ16世の図書室
( ルイ16世の図書室。本はレプリカ )

ルイ16世の趣味は、錠前づくりと世界地理。前者は、とても有名ですが、後者は初めて耳にしました。部屋のテーブルは、当時の世界地図が広げられる大きさにしつらえたそうです。

王様が皆、政治的才能に恵まれているわけではありませんから、この程度のカネのあまりかからない趣味に興じてくれるのがベストなのでしょう。

私の思うところ、これは古今東西を問わず共通なようです。

Versailles119a磁器の食堂
( 家族の食堂。調度類は現代のもの )
Versailles120王の娯楽室
( ビリヤードやゲーム室 )

ガイドさんは、ゲームの間あたりから扉を開けて、私たちを自由見学エリアに出してくれました。ヴィーナスの間という部屋で、金ピカで天井画も豪勢なベルサイユ風のインテリア。大勢の観光客で激コミ。大半の人たちは、私たちが入ってきたことに気付かなかったようです。当時との最大の違いです。

「王様や王族は、こうやってプラーベート空間から公式の間へ姿を表したんですよ」
という、ガイドさんの説明と上手な誘導に感謝、感激です。
Versailles121b公私境界扉
Versailles121天井画見事一般エリア重複
( ガイドツアーのプライベート空間から、オモテに出たところ )

私たちは、王族よろしく、再びプラーベート空間へ密かにもどり、内部の階段を下りて、次の見学先に向かいました。

見ごたえのある王族の私室や、オモテとオクの違い、いろいろな趣向の部屋の数々に感動し、ガイドさんのよどみない英語の解説を耳にしながら、声もなく歩く感じです。

ちなみに、ちょっとだけ他のメンバーと話してみると、中国系のアメリカ人の方、ドイツ人の方などもいました。向こうも「日本人!こんな英語ツアーに珍しいね」という反応でした。


2019年7月記                             了





さらりと入るベルサイユ

さらりと入るベルサイユ   2019年4月訪問


1    ベルサイユ宮殿は大混雑

私たちは、ベルサイユ宮殿も大混雑とのニュースを耳にしました。そのため、宮殿の公式websiteを読み、ブログなどを参考にして、オンライン予約で入場券を買いました。

行列のできるところ必ずや、「攻略本や完全攻略ガイドあり」、「待ち時間なしを謳って誘うツアーあり」です。上手に個人予約をするか、旅行会社頼みの割高な現地ツアーを申し込むか、成り行きに任せるか、何か行動を起こさなくてはベルサイユ宮殿に入れません。

私たちが訪れた日曜日も、朝の9時前から個人客用の入口は長蛇の列。聞きしにまさるベルサイユの混雑を間近かに見ました。

Versailles103宮殿正面と長蛇の列
( ベルサイユ宮殿は、開門前から個人入館口は長蛇の列 )

ベルサイユ宮殿の入館口は二つに分かれています。正面向かって左の「A」ゲートが個人客用、右の「B」ゲートがツアー客その他用です。Aゲートは、さらに分かれていて、時間指定予約入場券を持った人と、それ以外の入場券を持った人は別々に並びます。パリ・ミュージアム・パスや、当日券を買った人は後者です。また、入場券売場は、下の写真のように入館口とは別の建物です。

各種旅行記、ブログ、旅行ガイドも、多少の書き方の違いはありますが、全部、同じ事象を説明しています。

Versailles開場前の長蛇0428
( 入場券発売口と、個人入館口の位置関係 )

行き当たりばったりで来ると、①簡単なセキュリティ・チェック、②入場券売場の列に並び当日券を買う、③入場券を持った人の列に並び直す、④2回目のセキュリティ・チェックを受けて入場、という手順になります。

時間指定入場券を持った個人客は、専用の行列がありますので、入場券面の指示に従って「A」ゲートの近くにずんずんと進みます。それでも、9時の開門前の時間指定入場の行列は100人くらいになっています。
「ふうー」です。

どれがどの列やら、混雑時の行列はすっちゃかめっちゃかに見えますので、黄色い立て看板をよく見て、係員に確認して自分の並ぶ列を見つけましょう。自分だけの勝手な思い込みや、”だろう”行列は、間違った列に並ぶ確率が大きいです。

2019年現在のベルサイユ宮殿は、写真のように、③の個人入館用の行列が大混雑になり、すぐに1~3時間待ち。「もう、うんざり」、「あきらめて帰った」ということになりかねません。けれども、写真のように、行列が ”つづら折り状態でなければ” 30分くらいで入れるみたいです。


2  時間指定入場券を見つける

そこで便利なのが予約制度です。ベルサイユ宮殿の公式サイトを開けて、各種オンライン入場券の種類と値段を確認しました。日本語のサイトはありません。英語の場合、「Ticket and Price」のページを開くと、個人用の入場券の全容が分かります。

http://en.chateauversailles.fr/sites

Bベルサイユオンラインキップ画面
( 公式サイトの各種入場券と料金の案内 )

もっとも有名なのが、PASSPORT:パスポート、全館共通の1日券です。2019年現在、大人1人、通常日20ユーロ、噴水ありの日27ユーロです。2日券もあります。連続した2日用なので、休館日を挟んだ日曜日+火曜日の組み合わせでは使えません。

PASSPORTの変形が、時間指定パスポート:PASSPORT with Timed Entry、です。料金は普通のパスポートと同額です。

攻略本が、勝ち誇ったように推薦しているのが、この「PASSPORT with Timed Entry」です。

時間指定パスポートでベルサイユ宮殿に入る場合は最大で30分待ち程度なので、下馬評どおりの最適チケットです。だいたい、2~3カ月前からオンライン発売を開始します。晩秋から早春にかけては、あまり混雑しないため発売中止です。きっちり、3カ月前からとか、前々月の1日に一斉発売開始、とならないところがフランス流です。

あとは、宮殿のみ、庭園のみ、トリアノンのみ、噴水日の庭園入場のみ、のような単発入場券の案内です。鏡の間(鏡の回廊)の周辺だけを、あわただしく見学して1時間強で帰るならば、宮殿のみの入場券18ユーロが最安値ですが、「あまりにもったいない!」。


3  ガイドツアー:Guided Tour を楽しもう

ベルサイユ宮殿の入場システムは、底抜けに奥が深いです。

まずは、ガイド・ツアー。個人予約で、宮殿専属ガイドさんといっしょに自由見学不可エリアを見学します。英語サイトの場合ならば、上記2 のTicket and Price、の隣にGuided Tour という項目があります。そこをクリックすると、数種類のガイド・ツアーが表示されます。以下が、該当のページです。仏語、英語のみの表示です。

http://www.chateauversailles.fr/preparer-ma-visite/billets-tarifs?public=10&visite-tid=2

一番オーソドックスなガイド・ツアーが、「私室をめぐるツアー」。2019年8月までは「王の住居ツアー」という名前です。私たちも、このガイド・ツアーを予約しました。英語でも、ほぼ毎日1回、午前中に催行なので、イチゲンの観光客でも使い勝手がよいツアーです。

Bベルサイユガイドツアー私室見学2019
( 各種ガイド・ツアーの案内表示のサイト )

ガイドツアーには、他に、「王太子の住まい見学」、「トリアノンと王妃の小劇場見学」など数種類がありますが、ほとんどフランス語の説明のみです。別にフランス語能力のチェックをされるわけでもないので、みんなに付いていけば大丈夫ですが、メインの訪問個所の予習くらいはした方が、もっと楽しめると思います。

また、ほとんどのガイドツアーは、催行日時が月1~4回なので、かなり運が良くないと、これらのツアーに当たりません。けれども、ベルばらファンにとっては、「王妃の小劇場内部見学」なんていうのは、きっと垂涎の的です。是非、狙いを定めて、奥の深すぎるくらいのベルサイユ体験をなさるよう祈っています。「いいなあ」

ガイドツアーの追加料金は、2019年7月現在、大人子供共通で1人10ユーロです。これに、ベルサイユ宮殿に入場できる単発券やパスポートを買い足すことが必要です。私たちは、噴水のある日のパスポート27ユーロ+このガイド・ツアー予約料金10ユーロの合計37ユーロ/人=約4700円相当を支払いました。

切符は、スマホへ画像登録もできますが、読み込み失敗の不安もあったので、以下のようにプリントして持参しました。

始めがパスポート入場券です。日付指定ですが時間指定なしの切符で事足ります。フランス語なのでパスポートの綴りが「PASS"E"PORT」です。

Bベルサイユ1日パスポート時間指定なし
( 噴水のある日のパスポート入場券のオンライン切符27ユーロ/人 )

つづいて、ガイドツアー予約券。英語=Anglaisで、午前9時30分集合、と明記してあります。また、受付場所も宮殿正門付近の拡大図上に指示されています。AゲートでもBゲートでもない場所に、最初は行きます。

Bベルサイユ王様の私室英語ガイドツアー時間指定e-ticket
( 「王の住居のガイド・ツアー」のオンライン切符 )

これらの切符はすべて、記名本人のみ有効、キャンセル、遅刻時の払い戻し一切不可です。また、この条件以外の入場券はありません。慎重に精査のうえ果敢に決断して、一気に予約購入しましょう。


4  ガイドツアーと、団体のツアーとは別物

3で紹介した「ガイド・ツアー:Guided Tour、(フランス語はVisite Guidee )」と、ひんぱんに旅行記や宣伝に出てくる「ガイド付きベルサイユ入場」は、まったく別物です。

ガイド付きベルサイユ入場や、待たずに入れるベルサイユ半日ツアー、などは、いわゆる団体入場のことです。個人ベースに置き換えると、2の時間指定入場に相当します。別人の体験談を読んで、「こりゃ、自分たちで手配してベルサイユへスムーズに入るのは難しいな」と思った方々が、現地のオプショナル・ツアーに申し込むと、このタイプになります。たいてい、パリ都心部よりの往復バス代込みのようですが、ベルサイユ駅近辺の旅行代理店の前で集合、解散のツアーもあるようです。団体入場券のバラ売りみたいなやり方です。

Bベルサイユの様々なツアー2019
( ベルサイユのオプショナルツアーは多種多様 )

団体扱いで行くと、ベルサイユ宮殿への入場口は「B」ゲートになります。宣伝では、「待たずに」入れるようなイメージですが、混雑してくると、いくつもの団体がかち合うので、実際は20分から1時間程度、待つこともあるようです。

料金は高いですが、指示どおりに動いていれば、いつの間にかベルサイユ宮殿に入れるというメリットは大きいです。団体旅行の長短を考えながらベルサイユへのアプローチを選びましょう。


5 金さえ払えばベルサイユの栄光は思いのまま

ベルサイユ宮殿は、お金さえ積めば、多種多様な見学や体験ができます。

夏の週末の定番となった、夜の噴水と音楽ショー約50ユーロ/人、王朝風衣裳で集う宮殿のダンスパーティー約70~300ユーロ/人、宮殿オペラ劇場でのクラシックコンサート約200ユーロ/人、などは一般公募、先着予約順なので、私もチャンスを見つけて行きたいくらいです。ダンスパーティーは、衣装レンタル代が別なので、ものすごく高くつきそうですが、ベルばらムード120%であることは、ほぼ確実です。

それらに加えて、宮殿当局と交渉して各種見学やディナーパーティーを行なうこともできます。

個別見学申し込みは、1グループ20人までで、1000ユーロが標準ですから、ちょっと小金持ち、セレブ気分で申し込める料金なんだと私は感じました。

B専属ガイドによるグループ見学コース例
( 個別交渉で行なう見学、貸切サービスの案内 )

かのカルロス・ゴーン氏も、これらのサービスの延長線上で、豪華な誕生日ディナー(2014年3月)や、結婚披露宴(2016年10月)を開催したのだと思います。

皆さまも、是非、楽しんで体験談を披露してほしいと切にお願いします。

B貸切部屋の例
( ディナーパーティー案内や料金のページ )

日本の大手旅行会社も、たまに、ベルサイユの貸切制度を利用して、セレブなツアーを募集しているようです。お得意様を誘った段階で早々に売り切れてしまい、なかなか一般に販売されないのかも知れません。ファッション業界などの方も、一般人より、ベルサイユでの貸切カクテルパーティなどに参加される機会が多いようです。

私が思うに、ベルサイユは、歴史のうんちくを長々と傾ける場所ではなく、王朝ムードを気軽に、あるいは金をかけて楽しむ場所です。思いっきり放蕩して、王侯貴族の絶頂感を体験し、たまに破滅することもあるのだと感じるのも悪くないと思います。


2019年7月記                      了

ベルサイユのルイ14世陛下一歩前へ

ベルサイユのルイ14世陛下一歩前へ        2019年4月訪問

1 あわてる観光客

ベルサイユへ電車で来る観光客は、駅から歩いて宮殿前のアルム広場を目指します。

「あっ、ベルサイユが見えたあ!」
宮殿が視野に入ってくるパリ大通り:Avenue de Paris に到達すると、俄然、気持ちが高ぶります。

周りにも、自分たちと同じような観光客が宮殿を目指して歩いています。先を越されるのもしゃくだと、少し焦ります。

Versailles101Aアルム広場の先に見えてきた宮殿
( ベルサイユ宮殿正面遠望 )

並木が途切れると、眼前にベルサイユ宮殿の威容が横幅いっぱいに広がります。
「うおー!。着いたあ」
「わあ、人がいっぱい。急がなくちゃ・・・・・・」

Versailles101Bベルサイユ全景
( 宮殿前のアルム広場手前よりベルサイユ宮殿全景 )

2  ベルサイユ遠景写真を撮ろう

しかし、ここが我慢のしどころです。

ベルサイユ宮殿が横一面に広がっている光景は、アルム広場:Place d'Armes の手前だけでしか見られません。

ルイ14世騎馬像といっしょに宮殿全景が見られるのも、アルム広場の手前の道からだけです。

気持ちを落ち着けて、ルイ14世像といっしょにベルサイユ全景を撮影しておきました。ベルサイユは、あまりにも大きいので、全景を拝むには、これくらい離れなければなりません。金ピカのゲート付近まできて、しまった、と思っても後の祭り。広場もでかいので、わざわざ写真撮るために、もときた道を引き返すことは、おおいにためらわれます。

ちなみに、観光バスで来ると、金ピカの門の近くで降りるので、ルイ14世騎馬像を通り過ぎた位置が、ベルサイユの最初の一歩の場所となります。ガイドさんの事前説明でもない限り、そもそもルイ14世騎馬像があることに気が付きません。写真でつづるベルサイユ観光物語の始まり方からして異なってしまいます。

「王様の出迎えなしで、宮殿に入るわけですね」
「そこまで、悪しざまに言うつもりは全くありません。ベルサイユ観光は、そんなことでは影響を受けません」
「それじゃ、帰りに全景を撮ろうっと」
「いやいや、疲れていて、なかなか振り返って宮殿全景を写そうとなんて気にならないんですよ」

いろいろなブログのベルサイユ全景写真をご覧ください。遠目から写したシーンは少ないはずです。

多数派の全景写真は、次の構図のはずです。白いテントで簡単なセキュリティ・チェックを受けたあとに撮影したシーンです。
Versailles103D内陣混雑0428
( よくあるベルサイユ宮殿全景。悪くはないのですが )


3  前進するルイ14世陛下

ベルサイユ宮殿の真正面には、ルイ14世の騎馬像があり、私たち観光客を睥睨(へいげい)しています、というか、出迎えてくれます。ベルサイユの歴史を知っていると、なかなか考えた配置だなと感心します。

Versailles102ルイ14世騎馬像とセキュリティ
( ルイ14世騎馬像。後方の白いテントが簡易セキュリティ・チェック )

そして、気が急いているので、みんな、この銅像(ブロンズ像)には目もくれずにセキュリティ・チェックを目指して通り過ぎていきます。写真のとおり、ルイ14世陛下は、かなり不人気です。

「朕は国家なり!」
「あっ、そう。混んでいそうなので急ぐから、あとでね」、という感じでした。

ルイ14世の銅像を背後から見やる位置まで歩いてきたところです。左右対称の建物と大きな並木の美しい街並みが広がっています。
Versailles103Cパリ通振返り0428
( ベルサイユ市街を見つめるルイ14世騎馬像 )

ところが、この銅像、30年ほどの間に前進していました。何か違うぞと感じていたのですが、古い写真を見て確認できました。
Versailles102a東を見るルイ14世像のケツ199007
( 1990年7月のルイ14世騎馬像。金のゲートの内側にあった )

ルイ14世は、いつの間にか外側の金ピカの門を出て、アルム広場の市街地寄りまで前進していました。
ちょっとしたオカルトです。

次の新旧2枚の宮殿正面の近接写真でも、ルイ14世像の位置が変わったことが分かります。

Versailles103宮殿正面と長蛇の列
Versailles103E正面全景むかし199007
( 新旧のベルサイユ宮殿近くの正面風景。上2019年と下1990年 )

どうして、銅像が門の外に出たのか分かりません。門の外ですと、夜も自由にアプローチできるので、いたずらされる心配だってあると思うのですが、当局の思惑は知る由もありません。


2019年7月記                          了